贈与税の申告は難しそう、面倒くさそうというイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実は、近年はスマートフォンを使って贈与税の申告を完結できる仕組みが整ってきており、手軽さと正確性の両立が可能になっています。
本記事では、以下の点を中心にご紹介します。
- 贈与税のスマホ申告の仕組みと背景
- スマホ申告の具体的な準備と手順
- スマホで申告する際の注意点とよくある疑問
贈与税の申告をスマホで済ませたい方、初めて申告に挑戦する方にとっても役立つ内容を網羅しています。
ぜひ最後までお読みください。
相続ナビに相続手続きをお任せください。
スマホ・PCで登録完了
役所などに行く必要なし
贈与税のスマホ申告とは?

スマートフォンを使った贈与税の申告は、これまで手間がかかるとされていた税務手続きをぐっと身近にしてくれる方法です。
パソコンがなくても、スマホだけで申告から送信までを完了させることができ、特に単純な贈与内容であれば短時間で完了できます。
国税庁ではスマホ申告用のe-Taxサービスを提供しており、マイナンバーカードとスマホを使えば、時間や場所を選ばずに手続きできる体制が整っています。
とはいえ、誰でもスマホで簡単にできるというわけではなく、利用には一定の条件があり、対象外となるケースも存在します。この章では、スマホで贈与税を申告できる仕組みや、その背景にある制度の変化について解説していきます。
スマホで申告が可能になった背景
これまで、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」では、贈与税の申告はスマートフォンからの対応ができませんでした。
そのため、パソコンを使うか、書面での提出が必要でしたが、利便性向上を目的に、令和7年(2025年)1月からはスマホでも贈与税の申告ができるようになりました。
この変更により、スマートフォンの操作に慣れている若年層や、パソコン環境が整っていない方でも、マイナンバーカードとスマホがあれば自宅にいながら申告が可能となりました。
国税庁では、デジタル化と申告手続きの簡素化を進めており、今後も他の税目を含めたスマホ申告の拡充が期待されています。
2025年申告分からの対応ではありますが、スマホでの申告対応が始まったことは、税務行政の大きな進化といえるでしょう。
スマホでの贈与税申告を検討する方は、最新の対応状況や事前準備を確認したうえで、安心して手続きを進めることが重要です。
スマホで贈与税を申告するための事前準備

スマホで贈与税を申告するには、いくつかの事前準備が欠かせません。
特に、必要な書類や機器、アプリの準備に加え、贈与内容の正確な把握が重要になります。
ここでは、スマホ申告に必要なツールや事前に確認すべき贈与の詳細について解説していきます。手続きをスムーズに進めるためにも、申告前の準備段階をしっかりと押さえておきましょう。
スマホでの申告に必要なもの
まず必要になるのが、マイナンバーカードです。
スマホ申告では本人確認がマイナンバーカードを通じて行われるため、カードの取得は必須です。
また、マイナンバーカードを読み取るためのスマートフォンも必要で、対応機種でなければ申告ができません。
加えて、e-Taxアプリとマイナポータルアプリのインストールが求められます。
これらのアプリを連携させることで、所得情報や保険料控除証明書などの一部データを自動で取得できる仕組みが整っています。
さらに、贈与内容に関する情報も事前に準備しておく必要があります。
例えば、贈与を受けた金額や贈与者の氏名・住所、贈与された資産の種類(現金、株式、不動産など)を正確に把握しておくことが求められます。
加えて、控除や特例を適用する場合には、それに応じた証明書類や届出書も用意しておくことが重要です。
事前に確認しておきたい贈与の内容
贈与税の申告においては、贈与された内容の正確な把握が不可欠です。
特に確認すべきなのが、贈与者と受贈者の関係性です。
例えば、夫婦間や親子間での贈与であれば、配偶者控除や住宅取得等資金の非課税制度など、適用できる特例があるため、関係性に応じた申告が必要です。
また、年間110万円を超える贈与があったかどうかも重要です。
110万円までは基礎控除の範囲内となり申告の義務はありませんが、それを超える場合は申告が必要となります。
また、特例制度を活用する場合には、贈与が住宅取得資金や教育資金、結婚・子育て資金などに該当しているかを確認しておきましょう。
該当する場合は適切な届出書や金融機関の証明書などを取得しておく必要があります。
こうした内容を事前に整理しておくことで、申告時の入力ミスや不備を防ぐことができ、スムーズな手続きが可能になります。
スマホでの贈与税申告ステップ

