相続手続きは、遺産の分割や税務処理など、多くの重要な手続きを含んでいます。
その中でも特に重要なのが、被相続人が保有していた預貯金の残高を確認するための「残高証明書」の取得です。
この記事では、残高証明書について以下の点を中心にご紹介します!
- 残高証明書とは
- 残高証明書が必要になる相続の手続き
- 残高証明書の取得方法
残高証明書について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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残高証明とは

残高証明とは、特定の日付における銀行口座の残高を証明する公式な文書のことを指します。
これは、口座の所有者が自身の金融状況を証明するために使用されます。
例えば、ローンの申請やビジネスの契約など、金融的な信用を証明する必要がある場合には、この残高証明が必要となります。
残高証明書とは
残高証明書は、口座の所有者が自身の口座にどれだけの資金があるかを証明するための公式な文書です。
これは、銀行や金融機関が発行するもので、口座の所有者とその口座の残高を証明します。
残高証明書は、特定の日付における口座の残高を示しています。
残高証明書のサンプル
残高証明書のサンプルは、銀行名、口座番号、口座名義、特定の日付の口座残高など、重要な情報を含んでいます。
これらの情報は、口座の所有者とその資金状況を正確に反映しています。
また、残高証明書は、口座の所有者が自身の金融状況を証明するために使用されます。
相続で残高証明書が必要な理由
相続の際には、遺産の価値を正確に評価するために残高証明書が必要となります。
これにより、遺産分割が公平に行われ、相続税の計算も正確になります。
また、遺産の価値を評価するためには、遺産の全体像を把握することが重要であり、そのためには各口座の残高を知ることが必要です。
残高証明書を請求すると口座が凍結される
一部の銀行では、残高証明書を請求すると口座が一時的に凍結されることがあります。
これは、銀行が口座の情報を確認し、正確な残高を証明するための措置です。
しかし、この凍結は一時的なものであり、残高証明書の発行後には解除されます。
残高証明書を請求するメリット
残高証明書を請求するメリットは、金融的な信用を証明できること、正確な口座残高を確認できること、そして相続やローン申請などの手続きをスムーズに進めることができることです。
また、残高証明書は、口座の所有者が自身の金融状況を証明するために使用されます。
銀行口座の相続とは

銀行口座の相続とは、口座名義人が亡くなった際に、その口座がどのように相続されるかを定めた手続きのことを指します。
これは、相続人が故人の財産を引き継ぐための重要な手続きであり、法律により厳密に規定されています。
銀行口座の相続の流れ
銀行口座の相続手続きは、一般的に以下の手順で進行します。
- 相続が発生したことを金融機関に通知し、口座を一時的に凍結します。
これは、遺産の安全を確保するための重要な手順です。 - 金融機関から残高証明書を取得します。
これは、口座の残高を正確に把握するための重要な文書です。 - 相続人全員で遺産分割協議を行い、相続財産の配分方法を決定します。
これは、公正証書遺言や遺言書がない場合に特に重要です。 - 遺産分割協議が成立したら、金融機関に相続届を提出し、口座の名義を変更します。
遺言書がある場合
遺言書が存在する場合、遺言書に記載された内容に従って相続が進行します。
遺言書には、遺産の分割方法や遺言執行者など、相続に関する重要な情報が記載されています。
遺言書がある場合、遺言書に基づいて遺産分割協議を行い、遺言書に従って遺産を分割します。
遺言書がない場合
遺言書が存在しない場合、法定相続人が遺産分割協議を行い、相続財産の配分方法を決定します。
この遺産分割協議は、相続人全員が参加し、全員が同意した上で行われます。
必要書類
銀行口座の相続手続きには、以下のような書類が一般的に必要となります。
- 被相続人の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書
- 遺産分割協議書
- 相続届
遺産分割前の相続預金の払い戻し制度
遺産分割前の相続預金の払い戻し制度とは、遺産分割が完了する前でも、一定の条件下で相続人が預金を引き出すことができる制度のことを指します。
これは、葬儀費用や相続税の納税資金など、遺産分割前に急な出費が必要な場合に利用できます。
銀行口座の相続については、こちらの記事もお読みください。
相続において、故人の銀行口座の扱いは非常に重要な手続きの一つです。 銀行口座の凍結や相続人による引き出し、さらには預金の分割方法など、多くの手続きが必要となります。 適切な手続きを理解し、スムーズに進めることは、相続人全員の利益を守るた[…]
残高証明が必要になるケース

