戸籍謄本は、我々の家族関係や出生、結婚、死亡などの重要な人生の節目を記録した公的な文書です。
しかし、戸籍謄本の取得には一定のルールがあり、特に兄弟間での取得には注意が必要です。
この記事では兄弟の戸籍謄本について以下の点を中心にご紹介します!
- 戸籍謄本とは
- 兄弟の戸籍謄本を取り寄せる方法
- 兄弟の戸籍謄本の取得の流れ
兄弟の戸籍謄本について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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戸籍謄本とは

戸籍謄本は、日本の公的な身分証明書としての役割を果たします。
戸籍謄本には、個人の出生から死亡に至るまでの重要なライフイベントが記録されており、特に相続手続きにおいては不可欠な書類です。
戸籍謄本は、相続人の確定や遺産分割の際に、法的な証明として用いられます。
戸籍謄本と戸籍抄本の違い
戸籍謄本と戸籍抄本は、よく混同されることがありますが、実際にはこれら二つにははっきりとした違いが存在します。
戸籍謄本は、戸籍に記載されている全ての情報を含む完全なコピーです。
一方、戸籍抄本は、特定の個人または家族のみの情報を抜粋したものです。
相続手続きにおいてどちらを使用するかは、その手続きの要件によって異なります。
相続手続きにおいて、戸籍謄本は不可欠な書類です。 戸籍謄本は、相続人の確定や遺産分割、さらには相続税申告において重要な役割を果たします。 しかし、多くの方にとって、戸籍謄本の取得や使用に関する詳細は複雑で理解しにくいものです。 こ[…]
戸籍謄本は本人のみ取得できる

戸籍謄本の取得は、原則として本人または同一戸籍の親族に限られます。
戸籍謄本の取得ができる同一戸籍の親族とは、直系の親族(父母、祖父母、曽祖父母、子、孫など)です。
傍系親族(兄弟姉妹、いとこ、叔父、叔母など)は、本人の委任がなければ戸籍謄本を取得することはできません。
戸籍謄本取得の例外と委任状の必要性
通常、兄弟姉妹などの戸籍謄本を取得するには、本人からの委任状が必要です。
ただし、正当な理由があれば、役所が委任状なしで戸籍謄本を発行することもあります。
例えば、遺産相続手続きなどで必要な場合、役所が了承すれば委任状なしでも発行されることがあります。
専門家による戸籍謄本の取得
弁護士や司法書士、行政書士などの専門家は、職務上必要と認められる場合、本人の委任状がなくても戸籍謄本を取得できます。
特に、相続関係を確定させるためには、これらの専門家が戸籍謄本を請求し、取得することが可能です。
行政書士の場合、専用の戸籍請求用紙を使用することで、本人の委任状がなくても戸籍謄本を取得できる場合があります。
戸籍謄本が必要になる手続き

戸籍謄本は、日本の法律において重要な役割を果たす公的な文書です。
特に相続手続きにおいては、故人の法定相続人を明確にするために不可欠です。
以下に、戸籍謄本が必要となる主な手続きを詳しく説明します。
遺言書の検認
目的:遺言書が法的に有効であることを確認する。
必要性:遺言書に記載された相続人が故人の正式な法定相続人であることを証明するため。
手続き:家庭裁判所で遺言書の正式な検認を受ける際に、故人の戸籍謄本が必要。
相続税の申告
目的:相続税の正確な計算と申告。
必要性:相続人の範囲と故人との関係を明確にするため。
手続き:税務署への相続税申告時に、故人の戸籍謄本を提出。
遺族年金の請求
目的:故人の遺族が年金を請求する際の身分証明。
必要性:遺族年金の受給資格を有する相続人であることを証明するため。
手続き:年金事務所に提出する際に、故人の戸籍謄本が必要。
不動産の相続登記
目的:故人名義の不動産を相続人に移転登記する。
必要性:相続人が法的に不動産を相続する権利を有していることを証明するため。
手続き:法務局での相続登記に故人の戸籍謄本を提出。
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預貯金の名義変更
目的:故人の預貯金を相続人に移す。
必要性:預貯金の相続人であることを証明するため。
手続き:銀行や金融機関に故人の戸籍謄本を提出。
相続放棄の申し立て
目的:相続を放棄する意思の正式な表明。
必要性:放棄を申し立てる者が法定相続人であることを証明するため。
手続き:家庭裁判所に相続放棄の申し立てをする際に、故人の戸籍謄本が必要。
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兄弟の戸籍謄本が必要になるケース
兄弟の戸籍謄本が必要になるのは、故人に直系の子がいない場合や、両親もすでに亡くなっている場合です。
この状況では、兄弟姉妹が法定相続人となり、故人の両親の戸籍謄本(出生から死亡まで)を通じて、相続人の範囲を明確にする必要があります。
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戸籍謄本の委任状の書き方

