贈与税はいくらからかかる?贈与税の基本と贈与税を回避できるケース8選

贈与税が「いくらからかかるのか」「どんな場合に非課税になるのか」といった疑問をお持ちではありませんか?

親子間や夫婦間での財産の受け渡しはよくあることですが、申告を怠ると税務上のトラブルになることもあります。

 

本記事では、贈与税に関して以下の点を中心に解説します。

 

  • 贈与税の基本的なしくみと課税対象となる金額
  • 暦年課税と相続時精算課税の違い
  • 贈与税がかからない8つのケースと注意点

 

贈与税を正しく理解して、円滑な資産移転や相続対策の一助としていただければ幸いです。

ぜひ最後までご覧ください。

 

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そもそも贈与税とは何か

贈与税は、個人が個人から無償で財産を受け取った際に課される税金で、受け取った人(受贈者)が納める仕組みです。

贈与者から毎年1月1日~12月31日の間に受けた贈与額の合計が一定額を超えると申告・納付義務が生じます。

親子間でもお金や財産の贈与は課税対象で、生活費や教育費などは非課税です。

贈与は生前の財産移転であり、死亡後の財産移転は相続に該当します。

 

贈与税には非課税枠があり、その範囲内なら税金は不要ですが、超える場合は税務署へ申告しなければなりません。

申告漏れや未納は脱税とみなされ、重い罰則が科されるため注意が必要です。

贈与税がかかる受贈額はいくらか

では、贈与税はどの程度の贈与額から課税されるのでしょうか。

贈与税には暦年課税と相続時精算課税という2つの課税方式があり、それぞれに非課税枠が異なります。

そのため、どの方式を選ぶかによって贈与税が発生する金額」も変わってきます。

ここでは、それぞれの方式について詳しく説明していきます。

贈与税は年間110万円まで非課税

暦年課税は贈与税の基本方式で、1月1日~12月31日までの贈与額合計が基礎控除額110万円以下なら非課税で申告不要です。

110万円は贈与者ごとではなく合計額に適用され、超えた分に課税されます。

たとえば父母から各100万円を贈与されると合計200万円となり、110万円を超える90万円が課税対象です。

 

また、110万円以下でも毎年同額を贈与すると定期贈与とみなされ課税される場合があります

節税には贈与を複数年に分け、年間110万円を超えないよう計画することが重要です。

相続時精算課税は累計2,500万円まで非課税

相続時精算課税制度では、贈与税の申告書とあわせて相続時精算課税選択届出書を提出すると、累計2,500万円までの贈与が非課税となります。申告は贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに行います。

同じ父母または祖父母からの贈与であれば、合計が2,500万円に達するまでは何度贈与を受けても課税されません。

 

また、贈与者ごとに制度の適用を選べるため、父からは相続時精算課税、祖父からは暦年課税といった選択も可能です。

ただし、贈与者が亡くなり相続が発生した場合には、生前贈与分を相続財産に加えて相続税が計算されます。

これは、贈与時と相続時の税負担を通算する仕組みのためです。

贈与全てに贈与税がかかるわけではない

贈与税を非課税にできる方法はいくつか存在し、これらを上手に活用すれば税金の支払い負担を大きく軽減できます。

場合によっては、贈与そのものを課税対象から外すことも可能です。

例えば、暦年課税の非課税枠教育資金の一括贈与の特例住宅取得資金贈与の非課税制度などがあり、適切に利用すれば贈与額が多くても課税を避けられます。

さらに、これらの制度は相続税対策としての生前贈与にも有効で、財産の移転を計画的に行う際に大きな効果を発揮します。

贈与税の計算方法を解説

年間110万円を超える贈与があった場合の贈与税の計算方法は、選択する課税方式によって異なります。

暦年課税を利用する場合は、贈与者と受贈者との続柄によって一般税率と特例税率に区分され、税率は10%から55%までの範囲で設定されています。

一般税率の場合

一般税率は、直系尊属以外の人から贈与を受けた場合に適用されます。

たとえば、配偶者や兄弟姉妹などからの贈与がこれにあたります。

また、贈与者が直系尊属であっても、受贈者である子どもや孫が未成年である場合には、特例税率ではなく一般税率が適用される点に注意が必要です。

 

【贈与者と受贈者の関係】

  • 夫婦間、兄弟姉妹間の贈与
  • 祖父母、父母から未成年の孫、子への贈与
  • 他人への贈与

 

