土地や建物を相続した場合、相続税がどれくらいかかるのか気になる方も多いでしょう。不動産の相続には、特有の計算方法や控除のルールがあり、それらを正しく理解することで、適切に税額を把握し準備を進めることができます。
本記事では土地や建物を相続したら相続税はいくらかかるかについて以下の点を中心にご紹介します。
- 土地や建物を相続すると必要になる手続きとは
- 土地や建物を相続すると相続税はいくらなのか
- 相続税の土地評価額の計算方法とは
土地や建物を相続したら相続税はいくらかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
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土地や建物を相続したらどんな手続きが必要?

土地や建物を相続した場合、相続登記を行うためには、いくつかのステップを踏む必要があります。相続の手続きは複数の段階を経て進められるため、それぞれの流れを理解しておくことが重要です。以下に主な手続きの流れを解説します。
- 相続人の確定
まず、被相続人の戸籍を調査し、法定相続人を確定します。相続人が明確に分かっているように思えても、実際に戸籍を遡ると予期しない相続人が判明することもあります。正確な相続関係を明らかにするために、戸籍調査は必須の手続きです。
- 相続財産の確定
次に、相続対象となる不動産を確認します。不動産の名寄帳や固定資産評価証明書を取得し、被相続人が所有していた財産を特定します。登記事項証明書を法務局から取り寄せることで、不動産の詳細な情報を確認できます。土地と建物は別々に登記されているため、両方の書類を揃える必要があります。また、公図や地積測量図も確認し、登記内容と現地が一致しているかをチェックします。
- 相続税評価額の計算
不動産の評価額を算出します。建物は固定資産税評価額を基に計算しますが、土地の場合は路線価方式または倍率方式を用います。評価額は相続税の計算に必要なため、正確に行うことが求められます。
- 相続税額の計算と納付
評価額をもとに相続税額を計算し、申告を行います。申告期限は相続開始を知った日の翌日から10カ月以内であるため、計画的に進めることが大切です。
- 相続登記の完了
最終的に、法務局で相続登記を行い、不動産の名義変更を完了させます。相続登記には期限が設けられていませんが、早めに手続きを進めることで後々のトラブルを防ぐことができます。
土地や建物の相続手続きは多岐にわたりますが、それぞれのステップを順序立てて行うことでスムーズに進められます。不動産登記や相続税の申告に必要な書類を事前に準備し、期限を守って対応することが大切です。
土地の相続税評価額は、相続財産の評価や相続税の計算において重要な要素です。相続税法に基づいて評価される土地の価値は、遺産分割や相続税の申告に大きな影響を与えます。 そこで、土地の相続税評価額について気になる方も多いのではないでしょうか[…]
不動産を相続したときにいくら税金がかかる?

不動産を相続すると、登録免許税や相続税など、複数の税金が発生します。それぞれの計算方法を理解しておくことで、相続手続きをスムーズに進めることができます。以下に、主な税金について説明します。
- 登録免許税
不動産の相続により名義を変更する際、登録免許税が課税されます。この税額は、不動産の固定資産評価額に税率0.4%を掛けて計算します。具体的な計算式は次のとおりです。
- 登録免許税 = 固定資産評価額 × 0.4%
固定資産評価額は、市区町村から発行される「固定資産評価証明書」で確認できます。評価額は1,000円未満を切り捨てた額が対象となり、計算後の税額も100円未満が切り捨てられます。
納付は現金が原則であり、専用の納付書を利用して金融機関で支払います。税額が3万円以下の場合は、収入印紙での支払いも可能です。収入印紙は郵便局や一部の法務局で購入できます。
- 相続税
相続税は、相続財産の総額に基づいて課税されます。不動産は相続財産の中でも高額になりがちで、特に土地を承継する場合には相続税が高くなることがあります。ただし、相続税には基礎控除があるため、控除額を超えた部分にのみ課税されます。
基礎控除額の計算式:3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
この控除額を上回る場合のみ、超過部分に対して相続税が発生します。不動産の場合、評価額は固定資産評価額や路線価を基に計算されるため、詳細な評価方法を確認しておくことが大切です。
登録免許税や相続税は、それぞれ異なるルールで計算されます。不動産の相続時には、固定資産評価証明書や路線価図など必要な書類を準備し、計算を正確に行いましょう。
相続は、人生における大きな出来事の一つです。 大切な家族を亡くした後、残された財産をどのように処理するか、という問題に直面することになります。 相続税は、その際に避けて通れない問題です。 しかし、「相続税がいくらになるのか?」[…]
相続した土地や建物を評価する方法