銀行口座の残高証明は、口座の所有者が自身の金融状況を証明するための公式な文書です。
しかし、その重要性はそれだけにとどまりません。
実は、さまざまなケースで残高証明が必要となることがあります。
遺産分割協議をするとき
遺産分割協議は、相続人全員が参加し、遺産の分割方法を決定するための会議です。
この協議を進めるためには、被相続人が亡くなった時点で保有していた財産の全体像を把握することが必要です。
そのため、銀行口座の残高を確認するためには、残高証明書が必要となります。
これにより、遺産の価値を正確に評価し、公平な遺産分割を行うことが可能となります。
相続税が発生するとき
相続税は、遺産の総額が一定の額を超えた場合に発生します。
そのため、遺産の価値を正確に評価することが重要となります。
この評価には、銀行口座の残高を含むすべての財産が考慮されます。
そのため、銀行口座の残高を確認するためには、残高証明書が必要となります。
これにより、相続税の計算が正確に行われ、適切な税額が決定されます。
口座を凍結させるとき
口座名義人が亡くなった際には、その方の口座は一時的に凍結されます。
これは、遺産の安全を確保し、不正な引き出しを防ぐための措置です。
口座が凍結されると、相続人が口座から預金を引き出すことはできません。
そのため、相続が発生したことを銀行に伝え、残高証明書を発行してもらうことで、口座を凍結し、相続時点での預金残高を確定することが可能となります。
残高証明書はいつ発行すればいいのか

残高証明書の発行タイミングは、その目的や必要性により異なります。
以下に、いくつかの一般的なケースを挙げてみましょう。
相続が発生したとき
相続が発生したとき、すぐに銀行に連絡して口座を凍結し、残高証明書を発行してもらうことが一般的です。
これにより、相続人が口座から預金を引き出すことを防ぎ、相続時点での預金残高を確定することができます。
相続税の申告をするとき
相続税の申告をするとき、遺産の価値を評価するためには、被相続人が亡くなった時点での銀行口座の残高を知る必要があります。
そのため、相続税の申告をする前に、残高証明書を発行してもらうことが必要となります。
以上のように、残高証明書の発行タイミングは、その目的や必要性により異なります。
具体的なタイミングは、各金融機関や個々の状況により異なるため、詳細は各金融機関にご確認ください。
また、法律の改正などにより情報が変わる可能性もありますので、最新の情報をご確認いただくことをおすすめします。
預貯金の調査方法

預貯金の調査は、相続や税務調査などの際に重要な手続きとなります。
しかし、その方法は銀行とネット銀行で異なります。
以下に、それぞれの場合の預貯金の調査方法について詳しく説明します。
銀行の場合
銀行の預貯金の調査は、一般的には金融機関に直接問い合わせることで行われます。
具体的には、以下の手順で進められます。
- 預貯金口座の存在確認: 銀行名と支店名が特定されていれば、銀行は現在の残高、過去の取引の履歴についての資料の開示に応じます。
これにより、被相続人が亡くなった時点での口座の残高を確認することができます。 - 全店照会これは、対象となる金融機関の全ての支店を調査し、被相続人の口座が存在するか確認するサービスです。
これにより、被相続人が保有していた可能性のあるすべての口座を確認することができます。 - 残高証明書の取得:口座が確認された場合、残高証明書の提出手続きを進め、被相続人の預金口座においてどれだけの残高があるかを把握できます。
ネット銀行の場合
ネット銀行の預貯金の調査方法は、一般的な銀行とは異なります。
具体的な手順は以下の通りです。
- 現存調査: 現存調査とは、預貯金の有無を調査する手続きです。
この手続きを行うことで、被相続人が亡くなった時点での口座の残高を確認することができます。 - 調査結果の郵送: 調査結果は、貯金事務センターで調査を行い、郵送します。
これにより、被相続人が亡くなった時点での口座の残高を確認することができます。
残高証明を取得する前に知っておきたいこと

