贈与税の基礎控除はいくら?計算方法や注意点などについて解説します

  • 2025年1月30日
  • 2025年2月27日
  • 相続税

贈与税は、財産を個人から譲り受けた際に課される税金ですが、一定の基準額までは課税されない仕組みがあります。
その基準となるのが「基礎控除」です。

本記事では贈与税の基礎控除について以下の点を中心にご紹介します。

  • 贈与税とは
  • 贈与税の基礎控除とは
  • 2024年以降の贈与税について

贈与税の基礎控除について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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贈与税の基礎控除とは?

贈与税は、個人間で財産が譲渡された場合に、受け取った側が負担する税金です。
財産を渡す側を「贈与者」、受け取る側を「受贈者」と呼びます。贈与税は、財産を受け取った受贈者に課税されるのが特徴です。

贈与税には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つの課税方式があります。
このうち、一般的に利用されるのが「暦年課税」です。

暦年課税では、1年間(1月1日から12月31日)の間に受け取った財産の合計金額から、一定額を差し引いた後の金額に対して税金が課されます。
この差し引ける一定額が、贈与税の「基礎控除」です。

基礎控除額は110万円に設定されており、1年間に受け取った財産の総額が110万円以下であれば、贈与税は課税されません

また、この場合は税務署に贈与税の申告をする必要もありません。

例えば、年間に受け取った財産の総額が200万円の場合、基礎控除の110万円を差し引いた90万円が課税対象となります。
この基礎控除は、贈与税における非課税枠の役割を果たしており、計画的な財産の譲渡を進める上で重要な仕組みです。

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贈与税の改正

これまでの相続税や贈与税の制度では、資産を生前に贈与する場合と、死亡後に相続で移転する場合で課税の負担が異なることが問題視されてきました。
このため、生前贈与を活用して資産を計画的に移転し、相続税負担を軽減する手法が広く行われてきました。

しかし、このような税制は公平性に欠けるとの指摘がありました。

こうした課題に対応するため、政府は相続税と贈与税を一体的に見直し、資産を移転する時期によって税負担が変わらない「中立的な税制」の構築を目指しています。
具体的には、生前贈与と相続のどちらを選択しても、税金の負担が公平になる仕組みを整える方向性です。

この方針の一環として、令和5年度の税制改正大綱では重要な変更が盛り込まれました

主な改正点としては、暦年課税制度における生前贈与加算期間が延長されたことや、相続時精算課税制度に基礎控除が新たに設けられたことが挙げられます。
これにより、税負担の公平性を高めるための第一歩が踏み出された形です。

これらの改正は、相続や贈与を検討する際の大きなポイントとなるため、具体的な内容を理解して計画を立てることが重要です。

基礎控除額は、60万円から110万円に変更された

贈与税の基礎控除額は、かつて60万円と定められていましたが、平成13年に大きな変更が行われ、110万円に引き上げられました
この変更は、相続税法そのものが改正されたのではなく、新たに制定された租税特別措置法によって実現されたものです。

この特別措置により、贈与税の計算基準が改定され、基礎控除額が60万円から110万円に上乗せされる形になりました。

具体的には、相続税法では依然として60万円を基礎控除額とする規定が残されていますが、租税特別措置法第70条の2の4で、平成13年1月1日以降に贈与された財産に対しては、課税価格から110万円を控除する特例が適用されるとされています。
この特例により、現在では基礎控除額として110万円が一般的に使用されています。

この背景を知ることで、贈与税に関する制度の経緯と現行の基準がどのように設定されたかを理解できるでしょう。

贈与を活用した相続対策を考える際には、基礎控除額の仕組みをしっかり押さえておくことが重要です。

贈与税の課税方式は、暦年課税と相続時精算課税がある

暦年課税とは

暦年課税とは、1月1日から12月31日までの1年間(暦年)に受け取った贈与財産の総額から基礎控除額110万円を差し引いた金額が課税対象となる方式です
この方式は、特別な届出を行わない場合に自動的に適用されるため、多くの人が利用している一般的な課税方式です。

例えば、年間の贈与総額が200万円の場合、200万円から110万円を差し引いた90万円が課税対象となります。
この課税額を計算する際には、受贈者が直接申告し、納付する点に注意が必要です。

一方で、年間の贈与額が110万円以内であれば贈与税が発生せず、申告も不要です。

相続時精算課税(改正前)とは

相続時精算課税は、生前贈与による財産移転を受けた時点では一部非課税とし、最終的に相続時にまとめて課税を調整する制度です
この方式では、年間で受け取った贈与額が2,500万円以下であれば、その金額は非課税となります。

ただし、この枠を超えた部分については一律20%の税率で贈与税が課されます。

さらに、この制度では、贈与時に非課税となった財産も含め、贈与者が死亡した際にその全額が相続財産に加算され、相続税の対象として再計算されます。
この際、贈与時に支払った贈与税がある場合は、相続税額から控除されます。

