遺産相続の過程で「遺留分」という言葉を耳にすることがありますが、これは相続人に最低限保障された相続財産の取り分を指します。
被相続人が遺言で特定の相続人に全財産を譲ることを指定していても、他の相続人が遺留分を請求することでその取り分を確保できる仕組みです。
本記事では、遺産相続の遺留分について以下の点を中心にご紹介します!
- 遺留分とは
- 遺留分を請求できる人
- 遺留分が認められない場合
遺産相続の遺留分について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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遺留分とは

遺留分とは、相続人の一部に対して法律で保証された最低限の相続財産のことを指します。
遺留分制度は、相続人の生活を保障するために設けられた制度であり、遺言によって特定の相続人が財産を受け取れない場合でも、最低限の相続財産を請求できる権利を保護します。
遺留分の意義と目的
遺留分制度は、被相続人が遺言で自由に財産を処分することを制限し、配偶者や子どもなどの一定の相続人に対して最低限の生活を保障するためのものです。
これにより、遺言による不公平な財産分配を防ぎ、遺された相続人の生活基盤を守る役割を果たしています。
本記事では、相続遺留分について以下の点を中心にご紹介します! 遺留分とは 遺留分を主張する権利を持つ相続人 遺留分侵害額請求の時効 相続遺留分について理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお[…]
遺留分が認められる財産

遺留分とは、法定相続人(兄弟姉妹を除く)に保証された最低限の遺産取得分です。
遺留分が認められる財産について、以下に詳しく解説します。
遺贈された財産
遺贈とは、遺言書によって特定の人に財産を承継させることです。
被相続人が遺言書で指定した財産は、遺留分侵害額請求の対象となります。
遺留分の権利を有する相続人は、遺言書の内容にかかわらず、遺留分を主張することができます。
死因贈与された財産
死因贈与は、贈与者が死亡したときに効力を発生する贈与契約です。
生前に贈与者と受贈者の間で契約が成立しているため、遺贈とは異なりますが、遺留分侵害額請求の対象となります。
死因贈与による財産も遺留分を侵害している場合は、遺留分を請求することが可能です。
生前贈与された財産
相続開始前1年以内に行われた生前贈与は、遺留分の対象となります。
また、相続人に対して行われた特別受益と認められる生前贈与は、相続開始前10年以内の贈与が対象になります。
これは、相続人間の公平性を保つための措置です。
特例に該当する事業承継財産
特定の事業承継財産には、遺留分の特例が適用される場合があります。
中小企業の株式や事業用財産が対象であり、被相続人が生前に手続きを行っている場合は、遺留分の対象外とされることがあります。
遺留分が認められる財産には、遺贈、死因贈与、生前贈与の財産が含まれます。
特例に該当する事業承継財産は遺留分の対象外となる場合もあります。
遺留分侵害額請求を行う際には、どの財産が対象となるかを正確に把握し、適切に対応することが重要です。
専門家の助言を受けながら、法的な手続きを進めることをおすすめします。
遺留分とは、被相続人の遺産のうち、兄弟姉妹を除く法定相続人に対して保障される、最低限の遺産取得分のことです(民法1042条1項)。 この相続の遺留分について、気になる方も多いのではないでしょうか。 本記事では、相続の遺留分について以[…]
遺留分が認められる範囲

遺留分とは、特定の相続人に法律で保証された最低限の相続財産のことです。
被相続人の遺言により特定の相続人に全財産が遺贈されるなど、不公平な遺産分割が行われた場合でも、一定の相続人は遺留分を請求することができます。
以下に、遺留分が認められる範囲について解説します。
遺留分が認められる相続人
配偶者
被相続人の配偶者には、遺留分が認められます。
配偶者は相続において重要な位置を占めており、その生活保障のために遺留分が保障されています。
子ども、孫などの直系卑属
被相続人の子どもや孫(直系卑属)にも遺留分が認められます。
直系卑属は次世代に資産を継承する役割を担っているため、その最低限の権利が保護されています。
親、祖父母などの直系尊属
被相続人の親や祖父母(直系尊属)にも遺留分が認められます。
直系尊属が相続人となる場合には、その生活を支えるための遺留分が保障されます。
遺留分が認められない相続人
兄弟姉妹や甥姪
被相続人の兄弟姉妹や甥姪には、遺留分が認められません。
兄弟姉妹が相続人となる場合には、被相続人の遺言による遺産分割が優先され、遺留分を主張する権利はありません。
遺留分が認められる範囲は、被相続人の配偶者、直系卑属(子どもや孫)、直系尊属(親や祖父母)に限られます。
兄弟姉妹や甥姪には遺留分が認められないため、遺産分割において不公平が生じた場合でも、これらの相続人は遺留分を主張することができません。
遺留分制度を理解し、適切な相続手続きを進めることが重要です。
法定相続分と遺留分の違い