戸籍謄本の取得には、本人が直接市区町村役所に行くか、委任状を用いて代理人に依頼する必要があります。
戸籍謄本の委任状は、代理人が本人の意思に基づいて行動することを証明する重要な書類です。
ここでは、効果的な委任状の書き方を例を交えて説明します。
基本的なフォーマット
戸籍謄本の委任状を書く際の基本的なフォーマットは以下の通りです。
- タイトル:文書の冒頭に「委任状」と明記します。
- 代理人の情報:代理人の住所、氏名、生年月日を記入します。
- 委任の文言:「私は上記の者を代理人と定め、次の権限を委任いたします」という文言を含めます。
- 委任する項目:住民票や戸籍証明の請求など、委任する具体的な項目を記載します。
- 日付:委任状を作成した日付を記入します。
- 委任者の情報:委任者(本人)の氏名と住所を記入します。
- 押印:委任者の押印を行います。
注意点
戸籍謄本の委任状を書く際、いくつか注意点があります。
- 用紙:便箋や白紙など、特定のフォーマットは必要ありませんが、内容が明確であることが重要です。
- 代筆:委任者が病気などで書くことが困難な場合、代筆が可能な場合があります。
この場合、代筆者の情報も記載する必要があります。 - 本人確認:代理人は、本人確認ができる証明書(マイナンバーカード、運転免許証など)を持参する必要があります。
戸籍謄本の委任状の書き方例
以下は、戸籍謄本の委任状の書き方例です。
委任状
私は、以下の者を代理人と定め、戸籍謄本の請求を委任いたします。
代理人の住所:[代理人の住所]
代理人の氏名:[代理人の氏名]
代理人の生年月日:[代理人の生年月日]
委任する項目:戸籍謄本の請求
[作成日]
[委任者の氏名]
[委任者の住所]
[委任者の押印]
このように、委任状は委任者の意思を明確に示し、代理人が正当に行動するための根拠を提供する重要な書類です。
正確かつ明瞭に記載することで、手続きの進行がスムーズになります。
委任状が必要な場合とそうでない場合

戸籍謄本の取得には、場合により委任状が必要となることがあります。
しかし、特定の専門家、例えば弁護士や司法書士、行政書士などは、その職権により委任状なしで戸籍謄本を請求することが可能です。
以下では、戸籍謄本取得で委任状が必要な場合と必要ない場合について解説します。
委任状が必要な場合
戸籍謄本の取得において、委任状が必要となる主なケースは、兄弟姉妹やその他の親族の戸籍を取得する場合です。
特に、兄弟姉妹が既婚の場合、彼らは親の戸籍から離れて独立した戸籍を持つため、その戸籍を取得するには委任状が必要です。
この委任状は、兄弟姉妹から「代わりに取得して欲しい」という許可を示すものであり、これがあればスムーズに戸籍を取得できます。
また、兄弟姉妹が親族の協力を得られない場合、第三者による戸籍謄本等の請求(第三者請求)という手続きが必要になります。
この場合、正当な利用目的を証明するための資料として、被相続人の死亡記載がある戸籍(除籍謄本)、請求者の現在戸籍、請求の理由を記載した書面などが必要です。
委任状が不要な場合
一方、委任状が不要なケースは、自分自身や直系尊属(両親や祖父母など)、直系卑属(子や孫など)の戸籍を取得する場合です。
例えば、兄弟姉妹が未婚であれば、彼らは通常、親の戸籍に記載されています。
そのため、親の戸籍を取得することで、兄弟姉妹の戸籍情報も得ることができます。
また、自分が未婚であれば、自分の戸籍を取得することで、同じ戸籍に記載されている兄弟姉妹の情報も取得できます。
このように、戸籍謄本の取得においては、取得する対象との関係性やその状況(未婚か既婚かなど)によって、委任状の必要性が変わってきます。
特に兄弟姉妹が既婚の場合や、親族の協力が得られない場合には、適切な手続きを理解し、必要な書類を準備することが重要です。
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兄弟の戸籍謄本を取り寄せる方法

