「親から家をプレゼントしてもらいたいけど、贈与税ってかかるの?」
「贈与税を払わずに済む方法はあるの?」
このように、親から子どもへ住宅を生前贈与を検討されている方は、贈与税について疑問を抱いている方も多いでしょう。
住宅の生前贈与は、相続をスムーズに進める有効な手段の一つですが、贈与税が発生するケースもあり、税制は複雑です。
本記事では、親から子への住宅の生前贈与における贈与税の仕組み、非課税措置や特例、そして手続きを進める上での注意点について詳しく解説します。
- 贈与税とは
- 住宅取得等資金の贈与税の非課税措置とは
- 親から子どもへ住宅を生前贈与する際の注意点4つ
親子間で住宅を生前贈与する際に贈与税はかかるかについてご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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贈与税とは?

贈与税は、個人から個人へ財産を無償で譲渡する際に課される税金です。
年間110万円の基礎控除があり、これを超える贈与額に対して課税されます。
課税方式には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2種類があります。
暦年課税では、1年間(1月1日から12月31日)に受けた贈与額から基礎控除額110万円を差し引いた残額に対して、10%から55%の累進税率が適用されます。
一方、相続時精算課税では、60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子や孫への贈与が対象で、累計2,500万円までの贈与が非課税となり、超過分に一律20%の税率が適用されます。
ただし、相続時にこれらの贈与額が相続財産に加算され、相続税の計算に影響を与えます。贈与税の申告・納税期間は、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までです。
適切な申告と納税を行うため、贈与の際には税制や控除制度を十分に理解しておくことが重要です。
暦年課税
暦年課税とは、1年間(1月1日から12月31日)に受けた贈与額に基づいて課税される贈与税の方式です。
年間110万円の基礎控除が設定されており、贈与額がこれを超える場合、その超過分に対して10%から55%の累進税率が適用されます。
例えば、贈与額が200万円の場合、基礎控除後の90万円に対して10%の税率が適用され、9万円の贈与税が発生します。
暦年課税は、贈与者や受贈者の年齢や関係性に関係なく適用されるため、計画的な生前贈与を行うことで、相続税の節税対策として活用できます。
ただし、多額の財産を一度に贈与する場合には、高い税率が適用される可能性があるため、注意が必要です。
相続時精算課税
相続時精算課税とは、60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子や孫への贈与に適用される制度で、累計2,500万円までの贈与が非課税となります。
この特別控除額を超える部分には、一律20%の贈与税が課されます。
ただし、贈与者の相続時には、これらの贈与額が相続財産に加算され、相続税の計算に影響を与えます。
2024年1月以降、この制度を利用する場合でも年間110万円の基礎控除が適用されるようになりました。
相続時精算課税制度は、将来の相続税負担を見据えて早期に財産を移転したい場合に有効ですが、一度選択すると暦年課税への変更ができないため、慎重な検討が必要です。
贈与税について気になる方も多いのではないでしょうか? 本記事では、贈与税について以下の点を中心にご紹介します! 贈与税とは 相続税と贈与税の違い 贈与税がかからない場合 贈与税について理解するためにもご参考いた[…]
住宅取得等資金の贈与税の非課税措置

