相続によって不動産を取得した場合、相続税が発生することがあります。
しかし、「不動産の相続税はどのくらいかかるの?」「どのようなケースで相続税が課税されるの?」といった疑問を抱く方も多いでしょう。
この記事では、不動産の相続税が課税されるケースや、その計算方法、そして相続税を軽減するための控除・特例についてわかりやすく解説します。
- 相続税とは
- 相続税が課税されるケースとは?
- 不動産の相続税対策に使える控除・特例
不動産の相続税はどのくらいかかるのかについてご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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相続税とは?

相続税とは、遺産を相続した際に相続人が支払う税金です。
相続税は、相続人が受け取る財産の額に応じて税率が異なり、財産の評価や債務の差し引きなどを行ったうえで、課税対象となる遺産総額を計算します。
基礎控除額として、3000万円に法定相続人1人につき600万円を加えた金額が非課税となります。
納税期限は相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。財産の把握や贈与の活用による負担軽減策も重要です。
相続が発生した際に必ず気になるのが、相続税の申告と納税の義務です。 特に、相続税の申告がどのような条件で必要になるのか、具体的にいくらから申告が必要なのかについては、多くの方が疑問を抱くポイントです。 本記事では、相続税はいくら[…]
相続税が課税されるケースとは

相続税が課税されるケースは、遺産総額が基礎控除額を超える場合です。
基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。
たとえば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円になります。
遺産総額がこの額を超えた場合に、超過部分に対して相続税が課されます。
具体的には、不動産や預貯金、株式などが遺産に含まれますが、特定の控除や非課税枠もあります。
なお、相続税の申告は、被相続人が亡くなった翌日から10ヶ月以内に行う必要があり、早めの準備が重要です。
相続税の申告・納税の期限
相続税の申告・納税の期限は、被相続人が亡くなった翌日から10ヶ月以内です。
この期間内に相続税の申告を税務署へ行い、納税もしなければなりません。
期限を過ぎると延滞税や加算税が課される可能性があるため、早めの対応が重要です。
相続財産の評価や、各種控除を正確に適用するためには、専門家のアドバイスを受けることも有効です。
現金での納税が困難な場合は、延納や物納という選択肢もあります。
延納は分割での支払い、物納は不動産や有価証券での納税を認める制度です。
どちらも要件がありますので、期限までに対応が難しい場合は、早めに税務署へ相談することが推奨されます。
土地の相続税評価額の計算方法

相続が発生し、不動産を相続した場合、その評価額を正確に把握することは、相続税の申告・納付において非常に重要です。
特に、土地の評価額は、相続税額に大きく影響するため、正確な計算方法を理解しておく必要があります。
この記事では、土地の相続税評価額の計算方法について、分かりやすく解説します。
更地の評価方法
更地の評価方法は、国税庁が定める「路線価方式」または「倍率方式」によって行われます。
多くの場合、市街地にある土地は路線価方式が適用され、土地が接している道路に設定された路線価に基づいて評価します。
路線価は1平方メートルあたりの金額として表示され、それに土地の面積を掛け合わせた金額が、更地の評価額となります。
一方、市街化区域外や特定地域では倍率方式が用いられます。
この方式では、固定資産税評価額に国税庁が定めた倍率を掛けて評価します。
更地は、建物がないため土地の評価額が高くなる傾向があります。
そのため、税金負担を軽減するために、早めの対策や適切な土地の利用が推奨されます。
路線価方式
路線価方式は、相続税や贈与税を算定する際に使用される土地の評価方法です。
この方式では、土地が接している道路に国税庁が定めた「路線価」を基準として評価を行います。
路線価は1平方メートルあたりの価格が設定されており、土地の面積に路線価を掛け合わせることで評価額が算出されます。
特に市街地に多く適用され、土地の形状や利用状況によっては、補正率を加味して評価額が調整される場合もあります。
路線価は毎年更新され、その年の地価変動を反映するため、土地の相続や譲渡時には最新の路線価を確認することが重要です。
この方式は、不動産取引においてもよく用いられ、評価の基準として信頼性が高いとされています。
倍率方式
倍率方式は、主に市街化調整区域や地方の土地の相続税評価に使われる方法です。
この方式では、固定資産税評価額に国税庁が定めた倍率を掛けて土地の評価額を算出します。
倍率は地域ごとに異なり、固定資産税評価額に対して数倍に設定されることが一般的です。路線価が設定されていない地域で適用され、簡便な計算で評価額を求められるのが特徴です。
市街地に適用される路線価方式とは異なり、土地の個別の特性や道路の位置に左右されにくい点が特徴です。
土地の評価額がこの方法で決まるため、相続や贈与時には最新の倍率を確認し、正確な評価を行うことが重要です。
土地評価額は、相続税の計算や財産の分配に直接影響を与えます。 しかし、土地の評価は、その位置、面積、用途、市場価格など、多くの要素を考慮する必要があります。 本記事では、相続における土地の評価額について以下の点を中心にご紹介します![…]
相続した建物を評価するため

