家族信託は、家族間で財産を管理・運用するための有効な手段です。
特に、高齢者や障害者の財産管理、相続対策として注目されています。
そこで、家族信託について気になる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、家族信託について以下の点を中心にご紹介します!
- 家族信託とは
- 家族信託の手続き方法
- 家族信託の際に必要な書類
家族信託について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
相続ナビに相続手続きをお任せください。
スマホ・PCで登録完了
役所などに行く必要なし
家族信託とは

家族信託とは、財産を持つ方(委託者)が、老後の生活費や介護費用の管理・給付など特定の目的のために、自分の資産(不動産や預貯金など)を信頼できる家族(受託者)に託し、その管理・運用・処分を任せる仕組みです。
この制度は、本人の判断能力が低下した場合にも、意向に沿った柔軟な財産管理を可能にすることが特徴です。
家族信託は、高齢化社会や相続問題の中で注目されている制度であり、成年後見制度や遺言では解決しにくい課題をカバーできる点が大きな魅力です。
例えば、二次相続以降の資産承継先を指定したり、不動産の共有問題を防いだりすることが可能です。
これにより、家族間のトラブルを未然に防ぎ、資産管理や承継の円滑化が期待されています。
また、家族信託は特定の資産家に限らず、誰でも利用できる仕組みです。信託内容や受託者の役割を明確にすることで、各家庭の状況に応じた柔軟な財産管理が実現します。
家族信託の利用を検討する際には、信託コーディネーターや専門士のアドバイスを受けることが推奨されます。
家族信託は、私たちの財産を次世代に安全に継承するための重要な手段となっています。 しかし、そのメリットと具体的な運用方法については、まだ十分に理解されていないかもしれません。 本記事では家族信託について以下の点を中心にご紹介します。[…]
家族信託のメリット・デメリット

メリット
柔軟な財産管理が可能
家族信託を利用することで、委託者が判断能力を失った場合でも、財産の管理・処分が本人の意向に沿って行われます。
成年後見制度と比べて、より自由で柔軟な運用が可能です。
資産承継の希望を実現
通常の遺言では難しい二次相続以降の承継先を指定できるため、家族の希望に沿った資産承継が実現します。
不動産の共有問題を防止
共有不動産の管理・処分権限を受託者に集約することで、不動産の「塩漬け」状態を防ぎ、将来的な紛争予防につながります。
家族間のトラブル防止
明確な管理責任を設定することで、相続時のトラブルや不正の発生を抑えることができます。
広く利用可能
資産規模に関係なく利用できるため、資産家だけでなく、一般家庭でも気軽に導入が検討できます。
デメリット
費用がかかる
家族信託の組成には費用が発生します。
不動産を含む場合は信託財産額の1.5〜2%、現金のみの場合でも20万円〜40万円程度のコストがかかるとされています。
専門知識が必要
信託契約の内容や受託者の役割を正しく理解しないと、制度を十分に活用できない場合があります。
専門家の助言が不可欠です。
柔軟性ゆえのリスク
受託者が財産の管理・処分を任されるため、信頼できる人を選ばないと不正やトラブルが生じる可能性があります。
信託終了後の財産管理
信託が終了した後の財産の扱いや税務申告など、手続きが複雑になる場合があります。
相続税との兼ね合い
信託内容によっては、相続税や贈与税の計算に影響が出ることがあるため、事前の確認が必要です。
家族信託を活用する際は、メリットだけでなくデメリットも十分に理解し、専門家の助言を受けながら進めることが重要です。
家族信託の手続き方法

信託契約を結ぶ
家族信託を始めるためには、まず信託契約を結ぶ必要があります。
委託者(財産を持つ方)と受託者(財産の管理を任される方)が、信託の目的や範囲を明確に定めた契約を締結します。
この契約には、管理・運用する財産の詳細や、受益者(信託の利益を受ける人)、信託期間などを記載します。
専門的な内容が多いため、弁護士や司法書士など専門家のサポートを受けることが推奨されます。
信託口座の開設
信託契約が締結された後、受託者名義の専用の信託口座を開設します。
この口座は、信託財産の分別管理を行うために必要です。
通常、銀行などの金融機関で信託口座の開設が可能ですが、信託目的や契約内容に基づいた書類の提出が求められることがあります。
信託登記を行う
不動産を信託財産として含む場合、信託登記を行うことが必要です。
これは、不動産の権利関係を公的に明確化し、信託が成立したことを第三者に証明する役割を果たします。
不動産登記は法務局で行い、信託契約書や必要書類を提出します。この手続きも専門家の協力を得るとスムーズです。
信託財産の管理、運用の開始
信託契約に基づき、受託者は信託財産の管理や運用を開始します。具体的には、預貯金や不動産の運用、必要に応じた管理費の支払いなどを行います。
この際、信託目的に沿った運用を行い、受益者の利益を守る責任があります。
信託財産の管理状況は定期的に記録し、必要に応じて委託者や受益者に報告することが求められます。
家族信託の手続きは複雑な部分も多いため、計画段階から専門家のアドバイスを受けながら進めることが重要です。
家族信託は、財産を効果的に管理し、将来の世代への継承をスムーズに行うための重要なツールです。 しかし、その手続きは複雑で、専門的な知識を必要とします。 本記事では家族信託の手続きについて以下の点を中心にご紹介します。 家族[…]
家族信託に必要な書類