兄弟姉妹の戸籍謄本を取得することは、相続手続きや法的な問題に直面した際にしばしば必要となります。
しかし、戸籍謄本の取得は個人のプライバシーに関わるため、一定の条件と手続きが必要です。
ここでは兄弟の戸籍謄本を取り寄せる方法について解説します。
兄弟姉妹の戸籍謄本を無条件で取得する方法
戸籍謄本の取得は、通常、本人や直系親族に限られています。
しかし、特定の条件下では、兄弟姉妹の戸籍謄本も取得可能です。
まず、無条件で取得できるのは、自身の戸籍謄本、配偶者、直系尊属(両親や祖父母)、直系卑属(子や孫)の戸籍です。
兄弟姉妹の戸籍謄本を無条件で取得するためには、相続手続きなど正当な理由が必要となります。
相続手続きでは、相続人全員の戸籍謄本が必要になるため、この場合、兄弟姉妹の戸籍も取得できます。
親族に依頼して戸籍謄本を取得する方法
もう一つの方法は、親族に依頼して戸籍謄本を取得することです。
この場合、親族が役所に直接出向き、必要な戸籍謄本を請求する必要があります。
依頼する親族は、兄弟姉妹の戸籍謄本を取得する正当な理由を役所に説明し、必要な手続きを完了させる必要があります。
例えば、相続手続きや法的な手続きのために戸籍謄本が必要な場合、この方法が有効です。
正当な利用目的を証明して取得する方法
最後に、正当な利用目的を証明して戸籍謄本を取得する方法があります。
これは、兄弟姉妹の戸籍謄本を取得するために最も一般的な方法です。
相続手続き、法的な問題、またはその他の正当な理由がある場合、これらの目的を証明する書類を提出し、戸籍謄本の請求を行います。
この方法では、関連する法的要件や手続きを正確に理解し、適切な書類を準備することが重要です。
兄弟の戸籍謄本取得方法の流れ

兄弟の戸籍謄本を取得する際、一定の手順を踏む必要があります。
以下では、兄弟の戸籍謄本取得の流れについて解説します。
戸籍の請求先を調査
兄弟の戸籍謄本を取得する際、まず行うべきは戸籍の請求先を調べることです。
戸籍謄本の請求先は、本籍を管轄する役所になります。
本籍の情報は兄弟に直接尋ねることで入手できることが多いです。
その情報を得た後、本籍を管轄する役所を調べます。
通常、インターネットで「〇〇区(市) 戸籍」と検索することで、請求する役所が特定できます。
必要書類を準備
兄弟の戸籍謄本を請求する際には、以下の書類が必要です。
- 戸籍の請求用紙
- 顔写真付きの身分証明書(郵送の場合はコピー)
- 死亡事実がわかる書類(例:死亡が記載された戸籍)
- 自分の戸籍謄本
- 現金(郵送の場合は定額小為替)
- 返信用封筒(郵送の場合)
戸籍の請求用紙は役所のホームページからダウンロードできますし、直接役所に行って取得することも可能です。
身分証明書は運転免許証やマイナンバーカードなどが使用できます。
死亡事実がわかる書類は、相続手続きにおいて特に重要です。
戸籍の請求書を作成
請求書の作成には、請求者の情報(住所、氏名、生年月日、連絡先、認印)と取得したい戸籍の情報(本籍、氏名、生年月日、住所、続柄)が必要です。
特に重要なのは請求理由と提出先の明確な記載です。
請求理由は具体的に記述する必要があり、例えば「遺産分割協議書の作成のため、相続人を確定する必要がある」といった具体的な理由を記載します。
兄弟の戸籍謄本を請求
必要書類と請求用紙が準備できたら、役所に請求します。
請求は窓口で直接行うか、郵送で行うことができます。
どちらの方法も利用可能ですが、自分にとって都合の良い方法を選ぶことが重要です。
この手続きを通じて、兄弟の戸籍謄本を取得することが可能です。
ただし、役所の対応や必要な書類には多少の違いがあるため、事前に確認することが重要です。
また、手続きが複雑である場合や不明点が多い場合は、行政書士などの専門家に相談することも一つの方法です。
戸籍謄本取得後の流れ