相続によって不動産を取得した場合、その評価額を正確に把握することは、相続税の申告・納付において非常に重要です。
特に、建物は土地と異なり、経年劣化や建物の種類によって評価方法が異なるため、正確な評価額を算出するには専門的な知識が必要です。
この記事では、相続した建物の評価方法について解説します。
固定資産税評価額を確認する
固定資産税評価額を確認するためには、市区町村が発行する「固定資産税納税通知書」を見るのが一般的です。
この通知書には、土地や建物ごとの評価額が記載されています。
相続や贈与の際に土地や建物の評価額を把握するために重要な資料となります。
また、納税通知書を紛失した場合は、市区町村の役所や税務課で「固定資産評価証明書」を発行してもらうことが可能です。
固定資産税評価額は、相続税や贈与税の評価に加え、不動産の売買においても重要な基準となります。
なお、固定資産税評価額は3年ごとに見直されるため、最新の情報を確認しておくことが大切です。
正確な財産評価を行うためにも、早めに確認を行うことが推奨されます。
賃貸されているかどうか確認する
不動産が賃貸されているかどうかを確認するには、いくつかの方法があります。
まず、物件の管理会社や賃貸契約を結んでいる不動産業者に問い合わせることが有効です。賃貸契約書や管理契約書には、賃貸状況や契約内容が詳細に記載されているため、これらの書類を確認することで、賃貸状態を把握できます。
また、賃貸中の物件では、賃貸契約が終了しているかどうかを確認するために、テナントからの賃料の入金状況や契約更新の有無も確認ポイントです。
さらに、所有者が変わる場合には、過去の賃貸履歴や賃料の支払い状況なども確認し、相続税の評価に影響がある場合は適切に対応する必要があります。
不動産が賃貸されているかどうかは、相続税評価の際にも影響を与えるため、正確な情報収集が重要です。
不動産の相続税対策に使える控除・特例

