相続税の控除額とは?計算式や基礎控除以外の6つの控除枠について解説
相続税は、高額な財産を相続した場合に発生する税金ですが、実は、相続税の計算では様々な控除が認められています。これら控除を正しく理解し、活用することで、相続税の負担を軽減できる可能性があります。
この記事では、相続税の控除額について、基礎控除はもちろん、その他の控除枠も詳しく解説していきます。
- 相続税とは
- 相続税の基礎控除とは
- 基礎控除以外の控除枠
相続税の控除額とはについてご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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相続税とは

相続税とは、亡くなった人の財産を相続した際に、その財産に課される税金です。
遺産には現金や不動産、有価証券などが含まれ、一定の基礎控除額を超えた部分に対して相続税が課せられます。
計算方法は、まず相続する総財産額から基礎控除を差し引き、そこから各相続人が受け取る額に応じて税率が決まります。
なお、相続税の負担を軽減するための控除や特例もあります。財産内容によっては専門家への相談が有効です。
相続税の基礎控除とは

相続税の基礎控除とは、相続財産の総額から控除できる金額のことを指し、一定の金額までは相続税が課されません。
2024年現在、この基礎控除額は「3000万円 + (600万円 × 法定相続人数)」で計算されます。たとえば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4800万円となります。
相続財産がこの金額を超えた場合、その超過部分に対して相続税がかかります。
また、基礎控除額の適用により、相続税を支払わなくて済むケースもありますが、相続財産の評価額や相続人の数によって、適用される税率や金額は異なります
遺産相続において、相続税の計算は避けて通れない重要なプロセスです。 その中でも「基礎控除」は、相続税の負担を軽減するために不可欠な要素です。 基礎控除とは、相続財産の総額から一定額を差し引くことで、課税対象額を減らす制度です。 こ[…]
相続税基礎控除額の計算式

相続税の計算において、最初に把握しておきたいのが「基礎控除額」です。
この基礎控除額は、相続税の計算において非常に重要な要素となります。
相続人の数が多いほど、基礎控除が大きくなる
相続税の基礎控除は、相続人の数が多いほど大きくなります。
基礎控除額は「3000万円 + 600万円×法定相続人数」で計算されるため、相続人が増えると控除額も増加します。
例えば、相続人が1人の場合は控除額が3600万円ですが、相続人が3人なら4800万円になります。
これにより、相続税の課税対象となる財産の範囲が減少し、税負担が軽減される可能性が高まります。
この仕組みは、相続人の生活保障を考慮した制度です。
法改正で基礎控除額は縮小:課税対象者は倍増
相続税の基礎控除額は、2015年の法改正により大幅に縮小されました。
従来は「5000万円+1000万円×法定相続人数」でしたが、改正後は「3000万円+600万円×法定相続人数」に引き下げられました。
この変更により、相続税の課税対象となるケースが増え、課税対象者は改正前の約2倍に増加しています。
特に都市部では、不動産評価額の上昇も相まって、相続税を支払う人が大幅に増える結果となりました。
基礎控除を理解するうえで重要な「法定相続人」