戸籍謄本を取得した後の手続きは、相続手続きにおいて重要な手順です。
以下は、戸籍謄本取得後に行うべき主な手順です。
- 相続関係図の作成
戸籍謄本が揃ったら、まずは家系図となる相続関係図を作成します。
相続関係図の作成は、法務局のホームページに記載されている例を参考にすることができます。 - 法務局への申出
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、被相続人の住民票、相続人の戸籍謄本、自身で作成した法定相続情報一覧図を準備し、管轄の法務局へ申出を行います。 - 法定相続情報証明の取得
法務局から法定相続情報証明を取得すると、公的な親族関係図が完成します。
法定相続情報証明は、銀行の解約手続きや不動産名義変更などに使用できます。
この手続きを通じて、相続手続きがスムーズに進行し、遺産分割協議などの次の手順に進む準備が整います。
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法定相続情報一覧図

法定相続情報一覧図は、相続手続きにおいて重要な役割を果たします。
法定相続情報一覧図は、亡くなった人の相続関係を一目で理解できるようにまとめた文書です。
特に相続税の申告時に、戸籍謄本の代わりとして提出することが可能であり、相続人の確定や不動産の相続登記、各種年金手続き、預貯金の名義変更など、多岐にわたる手続きで利用されます。
法定相続情報一覧図の作成と法務局での認証は、相続手続きを円滑に進めるために非常に重要な要素の一つです。
これにより、手続きがスムーズに進行し、問題が発生する可能性を最小限に抑えることができます。
法務局での認証手続き
法定相続情報一覧図の認証手続きは、法務局で行われます。
法定相続情報一覧図の認証手続きには、亡くなった人の戸籍謄本や除籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、申出人の本人確認書類などが必要です。
法務局に提出する際は、これらの書類を添えて一覧図を提出し、認証を受ける必要があります。
認証された一覧図は、相続手続きにおいて重要な証明書として機能し、相続人の確定や権利関係の明確化に役立ちます。
法定相続情報一覧図の書き方
法定相続情報一覧図の作成は、被相続人の情報や相続人の情報を正確に記載することが求められます。
法定相続情報一覧図には、被相続人の氏名、住所、本籍地、生年月日、死亡年月日、そして相続人の氏名、生年月日、続柄、住所などが含まれます。
作成者は、これらの情報を正確に、かつ分かりやすく記載する必要があり、法務局のホームページには、家族構成に応じた様式と記載例が提供されています。
認証に必要な書類
法定相続情報一覧図の認証には、複数の書類が必要です。
これには、
- 被相続人の戸籍謄本
- 除籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 申出人の本人確認書類
- 必要に応じて相続人の住民票
などが含まれます。
これらの書類は、法定相続人の確定や相続関係の明確化に必要な情報を提供し、法務局での認証手続きをスムーズに進めるために不可欠です。
認証後の法定相続情報一覧図の利用
法務局で認証された法定相続情報一覧図は、相続手続きにおいて重要な役割を果たします。
認証された一覧図は、相続税の申告、不動産の相続登記、各種年金手続き、預貯金の名義変更など、多岐にわたる手続きで利用されます。
また、認証された一覧図は、申出日から5年間保存され、この期間内に必要な枚数の再交付が可能です。
これにより、相続手続きが複数回にわたる場合でも、一覧図を再度取得する手間を省くことができます。
相続が発生した際、遺産分割や各種名義変更などの手続きを円滑に進めるためには、誰が法定相続人であるかを明確にすることが不可欠です。 この重要な手続きを支援するのが「法定相続情報一覧図」です。 この一覧図は、相続人全員の関係を一目で理解[…]
戸籍窓口での本人確認書類

戸籍窓口での手続きには、本人確認が不可欠です。
本人確認書類は大きく二つのカテゴリーに分けられます。
ここでは戸籍窓口での本人確認書類について詳しく解説します。
1枚で確認できる書類
| マイナンバーカード | 運転免許証 | 運転経歴証明書(2012年4月1日以降発行) |
| パスポート | 写真付き住民基本台帳カード | 在留カード |
| 特別永住者証明書 | 国や地方公共団体が発行する身分証明書 | 小型船舶操縦免許証 |
| 宅地建物取引士免許証 | 電気工事士免許証 | 訓練資格証明書 |
| 船員手帳 | 障害者手帳 | 療育手帳 |
| 戦傷病者手帳 |
上記の書類は、写真付きで本人確認が一目で行えるため、一枚だけで十分です。
2枚組み合わせて確認する書類
| 写真なしの住民票の写し | 健康保険証 | 年金手帳 |
| 学生証や社員証(写真付き) | 国民年金、厚生年金、船員保険の年金証書 | 互助年金や年金証書など |
上記の書類は、単独では本人確認が不十分なため、2枚組み合わせて使用します。
戸籍窓口での手続きをスムーズに進めるためには、これらの本人確認書類を事前に準備しておくことが重要です。
確認書類を忘れると手続きが遅れる可能性があるため、必ず持参するようにしてください。
広域交付について