相続によって不動産を取得した場合、相続税が発生することがあります。
しかし、相続税対策を適切に行うことで、納める税金を軽減できる可能性があります。
ここでは、不動産の相続税対策に使える控除や特例について解説します。
配偶者の税額軽減
配偶者の税額軽減は、相続税の負担を軽減するための重要な制度です。
配偶者に対しては、相続税法により特別な控除が適用されます。
この控除では、配偶者が相続した財産に対して、相続税が発生しないか、かなりの軽減が図られます。
具体的には、配偶者が相続する財産のうち、法定相続分または1億6,000万円までの額については、相続税が免除されます。
これにより、配偶者が生計を維持しやすくする目的があります。
また、配偶者の税額軽減を適用するためには、相続税の申告時に必要な書類を整え、正確な申告を行う必要があります。
適用対象となるのは、配偶者が法定相続人である場合で、相続開始時点での婚姻関係が維持されていることが前提です。
この制度をうまく活用することで、相続税の大幅な軽減が可能となり、遺族の生活を安定させる一助となります。
未成年者控除
「未成年者控除」とは、相続税の負担を軽減する制度の一つで、相続人が未成年の場合に適用されます。
未成年者が経済的自立が難しいことを考慮し、養育費や生活費を賄うために相続税が控除される仕組みです。
控除額は、相続開始時に20歳未満である相続人の年齢に応じて計算され、1年につき10万円が控除されます。
例えば、15歳で相続が発生した場合、20歳までの5年分として50万円が控除されます。
この制度は、未成年者が親や保護者を失った後の生活を支援する目的で設けられており、経済的な負担を軽減し、生活の安定を図る役割を果たします。
障害者控除
「障害者控除」とは、相続人が障害者である場合に適用される相続税の軽減措置です。
この控除は、障害者が生活の中で追加の支援や費用が必要なことを考慮し、相続税負担を軽減するために設けられています。
具体的には、相続人が85歳になるまでの年数に応じ、1年あたり10万円が控除されます。
特別障害者の場合は、1年あたり20万円が控除されます。
例えば、50歳の障害者が相続人である場合、85歳までの35年間分として350万円(特別障害者なら700万円)が控除されます。
この制度は、障害者の生活支援を目的としており、相続税の負担を軽減することで、障害者がより安定した生活を送るための助けとなっています。
相次相続控除
「相次相続控除」とは、短期間で相続が複数回発生した場合に、相続税の負担を軽減するための制度です。
例えば、親から子、さらにその子が亡くなり孫へと短期間で相続が続く場合、相続ごとに税負担が重くなります。
そこで、この控除では、最初の相続から10年以内に次の相続が発生した際、前回の相続税の一部が差し引かれる仕組みになっています。
控除額は、前回支払った相続税に基づいて計算され、相続発生からの経過年数によって変動します。
この制度は、相続が続くことで生じる過度な税負担を軽減し、家族の資産継承を円滑に行うための措置です。
相続税の計算において、基礎控除は不動産を含む財産の評価額から差し引かれる重要な要素です。 この記事では、不動産に適用される基礎控除の概念を解明し、その計算方法と相続税への影響を詳細に説明します。 基礎控除を理解し、適切に活用することで、[…]
相続した不動産の活用方法について

相続手続きや今後の不動産の活用方法など、様々なことを考えるのではないでしょうか。
この記事では、相続した不動産をどのように活用していくかについて解説します。
相続した人が住み続ける
相続で不動産を取得した場合、その不動産に住み続けることで適用される「小規模宅地等の特例」があります。
この特例は、被相続人が住んでいた宅地を相続し、その後も相続人が引き続き居住する場合、相続税の課税対象となる土地の評価額が大幅に減額される制度です。
具体的には、最大で330平方メートルまでの部分が80%減額されます。
この制度の目的は、家族が住み慣れた家を維持しやすくするため、相続税負担を軽減することにあります。
ただし、特例を受けるためには、相続開始から一定期間内に住み続ける必要があり、転売や賃貸を行った場合は適用されません。
賃貸や駐車場などに活用して収益化する
相続した不動産を賃貸物件や駐車場として活用し、収益化する方法があります。
この方法は、不動産をただ保有するだけでなく、継続的な収益を生み出す手段として有効です。
賃貸物件として運用すれば、家賃収入が得られ、駐車場に転用すれば、比較的低コストで収益を上げられる利点があります。
また、不動産を活用して収益を得ることで、相続税の支払いに充てる資金源を確保することもできます。
ただし、賃貸や駐車場として利用する場合、固定資産税の負担や管理の手間が増える可能性があるため、事前の計画が重要です。相続した不動産の適切な活用方法を選ぶことで、資産を有効に活かすことができます。
相続税を支払えない場合の対処法

