相続税の計算において、建物の評価額は重要な要素の一つです。
不動産の種類や所在地、利用状況によってその評価方法が異なるため、正確に理解することが求められます。
そこで、建物の相続税評価額について気になる方も多いのではないでしょうか?
本記事で、建物の相続税評価額について以下の点を中心にご紹介します!
- 相続した不動産の評価方法
- 相続税の対策方法
- 相続した不動産にかかる相続税とは
建物の相続税評価額について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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不動産にかかる相続税

相続税は、被相続人の財産総額が基礎控除額を超える場合に課されます。
不動産の評価額が課税対象に含まれるため、土地や建物の正確な評価が重要です。
基礎控除額の計算
- 計算式:3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
- 例:法定相続人が配偶者と子供2人(合計3人)の場合、基礎控除額は4,800万円
相続税
- 相続財産総額を算出(不動産や預貯金などを含む)
- 基礎控除額を引いた課税対象額を算出
- 課税対象額に累進税率(10%~55%)を適用して相続税額を算出
申告と納税は相続開始から10か月以内に行う必要があり、延滞するとペナルティが科されるため注意が必要です。
登録免許税
登録免許税は、不動産を相続した際に名義変更(相続登記)を行うために必要な税金です。
この税金は、土地や建物ごとに固定資産税評価額を基に計算されます。
税額の計算
- 計算式:固定資産税評価額 × 0.4%
- 例:固定資産税評価額が5,000万円の不動産の場合、登録免許税は20万円
相続登記の重要性
相続登記は2024年から義務化され、未登記の場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
さらに、相続登記を怠ると、将来の売却や貸出が難しくなる場合があるため、速やかな手続きが推奨されます。
相続した不動産の評価方法

相続した不動産の評価は、相続税の計算や遺産分割において重要な役割を果たします。
適切な評価方法を用いることで、正確な課税額の算出や節税対策が可能です。
以下に、不動産の評価方法について解説します。
1. 土地の評価
土地の評価は、国税庁が定める方法に基づいて行われます。
主に以下の2つの方式があります。
路線価方式
国税庁が毎年発表する路線価を基準に評価します。
路線価は、道路ごとに設定された1㎡あたりの価値を示しており、多くの都市部で用いられる方法です。
倍率方式
路線価が設定されていない地域では、固定資産税評価額に一定の倍率を掛けて算出します。この倍率は国税庁が地域ごとに定めています。
2. 建物の評価
建物の評価は、通常、固定資産税評価額を基準に行われます。
この評価額は、地方自治体が算定する固定資産税の課税標準額であり、建物の相続税評価額として使用されます。
3. 評価額の減額
土地や建物の形状や利用状況に応じて、評価額の減額が可能です。
不整形地やがけ地
形状が特殊で利用価値が低い場合、評価額が減額されることがあります。
借地権や貸家建付地
賃貸物件の場合、借地権や借家権の影響で自由な利用が制限されるため、評価額が低くなります。
4. 小規模宅地等の特例
被相続人が住居として使用していた宅地や事業用宅地など、一定の条件を満たす場合に、評価額を大幅に減額する特例が適用されます。
最大で80%の評価減が可能で、相続税の負担を大幅に軽減できます。
5. 専門家への相談
不動産の評価は複雑で、税務署や専門家に相談することで、適切な評価と申告を行うことができます。
誤った評価を行うと、相続税の過剰負担やペナルティのリスクがあるため、注意が必要です。
これらの方法を活用し、適切に不動産を評価することで、スムーズな相続手続きが進められます。
相続税対策について