スマートフォンで贈与税を申告する場合、基本的な流れは「e-Taxの準備 → 申告書の作成 → 内容の確認と送信」という3つのステップに分かれます。
これらの手順を正しく理解し、ミスなく進めることで、申告の手間を大幅に軽減できます。
ここでは、それぞれのステップを丁寧に解説していきます。
e-Taxのアカウント取得と初期設定
スマホ申告を行うには、まずe-Taxの利用者識別番号を取得し、マイナポータルとe-Taxの連携設定を行う必要があります。
マイナンバーカードをお持ちであれば、スマホに「マイナポータルアプリ」と「e-Taxアプリ」をダウンロードし、マイナンバーカードを読み取って本人確認を済ませます。
これにより、e-Taxのアカウント(利用者識別番号)が自動で付与され、初期登録が完了します。
この際、マイナンバーカードの署名用電子証明書の暗証番号が必要になるため、事前に確認しておきましょう。
また、スマホ端末によっては読み取りの精度に差があるため、読み取りがうまくいかない場合はアプリを再起動するなどの対処も必要です。
スマホでの申告書作成の流れ
アカウントが設定できたら、次は贈与税申告書の作成に進みます。
e-Taxのスマホ申告ページにアクセスし、画面の案内に従って情報を入力していきます。
まずは贈与者の氏名・住所・マイナンバー、次に贈与を受けた財産の種類と金額を入力します。
控除の対象となる場合には、住宅取得等資金の贈与特例や教育資金贈与などの該当項目を選択し、必要な金額や証明書の有無も入力していきます。
マイナポータルと連携していれば、一部の控除情報が自動で反映されるため、手入力の手間を減らすことができます。
ただし、自動取得されない情報については手動入力が必要なので、あらかじめメモや資料を用意しておくとスムーズです。
申告内容の確認と送信
すべての情報を入力したら、画面上で内容の確認を行います。
贈与金額や贈与者情報に間違いがないか、控除の適用漏れがないかなどを丁寧にチェックしましょう。
誤りがあるまま送信すると、後日の修正手続きが面倒になるだけでなく、過少申告加算税などのペナルティが発生することもあるため要注意です。
確認が済んだら、電子署名のためにマイナンバーカードを再度読み取らせ、e-Taxを通じて申告データを送信します。
送信完了後は、控えのデータをPDFで保存しておくことをおすすめします。
スマホの画面をスクリーンショットしておくと、後日の確認にも便利です。
このようにスマホ申告は、事前準備と入力項目の理解さえできていれば、短時間で正確に完了させることが可能です。
スマホで贈与税を申告した後の流れと納税方法

