相続が発生した際、相続税の納付はいつまでに行う必要があるのでしょうか?相続税には納付期限が定められており、期限を過ぎると延滞税などのペナルティが発生する可能性があります。
本記事では相続税はいつ払うのかについて以下の点を中心にご紹介します。
- 相続税とは
- 相続税の申告書に必要な添付書類
- 相続税を払う必要がない場合について
相続税はいつ払うのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
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相続税とは

相続税とは、相続や遺贈によって財産を取得した際に課税される税金のことです。
ただし、すべてのケースで相続税が発生するわけではなく、基礎控除額を超える財産を取得した場合にのみ課税対象となります。
基礎控除額の計算方法
相続税の基礎控除額は、遺産総額から控除できる金額を指し、以下の計算式で求められます。
- 基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
相続税の課税対象となる財産
相続税の対象となる財産には、以下のようなものが含まれます。
- 相続や遺贈で取得した財産(不動産、預貯金、有価証券など)
- 生命保険金などの「みなし相続財産」(受取人が指定されている場合でも、一定額は相続財産として扱われる)
- 相続開始前3年以内に贈与された財産(相続税を回避する目的の贈与を防ぐため)
- 相続時精算課税制度を適用した贈与財産(生前贈与でも相続時に加算)
ただし、相続債務(借金など)や葬儀費用は差し引くことが可能です。
相続税の申告が不要なケース
基礎控除額を超えない場合、相続税の申告や納付は不要です。
ただし、以下のような特例を適用して相続税がゼロになる場合は、期限内に申告を行う必要があります。
- 小規模宅地等の特例(一定の条件を満たす土地の評価額を減額できる制度)
- 配偶者控除(配偶者が取得する財産のうち、1億6,000万円または法定相続分まで非課税)
これらの特例は、申告期限内に適用申請をしなければ無効になるため、忘れずに手続きを行いましょう。
相続税は、多くの方にとって複雑で気になる要素の一つではないでしょうか。 特に、「相続税はいくらからかかるのか」という疑問は、相続に直面した際に非常に重要です。 この記事では、相続税はいくらからかについて以下の点を中心にご紹介します![…]
相続税はいつ払うか

相続税はいつ払うのかについて以下で詳しく解説します。
申告と納付期限
相続税の申告と納付は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月以内に行う必要があります。
この期間内に、法定相続人の確定、相続財産の評価、遺産分割協議の実施などを行い、「誰がどの財産をどの程度相続するのか」を決める遺産分割協議書を作成したうえで、相続税の申告手続きを進める必要があります。
しかし、実際にはこれらの手続きには時間がかかり、期限がすぐに迫ってしまうケースが多いのが現状です。
所得税の確定申告と比べると期限は長めに設定されていますが、被相続人の逝去直後は相続手続きを進める余裕がないことが多く、10カ月という期間でも意外と短く感じることが少なくありません。したがって、早めに手続きを進めることが重要です。
支払いのタイミング
相続税の申告と納付の順序に決まりはなく、申告・納付期限(被相続人の死亡を知った日の翌日から10カ月以内)さえ守れば、相続税を支払うタイミングは自由です。
相続税の申告書は、通常相続人全員の連名で作成・提出しますが、納付は各相続人が個別に行う必要があります。
つまり、相続税の金額が確定していれば、申告書を税務署に提出する前に各相続人が自身の相続税を納めることも可能です。
代表者や税理士が申告手続きを行う前に支払うことも認められています。
期限に間に合わない場合
相続税の申告・納付期限(被相続人の死亡を知った翌日から10カ月以内)までに、遺産分割が完了しないケースもあります。
例えば、
- 相続人同士で意見が合わず、遺産分割の話し合いが難航している場合
- 連絡が取れない相続人がいて、その所在確認に時間がかかっている場合
このような事情があっても、原則として相続税の申告や納付の期限は延長できません。
期限までに分割が間に合わない場合は、一時的に「法定相続分」で遺産を分けた形で申告し、「未分割申告」を行うことになります。
その後、遺産分割が確定次第、申告内容を修正する手続きを行います。
具体的には、申告内容を修正する「修正申告」または「更正の請求」を提出し、正式な相続内容に基づいて再計算を行うことになります。
期限の延長が認められるケース
相続税の申告と納付の期限は原則として延長できませんが、災害やその他の不可抗力によるやむを得ない事情がある場合には、期限の延長が認められることがあります。
例えば、新型コロナウイルス感染症の影響で申告や納税が困難な場合、単に感染したケースだけでなく、感染拡大による外出自粛などの理由でも延長が可能です。
延長後の期限は、申告・納税ができる状態になった日から2カ月以内に設定されます。
期限延長の手続き
相続税の申告・納税の期限を延長するには、「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を税務署に提出する必要があります。
この申請は、申請できるようになったタイミングで手続きを行えばよく、本来の申告期限を過ぎてからでも問題ありません。
なお、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた当初に認められていた、申告書の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載する簡易な申請方法は、令和3年4月16日以降は適用されなくなったため、現在は正式な申請手続きを行う必要があります。
相続税の申告書に必要な添付書類

