土地の贈与税はいくら?計算方法と節税する方法について解説

  • 2025年2月19日
  • 2025年3月12日
  • 相続税

土地の贈与を受けた際には、贈与税が発生する可能性があります。なかでも、高額な土地の場合、贈与税の負担は大きくなるため、正しい知識が必要です。

本記事では土地の贈与税はいくらかかるのかについて以下の点を中心にご紹介します。

 

  • 贈与税とは
  • 土地の贈与税を節税する方法
  • 土地の贈与税についての注意点

 

土地の贈与税はいくらかかるのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

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贈与税とは

贈与税とは、財産を個人間で無償で譲り受けた際に課される税金のことです。主に、親から子や孫への財産贈与が該当します。贈与税の目的は、個人間での不公平な財産の集中を防ぐことや、相続税の回避を防止することにあります。

贈与税の対象となる財産には、現金や土地、建物、株式など幅広い種類が含まれます。ただし、年間の基礎控除額(110万円)を超える財産を受け取った場合のみ課税されるため、贈与税が発生するケースは限られています。

また、贈与税は相続税との関係が深いため、生前贈与を活用した節税計画の一環として利用されることも多く、適切な知識と計画が重要です。

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土地の贈与税がかかるケース

どのようなケースだと土地の贈与税がかかるのでしょうか。以下で詳しくご紹介します。

土地の名義変更をした

土地の名義変更を無償で行う場合、贈与者と受贈者の関係性にかかわらず、贈与税の対象となります。例えば、親が自身の土地を息子の名義に変更する場合でも、贈与税が課されるため注意が必要です。

なお、贈与税の税率は受贈者との関係性や贈与額によって異なることがあります。名義変更の手続きは、所有権移転登記として行われ、土地を管轄する法務局で手続きを進めます。贈与税が発生しない特例や控除の適用を検討する場合は、事前に相談することが重要です。

土地の共有持分を変更した

共同所有している土地の共有持分を無償で変更した場合、増加した持分に対して贈与税が課されます。例えば、親子で共有している土地の親の持分を減らし、子の持分を増やした場合、その増加分は子が新たに財産を取得したとみなされ、贈与税の対象となります。

土地の所有者自体は変わらなくても、持分の変更によって受贈者の財産価値が増加することが理由です。こうしたケースでは、贈与税が発生する可能性があるため、事前に正確な評価額や適用される控除額を確認することが重要です。

共有名義の土地を分筆した

共有名義の土地を分筆した場合、分筆後の所有する土地の価額が元の共有持分を超えると、その増加分に対して贈与税が課されることがあります。分筆とは、登記簿上一つの土地を複数の土地に分割し、それぞれを個別に登記する手続きです。

例えば、土地A(1,000万円)をBとCが7対3の割合で共有していた場合、Bは700万円、Cは300万円の持分を所有しています。

この土地を分筆し、それぞれが半分ずつ(500万円ずつ)所有する形に変更すると、Cは本来の300万円から200万円分の財産が増加したとみなされます。この増加分が贈与とみなされ、贈与税の対象となるため、適切な評価や税務の確認を行うことをおすすめします。

負担付贈与をした

土地を負担付贈与した場合でも、贈与税が課されることがあります。負担付贈与とは、贈与を受ける人が一定の債務を負担することを条件とした贈与の形態を指します。この場合、贈与財産の価額から受贈者が負担する債務額を控除した残りの価額に対して贈与税が課税されます。

例えば、土地の取引価額が1,000万円で、受贈者が700万円の借入を引き継ぐ場合、贈与税の課税対象となるのはその差額である300万円です。

負担額があるため贈与税が発生しないと誤解されることがありますが、土地の価値が負担額を上回る場合には、差額分が贈与として扱われます。こうしたケースでは、贈与税の計算方法や控除の適用について事前に確認することが重要です。

土地の贈与税の計算方法

土地の贈与税は、贈与された土地の評価額に基づいて計算されます。以下で、土地の贈与税の計算方法についてご紹介します。

暦年課税制度

暦年課税とは、1年間(1月1日〜12月31日)に受け取った財産の合計額に応じて課税される方式です。この制度では毎年110万円の基礎控除が設けられており、この金額を超える贈与額に対して贈与税が課されます。

例えば、評価額が110万円以下の土地であれば、贈与税は発生しません。暦年課税は基本的な課税方式であり、特に申請を行わない場合、自動的に適用されます。ただし、暦年課税には注意点もあります。

 

贈与者が贈与後7年以内に亡くなった場合、その贈与財産は相続税の課税対象となる「生前贈与加算」の対象となります。このため、長期的な計画が必要です。一方で、毎年110万円の控除枠が復活するため、少額ずつ財産を移転したい場合におすすめの制度です。

