生前贈与加算の基礎知識|2024年税制改正で何が変わった?

生前贈与を活用した相続対策に関心を持つ方は多いものの、加算のルールや対象範囲について十分に理解している方は意外に少ないかもしれません。2024年の税制改正によって持ち戻し期間が大きく変わったため、これまでの知識だけでは対応できないケースも出てきています。

本記事では、以下の点を中心にご紹介します。

 

  • 生前贈与加算とは
  • 2024年税制改正による持ち戻し期間延長の理由
  • 加算対象となる人・ならない人

 

今後の贈与計画や相続税申告に備える参考として、ぜひ最後までお読みください。

 

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生前贈与加算とは?

生前贈与加算とは、相続税の計算において、被相続人が亡くなる前に行った生前贈与を一定の条件下で相続財産に加算する仕組みです。本来、贈与は相続とは別に考えられるものですが、相続直前の贈与については、実質的に遺産の分配と変わらないとの考えから、税制上この加算制度が設けられています。

生前贈与加算が作られた理由

生前贈与加算の背景には、「相続税の公平性」を確保するという目的があります。もし加算制度がなければ、亡くなる直前に多額贈与することで、相続財産を減らし、相続税を軽減することが可能になってしまいます。これでは制度の公平性が損なわれかねません。

そのため、一定期間内に贈与された財産については、相続財産に加えて税額を計算するルールが作られました。

 

なお、生前贈与加算の対象となるのは、原則として相続人(または相続人とみなされる者)に対して行われた贈与に限られます。第三者への贈与や、対象期間外に行われた贈与は加算されません。ただし、例外的に特別受益に該当する場合などは、注意が必要です。

 

税制改正で生前贈与加算の持ち戻し期間が税制改正で7年に延長

相続税対策として生前贈与を活用する際のルールが大きく見直され、今後はより長期的な視点で贈与計画を立てることが重要になります。

生前贈与加算(相続税の持ち戻し)とは

生前贈与加算とは、相続開始前一定期間内に被相続人から贈与を受けた財産について、相続財産に加えて相続税を計算する仕組みを指します。通常、贈与は贈与税の対象ですが、相続直前の贈与は実質的に相続と同じ性質を持つと考えられるため、特別に加算されます。これにより、相続税の課税逃れを防ぐ狙いがあります。以前は「死亡前3年以内の贈与」が対象でしたが、2024年度の税制改正によってこの期間が大きく見直されました。

相続時精算課税制度にも110万円の基礎控除が増設

生前贈与加算に関連して、相続時精算課税制度にも変更が加えられました。これまで相続時精算課税制度は、一定額まで贈与に対する課税が猶予される一方で、贈与された財産は最終的に相続財産に加算して相続税を計算する仕組みとなっていました。今回の改正では、さらに年間110万円までの贈与に関しては相続時精算課税の対象外とする新たな基礎控除が設けられ、より柔軟な生前贈与が可能になりました。この措置により、小規模な贈与をしながら長期的に財産を移転する選択肢が広がったといえます。

税制改正で3年から7年へと延長される理由

持ち戻し期間が3年から7年へ延長された背景には、高齢化社会の進行と相続対策の複雑化が影響しています。これまで、死亡直前3年以内に行われた贈与のみが加算対象でしたが、これでは十分な課税が及ばず、意図的な贈与による相続税負担の回避が指摘されていました。7年に延長することで、より長期にわたる財産移転にも課税を及ぼし、富の世代間移転に対する公平性を確保することが目的とされています。

生前贈与加算の適用期間が延びたことで変わる内容

今回の改正により、死亡前7年以内に贈与された財産のうち、一定額以上の贈与が原則として相続財産に加算されることになります。具体的には、最初の3年間の贈与については全額が加算対象、4年目以降の贈与については100万円を超える部分のみが加算対象となる仕組みです。このルール変更により、相続人は相続税申告時に7年分の贈与記録を確認・整理する必要が生じるため、贈与契約書の保管や贈与の証明資料の整備がこれまで以上に重要になります。

今回の税制改正は、生前贈与を活用した相続対策に大きな影響を与える内容となっており、従来の対策を見直す必要性が高まっています。今後は、相続時精算課税制度と暦年贈与制度の双方を適切に使い分けながら、より戦略的な財産移転を検討していくことが求められます。

生前贈与加算の対象者とは

生前贈与加算とは、一定期間内に行われた生前贈与を相続財産に加えたうえで相続税を算出する仕組みです。この加算の対象となるのは、次のような人たちです。

相続によって財産を受け取った人

まず基本となるのは、相続によって被相続人の財産を引き継いだ人です。ここでいう「相続人」とは、法定相続人に限られず、遺産分割協議や遺言の内容に基づき財産を取得した人すべてを指します。たとえ取得した財産が少額であっても、相続によって財産を得た場合には生前に受けた贈与も加算対象となります。なお、生前贈与加算は、財産を受け取った事実を重視するため、法定相続分通りか否かは関係ありません。