相続税の申告を行う際には、必要な書類を揃える必要があります。これらの書類の取得には時間がかかるため、早めに準備を進め、必要に応じて専門家に相談することが重要です。
主な必要書類は以下のとおりです。
- 戸籍謄本
- 遺産分割協議書の写し
- 未成年の相続人がいる場合:家庭裁判所で「特別代理人」の選任を行い、その特別代理人の実印を押印
- 各相続人の印鑑証明書
- 預貯金・借入金などの残高証明書
- 生命保険金・退職手当金の支払証明書
- 不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)および地形図
- 固定資産税評価証明書
また、相続税の申告を進める中で、亡くなった祖父母や曾祖父母の名義の財産が未分割のまま残っていたことに気付くケースがあります。
相続税は誰が払うか

相続税を支払うのは、「亡くなった人(被相続人)の財産を引き継いだ人」です。
しかし、すべての相続人が相続税を支払うわけではありません。
亡くなった人の財産が基礎控除額を超えない場合、相続税は発生しません。
国税庁の最新の相続税の申告データによると、亡くなった人のうち約12人に1人が相続税の申告対象となっています。
以前は、「相続税は一部の資産家にのみ課税される税金」と考えられていましたが、平成27年の税制改正により、相続税の課税対象者の割合は増加しています。
そのため、以前に比べて、相続税の申告が必要になるケースが増えているのが現状です。
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相続税を払う必要がない場合

亡くなった人の財産を引き継いだ場合でも、すべての相続人が相続税を支払うわけではありません。以下の条件に該当する場合、相続税の負担は発生しません。
1.正味の遺産総額が基礎控除額以下の場合
相続税には「基礎控除」が設けられており、遺産総額から基礎控除額を差し引いた後の金額が0円以下であれば、相続税はかかりません。
基礎控除額は、以下の計算式で求められます。
- 3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
つまり、相続財産の総額がこの基礎控除額を超えない場合、相続税の申告も納税も不要となります。
2.被相続人の配偶者(ただし一部例外あり)
相続税には「配偶者控除(配偶者の税額軽減)」という制度があり、配偶者が相続した財産が1億6,000万円以内、または法定相続分以内であれば、相続税が課税されません。
そのため、極端に多額の財産を相続しない限り、配偶者は相続税を支払わなくてもよいケースがほとんどです。
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相続税納付の方法

相続税納付の方法について以下で詳しく解説します。
現金一括納付が原則
相続税の納付は、銀行、郵便局、信用金庫などの金融機関で、各納税義務者が納付書を持参し、現金で一括納付するのが基本ルールとなっています。
また、税務署の窓口でも相続税の納付は可能ですが、多額の現金を持ち歩くリスクがあるため、高額の納税が必要な場合や遠方に住んでいる場合には推奨されません。
払えない場合は換価の猶予を申請
相続税は、相続や遺贈で取得した財産から納付するのが基本ですが、不動産などの現金化しにくい資産にも課税されるため、納税資金の準備が難しくなるケースがあります。
相続税の納付期限までに現金を用意できず、一括払いが困難な場合は、分割払いが可能な「延納」や、財産をそのまま納税に充てる「物納」を申請することができます。
しかし、延納に必要な担保を提供できない場合や、物納できる適切な財産がない場合は、「換価の猶予」を利用することが可能です。
相続税はいつ払うのかについてよくある質問

相続税はいつ払うのかについてよくある質問は以下のとおりです。
相続税はいつ請求がくるの?
相続税に関する案内は、被相続人が亡くなってから約半年後に税務署から送付されます。これは、相続開始から約6カ月が経過した頃に届くことが一般的です。
相続税の申告期限は相続開始から10カ月以内と定められているため、通知が届く時点では、申告期限まで残り約3〜4カ月となっています。
このため、早めに相続税の申告準備を進めることが重要です。
1000万円の遺産を相続したら相続税はいくらですか?
遺産の総額が1,000万円の場合、相続税は発生しません。
相続税には基礎控除があり、遺産の合計額がその控除額を超えない限り、課税対象にはならないためです。
相続税はいつ払うのかについてのまとめ

ここまで相続税はいつ払うのかについてお伝えしてきました。相続税はいつ払うのかの要点をまとめると以下の通りです。
- 相続税とは、相続や遺贈によって財産を取得した際に課税される税金のこと
- 相続税の申告書の作成時には、戸籍謄本や遺産分割協議書の写しなどの添付書類が必要である
- 相続税を払う必要がない場合は、正味の遺産総額が基礎控除額以下の場合であったり被相続人の配偶者である場合が挙げられる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。


