車を相続した場合、相続税がかかるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
車も相続財産の一部とみなされるため、他の財産と同様に相続税の対象になる可能性があります。
本記事では車に相続税がかかるのかについて以下の点を中心にご紹介します。
- 車は相続税の対象になるのか
- 車の評価額の相場とは
- ローンが残っている場合の相続税について
車に相続税がかかるのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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車は相続税の対象になる?

相続税の対象となる財産は、不動産や預貯金、株式だけでなく、亡くなった方が所有していた車も含まれます。
車は相続税上「一般動産」として分類され、その評価額が相続税計算の基準となります。
一般動産の評価方法については、国税庁が「売買実例価額や精通者意見価格などを参考に算定する」としています。
つまり、車の評価額は新車価格ではなく、亡くなった時点での市場価値や状態を基に判断されるということです。
具体的には、車種や年式、走行距離、外観や内装の状態などが評価額に影響を与えます。
そのため、亡くなった方が所有していた車を相続する際には、その時点での価値を把握し、必要に応じて専門家に査定を依頼することが重要です。
適切な評価を行うことで、相続税額を正確に算出することができます。
車の相続税はいくら?

車を相続した場合、その評価額は「一般動産の評価」に基づいて算出されます。
この評価方法は、国税庁の財産評価基本通達に定められたもので、主に「売買実例価格」や「専門家の査定価格」を参考にすることが一般的です。
それでは、それぞれの評価方法について見ていきましょう。
売買実例価格を基準に評価する方法
売買実例価格とは、市場で実際に取引されている中古車の価格を指します。
相続した車のメーカー、車種、年式、走行距離などを調べ、市場における類似車両の買取価格を基に評価額を算出します。
ただし、高級車や特定のコレクターズアイテムなど、流通量が少ない車両については、売買実例価格を調べることが難しい場合があります。
その際は次の方法を用います。
精通者の意見価格を参考にする方法
精通者意見価格とは、車の評価に詳しい専門業者やディーラーが行う査定価格を指します。
中古車の市場価値を反映した適切な金額を提示してもらうことで、評価額を割り出します。
ただし、親族や知り合いに相場よりも大幅に安い価格で車を譲渡した場合、その価格を相続税評価額として用いることはできないため注意が必要です。
減価償却方式による評価
売買実例価格や査定価格が明確でない場合は、特例的に「減価償却方式」を使うことも可能です。
これは車の新車時の価格を基に、年数や使用状況による価値の減少分を差し引いて評価額を計算する方法です。
この計算により、車が相続時点で持つ価値を合理的に算出することができます。
車の評価方法

車には4つの評価方法があります。以下に解説します。
業者買取価格相場を基にする方法
業者の買取価格相場を基に評価する方法は、車の価値を算出する際に非常に利用頻度が高い方法です。
この評価方法では、中古車販売業者が販売する価格ではなく、業者が車を買い取る際の価格を基準に評価します。
正確な買取価格を算出するためには、自動車検査証を参照し、以下の情報を準備する必要があります。
- 年式
- メーカー
- 車種・グレード
- 走行距離
- 色
これらの情報を基に、中古車市場での買取価格相場をインターネットで調べます。
現在では、オンラインで買取価格の目安を表示してくれる便利なサイトが数多く存在しますが、注意点として、電話番号などの個人情報入力を求めるサイトは避けることをおすすめします。
個人情報を入力すると、業者から売却の意思があると見なされ、電話やメールが届く場合があります。
相場を確認したいだけで売却予定がない場合には、個人情報の入力が不要なサイトを選びましょう。
査定額を基にする方法
車の評価額を算出する際には、ディーラーや中古車買取業者に査定を依頼し、提示された査定額を基準に計上する方法があります。
しかし、一括査定サービスを利用すると、多数の業者から連絡が入る可能性があるため、注意が必要です。
減価償却費を用いた方法
車の評価額を算出する際、市場で流通していない車や売買実例価格が確認できない場合には、減価償却方式を用いることがあります。
この方法では、まず新車時の価格を基準とし、相続発生日(死亡時)までの使用期間に応じた償却額を算出して控除し、評価額を求めます。
償却額は、国税庁が定めた耐用年数省令に基づく残価率表を使い、定率法により計算されます。
ただし、減価償却方式はあまり一般的に使用される方法ではありません。
多くの場合、「中古車買取業者の買取価格を基にした方法」や「実際の査定額や売却額を基にした方法」が用いられるため、車の評価を行う際にはこれらの方法を優先して検討すれば十分です。
売却代金を基にする方法
車を今後使用しない場合は、売却を選択することが一般的です。
その際、実際の売却金額が相続税評価額として扱われます。この方法は、非常に明確で簡単に評価額を確定できる点が特徴です。
車の相続で注意すること