相続した不動産の評価は、土地と建物で計算方法が異なります。土地と建物が一緒に相続された場合でも、それぞれ別々に評価する必要があります。以下は、土地や建物を評価するための主な手順です。
【ステップ1】路線価地域か倍率地域かを確認
まず、相続する土地が路線価地域か倍率地域かを確認します。路線価図がある場合は「路線価地域」、ない場合は「倍率地域」となります。確認後、それぞれの計算方法で評価額を算出します。
- 路線価方式:相続税路線価 × 調整率 × 土地面積
- 倍率方式:固定資産税評価額 × 倍率
路線価方式と倍率方式では計算の詳細が異なるため、土地の所在地に応じて適切な方法を選択してください。
【ステップ2】評価減の可能性を確認
土地の形状や立地条件によっては、評価額を減額できる場合があります。例えば、以下のような条件がある場合は評価減が適用される可能性があります。
- 奥行が長い土地
- 不整形な土地
- 道路に面していない土地(無道路地)
- 騒音や振動の影響を受ける土地(線路や踏切沿いなど)
これらの条件については専門知識が必要になるため、相続税に詳しい税理士に相談することをおすすめします。
【ステップ3】賃貸の有無を確認
相続する土地が賃貸されている場合、自由に使用できないため評価額が減額されます。例えば、借地や貸家建付地として利用されている場合は、以下の計算式で評価します。
- 借地権:自用地の評価額 × 借地権割合
- 貸宅地:自用地の評価額 - 借地権の価額
- 貸家建付地:自用地の評価額 × (1 – 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
賃貸状況や割合については、路線価図や契約内容を確認して計算します。
【ステップ4】小規模宅地等の特例を確認
相続した土地が「自宅用」「事業用」「貸付用」のいずれかに該当する場合、小規模宅地等の特例を利用することで評価額を大幅に減額できる可能性があります。例えば、被相続人が住んでいた宅地(自宅用)は330㎡までの部分に対して最大80%の減額が適用されます。
この特例を適用するには、以下の要件を満たす必要があります。
- 被相続人が生前に住んでいた宅地や事業用宅地であること
- 規定の面積の範囲内であること
- 期限内に相続税の申告を行うこと
土地や建物の評価は、不動産の特徴や条件により複雑になることがあります。
相続は、人生における大きな出来事の一つです。 しかし、同時に、相続税という問題も避けて通れません。特に、不動産を相続する場合、その評価額によって相続税額が大きく左右されます。 「相続税の評価額はどのように計算されるのか?」「評価額を[…]
相続税の土地評価額の計算方法とは

土地を相続した際、相続税の評価額を正しく算出することは非常に重要です。評価額の計算方法には「路線価方式」と「倍率方式」があり、土地の所在地や条件に応じて適切な方法が選ばれます。以下、それぞれの計算方法について詳しく解説します。
路線価方式での評価額計算
市街地など、路線価が設定されている地域では「路線価方式」を用いて評価額を算出します。路線価とは、道路ごとに設定された1㎡あたりの基準価格で、国税庁のホームページで確認できます。計算式は以下のとおりです。
- 評価額 = 路線価 × 土地面積
例えば、路線価が25万円の道路に接する200㎡の土地なら、評価額は「25万円 × 200㎡ = 5,000万円」となります。ただし、土地の形状や奥行きが特殊な場合は、「奥行価格補正率」などを適用して評価額を調整します。
例:奥行価格補正率の適用
奥行き30m、接道部分10m、路線価15万円の土地で、奥行価格補正率が0.95の場合
評価額 = 15万円 × 0.95 × 300㎡ = 4,275万円
補正を適用しない場合よりも評価額が低くなるため、形状や用途に応じた補正の検討が重要です。
借地権割合の適用
土地を貸している場合、借地権割合を考慮して評価額を減額します。借地権割合は路線価に表示されるアルファベットで示され、地域ごとに異なります。
例えば、借地権割合が60%(D)の土地で評価額が3,000万円の場合
評価額 = 3,000万円 × (1 – 60%) = 1,200万円
貸家建付地の評価額計算
賃貸物件が建つ土地の場合、「貸家建付地」として評価額をさらに減額できます。計算式は以下のとおりです。
評価額 = 路線価評価額 × (1 – 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
例えば、路線価評価額4,000万円、借地権割合60%、借家権割合30%、賃貸割合100%の場合
評価額 = 4,000万円 × (1 – 60% × 30% × 100%) = 3,280万円
倍率方式での評価額計算
路線価が設定されていない地域では「倍率方式」を使用します。国税庁の評価倍率表で確認した倍率を、固定資産税評価額に掛けて計算します。計算式は以下のとおりです。
評価額 = 固定資産税評価額 × 倍率
例えば、固定資産税評価額が2,000万円で倍率が1.1の場合
評価額 = 2,000万円 × 1.1 = 2,200万円
土地の評価額は、計算方法や減額要件を正しく理解することで適切に算出できます。土地の形状や利用状況を考慮し、専門家のアドバイスを受けながら計算することで、相続税の負担を最小限に抑えることが可能です。
不動産の相続税対策に使える控除や特例とは