相続税対策は、相続発生時の税負担を軽減するために、生前から計画的に取り組むことが重要です。
対策を怠ると、相続人に多額の税負担が生じるだけでなく、財産分割におけるトラブルの原因となる可能性があります。
以下では、相続税対策の具体的なポイントについて解説します。
相続税対策のポイント
1. 早めの生前贈与の活用
- 暦年贈与:年間110万円まで非課税となる暦年贈与を利用し、計画的に財産を分散する
- 非課税贈与:教育資金や結婚・子育て資金の一括贈与などの特例を活用し、非課税枠を最大限に利用する
2. 生命保険の非課税枠の利用
- 生命保険金の非課税枠(500万円 × 法定相続人の数)を活用することで、納税資金を確保しながら相続税負担を軽減
3. 不動産の有効活用
- 更地や空き家を賃貸物件に変更することで、評価額を引き下げる
- 小規模宅地等の特例を利用し、宅地の評価額を最大80%減額する
4. 居住用不動産の贈与
- 配偶者控除を利用し、配偶者に居住用不動産を贈与することで、贈与税の負担を減らしながら財産を移転
5. 養子縁組による基礎控除の引き上げ
- 法定相続人の数を増やすことで、基礎控除額を引き上げる
- ただし、税務上認められる養子の人数制限(実子がいる場合は1人、いない場合は2人)に注意
6. 相続時精算課税制度の利用
- 累計で2,500万円まで非課税で贈与が可能なこの制度を活用し、大きな財産移転を計画的に進める
7. 専門家への相談
- 税理士や弁護士、不動産鑑定士などの専門家に相談し、最新の税制に基づいた最適な対策を講じる
相続時の不動産価値について

相続時における不動産の価値は、相続税の申告や遺産分割協議に大きな影響を及ぼします。
しかし、不動産の評価額は、算出方法や使用目的によって異なるため、注意が必要です。
1. 相続税申告時の不動産価値
相続税の申告において、不動産の評価額は税務上の基準に基づいて計算されます。
この評価額は市場価格(実勢価格)よりも低くなる傾向があります。
主に以下の方法が用いられます。
土地の評価方法
- 路線価方式:路線価地域では、路線価を基に評価します。
- 倍率方式:路線価がない地域では、固定資産税評価額に一定の倍率を掛けて評価します。
建物の評価方法
固定資産税評価額を使用します。
相続税評価額は、実勢価格の約8割程度で算出されるのが一般的です。
2. 遺産分割協議における不動産価値
遺産分割協議では、不動産の評価額について相続人間で合意する必要があります。
この際、以下の評価基準が考えられます。
- 相続税評価額:市場価格より低い値がつくため、不動産を取得する相続人に有利となることが多いです。
- 実勢価格:不動産を売却した場合の市場価格を基に評価。公平性を重視する場合に用いられます。
評価基準が異なると遺産分割の結果が変わるため、相続人間での調整が重要です。
3. 家庭裁判所の判断基準
相続人間で不動産価値について合意が得られない場合、家庭裁判所での調停や審判に進むことがあります。
この場合、家庭裁判所では遺産分割時点の実勢価格を基準に判断されることが多いです。
不動産鑑定士の鑑定書や不動産業者による査定書が価値算定の資料として用いられます。
4. 争いを避けるためのポイント
不動産価値を巡る争いを避けるには、以下の対策が有効です。
- 相続税評価額を基準に分割を検討:公平性が確保しやすく、相続人間で合意しやすい方法です。
- 専門家の助言を活用:税理士や不動産鑑定士に相談することで、適正な評価額を算出し、トラブルを防止できます。
相続時の不動産価値は、状況や目的によって大きく異なるため、慎重に判断することが重要です。
相続評価は3年以内

相続税法では、「3年以内ルール」と呼ばれる規定があり、被相続人が亡くなる前の3年以内に行われた生前贈与が、相続財産として評価される仕組みがあります。
このルールにより、相続直前の贈与による節税が制限されることになります。
1. 3年以内ルールの適用範囲
- 対象者:被相続人から生前贈与を受けた相続人が対象です。
- 対象財産:不動産、現金、株式など、被相続人から贈与された財産全般が含まれます。
- 加算の内容:3年以内に受け取った贈与財産は、相続税の課税対象となる相続財産に加算されます。
2. 贈与税と相続税の関係
生前贈与により支払った贈与税がある場合、相続税額からその金額が控除されます。
ただし、控除額を超える相続税が課される場合があるため、計画的な資産移転が求められます。
3. 例外となるケース
- 相続人以外への贈与:孫や子供の配偶者など、相続人以外の者への贈与は3年以内ルールの対象外です。
- 特定の非課税贈与:教育資金の一括贈与や結婚・子育て資金の贈与など、一定の条件を満たす非課税贈与は、このルールの適用を受けません。
4. 注意点と対策
- 早めの生前贈与:3年以内に行った贈与は相続財産に加算されるため、余裕をもって計画的に贈与を行うことが重要です。
- 専門家への相談:贈与税と相続税の税率や控除額の違いを考慮し、最適な資産移転方法を検討するため、税理士などの専門家に相談することが推奨されます。
3年以内ルールは、相続税対策を考える上で避けて通れない重要なポイントです。
相続税の負担を最小限に抑えるためには、早い段階からの計画的な対応が求められます。
建物の評価にかかる相続税について