相続が発生し、いざ相続税の支払いとなると、その額の大きさに驚かれる方も少なくないでしょう。
特に、高額な不動産を相続した場合には、相続税の支払いが困難になるケースも考えられます。
以下では、相続税の支払いが困難な場合の対処法について解説します。
続税を延納する
相続税を一度に支払うのが難しい場合、「延納」という制度を活用できます。
延納は、相続税を年単位で分割払いする制度で、一定の条件を満たせば利用可能です。
主な条件は、相続税額が10万円を超えていること、一括納付が困難であること、担保の提供が可能であることなどです。
延納期間は、納税額のうち不動産が占める割合に応じて異なり、最長で20年間まで延ばせます。
ただし、延納期間中は利子税がかかり、総額が増加するため注意が必要です。
延納は、不動産を相続して一括納付が難しい場合など、相続人の経済的負担を軽減するための選択肢として有効な制度です。
相続税を物納する
相続税を現金で納めるのが難しい場合、「物納」という制度を利用できます。
物納は、相続税を不動産や有価証券などの財産で納める方法で、延納によっても納付が困難な場合に認められます。
主に国が受け入れる財産として、不動産や国債、株式などが対象となりますが、物納できる財産には一定の条件があり、土地の評価や管理状況などが厳しく審査されます。
物納を行うには、まず延納の条件を満たし、延納でも納付できないことを証明する必要があります。
物納は最終手段として、現金化が困難な資産を相続した場合に有効であり、相続人の負担軽減につながる制度です。
ただし、手続きが複雑で、申請には十分な準備が必要です。
相続した不動産を売却(現金化)して相続税を払う
相続した不動産を売却して現金化し、その資金で相続税を支払う方法があります。
不動産は価値が高いため、相続税の納付に必要な現金を一括で用意するのが難しいことが多いですが、不動産を売却することで資金を確保できます。
この方法は、相続税を納付するための現金が不足している場合や、物納や延納が難しい場合に有効です。
ただし、売却には時間がかかることがあり、相続税の納付期限に間に合わない可能性もあります。
売却の手続きや税金対策については、専門家のアドバイスを受けながら進めることが重要です。
不動産を現金化することで、相続税の支払いがスムーズに行え、財産の整理がしやすくなります。
金融機関などからお金を借りて相続税を払う
相続税を支払うために、金融機関からお金を借りるという選択肢があります。
相続した不動産や株式などの資産をすぐに現金化できない場合、必要な現金を確保するために借入れを利用することが可能です。
金融機関は相続税の支払いを目的とした専用のローン商品を提供しており、相続財産を担保に借入れを行うケースが一般的です。
この方法を選ぶことで、相続税の納付期限に間に合わないリスクを避けることができ、売却などに時間がかかる資産の処分を急ぐ必要がなくなります。
ただし、借入れには利息が発生し、返済計画を慎重に立てる必要があります。
事前に金融機関とよく相談し、負担が過大にならないよう注意が必要です。
相続放棄する
相続人は遺産だけでなく、相続債務も含めて一切の相続権を放棄します。
相続放棄の手続きは、相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があります。
この期間を過ぎると、相続放棄は認められず、相続財産や債務の責任を負うことになります。
相続放棄は、相続財産が多額の負債を抱えている場合や、相続財産の管理が困難な場合に有効です。
ただし、相続放棄をすると、その後の相続権も全て失うため、慎重に判断する必要があります。
また、相続放棄をした場合、他の相続人にその分の相続分が分配されるため、全体の遺産分配に影響を及ぼします。
相続放棄を決定する前に、専門家のアドバイスを受けることが推奨されます。
不動産の相続税はどのくらいかかるのかについてまとめ

不動産の相続税はどのくらいかかるのかについてお伝えしてきました。
不動産の相続税はどのくらいかかるのかについてまとめると以下の通りです。
- 相続税とは、遺産を相続した際に相続人が支払う税金で、相続人が受け取る財産の額に応じて税率が異なり、財産の評価や債務の差し引きなどを行ったうえで、課税対象となる遺産総額を計算する
- 相続税が課税されるケースは、遺産総額が基礎控除額を超える場合で、基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算される
- 不動産の相続税対策に使える控除・特例は、相続税の負担を軽減するための配偶者控除や経済的自立が難しいことを考慮し、養育費や生活費を賄うために相続税が控除される未成年者控除がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