車の相続では、以下のようなことに注意する必要があります。
所有者が被相続人であるのかどうか
車の相続手続きにおいて、まず確認すべきポイントの一つが、その車の所有者名義です。
特に、カーローンを利用して購入された車両の場合、車検証に記載されている所有者がローン会社やディーラーになっているケースがあります。
この場合、車は被相続人の名義ではなく、ローン会社やディーラーの所有物として扱われます。
相続手続きの際には、まずローン会社やディーラーに連絡を取り、被相続人の死亡を報告します。
そのうえで、残債がどのくらいあるのかを確認し、今後の返済方法を協議する必要があります。
もし相続人が車を使わない場合は、ローン会社やディーラーが車両を引き取り、換価処分(売却)を行うことがあります。
その際、売却代金はローンの残債に充当されますが、充当後も返済額が残る場合には、その残債が相続人に請求されることがあります。
こうした状況を防ぐためにも、事前に車両の所有者名義とローン契約状況を確認し、適切な対応を進めることが重要です。
共有名義にする場合
自動車を相続する際、複数の相続人が所有権を共有する形で名義変更を行うことも可能です。
この場合、車検証には相続人全員の名前が記載され、各相続人が所有権を分け合う形になります。
しかし、共有名義にすることで手続きが複雑になる点に注意が必要です。
例えば、車検や売却などの手続きでは、所有者全員の同意や押印が必要となり、手続きのたびに全員に連絡を取る手間がかかります。
このような煩雑さを考慮すると、相続車両の管理や利用が非効率になる可能性があります。
そのため、自動車を相続する際には、共有名義ではなく、単独での相続を検討する方が手続きや管理がスムーズになる場合が多いでしょう。
単独相続にすることで、車両の管理や売却の際の意思決定が迅速に行えるメリットがあります。
遺産分割協議書の提出について
自動車を相続し名義変更を行う際には、相続人全員で協議し、相続財産の分配を決定した内容を記載した「遺産分割協議書」を用意する必要があります。この書類は、誰がどの財産を相続するかを明確にするためのもので、名義変更手続き時に提出を求められます。
ただし、自動車の査定額(時価)が100万円以下の場合には、より簡単な手続きが認められています。
この場合は「遺産分割協議成立申立書」と呼ばれる簡易的な書類を使用することで、遺産分割協議書を省略することが可能です。
また、軽自動車の場合は特例として、名義変更手続きに遺産分割協議書の提出が不要となっています。
軽自動車の名義変更では、必要書類が普通車の場合と異なるため、詳細は管轄の軽自動車検査協会に確認することをおすすめします。
このように、車種や評価額に応じて手続きが異なるため、状況に合わせた準備を行いましょう。
故人のローンが残っている場合はどうする?

故人が車をローンで購入し、返済が完了していない場合、相続人がそのローンを引き継ぐ必要があります。
返済方法には以下の3つの選択肢があります。
相続した財産を使って一括返済
相続財産を活用してローンを全額返済する方法です。
この選択肢はシンプルで、多くの方が選ぶ傾向にあります。
相続人が返済を引き継ぐ
車を引き続き使用したい場合は、相続人がローン契約を引き継ぐことも可能です。
ただし、この場合は相続人自身がローン返済能力を有しているかどうか、審査を受ける必要があります。
この審査に通らなければ、ローンの引き継ぎはできない点に注意が必要です。
車をローン会社に引き渡す
車をローン会社に返却し、その処分価格を返済に充てる方法です。
ただし、処分価格がローン残債に満たない場合、その不足分を一括で支払わなければなりません。
この選択肢を選ぶ際は、不足分が発生するリスクを理解しておきましょう。
相続税評価の際には、以下の2点を忘れずに処理しましょう。
- 車の価値をプラスの財産として計上する
- ローン残高をマイナスの財産として計上する
この2つの作業を正確に行うことで、相続税申告を適切に進めることができます。
どの方法が最適か、相続人の状況に応じて慎重に選びましょう。
不動産の相続税評価額についてよくある質問

亡くなった人の車の名義変更はどうすればいいですか?
自動車の相続における名義変更は、法律で義務付けられているわけではなく、手続きを行う期限も特に設定されていません。
しかし、「道路運送車両法」では、所有者が変更された場合、15日以内に名義変更を行うことが規定されています。
そのため、手続きを怠ると売却ができなくなるなどの不便が生じる可能性があります。
このような理由から、相続の際にも自動車の名義変更を進めておくことが重要です。
親が亡くなった後、車はどうなるの?
車の所有者が亡くなった場合、その車は相続人全員の共有財産となります。
そのため、車の状態にかかわらず、相続手続きを進める必要があります。
以下の2点のポイントを確認して対応しましょう。
- 車の所有者が故人であるかを車検証で確認する
- 名義変更をせずにそのまま使用するのは避ける
売却や廃車をする場合であっても、多くの場合、相続人のいずれかが一度相続する手続きを行う必要があります(一部例外を除く)。
これらの手続きを適切に進めることで、後々のトラブルを防ぐことができるでしょう。
不動産の相続税評価額についてのまとめ

ここまで車に相続税がかかるのかについてお伝えしてきました。
車に相続税がかかるのかの要点をまとめると以下の通りです。
- 相続税の対象となる財産は、不動産や預貯金、株式だけでなく、亡くなった方が所有していた車も含まれる
- 車を相続する際に注意する点は、所有者が被相続人であるのかどうかや遺産分割協議書の提出が必要であるかなど確認する必要がある
- 故人が車をローンで購入し、返済が完了していない場合、相続人がそのローンを引き継ぐ必要がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。