家族信託を設定する際には、手続き内容に応じて多くの書類が必要です。
自分で行う場合と専門家に依頼する場合で、準備すべき書類や手続きが異なります。
以下にそれぞれの場合の詳細を解説します。
自分で行う場合
家族信託を自分で行う場合、以下の書類を準備する必要があります。
これらの書類は役所や法務局、証券会社などで取得可能ですが、手間と時間がかかるため事前準備が重要です。
- 身分証明書:運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど
- 財産構成がわかる資料:
- 不動産の場合:登記事項証明書、固定資産税納税通知書または評価証明書
- 金融資産の場合:預金通帳、有価証券明細、保険証券のコピー
- 家族関係がわかる資料:家族関係図、戸籍謄本/抄本、住民票など
- 信託契約書案:手書きまたはパソコンで作成
- 印鑑証明書:委託者および受託者の印鑑証明書(有効期限3か月以内)
- 信託財産の評価に関する資料:不動産や有価証券の評価額が記載された書類
取得費用はトータルで5,000〜10,000円程度ですが、書類の正確性が求められるため注意が必要です。
専門家に依頼する場合
専門家に依頼する場合、必要書類の多くを専門家が代理で取得してくれるため、手間を大幅に軽減できます。
ただし、信託契約の内容を正確に反映させるため、事前に以下の情報を準備しておくとスムーズです。
- 身分証明書:運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど
- 財産情報:
- 不動産:登記事項証明書、固定資産税納税通知書、評価証明書
- 金融資産:預金通帳、有価証券明細、保険証券のコピー
- 家族関係の資料:家族関係図、戸籍謄本/抄本、住民票
- 信託目的や希望内容:契約内容に必要な希望事項を整理しておく
- 印鑑証明書:委託者、受託者の印鑑証明書(有効期限3か月以内)
- 信託契約書案:専門家と相談のうえ、詳細を詰めた案を準備
専門家に依頼する場合、費用は契約内容や信託財産の規模に応じて変わりますが、不動産を含む場合で総額が信託財産額の1.5~2%程度、現金のみの場合で20万円~40万円程度が一般的です。
家族信託は法律や税務の知識が必要なため、専門家に依頼することでミスを防ぎ、円滑な手続きを進められるメリットがあります。
家族信託にかかる費用

家族信託を設定する際には、専門家への依頼や契約内容に応じてさまざまな費用が発生します。
ここでは、家族信託の相場と主な費用の内訳について解説します。
家族信託の相場
家族信託にかかる費用の総額は、信託内容や信託財産の種類・規模によって異なりますが、一般的には以下の通りです。
- 不動産を含む場合:信託財産額の1.5%~2%程度
例:5,000万円の不動産を信託する場合、75万円~100万円程度 - 現金や金融資産のみの場合:20万円~40万円程度
財産が複雑でない場合や、手続きが簡単な場合は費用を抑えることが可能です。
費用は専門家への報酬のほか、公証人の手数料や登記費用などが含まれるため、事前に見積もりを依頼すると安心です。
家族信託の主な費用
家族信託にかかる具体的な費用項目は以下の通りです。
- 専門家への依頼費用
- 弁護士、司法書士、行政書士、税理士などに依頼する場合の報酬です。
- 家族信託コーディネーターや専門士に依頼する場合は、契約内容に応じた報酬が発生します。
- 公証人手数料
- 信託契約を公正証書として作成する場合に必要な費用です。
- 手数料の目安は3万~10万円程度ですが、信託財産額や契約の内容に応じて変動します。
- 不動産の信託登記費用
- 信託内容を不動産登記簿に記載するための費用です。
- 登録免許税:不動産評価額の0.4%
- その他、司法書士に依頼する場合の手数料が発生します。
- 固定資産評価証明書の取得費用
- 不動産の評価額を算出するための証明書の取得費用です。1通200~400円程度
- 印鑑証明書や戸籍謄本などの取得費用
- 印鑑証明書:1通300円程度
- 戸籍謄本:1通450~750円程度
- 信託財産の管理費用(継続的な費用)
- 信託財産の管理や受託者の活動に必要な経費です。信託契約で設定される場合があります。
家族信託の費用は決して安価ではありませんが、財産管理や相続対策における安心感やトラブル回避の観点から、多くの人にとって有益な投資といえます。
費用の内訳を事前に確認し、信頼できる専門家に相談することが大切です。
「家族信託」は、財産を管理して、将来の世代に安全に継承するための重要な手段です。 しかし、その設立と運用には一定の費用が発生します。 この記事では、以下のポイントについて解説します。 家族信託とは 家族信託にかか[…]
家族信託に関してよくある質問