広域交付制度とは
広域交付制度とは、2024年3月1日から開始された新しい制度で、最寄りの市区町村役場で他の地域に本籍がある戸籍謄本を取得できる仕組みです。この制度により、遠方の本籍地まで直接出向いたり、郵送での手続きを行ったりする必要がなくなり、相続や結婚などの手続きがスムーズに進むようになりました。
ただし、広域交付制度にはいくつかの制限があります。請求できるのは本人、配偶者、直系尊属(父母や祖父母)、直系卑属(子や孫)に限られます。そのため、兄弟姉妹の戸籍謄本はこの制度の対象外です。また、郵送での請求や第三者による代理請求も認められていません。
この制度では、戸籍謄本に加え、戸籍抄本や除籍抄本など一部の関連書類は広域交付の対象外となっているため、詳細は事前に確認が必要です。手続きに必要な書類や窓口での流れについては、法務省の公式ウェブサイトや市区町村役場に問い合わせることをおすすめします。
兄弟の戸籍謄本についてよくある質問

兄弟の戸籍謄本取得の際、書式の指定や古い戸籍の取得に関して、気になる方も多いのではないでしょうか。
以下では、兄弟の戸籍謄本についてよくある質問をご紹介します。
高齢の兄弟の場合、古い戸籍が取得できない場合はどうすればいい?
高齢の兄弟姉妹が関与する相続手続きでは、古い戸籍謄本の取得が困難な場合があります。
これは、戸籍が保存期間を過ぎたり、災害や戦争で記録が失われたりしたためです。
法律では、被相続人の子がいない、両親や祖父母も亡くなっている場合、兄弟姉妹が相続人になります。
このため、被相続人の生誕から死亡までの戸籍謄本や除籍謄本、両親の戸籍謄本が必要です。
しかし、これらの古い戸籍が入手できない場合、市町村長の証明書があれば、相続登記が可能です。
法改正により、市町村長の証明書のみで相続登記ができるようになりました。
これにより、疎遠な相続人にサインや押印を求める手間が省け、手続きがスムーズになります。
委任状の書式に指定はありますか?
委任状の書式に厳格な規定はありませんが、委任者の意思が明確に確認できる内容が必要です。
委任状は、本人が申請や交付を受けられない場合に代理人がこれらの手続きを行うための文書です。
委任状は、ダウンロード可能な書式を使用するか、便せんなどに直筆で作成することができます。
ただし、原本の提出が必要であり、全てパソコンで作成したものや、コピー、ファックスの使用は認められていません。
消せるボールペンの使用も避けるべきです。
また、病気などで委任状を書くことが困難な場合は、代筆が可能な場合もあります。
委任状には以下の内容を含める必要があります。
- あて先(例:目黒区長あて)
- 委任状作成日
- 委任者の住所、氏名、生年月日、連絡先
- 代理人の住所、氏名、生年月日、連絡先
- 委任内容
委任内容によって必要な記入項目が異なるため、具体的な指示に従って記入することが重要です。
また、代理人の本人確認方法についても、顔写真付きの証明書(マイナンバーカード、運転免許証など)の提示が必要です。
外国人住民が代理人となる場合は、在留カードや特別永住者証明書に記載されている字体での本名の記入が求められます。
兄弟の戸籍謄本についてのまとめ

ここまで兄弟の戸籍謄本についてお伝えしてきました。
兄弟の戸籍謄本の要点をまとめると以下の通りです。
- 戸籍謄本は、戸籍に記載されているすべての人の身分事項を証明する書類
- 兄弟の戸籍謄本を取り寄せるには、本人に依頼し取ってもらう方法、直系尊属(両親・祖父母等)に依頼する方法、または兄弟から委任状を取得し自身で申請する方法がある
- 兄弟の戸籍謄本を取得する流れは、戸籍の請求先を調べる、必要書類を準備する、戸籍の請求書を作成する、兄弟の戸籍謄本を請求する
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