相続税の計算では、相続財産の一部として建物の評価額を算出する必要があります。
建物の評価方法は利用状況や形態によって異なり、それに基づいて相続税の課税額が決定されます。
以下に、主な評価方法と相続税計算のポイントを解説します。
1. 建物の評価方法
建物の評価額は、原則として固定資産税評価額を基準に算出されます。
固定資産税評価額は、市町村が算定し、毎年送付される「固定資産税課税明細書」に記載されています。
被相続人が居住していた建物
固定資産税評価額そのままが評価額となります。
計算式:固定資産税評価額 × 1.0
賃貸アパートなどの賃貸物件
賃貸部分に借家権割合を考慮して評価額を算出します。
計算式:固定資産税評価額 × (1 − 借家権割合 × 賃貸割合)
※借家権割合は通常30%です。
第三者に貸している建物
借家権割合を考慮した評価額になります。
計算式:固定資産税評価額 × (1 − 借家権割合)
増改築した建物
増改築費用の70%を加算して評価額を算出します。
計算式:固定資産税評価額 +(増改築費用 − 償却費)× 70%
建築中の建物
建築にかかった費用の70%が評価額となります。
2. 相続税の課税額計算
建物の評価額を基に、相続税の基礎控除額を超える場合に課税対象となります。
相続税の計算では以下のステップを踏みます。
- 相続財産全体の合計額を算出:建物の評価額を含めた相続財産の総額を計算します。
- 基礎控除額を適用:基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を差し引きます。
- 課税遺産総額に税率を適用:課税対象額に累進税率(10%~55%)を適用し、相続税を計算します。
3. 節税のポイント
- 賃貸物件の活用:借家権割合を考慮することで評価額を下げられる可能性があります。
- 増改築費用の適正申告:増改築の評価額を正しく計算し、適切な申告を行うことで税負担を最適化できます。
- 専門家の相談:固定資産税評価額や建物の利用状況に基づき、相続税の負担を軽減するためには税理士など専門家への相談が有効です。
建物の評価額は、相続税額に大きな影響を与えるため、正確に評価を行い、適切な相続税申告を行うことが重要です。
建物評価の相続税に関するよくある質問