相続税の基礎控除額を計算する上で、「法定相続人」という言葉をよく耳にします。
この「法定相続人」は、相続税の基礎控除額を決定する上で非常に重要な要素の一つです。
法定相続人とは
法定相続人とは、法律で定められた順序に従い、故人の財産を相続する権利を持つ者を指します。
日本の民法では、故人に最も近い親族が優先されます。
第一順位は、故人の配偶者と子ども(直系卑属)です。
子どもがいない場合は、第二順位として故人の親(直系尊属)が相続権を持ち、さらに親がいない場合は、第三順位として兄弟姉妹が相続人となります。
配偶者は常に相続人となり、他の相続人と共に財産を分配します。
法定相続人の数に応じて、相続税の基礎控除額が変わるため、相続の際には正確に確認することが重要です。
基礎控除額を算出するときの注意ポイント
基礎控除額を算出する際には、いくつかの注意ポイントがあります。
まず、法定相続人の人数を正確に把握することが重要です。相続人が増えると基礎控除額も増加するため、配偶者や子どもだけでなく、場合によっては親や兄弟姉妹も法定相続人に含まれることを確認しましょう。
また、基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されますが、未成年者控除や障害者控除など、特定の条件に応じた追加控除もあります。
これにより、相続税の負担を軽減できる可能性があるため、控除額の計算には専門家のアドバイスを受けることが推奨されます。
相続放棄をした相続人は法定相続人に含まれる
相続放棄をした相続人についての法律的な位置付けについて説明します。
相続放棄とは、相続人が相続権を放棄する手続きを指します。
日本の民法によると、相続放棄をした相続人は、法定相続人の中には含まれますが、実際には相続の権利を持ちません。
具体的には、相続放棄をすることで、その相続人は相続分を一切受け取ることができなくなりますが、法定相続人としての地位は維持されるのです。
これは、相続放棄が他の法定相続人や相続財産に対する権利に直接的な影響を及ぼさないためです。
放棄をした相続人の分は、他の法定相続人に繰り上げられることになります。
そのため、相続放棄をしたとしても、その相続人の法律的な地位や他の相続人との関係には変わりはありません。
相続放棄を選択する際には、その後の相続分配に与える影響を十分に理解することが重要です。
養子の数には制限がある
養子の数には法律によって制限が設けられています。
日本の民法では、養子縁組に関する規定があり、その目的は家庭内の秩序と子どもの利益を守ることです。
具体的には、養子の数には上限があり、一般的に直系の養子に関しては、養父母一組につき2名までとされています。
これは、養子縁組による家族構成の変化を適切に管理し、家族内での権利や義務の不公平を防ぐためです。
また、養子の制限には、親の年齢や家庭の状況、養子縁組の目的なども考慮されることがあります。
たとえば、後継者不足や家庭内の事情から特例が認められることもありますが、基本的には法律に基づいた制限が適用されます。
養子縁組を考える際には、法律の制限を理解し、適切な手続きを踏むことが重要です。
これにより、家族関係が円滑に維持され、養子にとっても安心できる環境が提供されるのです。
欠格や廃除は法定相続人に含まれない
欠格や廃除は、相続人としての資格に重大な影響を与える制度です。
欠格とは、相続人が犯罪行為などの特定の事情により、法的に相続権を失うことを指します。
一方、廃除は、相続人が遺言者や他の相続人に対して著しい不正や非行を行った場合に、遺言によってその相続権を剥奪されることを意味します。
欠格や廃除の対象となった相続人は、法定相続人の中に含まれないとされます。
これは、法的に認められた理由によって相続権を失うためです。
具体的には、欠格が適用されると、その相続人は相続権を完全に失い、その分は他の法定相続人に繰り上げられます。
廃除の場合も同様に、相続権を剥奪された相続人の分は、他の相続人が引き継ぐ形になります。
この制度は、相続における公平性と秩序を保つために重要です。
欠格や廃除により、不正行為を防ぎ、相続の公平性が保たれることが目的とされています。相続に関する具体的な手続きや条件については、専門家に相談することが望ましいでしょう。
法定相続人とは、故人の財産を相続する権利を法律で定められた人々のことを指します。 相続人には配偶者や子供、親などが含まれ、それぞれの立場や関係性によって相続の順位や割合が違います。 この記事では、以下のポイントを中心に解説します。 […]
基礎控除以外の6つの控除枠