遺産相続において、法定相続分と遺留分はどちらも重要な概念です。
これらは相続人の取り分を決定する際に利用される基準ですが、異なる目的と性質を持っています。
以下に、法定相続分と遺留分の違いについて詳しく解説します。
法定相続分とは
法定相続分とは、民法で定められた相続人が相続する財産の割合のことです。
法定相続分は、相続人間で公平に財産を分けるための基準となりますが、遺言書や相続人全員の同意により、この割合を変更することができます。
具体的な割合は以下の通りです。
- 配偶者と子供が相続人の場合:配偶者が1/2、子供が1/2を均等に分けます。
- 配偶者と直系尊属が相続人の場合:配偶者が2/3、直系尊属が1/3を均等に分けます。
- 配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合:配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4を均等に分けます。
法定相続分は、相続人全員が合意すれば、これと異なる分割も可能です。
遺留分とは
遺留分は、一定の相続人に対して保証された最低限の相続分のことです。
遺留分は、遺言や贈与によって相続人が全く財産を受け取れない場合でも、最低限の財産を確保するために設けられています。
遺留分を請求できる相続人は、配偶者、子供、直系尊属です。
兄弟姉妹には遺留分は認められません。
具体的な遺留分の割合は以下の通りです。
- 配偶者と子供が相続人の場合:法定相続分の1/2
- 配偶者と直系尊属が相続人の場合:法定相続分の1/2
- 直系尊属のみが相続人の場合:法定相続分の1/3
それぞれの違い
法定相続分は、相続人間の公平な財産分割を目的としています。
一方、遺留分は、特定の相続人が最低限の財産を確保するための制度です。
法定相続分はすべての相続人に適用されますが、遺留分は配偶者、子供、直系尊属のみが対象です。
法定相続分は相続人全員の合意により変更できますが、遺留分は遺言によっても侵害できない最低限の権利です。
法定相続分と遺留分は、相続において重要な役割を果たす異なる概念です。
法定相続分は公平な財産分割を目的とし、遺留分は特定の相続人の最低限の権利を保障するためのものです。
相続手続きを進める際には、これらの違いを理解し、適切に対応することが重要です。
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遺留分の割合と計算

遺留分とは、一定の相続人に保障される最低限の相続分のことです。
法定相続分と遺留分は異なり、遺留分は法定相続分の半分または3分の1です。
以下では、遺留分の具体的な割合とその計算方法について詳しく解説します。
遺留分の割合
遺留分の割合は法定相続分の半分(直系尊属のみが相続人の場合は3分の1)です。
以下に具体的な割合を示します。
- 配偶者と子供が相続人の場合:法定相続分の1/2
- 配偶者と直系尊属が相続人の場合:法定相続分の1/2
- 直系尊属のみが相続人の場合:法定相続分の1/3
遺留分の計算方法
遺留分の計算は2段階で行います。
まず「総体的遺留分」を計算し、その後「個別的遺留分」を求めます。
総体的遺留分の計算
総体的遺留分は、相続人全体での遺留分の割合です。
以下のように計算されます。
- 親などの直系尊属のみが相続人の場合:遺産全体の1/3
- その他の相続人の場合:遺産全体の1/2
個別的遺留分の計算
個別的遺留分は、総体的遺留分を相続人ごとの法定相続分に基づいて按分したものです。
具体例を以下に示します。
遺留分の具体例
遺産総額が3000万円で、相続人が配偶者と子供2人の場合を考えます。
配偶者と子供2人の法定相続分はそれぞれ1/2、1/4、1/4です。
- 配偶者の遺留分:3000万円×1/2(法定相続分)×1/2(遺留分)=750万円
- 子供の遺留分:3000万円×1/4(法定相続分)×1/2(遺留分)=375万円
この場合、配偶者の遺留分は750万円、子供それぞれの遺留分は375万円となります。
遺留分は法定相続分の半分または3分の1として計算され、相続人全体の遺留分(総体的遺留分)と相続人ごとの遺留分(個別的遺留分)の2段階で計算されます。
具体的な計算を行う際には、相続人の組み合わせと遺産総額に基づいて適切に計算することが重要です。
専門家の助言を受けながら、正確な遺留分を把握し、適切に対応することが大切です。
遺留分の請求は誰ができる?