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度とは、生前贈与額が累計2,500万円まで非課税になる課税方式で、大きな財産を一度に贈与したい場合に推奨される制度です。令和6年度からは新たに基礎控除額110万円が設けられ、この控除額を加えると2,610万円まで非課税で贈与ができます。

 

ただし、2,500万円の非課税枠は相続時に課税計算へ持ち戻されるため、贈与時に非課税であっても相続税の対象となる点に注意が必要です。

 

また、この制度を利用するには申請が必要で、一度選択すると以後の贈与には暦年課税が適用されなくなります。そのため、慎重に計画を立てることが求められます。

 

土地の評価額が高く基礎控除額では賄いきれない場合に、相続時精算課税を活用することで贈与税を抑えつつ計画的な財産移転が可能となります。

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土地の贈与財産価額の調べ方

土地の贈与税を計算する際には、土地の評価額を正確に把握することが重要です。以下で、土地の贈与財産価額の調べ方をご紹介します。

路線価方式

路線価方式は、贈与する土地に路線価が設定されている場合に、その評価額を算出する際に用いられる方法です。路線価とは、道路に面する標準的な宅地1平方メートルあたりの価格を千円単位で示したもので、国税庁が公表しています。

 

この方法では、土地の路線価に奥行価格補正率などの補正率を適用し、補正後の価格に土地の面積を乗じることで評価額を計算します。

 

例えば、路線価が1,000円で面積が200平方メートルの場合、計算式は以下のとおりです。

 

1,000 × 200 = 200,000円

 

ただし、土地の形状が特殊な場合や奥行きが標準的でない場合には、奥行価格補正率などを適用するため計算が複雑になることもあります。このため、路線価方式で正確な評価額を求める際には、補正率や土地の特徴を十分に確認することが重要です。

 

倍率方式

倍率方式は、路線価が設定されていない土地を評価する際に使用される計算方法です。この方式では、土地の固定資産税評価額に、国税庁が定める地域ごとの「倍率」を乗じることで贈与税の評価額を算出します。倍率は土地の所在地や種類によって異なり、評価額に直接影響を与えます。

 

例えば、住宅用地の場合は固定資産税評価額に設定された倍率を掛け算しますが、分譲マンションなどの場合には、敷地全体の評価額に所有割合(敷地権割合)を乗じて評価額を算出する必要があります。このように、土地の種類や用途、所在地によって評価の計算が異なるため、事前に確認が重要です。

 

固定資産税評価額や倍率は市区町村役場や国税庁の資料で確認できますが、正確な計算が必要な場合は、相談することをおすすめします。

土地の贈与税を節税する方法

 

土地の贈与税を節税するには、特例制度や基礎控除を効果的に活用することが重要です。土地の贈与税を節税する方法をご紹介します。

贈与税の配偶者控除を利用

婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産またはその取得資金を贈与した場合、「配偶者控除」を利用することで贈与税の負担を大幅に軽減できます。この制度では、最大2,000万円の控除が適用され、さらに暦年課税の基礎控除額110万円を加えると、合計で2,110万円まで非課税となります。

 

例えば、夫から妻へ居住用の土地や家屋を贈与する場合、この控除を活用すれば、多くのケースで贈与税が発生しないようにできます。この制度は一生に一度のみ利用できるため、適用条件や贈与内容を事前に慎重に確認する必要がありますが、配偶者控除を活用することで、夫婦間の資産移転を税負担なく行えるため、将来の相続税対策としてもおすすめです。

相続時精算課税制度を利用

相続時精算課税制度は、「相続の際に税額を精算する」という特徴を持つ制度で、贈与税を一時的に節税する方法として利用できます。この制度では、累計2,500万円までの贈与が非課税となり、贈与時に税負担が発生しません。ただし、贈与額は最終的に相続税の課税対象として精算されるため、将来的な税負担も視野に入れて計画することが重要です。

 

適用条件として、60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子または孫に対して行われる贈与が対象となります。節税効果が期待できる一方で、一度選択すると暦年課税へ戻すことはできません。そのため、現時点での節税効果だけでなく、将来的な相続税負担を含めた総合的な判断が必要です。

貸家建付地にして相続税評価額を下げる

貸家建付地とは、賃貸物件が建てられ、所有者以外の第三者に貸し出されている土地を指します。例えば、自身の土地に賃貸アパートを建設して貸し出した場合、その土地は貸家建付地とみなされます。貸家建付地では、所有者が自由に土地を利用することが制限されるため、その評価額が自用地(所有者が自由に使用できる土地)より低くなります。

 

相続税評価額を計算する際、貸家建付地では「自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」という計算式が適用され、結果として土地の評価額が下がります。この評価額の引き下げが、贈与税や相続税の節税につながるポイントです。

 

更地として土地を贈与するよりも、貸家建付地にすることで税負担を軽減する可能性が高くなりますが、賃貸割合や借地権割合は地域によって異なるため、国税庁の資料を参考に確認することが大切です。