スマホでの贈与税申告が完了したら、次に必要となるのが税額の納付です。
申告を終えて満足してしまう方も少なくありませんが、贈与税は申告と納付がセットになって初めて手続きが完了します。
この章では、納付書の受け取り方法から、実際の納付手段までをわかりやすく解説していきます。
納付期限や支払い方法をきちんと把握しておくことが、トラブル回避のカギとなります。
納付書の入手方法と納付期限
スマホで申告を済ませた場合でも、納付書は自動で郵送されるわけではありません。
e-Taxでの申告後に「納付番号(納付区分番号・確認番号)」が発行されるため、それを利用して納付を行います。
納付書を使いたい場合は、自宅のプリンターで印刷するか、税務署窓口での発行を依頼する方法が一般的です。
贈与税の納付期限は、原則として申告期限(通常3月15日)と同日です。
この日を過ぎると、延滞税が加算されるため、なるべく早めに納付を済ませることが大切です。
また、土日祝と重なる場合は翌平日が期限となることもありますので、事前にカレンダーを確認しておくと安心です。
納付手段の比較とおすすめ方法
贈与税の納付は、複数の方法から選べます。
主な納付方法として、下記のようなものがあります。
- インターネットバンキングによる「ダイレクト納付」
- ペイジー(Pay-easy)対応のATM
- クレジットカード決済
- スマホ決済アプリ(LINE Pay・PayB・au PAYなど)
- 従来の納付書による金融機関での現金納付
中でもおすすめなのが、ペイジーを使ったスマホ納付や、ダイレクト納付です。
これらはスマホやパソコンからそのまま手続きができ、手数料が無料または低額に抑えられるのが魅力です。
一方で、クレジットカード納付は便利ですが、決済手数料がかかるため注意が必要です。
また、支払いの記録を残したい場合は、ネットバンキングやスマホ決済が最適です。
申告から納付までスマホで完結させたい方は、e-Taxと連携したオンライン納付を活用することで、わざわざ金融機関に出向く必要もありません。
次章では、スマホ申告のメリットと注意点を詳しく解説し、利便性とリスクを比較していきます。
贈与税をスマホで申告するメリットと注意点

スマートフォンを使って贈与税を申告する方法は、近年の税務デジタル化によって一層身近になっています。
特にパソコンを使い慣れていない方や、時間や場所に縛られず手続きを済ませたい方にとって、スマホ申告は大きな魅力があります。
しかし、すべてのケースに対応できるわけではなく、制限や注意点も存在します。
ここでは、スマホ申告のメリットと、利用する際に気をつけたいポイントについてご紹介します。
スマホ申告の主なメリット
スマホ申告の最大の魅力は、その手軽さにあります。
自宅はもちろん、外出先でもスマホ1台あれば申告手続きを完結できるため、税務署に出向く必要がありません。
特にe-Taxとマイナポータルの連携により、控除証明書や一部の情報が自動で取得・反映される仕組みが整っているため、手入力の手間を大きく減らすことができます。
また、スマホ申告はペーパーレス化が可能で、環境負荷を抑える面でも効果的です。
データは電子的に保存できるため、申告書控えや証明書類の紛失リスクも軽減されます。
さらに、24時間いつでも操作が可能なため、忙しいビジネスパーソンや育児中の方など、時間が限られている人にも非常に便利です。
スマホ申告で注意すべきポイント
一方で、スマホ申告には注意点も存在します。
まず、マイナンバーカードとそれを読み取る機能を備えたスマートフォンが必要であり、機種によっては読み取りがうまくいかないケースもあります。
また、暗証番号の入力ミスが続くとロックがかかり、解除には市区町村窓口での手続きが必要になるため、パスワードは事前に確認しておくことが大切です。
さらに、すべての贈与内容がスマホ申告に対応しているわけではありません。
複数の特例を併用する場合や、添付書類が多いケースでは、スマホでの対応が難しくなることがあります。
入力画面もパソコンに比べて小さく、誤入力や見落としのリスクがあるため、慎重な操作が求められます。
スマホ申告は非常に便利な手段ですが、その恩恵を最大限に受けるためには、利用条件や制限をしっかりと理解しておくことが重要です。
贈与税の申告がスマホでできないケースとは?