家屋の相続税評価額の調べ方は?
家屋の相続税評価額を正確に把握することは、適切な相続税の計算に欠かせません。
評価額の算出には、市町村が公表する固定資産税評価額が基準として用いられます。
以下に具体的な調べ方を解説します。
1. 固定資産税評価額を確認
家屋の評価額は、固定資産税評価額を基に算出されます。
この評価額は、市町村が毎年送付する「固定資産税納税通知書」に記載されています。
- 確認する場所:通知書内の「課税明細書」に家屋ごとの評価額が明記されています。
2. 評価額の計算方法
家屋が自用の場合:
評価額 = 固定資産税評価額 × 1.0
- 例:固定資産税評価額が1,500万円の場合、相続税評価額も1,500万円となります。
家屋が貸家の場合:
評価額 = 固定資産税評価額 × 0.7
- ※賃貸物件としての利用に伴う制約が考慮され、70%に減額されます。
例:固定資産税評価額が1,500万円の貸家の場合、評価額は1,050万円となります。
3. 貸家の場合の注意点
借家人が居住している場合、その家屋は賃貸物件として評価されます。
賃貸契約がなく、自用として使用されている場合は減額の対象にはなりません。
4. 固定資産税課税明細書が手元にない場合
固定資産税課税明細書を紛失した場合は、市町村役場で「固定資産評価証明書」を取得することで確認できます。
- 必要な書類:本人確認書類、相続関係を証明する書類(戸籍謄本など)
- 発行手数料:数百円程度(自治体によって異なる)
5. 専門家への相談を検討
家屋の評価額を計算する際に複雑なケースや不明点がある場合は、税理士や不動産鑑定士などの専門家に相談することをおすすめします。
特に賃貸物件や特殊な利用状況の家屋の場合、正確な評価が必要となるため、専門的な知識が役立ちます。
家屋の相続税評価額を正確に算出することで、過不足のない相続税申告を行うことが可能です。
適切な手続きと正確な計算を心掛けましょう。
建物の相続税評価額の計算方法は?
建物の相続税評価額は、固定資産税評価額を基に算出されます。
評価額は建物の使用形態や状況によって異なるため、以下の方法に従って計算します。
1. 居住用家屋の場合
被相続人が居住していた建物については、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額となります。
計算式:
相続税評価額 = 固定資産税評価額 × 1.0
例:固定資産税評価額が2,000万円の場合、相続税評価額はそのまま2,000万円
2. 賃貸家屋の場合
第三者に貸し出されている建物(賃貸物件)は、賃貸による利用制限を考慮して、固定資産税評価額が減額されます。
計算式:
相続税評価額 = 固定資産税評価額 × (1 − 借家権割合)
借家権割合は通常30%とされています。
例:固定資産税評価額が2,000万円、借家権割合が30%の場合
相続税評価額 = 2,000万円 × (1 − 0.3) = 1,400万円
3. 親族に無償で貸与している場合
親族に無償で貸している場合は、賃貸物件として認められず、減額の対象外となります。
この場合、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額となります。
4. 固定資産税評価額の確認方法
固定資産税評価額は、市町村が発行する「固定資産税課税明細書」または「固定資産評価証明書」で確認できます。
固定資産税課税明細書は毎年送付されます。
紛失した場合、市町村役場で証明書を発行してもらえます(手数料が必要)。
注意点
建物が未完成(建築中)の場合、その建築費用の70%が評価額として扱われることがあります。
特殊な利用形態や不明点がある場合は、税理士や不動産鑑定士に相談し、正確な評価を行うことが推奨されます。
これらの方法を適用し、正確な建物の相続税評価額を算出することで、適切な相続税申告が可能となります。
家の資産価値を調べる方法は?
家の資産価値を正確に把握することは、売却や相続の際に重要です。
資産価値の評価には複数の方法があり、これらを組み合わせて利用することで、正確な結果を得ることが可能です。
以下に、家の資産価値を調べる主な方法を解説します。
1. 固定資産税納税通知書で確認
毎年4~5月頃に市町村から送付される「固定資産税納税通知書」を確認します。
この通知書には、家の固定資産税評価額が記載されています。
固定資産税評価額は、市場価格の約70%を目安とした評価額です。
売却価格の目安:固定資産税評価額 ÷ 0.7
例:評価額が1,400万円の場合、市場価格の目安は2,000万円となります。
2. 固定資産評価証明書を取得
固定資産税評価額が記載された「固定資産評価証明書」を市区町村の役場で取得する方法です。
- 取得方法:本人確認書類を持参し、市町村役場やコンビニ(マイナンバーカードが必要)で手続き
- 手数料:数百円程度(自治体によって異なる)
3. 国土交通省の不動産情報ライブラリを活用
国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」で、近隣の不動産取引価格を確認します。
地図上で対象地域を選択し、近隣の取引価格情報を閲覧できます。
取引実績に基づいた価格が確認できるため、現時点での市場動向を把握するのに役立ちます。
4. 不動産の一括査定サイトを利用
不動産一括査定サイトを利用することで、複数の不動産会社から売却価格の査定を受けることができます。
メリット:
- 無料で利用可能
- 各社の査定結果を比較できる
- 現在の市場価格に近い査定額を把握可能
注意点:
査定額には不動産会社の戦略や条件が反映されるため、複数の結果を比較することが重要です。
注意点と専門家の活用
これらの方法を単独で使用するだけでなく、組み合わせて利用することで、より正確な資産価値を算出できます。
また、不動産会社や専門家に相談することで、市場動向を把握しながら適切な判断を行うことができます。
家の資産価値を知ることで、売却や相続などの手続きをスムーズに進めることが可能です。
計画的に情報を収集し、最適な判断を行いましょう。
建物の相続税評価額についてのまとめ

ここまで建物の相続税評価額についてお伝えしてきました。
建物の相続税評価額の要点をまとめると以下の通りです。
-
土地の評価から行い建物の評価などを順番に行っていく
- 相続税対策は、相続発生時の税負担を軽減するために、生前から計画的に取り組むことが重要である。早めの生前贈与の活用や生命保険の非課税枠の利用をうまくしていく。
- 相続税や登録免許税がかかる。相続登記が義務化されたため、期限内に手続きを行わないとペナルティが課せられることがある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。