住宅を取得する際に、親や祖父母などから資金の援助を受ける場合、一定の要件を満たせば、贈与税がかからないという制度をご存知でしょうか?
住宅取得等資金の贈与税の非課税措置について解説します。
非課税限度額1000万円の要件
住宅取得等資金の贈与税非課税措置では、省エネ等住宅の場合、最大1,000万円までの贈与が非課税となります。
省エネ等住宅とは、断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上の基準を満たす住宅を指します。
この非課税措置は、2026年末まで延長されており、適用を受けるためには、贈与者が直系尊属であること、受贈者が贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であること、受贈者の合計所得金額が2,000万円以下であることなどの要件を満たす必要があります。
また、住宅の床面積が40㎡以上240㎡以下で、半分以上が受贈者の居住用であることも条件となります。
適用を受ける際には、必要書類の準備や期限内の申告が求められるため、事前に詳細を確認し、適切な手続きを行うことが重要です。
特例を活用する要件
住宅取得等資金の贈与税非課税措置は、親や祖父母から住宅購入や改修の資金を贈与された場合、一定額が非課税となる制度です。
この特例を活用するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。
まず、贈与者が直系尊属であり、受贈者が贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であることが条件です。
また、受贈者の年間所得が2,000万円以下である必要があります。
さらに、購入または改修する住宅が床面積40㎡以上240㎡以下であり、半分以上が受贈者の居住用であることも求められます。
省エネ性能を満たす住宅の場合、非課税限度額は最大1,000万円、それ以外の住宅では最大500万円となります。
この制度を利用する際は、適用期限内に申告を行い、必要書類を準備することが重要です。
実際の非課税枠はもっと大きい
住宅取得等資金の贈与税非課税措置では、省エネ等住宅の場合、最大1,000万円までの非課税枠が設定されていますが、実際にはさらに大きな非課税枠が利用できる場合があります。この制度は、年間110万円の贈与税の基礎控除と併用できるため、贈与額が基礎控除の範囲内であれば追加の税負担が発生しません。
たとえば、親から1,100万円を贈与された場合、基礎控除110万円を差し引いた990万円が非課税措置の対象となり、全額が非課税になります。
このように、基礎控除と特例を組み合わせることで、非課税枠を有効に活用できます。
ただし、非課税措置の適用を受けるには、適切な申告と書類の提出が必要です。
事前に要件を確認し、計画的に贈与を行うことが重要です。
非課税措置の部分は相続税の対象外
住宅取得等資金の贈与税非課税措置で非課税となった部分は、相続税の課税対象に含まれないため、相続税対策としても有効です。
この制度では、住宅の購入や改修に使われた贈与額が特例の範囲内であれば、贈与税が課されないだけでなく、贈与者が亡くなった際の相続財産にも加算されません。
たとえば、省エネ等住宅の場合、最大1,000万円までが非課税となり、この金額は相続税の計算に影響を与えません。
ただし、非課税措置を受けるためには、贈与が住宅取得等の明確な目的で行われたことを証明する書類を提出する必要があります。
この制度を活用することで、贈与税と相続税の両面で税負担を軽減できるため、将来の相続を見据えた資産移転に役立ちます。
適用条件や手続きを十分に確認して利用することが重要です。
贈与税の非課税枠は、資産を次世代に引き継ぐ際に有効な制度です。 親から子供への資産移転や特定の目的に対する贈与などにおいて、税負担を軽減するための基本的な枠組みとなります。 そこで、贈与税の非課税枠について気になる方も多いのではない[…]
住宅資金贈与の特例を活用する際の注意点

住宅購入を検討されている方の中には、贈与税に関する疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、住宅取得等資金の贈与税非課税特例を活用する際に注意すべき点について、詳しく解説します。
贈与税の納税は不要でも申告は必要
住宅資金贈与の特例を活用する場合、贈与税が非課税となる金額内であっても、税務署への申告は必須です。
この特例では、省エネ等住宅で最大1,000万円、その他の住宅で最大500万円が非課税となりますが、適用を受けるには確定申告期間内に申告書を提出する必要があります。
申告の際には、贈与契約書や住宅の契約書、資金の使途を証明する書類などが必要です。これらの書類を適切に準備しないと、非課税措置が適用されない可能性があります。
また、この特例を利用すると、一度選択した課税方式(暦年課税または相続時精算課税)を変更することはできません。
適用条件や今後の税負担を慎重に検討した上で利用することが大切です。
相続時精算課税制度も適用できる
住宅資金贈与の特例は、暦年課税だけでなく、相続時精算課税制度を併用して適用することも可能です。
この制度を利用すれば、贈与税の非課税枠を超える金額についても、2,500万円まで贈与税が課されず、贈与者が亡くなった際に相続税として精算されます。
例えば、省エネ等住宅の購入資金として3,000万円を贈与された場合、1,000万円が住宅資金贈与の特例で非課税となり、残りの2,000万円が相続時精算課税の控除枠内で非課税となります。
ただし、相続時精算課税を選択すると、暦年課税に戻すことはできません。
この制度を利用する際は、贈与の総額や将来の相続税負担を慎重に検討することが重要です。
また、特例を受けるためには、必要な書類を揃えて申告を行う必要があります。
住宅を購入する際、親や祖父母から贈与を受けることで資金を補うケースも多いでしょう。このような場合、贈与税が課されるのはどのような条件からなのか、また手続きや必要書類について具体的に知っておくことが重要です。 本記事[…]
親から子どもへ住宅を生前贈与する際の注意点4つ