家族信託の依頼先は?
家族信託を進める際には、専門家に依頼することが重要です。
主な依頼先として以下のような専門家が挙げられます。
- 司法書士
司法書士は、家族信託における信託契約書の作成や信託登記などの法的手続きをワンストップで対応できる専門家です。
不動産を信託財産に含む場合は、特に信託登記が必要になるため、司法書士への依頼が適しています。 - 弁護士
複雑な家族関係や法的紛争が絡む場合には弁護士への相談が推奨されます。
弁護士は法的な観点からアドバイスを提供し、家族信託契約の妥当性やトラブル防止のための対策を助言してくれます。 - 行政書士
行政書士は、信託契約書の作成や関連手続きのサポートを行います。
ただし、信託登記を伴う場合は司法書士との連携が必要です。 - 家族信託コーディネーター
家族信託に特化した専門家で、依頼者のニーズに応じて最適な信託スキームを提案してくれます。
契約書作成や登記手続きについては、他の専門家と協力して進めることが一般的です。
家族信託の依頼先を選ぶ際は、専門家の経験や費用、対応範囲を比較し、自身の状況に最適な相談先を選ぶことが重要です。
経験豊富な専門家に依頼することで、スムーズかつ安心して家族信託の手続きを進められるでしょう。
家族信託の依頼方法は?
家族信託を進める際の依頼方法は、以下の手順で進めるのが一般的です。
- 専門家への相談
家族信託の目的や希望を明確にするため、司法書士、弁護士、行政書士、または家族信託コーディネーターといった専門家に相談します。
最初の相談では、依頼者の財産状況や信託の目的(例:老後の資産管理、相続対策など)をヒアリングし、適切なスキームを提案してもらいます。 - 信託契約書の作成
専門家と協力して信託契約書を作成します。契約書には、信託財産の内容、受託者や受益者、信託の目的、財産管理・運用の方法などを明記します。
公正証書として作成する場合は、公証役場で手続きを行います。 - 必要書類の準備
家族信託に必要な書類を用意します。
主な書類には、財産に関する資料(不動産登記簿、預金通帳のコピーなど)や、委託者・受託者・受益者の身分証明書、印鑑証明書などがあります。 - 信託口口座の開設
信託財産の管理専用の口座(信託口口座)を金融機関で開設します。
この口座を通じて信託財産の管理や運用が行われます。 - 信託登記の申請
不動産を信託財産に含む場合は、信託登記が必要です。
この手続きも司法書士に依頼することでスムーズに進められます。 - 費用の確認と支払い
家族信託には、専門家への報酬、公正証書作成費用、登記費用などが発生します。
費用は信託内容や財産の規模により異なるため、事前に見積もりを確認し、納得したうえで依頼を進めます。
家族信託の依頼を成功させるには、経験豊富な専門家を選び、手続きの流れや目的をしっかり把握することが重要です。
信頼できる依頼先を選ぶことで、トラブルを未然に防ぎ、安心して信託を進めることができます。
家族信託が亡くなったらどうなる?
家族信託は、委託者、受託者、受益者の三者間で成立する契約です。委託者が亡くなった場合、その後の信託の運用や終了については、信託契約に記載された内容に従って進行します。
1. 信託契約に「委託者の死亡」を信託終了事由としている場合
- 委託者の死亡をもって信託が終了し、清算手続きが開始されます。
- 清算後、信託財産は信託契約に記載された「最終的な受益者」や「帰属権利者」に引き渡されます。
- この場合、信託財産の移転に伴う税金(相続税など)が発生する可能性があるため、専門家のサポートを受けることが重要です。
2. 信託契約に特に定めがない場合
- 委託者が死亡しても信託は継続されます。この場合、受託者が引き続き信託財産の管理や運用を行います。
- 委託者の地位は、信託契約で指定された後継者が引き継ぐか、指定がない場合は法定相続人が相続する形となります。
3. 清算手続き
- 信託終了後、受託者は信託財産を現金化する、またはそのまま帰属権利者に移転するなど、契約内容に基づいて清算手続きを行います。
- 手続き終了後、信託は正式に消滅します。
注意点
- 信託財産の帰属や清算に関する税金の取り扱いが発生するため、税理士や弁護士など専門家の助言を受けることが推奨されます。
- 委託者の死亡後に想定外のトラブルが発生しないよう、信託契約を作成する段階で明確に内容を記載しておくことが重要です。
家族信託を活用する際は、委託者の死亡後の運用や清算についても事前に計画を立て、契約書に具体的な内容を盛り込んでおくことが円滑な手続きを進めるためのポイントです。
家族信託についてのまとめ

ここまで家族信託についてお伝えしてきました。
家族信託の要点をまとめると以下の通りです。
- 家族信託とは、財産を持つ方(委託者)が、自分の資産(不動産や預貯金など)を信頼できる家族(受託者)に託し、その管理・運用・処分を任せる仕組み
- 家族信託の手続き方法は、信託契約を結び、信託口座の開設をした後、信託登記を行う
- 家族信託の際、身分証明書や財産構成がわかる資料、家族関係がわかる資料などが必要になる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