預貯金の調査は、相続や税務調査などの際に重要な手続きとなります。
その方法は銀行とネット銀行で異なり、また、誰が残高証明書を発行できるのか、どのような手続きが必要なのかなど、知っておくべきポイントがいくつかあります。
以下では、それぞれのケースについて詳しく説明します。
残高証明書を発行できるのは「相続人」
残高証明書は、相続人が単独で取得できる重要な書類です。
これは、相続人が遺産を正確に分割するために必要な手続きで、相続人全員の合意は必要ありません。
残高証明書は、特定の日付時点での預金、有価証券、投資信託などの残高を金融機関が確認し、証明してくれる文書は、残高証明書となります。
相続手続きでは、相続が発生した日の残高を証明する書類が必要とされます。代理人でも残高証明書の発行手続きはできる
相続人以外でも、適切な委任状があれば、代理人として残高証明書の発行手続きを行うことが可能です。
これには、遺言執行者や相続財産管理人(相続人がいない場合に家庭裁判所が選任する)も含まれます。
ただし、一部の金融機関では、代理人として認められる条件に制限がある場合もありますので、注意が必要です。
事前に各金融機関にご確認いただくことをおすすめします。
手続きは銀行の窓口で行う必要がある
残高証明書の発行手続きは、原則として銀行の窓口で行われます。
しかし、一部の金融機関では、被相続人の死亡を電話で通報してからでないと、窓口での手続きが行えない場合があります。
そのため、まずは預金者本人の取引金融機関の窓口まで相談をするようにしましょう。
残高証明の取得方法・必要書類

残高証明を取得するにはどうすればいいか、何が必要か分らない方も多くいらっしゃると思います。
ここでは残高証明書の取得方法と必要書類について解説します。
サポートダイヤルに連絡
残高証明書の取得は、まず金融機関のサポートダイヤルに連絡することから始まります。
この時点で、必要な書類や手続きの具体的な内容を確認することができます。
必要書類の用意
残高証明書の取得には、以下の書類が必要となります。
- 被相続人の戸籍謄本や死亡が確認できる公的書類
- 申請者が相続人であることを確認できる戸籍謄本など
- 申請者の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 申請者の実印と印鑑証明書
- 金融機関が定める残高証明書発行依頼書
残高証明の発行
必要な書類を用意したら、次に金融機関の窓口に出向き、手続きを行います。
同じ金融機関であれば、口座が存在する支店に限らず手続きが可能です。
普通預金と定期預金が同一支店にある場合、残高証明書には両方の残高が記載されます。
発行手数料
残高証明書の発行には手数料が発生します。
具体的な金額は金融機関により異なるため、サポートダイヤルに連絡した際に確認してください。
銀行ごとの発行方法

残高証明書の発行方法は銀行ごとに違うのでしょうか?
ここでは銀行ごとの残高証明書の発行方法について解説します。
りそな銀行
りそな銀行では、残高証明書の発行は「Web帳票」を通じて行われます。
Web帳票には当社所定の印影が印刷されており、紙の証明書と同等のものとして発行されます。
また、相続預金の残高証明書を発行する場合は、必要書類をご用意の上、お取引店にお申し出ください。
ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行では、残高証明書の発行は窓口で行われます。
必要な書類をご用意の上、お近くのゆうちょ銀行・郵便局の貯金窓口で手続きを行います。
三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行では、残高証明書の発行は「かんたん手続きアプリ」を通じて行われます。
また、窓口でも手続きが可能で、証明対象科目を選び、必要な書類を持参して手続きを行います。
三井住友銀行
三井住友銀行では、残高証明書の発行は窓口で行われます。
必要な書類をご用意の上、お近くの窓口で手続きを行います。
みずほ銀行
みずほ銀行では、相続預金の残高証明書の発行は窓口で行われます。
必要な書類を用意した上で、お近くのみずほ銀行の窓口または取引店にお越しいただき、手続きをお願いいたします。
残高証明を取得する際の注意点