スマートフォンでの贈与税申告は非常に便利な反面、すべての申告内容に対応しているわけではありません。
特に、複雑な贈与内容や複数の特例制度を併用するようなケースでは、スマホだけで完結させるのが難しい場合があります。
この章では、スマホ申告が利用できない主なケースと、その際に取るべき対応策について解説します。
特例適用や添付書類が多い場合
たとえば、住宅取得等資金の贈与特例や、相続時精算課税制度、教育資金や結婚・子育て資金の非課税制度などを適用する場合、申告内容が複雑になりがちです。
これらの特例を利用するには、一定の要件を満たす証明書や届出書の添付が必要であり、スマホ申告では一部の添付書類のアップロードや入力が対応外となることがあります。
また、複数の贈与を受けている場合や、贈与された財産が不動産や有価証券など多岐にわたるケースでは、画面サイズや操作性の面からもスマホ申告には不向きです。
このような場合は、パソコン版e-Taxを使用するか、紙による申告書作成・提出を選択するのが現実的です。
対応策としては、贈与内容が複雑な場合には、早めに税理士に相談するか、税務署での相談窓口を活用することが推奨されます。
また、必要書類の提出方法や入力項目に不安がある方は、スマホ申告にこだわらず、他の申告手段を検討する柔軟さも重要です。
このように、スマホ申告ができないケースもあることをあらかじめ理解しておけば、慌てることなく確実な対応が可能となります。
贈与税の申告をスマホで行う場合によくある質問

贈与税の申告をスマホで行う場合によくある質問をご紹介します。
Q.マイナンバーのパスワードがわからない場合はどうすれば良いですか?
スマホで贈与税を申告するには、マイナンバーカードの署名用電子証明書のパスワード(英数字6〜16文字)が必要です。
このパスワードはe-Taxへのログイン時や電子署名時に求められるため、忘れてしまうと申告手続きが進められません。
もしパスワードを忘れてしまった場合やロックがかかってしまった場合は、再設定のために住民票のある市区町村の役所に出向く必要があります。
再設定にはマイナンバーカードと本人確認書類(運転免許証など)が必要です。
郵送やオンラインでは再設定できないため、余裕をもって対処することが大切です。
また、マイナポータルの利用やe-Taxログインの際に、ログイン用パスワード(数字4桁)と署名用パスワード(英数字)が別であることにも注意が必要です。
どちらか一方だけが必要になる場面もあるため、事前に両方のパスワードを確認しておくと安心です。
スマホ申告をスムーズに進めるためにも、マイナンバー関連のパスワード管理には十分注意し、万が一忘れてしまった場合の対処法も覚えておきましょう。
Q.贈与税の申告はスマホだけでできますか?
贈与税の申告は、条件を満たせばスマホだけで完結することが可能です。
国税庁が提供するスマホ専用e-Taxページとマイナポータルの連携により、スマホでの申告書作成・提出・納税まで一貫して行える環境が整っています。
ただし、すべてのケースに対応しているわけではないため、自分の申告内容がスマホ申告に適しているかどうかの確認が重要です。
たとえば、贈与内容が比較的シンプルで、贈与者が1名、贈与財産が現金のみ、控除の申請が不要なケースであれば、スマホだけで問題なく申告が可能です。
また、マイナンバーカードと対応スマートフォン、e-Tax・マイナポータルアプリが揃っていれば、郵送も窓口訪問も不要で手続きを完了できます。
一方で、特例制度の併用や添付書類の提出が必要な場合、または贈与財産が不動産・有価証券など多岐にわたる場合は、スマホ申告の対象外になることがあります。
このような場合はパソコンによるe-Tax利用や書面提出が求められます。
したがって、「スマホだけで申告できるかどうか」は申告内容と使用環境によって異なります。
まずはe-Taxのスマホ対応ページや国税庁の案内を確認し、自身のケースが対応可能かを見極めることが大切です。
贈与税の申告をスマホで行う方法についてのまとめ

ここまで贈与税の申告をスマホで行う方法と注意点についてお伝えしてきました。
記事の要点をまとめると以下のとおりです。
- スマホ申告は、マイナンバーカードや専用アプリを活用することで自宅から手軽に手続きできる
- 贈与内容や贈与者との関係性、控除・特例の適用有無を事前に確認しておくことがスムーズな申告のカギとなる
- スマホだけでは申告できないケースもあり、複雑な贈与や書類が多い場合はPCや紙での申告も検討が必要
贈与税の申告は一見難しそうに思えるかもしれませんが、スマートフォンを活用することでぐっと身近な手続きになります。
自分の状況に合った方法を選び、無理なく・確実に申告を済ませるための参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。