相続税の納付期限は、相続が開始されたことを知った日から10ヶ月以内と定められています。しかし、納付期限を守るためには、さまざまな手続きを順番に行う必要があります。
本記事では相続税の納付期限はいつまでなのかについて以下の点を中心にご紹介します。
- 相続税の申告と納付までの流れ
- 相続税の納付期限を守らないとどうなるのか
- 相続税の納付期限を延長できるケース
相続税の納付期限はいつまでなのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
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相続税の納付期限は「10ヶ月以内」

相続税の申告と納付は、相続の開始(被相続人の死亡)を知った日の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。例えば、2023年1月6日に亡くなった場合、相続税の申告と納付は2023年11月6日までに完了させなければなりません。
もし申告期限が土曜日、日曜日、または祝日に当たる場合は、税務署が閉庁しているため、次の平日が実際の申告期限となります。この点に留意し、期限を過ぎないように計画的に対応しましょう。
相続税は多額になることが多く、納税は原則として現金で一括納付が求められます。納税資金を確保するために、不動産を売却したり、ほかの資産を現金化することを検討する場合があります。もし現金が不足している場合、納税の延長や物納といった方法も選択肢として考えられます。
相続税の申告と納付までの流れ

相続が発生してから相続税の申告・納付までには、いくつかの重要な手続きが必要です。以下で解説します。
相続開始(被相続人の死亡日)
相続は、被相続人(亡くなった人)の死亡をもって始まります。この日が相続開始日として、以降の手続きが進められます。
相続人の確認と遺言書の有無
相続財産を受け継ぐ人が誰であるかを確認します。法定相続人のほかに、遺言書があればそこに記された受遺者もいますので、遺言書があるかどうかも必ず確認しましょう。
財産と債務の調査
被相続人が遺した財産(預貯金、不動産、株式など)と、債務(借金など)を把握します。これにより、相続税が発生するかどうかが決まります。
相続放棄または限定承認の申請
相続を放棄する場合や、プラスの財産を超えない範囲で相続をする限定承認を選ぶ場合は、申述を家庭裁判所に行わなければなりません。申請は原則として3ヶ月以内です。
準確定申告の実施
被相続人が死亡した年に所得があった場合、その確定申告を相続人が代行します。この手続きを「準確定申告」と言い、期限は死亡日から4ヶ月以内です。
遺産分割協議
遺言書がない場合は、相続人全員で遺産の分割方法を話し合います。法定相続分を基に協議が進められますが、相続人間で合意が取れれば法定分割に拘る必要はありません。
相続税の申告・納付
相続税の申告書を税務署に提出し、相続税を納付します。申告と納税は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内に行わなければなりません。
相続税の納付期限を守らないとどうなる?

相続税の申告や納付を期限内に行わなかった場合、ペナルティが課せられることがあります。以下のようなペナルティが課せられる場合が有ります。
無申告加算税
申告期限を過ぎて申告をしなかった場合、納付すべき税額に対して無申告加算税が課せられます。この税金は、50万円以下の部分に対しては15%、50万円を超える部分には20%が上乗せされます。
ただし、税務署から調査通知が来る前に自主的に申告した場合、税率は5%に下がります。さらに、申告期限から1ヶ月以内に申告を完了した場合は、無申告加算税は免除されます。
延滞税
納税が遅れた場合に課せられる延滞税は、利息のようなものです。納付期限の翌日から2ヶ月以内に納税すれば、原則として年7.3%の延滞税が発生します。
2ヶ月を過ぎると、税率は年14.6%に上昇します。令和3年以降は特例が適用されることもあり、年7.3%または延滞税特例基準割合+1%(2ヶ月以内)や、年14.6%または延滞税特例基準割合+7.3%(2ヶ月を超えた場合)といった割合に変動します。
重加算税
相続税の申告内容を故意に隠蔽または偽装した場合、最も厳しいペナルティである重加算税が課せられます。もしも意図的に税額を少なく申告した場合は、原則として35%が課せられ、申告をせずに完全に隠蔽した場合は40%の重加算税が発生します。
また、過去5年以内に無申告加算税や加算税が課せられていた場合は、税率が50%に跳ね上がります。
相続税の納付期限に間に合わない場合