遺留分とは、特定の相続人に対して法律で保障されている最低限の相続分です。
遺留分の請求ができるのは、法的に定められた相続人に限られています。
以下に、遺留分の請求が可能な相続人について詳しく解説します。
遺留分を請求できる相続人
配偶者
被相続人の配偶者は遺留分を請求する権利があります。
これは、配偶者が被相続人の生活を共にしてきたため、その生活の継続を保障するためです。
子供およびその直系卑属(孫など)
被相続人の子供も遺留分を請求できます。
子供が既に亡くなっている場合、その子供(被相続人の孫)が代わりに遺留分を請求する権利があります。
直系尊属(親や祖父母)
被相続人に子供がいない場合、直系尊属である親や祖父母が遺留分を請求する権利があります。
これは、直系尊属が被相続人の成長を支えてきたため、その生活を保障するためです。
遺留分が請求できない人

遺留分とは、相続人が最低限受け取ることができる財産のことです。
しかし、遺留分を請求できない相続人も存在します。
以下に、遺留分が請求できない人について詳しく説明します。
被相続人の兄弟姉妹
被相続人の兄弟姉妹は遺留分を請求する権利がありません。
兄弟姉妹は法定相続人にはなりますが、遺留分の権利は認められていません。
これは、直系の親族(子や親)に比べて被相続人との関係が薄いと考えられるためです。
代襲相続人として甥や姪が相続人になる場合も同様に、遺留分は認められません。
相続放棄した人
相続放棄をした人も遺留分を請求することはできません。
相続放棄とは、相続人が被相続人の財産を一切受け取らない意思を表明する手続きです。
相続放棄が認められると、法的には最初から相続人でなかったこととされるため、遺留分の権利も失います。
相続廃除された人
相続廃除とは、被相続人が特定の相続人の相続権を剥奪することです。
これは、相続人が被相続人に対して虐待を行ったり、重大な侮辱を加えたりした場合に認められます。
相続廃除が認められた相続人は、遺留分を含むすべての相続権を失います。
相続欠格者
相続欠格者とは、法律により相続権を失った人のことです。
具体的には、被相続人や他の相続人を殺害したり、遺言書を偽造・破棄したりした者が該当します。
相続欠格者は相続人としての資格を失うため、遺留分も請求できません。
遺留分が請求できない人には、被相続人の兄弟姉妹、相続放棄した人、相続廃除された人、そして相続欠格者が含まれます。
これらの人々は、特定の法律上の理由により、遺留分を請求する権利が認められていません。
遺留分制度を理解し、適切な相続手続きを行うためには、専門家の助けを借りることが重要です。
遺留分が認められない場合

遺留分とは、一定の相続人に対して法律で保障されている最低限の相続財産のことです。
しかし、遺留分が認められない場合もあります。
以下に、遺留分が認められない具体的なケースについて説明します。
相続欠格者
相続欠格者とは、相続の資格を失った人のことです。
具体的には、被相続人を殺害したり、遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿したりした者が該当します。
これらの行為が確認されると、相続欠格者は法定相続分および遺留分の権利をすべて失います。
相続廃除された方
相続廃除とは、被相続人が特定の相続人の相続権を剥奪する手続きを行った場合を指します。
被相続人が家庭裁判所に申し立てを行い、特定の相続人の著しい非行が認められた場合に相続廃除が成立します。
相続廃除が認められた相続人は、法定相続分および遺留分の権利を失います。
相続放棄した方
相続放棄とは、相続人が相続財産の全てを放棄することを指します。
相続放棄を行うと、その方は最初から相続人でなかったとみなされ、法定相続分および遺留分の権利をすべて失います。
相続放棄は家庭裁判所に申請し、認められることで効力を持ちます。
遺留分放棄した方
遺留分の権利を持つ相続人であっても、家庭裁判所の許可を得て遺留分の権利を放棄することができます。
この手続きを経て遺留分放棄が認められた相続人は、その後の遺留分請求権を持たなくなります。
遺留分が認められない場合には、相続欠格者、相続廃除された人、相続放棄した人、遺留分放棄した人が含まれます。
これらのケースでは、法定相続分および遺留分の権利が認められないため、相続手続きにおいて適切に対処することが求められます。
遺留分制度を正しく理解し、相続トラブルを防ぐために、専門家の助言を受けることが重要です。
遺留分の侵害をされたら