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基礎控除をふまえた贈与税の税額の計算方法とは

贈与税の税額は、課税方式によって計算方法が異なります。

ここでは、基礎控除を考慮した贈与税の計算方法について「暦年課税」と「相続時精算課税」のそれぞれの場合を詳しく解説します。

  • 暦年課税の計算方法

暦年課税では、1年間(1月1日~12月31日)に受け取った贈与財産の総額から110万円の基礎控除を差し引き、その残額に税率を適用して計算します。
税率は、贈与財産の種類や受贈者と贈与者の関係性によって異なります。

  • 一般贈与財産(配偶者や兄弟姉妹、友人などからの贈与)

速算表に基づき、基礎控除後の金額に税率を適用して税額を計算します。

  • 特例贈与財産(18歳以上の子や孫が直系尊属から受けた贈与)

特例税率が適用されるため、同じ金額でも一般贈与財産に比べて税額が低くなる場合があります。

【計算例(一般贈与財産)】

<1年間に兄から1,000万円を贈与された場合>

贈与額1,000万円-基礎控除110万円=課税対象額890万円

890万円×40%-125万円=231万円(税額)

【計算例(特例贈与財産)】

<30歳の子が父から1,000万円を贈与された場合>

贈与額1,000万円-基礎控除110万円=課税対象額890万円

890万円×30%-90万円=177万円(税額)

  • 相続時精算課税の計算方法

相続時精算課税では、特定贈与者(主に直系尊属)から受け取った贈与財産について、年間110万円の基礎控除と2,500万円の特別控除が適用されます。

2,500万円を超える部分については、一律20%の税率で課税されます。

【計算例(改正前の制度)】

65歳の父が30歳の子に3,000万円を贈与

3,000万円-2,500万円(特別控除)=500万円

500万円×20%=100万円(税額)

【計算例(改正後の制度)】

65歳の父が30歳の子に3,000万円を贈与

3,000万円-110万円(基礎控除)-2,500万円(特別控除)=390万円

390万円×20%=78万円(税額)

改正後の制度では基礎控除額が新設されたため、贈与税額がさらに抑えられる場合があります。

ただし、贈与財産の一部は相続財産に加算され、相続時に再計算が行われる点に注意が必要です。

 

  • 特殊なパターン:一般贈与財産と特例贈与財産が混在する場合

同じ年に直系尊属とそれ以外の人から財産を贈与された場合、一般税率と特例税率をそれぞれ適用し、按分して税額を計算します。
この場合の計算方法はやや複雑ですが、贈与財産の割合を基に正確に税額が割り出されます。

贈与税の計算は、基礎控除や特別控除を正しく適用することで負担を軽減できる場合があります。
選択する課税方式や状況に応じて、最適な方法を検討しましょう。

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遺産相続の控除額についてよくある質問

親から1000万円もらったら贈与税はいくらですか?

親から贈与を受けた場合の贈与税額は、贈与金額や適用される税率によって異なります。

例えば、30代の子が父から1年間で1,000万円を贈与されたケースを考えてみましょう。
この場合、特例税率が適用されるため、以下の計算式で税額を求めます。

  • 基礎控除を差し引く

贈与税の基礎控除額は110万円です。

1,000万円(贈与額)-110万円(基礎控除額)=890万円(課税対象額)

  • 特例税率を適用する

特例税率は、直系尊属(両親や祖父母)から贈与を受けた場合に適用され、課税対象額に応じた速算表を使用して計算します。
課税対象額が890万円の場合、税率30%、控除額90万円となります。

890万円×30%-90万円=177万円(贈与税額)

したがって、1,000万円の贈与に対して支払う贈与税は177万円となります。

特例税率は、一般税率よりも税負担が軽減される仕組みです。
ただし、贈与の内容や状況によって異なる場合があるため、正確な計算が必要です。

贈与税申告の際は、基礎控除や適用税率を正しく確認しましょう。

2024年以降、贈与税はどうなる?

 

2024年1月1日から、贈与税のルールに新しい基準が導入されます。
この変更により「年間110万円までは贈与税や相続税の課税対象外」とされる制度が適用される予定です。

この非課税枠は、受贈者ごとに設定されており、これを超えた贈与額について課税が行われます。

さらに、相続時精算課税制度を選択した場合、累計で2,500万円までの贈与には贈与税が発生しません。

ただし、この上限を超えた金額には一律20%の贈与税が課されます。
例えば、2,600万円を贈与された場合、超過分の100万円に対して20%の税率が適用されるため、贈与税額は20万円となります。

この新ルールにより、贈与と相続の税制がより一体的に捉えられるようになり、資産移転のタイミングを柔軟に選びやすくなる仕組みとなっています。
贈与を検討する際は、変更点をしっかりと理解し、最適な選択ができるよう準備することが重要です。

贈与税の基礎控除についてのまとめ

ここまで贈与税の基礎控除についてお伝えしてきました。
贈与税の基礎控除の要点をまとめると以下の通りです。

  • 贈与税は、個人間で財産が譲渡された場合に、受け取った側が負担する税金のこと
  • 贈与税の基礎控除額は、かつて60万円と定められていたが、平成13年に大きな変更が行われ、110万円に引き上げられた
  • 2024年1月1日から、贈与税のルールに新しい基準が導入され、この変更により「年間110万円までは贈与税や相続税の課税対象外」とされる制度が適用される予定である

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

相続手続きが不安な方へ
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