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土地の贈与税についての注意点

土地の贈与税には、評価額の算出方法や特例制度の適用など注意すべき点が多くあります。土地の贈与税についての注意点を以下でご紹介します。

贈与でない取引でも土地の贈与に贈与税は発生する

土地の贈与税は、贈与者と受贈者が親子であっても適用される税金です。ただし、すべてのケースで発生するわけではなく、例えば土地の一部を借りる場合や、贈与額が基礎控除額(110万円)以内に収まる場合は贈与税が課されません。

 

また、「贈与」とは名目上されていない取引でも、実質的に財産が無償で移転されたと判断される場合には、贈与税の対象となることがあります。そのため、贈与の対象となる土地の大きさや評価額、使用状況などを正確に把握することが重要です。

 

贈与税が発生するかどうかはケースバイケースで異なり、複雑な判断が必要になることもあるため、不安がある場合には税理士に相談して確認することをおすすめします。

贈与税だけではなく登録免許税・不動産取得税もかかる

土地を贈与する際には、贈与税に加えて「登録免許税」や「不動産取得税」も発生するため、総合的な税負担を考慮する必要があります。

 

登録免許税は、不動産の所有権移転登記(名義変更)を行う際に課される税金で、土地の場合、評価額の2%が税率として適用されます。一方、不動産取得税は、不動産を取得した際に課される税金で、土地の場合は評価額の4%が基本税率です。

 

これらの費用を含めたトータルの負担を確認したうえで、土地の贈与を計画することが重要です。

3~7年間の贈与は相続税がかかる

暦年課税を選択した場合、相続が発生する前の3〜7年以内に行われた贈与は相続財産に加算され、相続税の対象となり、亡くなる直前に土地を贈与しても、その評価額は相続財産として計算されるため、節税効果を期待することはできません。

 

ただし、相続時に被相続人から財産を一切取得していない受贈者については、この規定の適用外となり、3年以内の贈与財産が相続財産に加算されることはありません。また、この加算期間は2023年までは「3年以内」でしたが、2024年以降は「7年以内」に順次延長されています。

 

土地の生前贈与を計画する際には、この加算期間を考慮し、長期的な視点で相続税対策を行うことが重要です。

土地の贈与税についてよくある質問

土地の贈与税に関してよくある質問についてご紹介します。

土地の贈与では、暦年課税と相続時精算課税のどちらを活用するのがおすすめですか?

土地を贈与する際、暦年課税と相続時精算課税の選択は、それぞれの特徴や状況に応じた判断が必要です。暦年課税では、基礎控除額110万円を超える贈与に贈与税が課され、一度に多額の贈与税が発生する可能性があります。一方、相続時精算課税では2,500万円まで非課税となり、贈与税の負担を抑えられる場合が多いとされています。

 

ただし、相続時精算課税を一度選択すると暦年課税には戻れず、贈与財産は将来の相続税計算に加算されます。そのため、贈与者の年齢や資産状況、相続計画全体を考慮して選択することが重要です。

土地の贈与と相続では、どちらが有利になりますか?

土地を配偶者や子どもに渡す際には、土地の価値や利用状況、贈与者の資産状況、受贈者との関係性などを考慮して、贈与と相続のどちらが有利かを判断する必要があります。

 

相続が有利なケース

  • 税率が低い場合:暦年課税での贈与よりも、相続税の方が低い税率で財産を移転できます。
  • 特例が使える場合:相続では「小規模宅地等の特例」などを利用でき、土地の評価額が減額される可能性があります。

 

贈与が有利なケース

  • 相続財産加算が不要になる場合:贈与後、一定期間内に相続が発生しなければ、贈与財産は相続財産に加算されません。
  • 土地の値上がりを抑えたい場合:将来的に値上がりが予想される土地を早めに贈与すれば、値上がり分の相続税を回避できます。
  • 特定の特例を活用できる場合:居住用土地の贈与税非課税枠や、賃貸用土地による所得税抑制など、贈与特例が適用されることがあります。
  • 生前に意思を明確にしたい場合:贈与を活用することで、遺言書の代わりとして自分の意思で財産を移転できます。

 

それぞれの選択にはメリットとデメリットがあるため、慎重に判断することが重要です。

 

土地の贈与税についてのまとめ

ここまで土地の贈与税はいくらかかるのかについてお伝えしてきました。土地の贈与税はいくらかかるのかの要点をまとめると以下の通りです。

 

  • 贈与税とは、財産を個人間で無償で譲り受けた際に課される税金のことで、主に親から子や孫への財産贈与が該当する
  • 土地の贈与税を節税するには、「配偶者控除」「相続時精算課税制度」や「貸家建付地」の活用することで、贈与税や相続税の負担を軽減できる
  • 土地の贈与税には、評価額や特例の確認、追加で発生する登録免許税・不動産取得税、贈与後3~7年以内の相続加算など、慎重な検討が必要

 

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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