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% 0万円
200万円超300万円以下 15% 10万円
300万円超400万円以下 20% 25万円
400万円超600万円以下 30% 65万円
600万円超1,000万円以 40% 125万円
1,000万円超1,500万円以下 45% 175万円
1,500万円超3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

 

特例税率の場合

特例税率は、直系尊属から贈与を受けた場合に適用される税率です。

具体的には、贈与者が両親や祖父母で、受贈者が子どもや孫であるケースが該当します。

ただし、この税率が適用されるためには、贈与を受けた年の1月1日時点で子どもや孫が20歳以上であることが条件です。

未成年の場合は、特例税率ではなく一般税率が適用されます。

 

【贈与者と受贈者の関係】

  • 祖父母、父母から18歳以上の孫、子への贈与

 

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% 0円
200万円超400万円以下 15% 10万円
400万円超600万円以下 20% 30万円
600万円超1,000万円以下 30% 90万円
1,000万円超1,500万円以下 40% 190万円
1,500万円超3,000万円以下 45% 265万円
3,000万円超4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

 

贈与税が非課税になるケース8選

贈与税には、非課税となるいくつかの特例制度があり、これらを上手に利用すれば、節税効果が期待できます。

ただし、非課税の適用を受けるには、それぞれに定められた条件や対象金額があり、その要件を満たす必要があります。

贈与額が年間110万円以下

年間110万円までの贈与は非課税枠内であり、贈与税は発生しません

贈与者は、この範囲内であれば何人に対しても非課税で贈与できます。

たとえば、子どもや孫など5人に各110万円ずつ贈与すれば、年間550万円でも非課税で、これを10年続ければ合計5,500万円を非課税で移転できます。

ただし、受贈者ごとの上限は110万円で、同一年内に同じ人物へ複数回贈与すると合算されるため注意が必要です。

 

また、特定の相手に毎年同額・同時期の贈与を繰り返すと、税務署から定期贈与と判断され課税される恐れがあります。

たとえば祖母が孫の誕生日ごとに110万円を10年間贈るケースなどが該当します。

毎年贈与を行う場合は、贈与の時期や金額を変えたり、贈与契約書を作成したりして、課税リスクを避ける工夫が必要です。

生活費・教育費

扶養関係にある家族間での生活費や教育費の贈与は、原則として課税対象外です。

つまり、祖父母や両親が孫や子どもに渡す日常生活に必要な費用であれば、一定の範囲内で非課税となります。

生活費には治療費、結婚・出産費用などが、教育費には学費、仕送り、文具代、教材費などが含まれます。

これらは暦年課税の非課税枠110万円を超えても、必要な範囲であれば課税されません。

 

ただし、実際に生活費や教育費として使うことが条件であり、趣味や投資、不動産購入、預金などに充てた場合は課税されます。

また、多額の贈与を受けても、その年内に使いきれず残額が110万円を超えた場合、その超過分には贈与税がかかります。

教育資金

30歳未満の子や孫に対して、親や祖父母が教育資金を贈与する場合、1人あたり一括で1,500万円までが非課税となります。

教育資金には入学金、授業料、修学旅行費、学用品代などが含まれます。

学校以外への支払い、たとえば習い事や学習塾費用などは500万円まで非課税です。

受贈者が30歳までに資金を使い切れなかった場合、その残額に一般税率を適用して贈与税を納める必要があります。

 

また、贈与者が亡くなった際は原則として相続税の対象ですが、受贈者が23歳未満である場合、学校在学中の場合、または教育訓練給付金の対象となる教育を受けている場合は課税されません。

適用を受けるには、受贈者名義で教育資金口座を金融機関に開設し、金融機関経由で税務署へ届け出る必要があります。

引き出し時には領収書等を提出しなければならず、この特例は2026年3月31日まで利用可能です。

夫婦の場合

夫婦間で不動産に関する贈与を行う場合、最高2,000万円まで贈与税が非課税となります。

この特例は夫から妻、妻から夫のいずれにも適用され、基礎控除110万円と合わせて年間2,110万円まで非課税です。

 

ただし、適用には以下の条件を満たす必要があります。

 

  • 婚姻期間が20年以上であること
  • 贈与の対象が居住用不動産またはその取得資金であること
  • 贈与を受けた翌年3月15日までに実際にその住居に居住し、今後も住み続ける見込みがあること

 