相続税の計算では、基礎控除額がまず注目されますが、実は基礎控除以外にも、相続人の状況や遺産の状況に応じて適用される様々な控除が存在します。
ここでは、基礎控除以外の6つの控除枠について解説していきます。
配偶者の税額軽減
配偶者の税額軽減は、相続税の負担を軽減するための重要な制度です。
日本の相続税法では、配偶者が相続する場合、特定の税額軽減措置が適用されます。
具体的には、配偶者が相続する遺産のうち、法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い方までの部分については、相続税が非課税または軽減されることが規定されています。
この軽減措置の目的は、配偶者が相続によって財産を受け取る際の経済的な負担を減らし、生活の安定を図ることです。
配偶者控除を利用することで、相続税の支払いが大幅に軽減され、相続財産の分配に関する負担が軽減されます。
ただし、配偶者控除の適用を受けるためには、適切な手続きを踏む必要があり、相続税の申告期限内に正確な申告を行うことが求められます。
配偶者控除をうまく活用することで、税負担を抑えつつ、遺産の分配をスムーズに進めることが可能です。
未成年控除
「未成年控除」とは、相続税の負担を軽減するために設けられた制度で、法定相続人が20歳未満の場合に適用されます。
未成年者の年齢に応じて、相続税額から一定額が控除される仕組みで、具体的には、法定相続人が20歳に達するまでの年数に10万円を掛けた金額が控除額となります。
例えば、相続人が10歳であれば、控除額は100万円(10万円×10年)となります。
この制度は、未成年者の将来の生活費や教育費を考慮し、相続税の負担を軽減する目的で設けられています。
障害者控除
「障害者控除」とは、相続税の負担を軽減するための制度で、相続人が一定の障害を持つ場合に適用されます。
控除額は、一般の障害者と特別障害者で異なり、一般障害者の場合は85歳に達するまでの年数に10万円、特別障害者の場合はその年数に20万円を掛けた金額が控除されます。
例えば、特別障害者が75歳の場合、控除額は200万円(20万円×10年)です。この控除は、障害者の生活や医療費負担を考慮し、相続税の負担を軽減することで、障害者の生活支援を目的としています。
暦年課税分の贈与税額控除
「暦年課税分の贈与税額控除」は、相続時精算課税制度や相続に関連する税負担を調整するための仕組みです。
生前贈与で贈与税を支払っている場合、相続税計算時にその贈与税額が控除されるというものです。
例えば、被相続人が生前に暦年課税方式で贈与を行い、贈与税を支払った場合、その贈与税額は相続税の総額から差し引かれます。
ただし、贈与時に控除された基礎控除額などは考慮されず、実際に支払った贈与税額のみが控除対象となります。
この制度により、生前贈与と相続時の二重課税を防ぐことが可能です。
小規模宅地等の評価減の特例
「小規模宅地等の評価減の特例」は、相続時に被相続人の宅地の相続税評価額を大幅に減額できる制度です。
被相続人が居住していた自宅や、事業用に使用していた土地が対象となり、一定の要件を満たせば、その土地の評価額を最大80%減額することが可能です。
具体的には、居住用宅地の場合は330㎡までの部分が80%減額され、事業用宅地や貸付事業用宅地についても、面積や減額率が異なります。
この特例を利用することで、相続税の負担を大幅に軽減でき、特に土地資産を持つ家庭にとって有利な制度となっています。
相次相続控除
「相次相続控除」とは、短期間で相続が連続して発生した場合に、相続税の負担を軽減するための制度です。
具体的には、10年以内に相続が発生した場合、先に支払った相続税の一部を控除することができます。
控除額は、前回の相続税額と、今回の相続財産に占める前回の相続財産の割合に基づいて計算されます。
この制度は、連続して相続が発生することで相続税負担が重くなることを緩和し、家計に過度な負担がかからないようにするために設けられています。
結果的に、相続税が軽減され、資産の引継ぎが円滑に進むことが期待されます。
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相続税基礎控除を確認する際の注意点

相続税の基礎控除額は、相続税の計算において非常に重要な要素です。
しかし、基礎控除額の計算は、法定相続人の数や、相続開始時の状況など、様々な要素によって複雑に変化します。
みなし財産などがないか
「みなし財産」とは、相続財産ではないものの、相続税の計算において財産とみなされるものを指します。
典型的な例として、生命保険金や死亡退職金があります。これらは、被相続人の財産として直接は含まれませんが、相続人が受け取る金額の一部が課税対象となります。
特に生命保険金は、「500万円×法定相続人の人数」までが非課税枠として認められているため、それを超える部分に対して相続税が課せられます。
相続財産を整理する際は、みなし財産がないかを確認することが重要です。
見落とすと、後から追加で相続税が発生する可能性があるため注意が必要です。
相続時精算課税制度
相続税基礎控除を確認する際、相続時精算課税制度を利用した贈与が含まれる場合は特に注意が必要です。
相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されますが、この控除を受ける際、相続時精算課税制度で贈与された財産は、相続財産に合算されるため、相続税の対象となります。
そのため、生前贈与で税負担が軽減される一方で、相続時に基礎控除を超える場合は、相続税が発生する可能性があります。
また、この制度を一度選択すると、暦年課税に戻れないため、相続全体の税負担を見越した計画が重要です。
贈与と相続時の税負担のバランスを慎重に確認することが求められます。
申告が必要な特例の利用
相続税基礎控除を確認する際、申告が必要な特例を利用する場合には注意が必要です。
相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」となりますが、控除額を超えなくても特例の適用には申告が必要なケースがあります。
例えば、「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額軽減」といった特例を利用する場合、相続税が実際に発生しない場合でも申告を怠ると特例を適用できなくなります。
このため、特例を利用する際は、必ず期限内に申告を行うことが重要です。
また、控除や特例の利用には細かな条件があるため、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
相続税の控除額とはについてまとめ

相続税の控除額とはについてお伝えしてきました。
相続税の控除額とはについてまとめると以下の通りです。
- 相続税とは、亡くなった人の財産を相続した際に、その財産に課される税金で、遺産には現金や不動産、有価証券などが含まれ、一定の基礎控除額を超えた部分に対して相続税が課せられる
- 相続税の基礎控除とは、相続財産の総額から控除できる金額のことを指し、一定の金額までは相続税が課さず、2024年現在、この基礎控除額は「3000万円 + (600万円 × 法定相続人数)」で計算される
- 基礎控除以外の控除枠は、相続税の負担を軽減するための配偶者の税額軽減や相続人が一定の障害を持つ場合に適用される障害者控除、法定相続人が20歳未満の場合に適用される未成年控除などがある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