遺言により財産を受け取った人

遺言書に基づいて遺贈を受けた人も、生前贈与加算の適用対象に含まれます。遺贈とは、被相続人が遺言によって特定の財産を譲り渡すことをいいます。血縁関係がない第三者であっても、遺贈によって財産を取得した場合は、過去の贈与分が相続財産に加算される可能性があります。たとえば、親しい友人や恩人に財産を遺したケースでも、同様の扱いとなります。

みなし相続財産を受け取った人

さらに、死亡保険金や死亡退職金といった「みなし相続財産」を受け取った人も加算対象となります。これらは民法上、通常の相続財産とは異なる扱いがされますが、生前に贈与を受けていた場合には、その贈与分も相続財産に加えられる点に注意が必要です。それにもかかわらず、みなし相続財産を取得した人には、生前に受け取った財産がある場合、その分も相続税の計算対象に加えられます。たとえば、被相続人から生前にまとまった金銭を贈与されていた場合、その金額が生前贈与加算の対象となる点には注意が必要です。

生前贈与加算に該当しない人

ここでは、対象とならない代表的なケースについて解説します。

相続放棄をした法定相続人

法定相続人であったとしても、相続開始後に家庭裁判所へ相続放棄を申し立て、受理されると、生前に受けた贈与について加算の対象とはみなされません。相続放棄が認められると、法律上、相続放棄が認められると、法律上、初めから相続権を持たないものとして扱われるためです。そのため、放棄前に生前贈与を受けていた場合でも、相続税の課税対象には含まれません。ただし、相続放棄は申立てをしてすぐに効力が生じるわけではなく、家庭裁判所での審査と受理が完了して初めて法的効力が発生します。手続きのタイミングが遅れると、加算対象になる可能性があるため、注意が必要です。

法定相続人・受遺者に含まれない親族

被相続人から贈与を受けたとしても、法定相続人や遺言による受遺者に該当しない場合は、贈与分を相続財産に加算する必要はありません。たとえば、被相続人の兄弟姉妹の配偶者や甥・姪など、法律上の相続権がない親族が贈与を受けていたケースがこれにあたります。このような場合、別途贈与税の課税対象として取り扱われることになります。

 

生前贈与加算に関してよくある質問

生前贈与加算に関して、ご相談の多い質問を分かりやすくまとめてご紹介します。

 

孫への生前贈与加算はどうなりますか?

生前贈与加算とは、被相続人が亡くなる前一定期間内に行った贈与を相続財産に加算し、相続税の計算に反映させる制度です。この対象には、原則として法定相続人に対する贈与が含まれます。そのため、孫が法定相続人にあたらない通常のケースでは、孫への生前贈与は加算対象になりません。ただし、被相続人が孫を養子縁組している場合は、孫も法定相続人となり、贈与が加算の対象となるため注意が必要です。養子であるか否かが、孫への生前贈与加算に大きな影響を及ぼします。特に養子縁組している場合は、贈与の時期や金額に応じて相続税額が増える可能性があるため、事前に専門家へ相談しておくことが望ましいでしょう。

 

生前贈与加算の対象となる資産には何があるのでしょうか?

対象になる財産は、被相続人が死亡前の一定期間(通常は3年以内、ただし税制改正後は最大7年以内)に、相続人へ贈与した財産です。ここで言う「財産」には、現金や預金はもちろん、不動産、株式、贈与契約に基づく金銭債権など、金銭的価値があるものすべてが含まれます。また、贈与税の非課税枠(年間110万円)以内で贈与した場合でも、加算の対象となるため注意が必要です。さらに、贈与の事実を隠していても、税務署の調査で発覚すれば加算対象となるケースがあります。贈与が加算されることで相続税額が増加することもあるため、早めに贈与内容を整理し、正確な記録を残しておくことが大切です。

生前贈与加算についてのまとめ

ここまで、生前贈与加算の基本的な仕組みや制度の目的、2024年税制改正による持ち戻し期間延長の影響、そして加算対象となる人・ならない人の具体例について解説しました。

要点を整理すると、次の通りです。

 

  • 生前贈与加算とは、相続税の計算において、被相続人が亡くなる前に行った生前贈与を一定の条件下で相続財産に加算する仕組みのこと
  • 持ち戻し期間を7年に延長することで、より長期にわたる財産移転にも課税を及ぼし、富の世代間移転に対する公平性を確保することが目的
  • 相続人や受遺者、みなし相続財産を取得した人は加算対象となりますが、正式に相続放棄をした人や、法定相続人・受遺者に該当しない親族は対象外になる

 

生前贈与を取り入れた相続対策は、税制改正に対応した正確な知識が求められます。今回の内容を参考に、早めの準備と見直しを進めていきましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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