この特例は同一配偶者からは一生に一度のみ利用でき、再婚して別の配偶者から贈与を受ける場合も婚姻期間が20年以上でなければ利用できません。

なお、非課税枠内であっても申告を行わないと適用されないため注意が必要です。

子どもの結婚や子育て資金

祖父母や両親が、孫や子どもの結婚費用や子育てに必要な資金を贈与する場合、1人あたり最大1,000万円までが非課税となります。

このうち結婚資金については上限が300万円と定められています。

 

受贈者の対象年齢は18歳以上50歳未満で、50歳までに資金を使い切れなかった場合、その残額に一般税率を適用した贈与税が課されます。

利用する際は、受贈者名義で結婚・子育て資金口座を金融機関に開設し、金融機関を通じて税務署へ届け出る必要があります。

 

引き出しの際には、所定の期限までに結婚や子育てに関する領収書等を提出しなければなりません。

この特例は、結婚や子育ての都度贈与するのではなく、将来の必要資金を一括で贈与しつつ非課税の適用を受けられる点が特徴です。

また、制度の適用期限は2025年3月31日までです。

住宅取得等資金

祖父母や両親が、18歳以上の子や孫に対し、住宅購入資金やリフォーム資金として一定額を贈与した場合に、非課税となる制度があります。

省エネ住宅や耐震住宅などの条件を満たす住宅なら最大1,000万円まで、それ以外の住宅でも最大500万円までが非課税です。

 

適用を受けるには、受贈者と住宅それぞれに条件があります。

具体的には、受贈者の所得が2,000万円以下(住宅面積40㎡以上50㎡未満は1,000万円以下)であること、過去に同制度の非課税措置を受けていないこと、贈与翌年3月15日までに居住を開始すること、住宅の床面積が40㎡~240㎡で半分以上が居住用であること、さらに新築または耐震基準を満たす住宅であることなどです。

なお、贈与税がかからない場合でも申告が必要で、詳細は国税庁サイトで確認できます。

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度とは、生前贈与の際に最大2,500万円までを贈与税の非課税対象としつつ、贈与者が亡くなったときには、その贈与分を含めて相続税の課税対象とする制度です。

例として、1億円の財産を持つ親Aさん(60歳以上)が子Bさん(18歳以上)に2,500万円を非課税で生前贈与し、その後Aさんが亡くなると、Aさんの残りの財産7,500万円に加え、生前贈与の2,500万円も合算した1億円に相続税が課されます。

 

従来(2023年まで)は、この制度を選ぶと暦年課税へ変更できず、110万円の基礎控除も相続財産に加算されていましたが、2024年度税制改正により年間110万円までの基礎控除が新設され、この分は相続財産に含めなくてよくなりました。

節税効果が高まった一方、贈与税が0円になる場合でも申告は必要です。

障害者に贈与する場合

障害者の生活費などを目的とした贈与については、贈与税がかからない特例があります。

非課税の上限額は、重度障害者である特別障害者の場合6,000万円まで、それ以外の特定障害者の場合は3,000万円までとされています。

特定障害者とは、精神障害者(中度および精神障害者保健福祉手帳2級・3級)などを指します。

特別障害者は、身体障害者手帳1級または2級、療育手帳A(マルA・A2等)、精神障害者保健福祉手帳1級、重度知的障害者、または常時病床で高度な介護を必要とする方です。

 

この制度を利用するには、信託銀行に資金を信託し、金融機関を通じて税務署に届け出る必要があります。

信託口座からは、受贈者(障害者)の生活費や医療費として定期的に資金が払い出される仕組みです。

親子間で贈与をする際の注意点

親子間で贈与を行う場合は、いくつかの注意点があります。

まず、贈与契約書や借用書を必ず作成することが重要です。

口頭だけのやり取りでは贈与の事実を証明できないため、書面によって契約内容を明確に残す必要があります。

特に高額な贈与では、将来の誤解やトラブルを防ぐ有効な手段となります。

 

次に、贈与税の無申告や誤った申告を避けることが大切です。

税務署は銀行口座の入出金履歴などから贈与を把握できるため、申告せずに済ませるのはほぼ不可能です。

そのため、適切な手続きを踏み、贈与税の申告を正しく行うことが、後々のリスクを避けるためにも欠かせません。

贈与契約書・借用書を作成する

親子間での贈与であっても、贈与契約書や借用書を作成することは非常に重要です。

贈与は法律上の契約行為であり、口頭だけのやり取りでは後に「本当に贈与があったのか」という争いに発展する可能性があります。

また、税務署に対して贈与の正当性を示すためにも契約書は不可欠です。

特に高額な場合は税務調査で疑念を持たれやすいため、書面で証拠を残すことが必要です。

 