遺留分とは、相続人が最低限受け取ることができる財産のことであり、被相続人の遺言によっても侵害できません。
しかし、実際には遺留分が侵害されることがあります。
遺留分の侵害が発生した場合、相続人はどのように対処すればよいのでしょうか。
以下に具体的な対処方法を解説します。
遺留分侵害額請求の権利
遺留分が侵害された場合、相続人には「遺留分侵害額請求」を行う権利があります。
この請求により、侵害された遺留分の金銭を請求することが可能です。
2019年の法改正により、物的権利ではなく金銭での請求が原則となりました。
請求の流れ
相続財産の調査と計算
まずは相続財産を正確に把握し、自身の遺留分を計算します。
遺留分の侵害額を明確にするためには、全ての相続財産の価値を確認する必要があります。
相手方との交渉
遺留分を侵害した相手方(遺贈や贈与を受けた者)に対して、遺留分侵害額請求を通知します。
この段階では、まず話し合いによる解決を試みます。
家庭裁判所での調停
話し合いで解決しない場合、家庭裁判所に「遺留分侵害額請求調停」を申し立てます。
調停委員が仲介し、公正な解決を図ります。
訴訟による解決
調停でも解決しない場合、最終的には訴訟を提起し、裁判所の判断を仰ぎます。
訴訟では証拠を提出し、法的に遺留分の侵害を立証する必要があります。
請求の期限
遺留分侵害額請求には時効があります。
以下の期限内に請求を行わなければなりません。
知った時から1年以内
遺留分の侵害を知った時から1年以内に請求を行う必要があります。
この期間を過ぎると、請求権は消滅します。
相続開始から10年以内
被相続人が亡くなった時から10年以内に請求を行わなければなりません。
この期間を過ぎると、遺留分侵害額請求の権利は消滅します。
遺留分が侵害された場合、相続人は遺留分侵害額請求を行うことで最低限の財産を確保する権利があります。
請求の流れを理解し、期限内に適切な手続きを行うことが重要です。
専門家の助けを借りながら、法的な対処を進めることをおすすめします。
遺留分を放棄する方法

遺留分は、相続人に最低限保障された財産の取り分ですが、特定の事情により遺留分を放棄することも可能です。
以下では、遺留分を放棄する方法について解説します。
相続開始前の遺留分放棄
相続開始前に遺留分を放棄する場合には、家庭裁判所の許可が必要です。
相続人の一方が遺留分を放棄する理由を家庭裁判所に申し立て、許可を得ることで、遺留分放棄が成立します。具体的な手続きは以下の通りです。
家庭裁判所への申し立て
遺留分を放棄する相続人が、遺留分を放棄する理由を記載した申立書を作成し、家庭裁判所に提出します。
必要な書類(申立書、相続関係説明図、被相続人の戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本など)を揃えます。
家庭裁判所の審査
家庭裁判所が提出された書類を審査し、必要に応じて本人から事情を聴取します。
許可が下りれば、遺留分放棄が認められます。
相続開始後の遺留分放棄
相続開始後に遺留分を放棄する場合は、特別な手続きは必要ありません。
遺留分侵害額請求を行わないことで、事実上遺留分を放棄することになります。
遺留分侵害額請求をしない
相続開始後に、遺留分を請求できる権利がある相続人が遺留分侵害額請求を行わないことで放棄とみなされます。
遺留分侵害額請求の時効は、遺留分の侵害を知った時から1年、または相続開始から10年です。
この期間を過ぎると、遺留分侵害額請求はできなくなります。
遺留分を放棄するためには、相続開始前の場合は家庭裁判所の許可が必要であり、相続開始後の場合は遺留分侵害額請求を行わないことで放棄とみなされます。
どちらの場合も、適切な手続きを経て遺留分放棄を行うことが重要です。
専門家の助言を得ながら進めることをおすすめします。
遺産相続の遺留分についてのまとめ

ここまで遺産相続の遺留分についてお伝えしてきました。
遺産相続の遺留分の要点をまとめると以下の通りです。
- 遺留分とは、相続人の一部に対して法律で保証された最低限の相続財産のこと
- 遺留分を請求できる人は、被相続人の配偶者、子供、被相続人に子供がいない場合、直系尊属である親や祖父母
- 遺留分が認められない場合は、相続欠格者の方、相続廃除をされた方、遺留分の権利を放棄した方、相続放棄をした方がいる場合その該当の方は遺留分が認められない
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