相続手続きの一環として、被相続人が保有していた預貯金の残高を確認するためには、金融機関から残高証明書を取得する必要があります。
しかし、その手続きは一見簡単に見えても、実はいくつかの注意点が存在します。
以下では、残高証明を取得する際の注意点について詳しく解説します。
まず金融機関に電話で問い合わせる
残高証明を取得する際の最初の手順は、金融機関に連絡を取ることです。
これは電話でも窓口でも可能です。
金融機関には、被相続人が亡くなったことと、残高証明書を取りたい旨を伝えましょう。
この段階で、必要な書類や手続きの詳細を確認することができます。
日付は「亡くなった日」
残高証明書を取得する際には、日付の設定が重要です。
証明書の日付は、被相続人が亡くなった日(亡くなった日現在の残高を出してもらう)です。
これは、相続財産の評価を正確に行うために重要なポイントです。
定期預金は「経過利息計算書」も
定期預金については、「経過利息計算書」も取得することが重要です。
これは、預入日から相続発生日までの利息(既経過利息)を計算してもらうためです。
口座は凍結される
金融機関に被相続人の死亡を伝えると、その口座は凍結されます。
これは、相続人間のトラブルを防ぐための措置です。
そのため、手続きが完了するまで、口座からの引き出しや引き落としは一時的にできなくなります。
以上が、残高証明を取得する際の注意点についての詳細な説明です。
これらのポイントを理解し、適切に行動することで、スムーズな相続手続きが可能となります。
残高証明についてよくある質問

相続手続きの一環として、被相続人が保有していた預貯金の残高を確認するためには、金融機関から残高証明書を取得する必要があります。
しかし、その手続きは一見簡単に見えても、実はいくつかの注意点が存在します。
以下では、残高証明を取得する際のよくある質問について詳しく解説します。
残高証明書を取得するためにはどのような手続きが必要ですか?
残高証明書を取得するためには、まず金融機関に連絡を取ることが必要です。
その後、必要な書類を提出し、手数料を支払うことで残高証明書を取得することができます。
この手続きは、相続人が遺産を正確に分割するために必要な手続きで、相続人全員の合意は必要ありません。
残高証明書の発行にはどのくらいの時間がかかりますか?
残高証明書の発行には通常、1~2週間程度の時間がかかります。
ただし、金融機関や状況によっては、それ以上の時間がかかることもあります。
残高証明書の発行にはどのような費用がかかりますか?
残高証明書の発行には手数料がかかります。
手数料は金融機関によって異なり、一般的には1,100円(税込)程度です。
残高証明書の発行を依頼できるのは誰ですか?
残高証明書の発行を依頼できるのは、相続人であれば単独で行うことができます。
また、委任状があれば代理人でも申請することが可能です。
残高証明書の発行を依頼したら、口座は凍結されますか?
はい、金融機関に被相続人の死亡を伝えると、その口座は凍結されます。
これは、相続人間のトラブルを防ぐための措置です。
そのため、手続きが完了するまで、口座からの引き出しや引き落としは一時的にできなくなります。
残高証明書の発行に必要な書類は何ですか?
残高証明書を取得するには、被相続人の戸籍謄本や除籍謄本、申請者が相続人であることが確認できる戸籍謄本などの書類が必要です。
以上が、残高証明を取得する際のよくある質問とその回答です。
残高証明書についてのまとめ

ここまで残高証明書についてお伝えしてきました。
残高証明書の要点をまとめると以下の通りです。
- 残高証明とは、口座の所有者が自身の口座にどれだけの資金があるかを証明するための公式な文書
- 残高証明書が必要になる相続の手続きは、遺産分割協議、相続税の申告、口座凍結など
- 残高証明書の取得方法は、はじめに銀行へ連絡したのち、必要書類を用意、銀行窓口で残高証明書を発行してもらう
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