作成する際は、贈与者と受贈者の氏名、贈与財産の詳細、贈与日を明記し、双方が内容に同意していることを示す署名・押印を行います。

借用書の場合は、貸付条件や返済期限も記載します。

注意点として、無償である贈与が借用と誤解されないよう、その無償性を明確にすることが大切です。

契約書は原則2部作成し、双方が1部ずつ保管することで、贈与の事実を法的に証明できます。

贈与税の無申告は税務署に把握される

親子間での贈与であっても、贈与税を申告しなければ、税務署に把握される場合があります。

これは、銀行口座での多額の資金移動や不動産の名義変更などの情報が、金融機関や法務局から税務署へ報告される仕組みになっているためです。

不自然な取引があれば調査が行われ、親子間の贈与が確認される可能性が高く、無申告が発覚すれば重いペナルティを受けることになります。

 

贈与税の申告は、贈与を受けた翌年2月1日から3月15日までの間に行い、税額を納付する必要があります。

相続時精算課税制度などの特例を利用する場合も、この期間内に申告しなければなりません。

申告の際は、贈与額や内容に誤りがないよう正確に記載し、可能であれば贈与契約書を添付して事実を明確にしておくことが望ましいとされています。

また、申告を怠れば延滞税や加算税が課されるため、期限内に確実に手続きを済ませることが重要です。

贈与税がいくらかかるかについてよくある質問

贈与税がいくらかかるかについて、よくある質問をご紹介します。

Q.子どもや孫に毎年110万円ずつ贈与すれば、贈与税は一切かかりませんか?

年間110万円以内の贈与であれば、基本的には贈与税はかかりません

ただし、定期贈与とみなされると課税対象になる場合があるため注意が必要です。

暦年課税では、1月1日〜12月31日までの1年間に受け取った贈与の合計額が110万円を超えなければ、申告・納税の義務はありません。

しかし、例えば”毎年誕生日に必ず110万円を贈る”といった継続性のある贈与が長期間続くと、税務署がこれを1つの契約と捉え、定期金に関する贈与と判断する可能性があります。

このような場合、将来的にまとめて課税されるリスクがあるため、贈与の都度、贈与契約書を作成する、金額やタイミングをずらすといった対策が推奨されます。

 

また、贈与の事実を証明するために通帳や振込記録を残しておくことも重要です。

非課税枠を活用した贈与であっても、形式的・習慣的になっていると見なされた場合は課税対象となる可能性があるため、慎重な計画が必要です。

Q.贈与税が0円の場合でも申告は必要ですか?

贈与税の税額が0円であっても、申告が必要となるケースは複数存在します。

特に、非課税の特例制度や相続時精算課税制度を利用する場合には、税額にかかわらず必ず申告が必要です。

 

たとえば、住宅取得資金の非課税特例や、配偶者控除(2,000万円まで非課税)を利用する場合、非課税枠内に収まっていても税務署へ申告書を提出しなければ適用されません。

また、相続時精算課税制度を選ぶ場合も、初回の贈与時に「選択届出書」と申告書を併せて提出することが義務づけられています。

 

一方で、年間の贈与額が110万円以下であり、特例も使わない場合は申告不要です。

ただし、贈与が教育費や生活費などであっても、本来の目的以外に使われた場合は申告対象となることがあるため注意が必要です。

 

非課税だから申告不要とは限らないため、制度の内容や条件をよく確認したうえで、適切に手続きすることが大切です。

贈与税はいくらからかかる?まとめ

ここまで、贈与税の課税基準や非課税の特例制度、計算方法まで幅広く解説してきました。

本記事のポイントをまとめると以下の通りです。

 

  • 贈与税は年間110万円を超える贈与から課税対象となるが、課税方式により非課税枠が異なる
  • 教育資金・住宅取得資金・夫婦間の不動産贈与など、多様な非課税特例を活用できる
  • 正確な申告と契約書の整備がトラブルや重加算税の回避につながる

 

贈与を、いつ・誰に・どのように行うかによって税額やリスクは大きく変わります。

将来を見越した資産形成のためにも、贈与税の知識を活用して、賢く制度を利用していきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

相続手続きが不安な方へ
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