相続税の申告や納税には厳密な期限が設けられていますが、万が一、期限に間に合わない場合も考えられます。その際の対策として、いくつかの選択肢があります。
まず、申告・納税を期限内に完了できなかった場合でも、過剰に支払った税金を還付してもらう方法があります。すでに納税した税額が多すぎた場合、その金額を還付請求することで取り戻すことが可能です。具体的な手続きとしては、申告後に税務署に還付を申請することになります。
また、やむを得ない事情により期限内に申告が難しい場合は、納付期限の延長が認められることもあります。この場合、税務署に延長の申請を行い、状況に応じた適切な対応を取ることができます。ただし、延長申請が認められる条件は限られており、理由が十分であることが求められます。
さらに、もし申告・納付期限が土日や祝日に当たる場合は、実際の期限は翌営業日になります。例えば、申告期限が土曜日の場合、その期限は翌週の月曜日となります。このように、土日や祝日が期限に当たる場合でも、実際の期限はその翌日に延びるため、注意が必要です。
相続税の納付期限を延長できるケース

相続税の申告・納付期限は原則として相続開始を知った日から10ヶ月以内ですが、特定の事情により期限の延長が認められる場合があります。以下の5つのケースが該当します。
災害などの影響を受けた場合
自然災害(地震、豪雨、台風など)や人為的災害(火災、ガス爆発など)により、申告や納付が間に合わない場合、延長が認められます。また、新型コロナウイルスのような特殊な事情も対象となります。
相続人に異動があった場合
相続人が認知されたり、廃除された場合など、相続人の変更が発覚した際には、相続人間で新たに協議を行う必要があるため、期限が延長されます。
遺留分侵害額の請求があった場合
法定相続人が遺言で遺された財産について遺留分を侵害された場合、その侵害額を請求することができます。これに関する手続きが進行中である場合、納税期限の延長が可能です。
新たに遺言書が見つかった場合
相続開始後に新たに遺言書が見つかると、遺産の分配方法や計算がやり直しとなるため、申告期限の延長が認められることがあります。
胎児が相続人となった場合
相続発生時に胎児がいた場合、その胎児が出生することで相続税の納税義務が生じます。胎児が出生後、2ヶ月以内であれば納税期限の延長が認められます。
相続税の納付期限はいつまでなのかについてのよくある質問

相続税の納付期限はいつまでなのかについてのよくある質問は以下のとおりです。
7000万円の相続税はいくらですか?
課税価格が7000万円で、相続人に配偶者がいない場合、どのように相続税が計算されるのでしょうか?
まず、相続税の基礎控除額を計算します。基礎控除額は「3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」で求めます。仮に法定相続人が2人(子どもが2人)であれば、基礎控除額は3000万円 + (600万円 × 2) = 4200万円となります。
次に、課税価格7000万円から基礎控除額4200万円を差し引き、課税対象となる金額は2800万円です。この金額に対して相続税率が適用されます。
相続税は一括で納付できますか?
相続税の支払いは、原則として現金で一括納付を行う必要があります。納付方法としては、管轄の税務署(申告を行った税務署)で納付書を取得し、その後銀行や郵便局(ゆうちょ銀行)で納付を行います。ただし、ATMでの振込は利用できず、納付は必ず窓口での手続きが必要です。
さらに、税務署の窓口で直接納付を行うこともできますので、最寄りの税務署で手続きを行いましょう。
相続税を払った後、確定申告は必要ですか?
相続税を納付した後、相続によって取得した財産について所得税の確定申告を行う必要はありません。所得税法では、財産の取得が相続や贈与に基づくものであっても、それ自体が所得として課税対象にはならないためです。つまり、相続税を支払った後にその財産について再度所得税を申告する義務はないということです。
相続税の納付期限はいつまでなのかについてのまとめ

ここまで相続税の納付期限はいつまでなのかについてお伝えしてきました。相続税の納付期限はいつまでなのかについての要点をまとめると以下のとおりです。
- 相続税の申告と納付は、相続開始(被相続人の死亡日)→相続人の確認と遺言書の有無→財産と債務の調査→相続放棄または限定承認の申請→準確定申告の実施→遺産分割協議→相続税の申告・納付の流れで行われる
- 相続税の納付期限を守らないと、無申告加算税、延滞税、重加算税といったペナルティが課せられる場合がある
- 相続税の納付期限を延長できるケースには、災害などの影響を受けた場合、遺留分侵害額の請求があった場合、新たに遺言書が見つかった場合、胎児が相続人となった場合が挙げられる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。