- 配偶者の税額軽減
配偶者が相続人である場合、相続税の負担を大幅に軽減できる制度です。この特例では、次の2つの条件のいずれかを満たせば、相続税が非課税となります。
- 相続財産の合計が1億6,000万円以下
- 法定相続分の範囲内の財産を相続
この特例を適用するには、相続税の申告期限までに遺産分割協議を終えておく必要があります。
- 未成年者控除
相続人が未成年者の場合、相続税額から一定額を控除することができます。控除額は次の計算式で求められます。
- 控除額 =(20歳 – 相続時の年齢)×10万円
例えば、相続時の年齢が15歳の場合、控除額は「(20歳 – 15歳)×10万円 = 50万円」となります。
- 障害者控除
障害者が相続人となる場合、その年齢や障害の程度に応じて相続税が軽減されます。控除額の計算式は以下の通りです。
- 一般障害者:控除額 =(85歳 – 相続時の年齢)×10万円
- 特別障害者:控除額 =(85歳 – 相続時の年齢)×20万円
計算時は、満年齢で年齢を判断します。
- 相次相続控除
10年以内に複数の相続が発生した場合、前回納めた相続税の一部を控除できる制度です。この控除により、立て続けの相続で生じる税負担を軽減することができます。
相続した不動産に関する税金を軽減する方法

不動産を相続した際、税負担を軽減するために活用できる制度がいくつかあります。以下では、特に有効な2つの制度について解説します。
- 空き家の発生を抑制するための特例措置
いわゆる「空き家特例」と呼ばれる制度で、被相続人の住居だった空き家を相続した場合に適用されます。この制度では、一定の条件と耐震基準を満たした家屋またはその敷地を売却した際に、譲渡所得から最大3,000万円を特別控除することが可能です。
適用条件には、家屋の耐震改修や取り壊し後の譲渡などが含まれます。この特例を活用することで、空き家が相続後に放置されることを防ぎ、譲渡時の税負担を大きく減らすことができます。
- 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
もう一つの制度は、相続した不動産を売却する際に取得費を増やすことができる「取得費加算の特例」です。この制度では、相続または遺贈で取得した土地や建物などを一定の期間内に売却した場合、相続税の一部を譲渡資産の取得費に加算できます。
この特例を利用すると、譲渡所得の計算上、取得費が増えるため課税対象額が減少し、結果として譲渡所得税の負担が軽くなります。
これらの制度は相続後の不動産活用をサポートし、税負担を軽減する有効な手段となります。
土地や建物を相続したら相続税はいくらかについてよくある質問

土地や建物を相続したら相続税はいくらかについてよくある質問は以下のとおりです。
相続税の土地と建物の評価額は?
相続登記を行う際には「登録免許税」という税金が発生します。この税金は、不動産の固定資産税評価額に対して0.4%の税率で計算されます。たとえば、固定資産税評価額が3,000万円の場合、登録免許税は「3,000万円 × 0.4% = 12万円」となります。
さらに、登記手続きを司法書士に依頼する場合は、登録免許税に加えて司法書士の報酬が必要です。これらを合計した金額が、相続登記にかかる全体の費用となります。
3000万円の土地建物を相続した場合の税金はいくらですか?
遺産額が3,000万円の場合、相続税がどの程度かかるのか気になる方も多いでしょう。結論から言えば、遺産が3,000万円の場合、相続税は発生しません。さらに、相続税がかからないだけでなく、相続税の申告自体も不要です。
これは、相続税の計算において「基礎控除」という重要な金額が設定されているためです。この基礎控除額を超えない場合には、相続税の納付義務も申告義務もありません。
土地建物を相続するとき、いくらまでなら非課税ですか?
相続税は、相続財産が3,600万円を超えない場合には課税されません。これは「基礎控除」と呼ばれる仕組みによるもので、一定額までは相続税がかからない制度です。相続する財産の合計額が基礎控除内であれば、相続税の申告も不要となります。
基礎控除額は、以下の計算式で算出されます。
基礎控除額 = 3,000万円 +(法定相続人の数 × 600万円)
この金額を超えない範囲では、相続税の負担が発生しない仕組みです。
土地や建物を相続したら相続税はいくらについてのまとめ

ここまで土地や建物を相続したら相続税はいくらかについてお伝えしてきました。土地や建物を相続したら相続税はいくらかの要点をまとめると以下の通りです。
- 土地や建物を相続したら、相続人や相続財産の確定をしたり相続税評価額の計算をしたりする
- 土地を相続した際、相続税の評価額を正しく算出することは非常に重要である。評価額の計算方法には「路線価方式」と「倍率方式」があり、土地の所在地や条件に応じて適切な方法が選ばれる
- 相続した不動産に関する税金を軽減する方法には、空き家特例や取得費加算の特例がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。