生前贈与は、相続をスムーズに進めるための有効な手段の一つですが、その一方で、贈与税や相続税など、税金面での注意点や、家族間のトラブルに繋がる可能性も孕んでいます。
本記事では、親から子どもへ住宅を生前贈与する際に注意すべき点について、4つのポイントに絞って詳しく解説します。
親子間であっても贈与契約書を作成しておく
親から子どもへ住宅を生前贈与する際には、贈与契約書を作成しておくことが重要です。
たとえ親子間であっても、贈与契約書がない場合、後々のトラブルの原因となることがあります。
贈与契約書を作成することで、贈与の内容や条件が明確になり、贈与税の申告に必要な証拠としても役立ちます。
また、贈与契約書には贈与額や贈与の目的、贈与者と受贈者の署名捺印を記載し、法的効力を持たせることが求められます。
これにより、贈与後に相続税が発生した場合でも、贈与の事実を証明しやすくなります。
さらに、贈与契約書を作成することで、将来の相続時に不公平感を防ぐことができます。
贈与が適切に記録されていれば、他の相続人とのトラブルを避け、円滑な遺産分割が可能となります。
贈与税をゼロにできる場合であっても敢えて贈与税を納める
親から子どもへ住宅を生前贈与する際、贈与税をゼロにできる場合でも敢えて贈与税を納める選択肢があることに注意が必要です。
例えば、住宅取得資金の贈与に関する特例を利用すると、一定の条件下で贈与税が非課税となりますが、場合によっては敢えて贈与税を納める方が有利になることがあります。
贈与税を支払うことで、贈与を行った年の財産として計上され、将来の相続時にその分を相続財産から除外することが可能となります。
これにより、相続税の負担を軽減できる場合があります。
また、贈与税を支払うことで、相続時に「生前贈与」として計上されるため、相続時精算課税制度の適用を受けることができ、相続税を後で精算することが可能です。
贈与税を納める選択肢は、相続計画を考慮した上での判断が必要です。
親子間の現金手渡しだからバレないとはならない
親から子どもへ住宅を生前贈与する際、現金を手渡しする方法が選ばれることがありますが、「バレない」と考えるのは危険です。
贈与税は贈与が行われた事実を税務署に報告する義務があり、親子間であっても現金の贈与が適切に申告されない場合、後で税務調査が入るリスクがあります。
特に、現金手渡しの場合、贈与の証拠が残りにくく、贈与税の申告をしないまま贈与が行われた場合、税務署から不正な贈与と見なされ、過少申告加算税や延滞税が課せられる可能性もあります。
また、相続時にその現金の贈与が発覚した場合、相続税の計算にも影響を与えることがあります。
したがって、現金を贈与する際は、贈与契約書を作成し、贈与税の申告を行うことが重要です。
税務署への適切な申告を行うことで、後々のトラブルを避けることができます。
生前贈与の特別受益には気をつける
親から子どもへ住宅を生前贈与する際には、「特別受益」に注意することが重要です。
特別受益とは、相続開始前に親から受けた贈与や援助が、相続財産の分割時に考慮されることを指します。
生前贈与が特別受益に該当する場合、その贈与額は相続財産に加算され、他の相続人との公平な分割が求められるため、贈与を受けた子どもは相続分が減少することがあります。
特に住宅を贈与する場合、その価値が大きいため、他の相続人との間でトラブルが生じる可能性が高くなります。
贈与を受けた子どもが相続時に不利益を被らないよう、贈与を行う際には事前に相続人全員と話し合い、贈与額や相続分の調整を行うことが重要です。
また、贈与契約書を作成し、贈与の事実を明確に記録することが、後々の争いを避けるために有効です。
親からの支援で住宅購入すると相続で困ることも

親の支援を受けて住宅を購入することは、経済的な負担を軽減できる一方で、相続の際に様々な問題が発生する可能性もあります。
本記事では、親の支援で住宅を購入した場合に、相続でどのような問題が発生する可能性があるのか、具体的な注意点と対策について解説します。
小規模宅地等の特例が使えない
親からの支援を受けて住宅を購入する際、将来の相続で「小規模宅地等の特例」が使えなくなる可能性に注意が必要です。
この特例は、被相続人が住んでいた住宅用地を相続する場合に、一定の条件下で評価額が最大80%減額される制度です。
しかし、親が自身の住宅を手放し、別の場所で生活するようなケースでは、この特例の適用が難しくなることがあります。
例えば、親が子に資金を贈与して新居を購入し、親自身がそこに住まなくなった場合、親の元の住居は特例の対象外となる可能性があります。
その結果、相続税の負担が大きくなることも考えられます。
親からの住宅購入支援を受ける際は、将来の相続税への影響を十分に考慮し、事前に専門家に相談することが重要です。
不動産取得税・登録免許税がかかる
親からの支援で住宅を購入する際、贈与税が非課税となる場合でも、相続時に不動産取得税や登録免許税がかかることがあります。
特に、親から直接不動産を贈与される場合、贈与された不動産の評価額に基づいて不動産取得税が課税されるため、予期せぬ税負担が発生する可能性があります。
また、不動産の名義変更に伴い、登録免許税も発生します。
これは不動産の所有権移転登記を行う際に必要な税金であり、贈与によって不動産の所有者が変わると、必ず支払うことになります。
これらの税金は、贈与税の非課税枠とは別に発生するため、事前に税金負担を見積もり、計画的に資産移転を行うことが重要です。
遺産分割で揉めることも
親からの支援で住宅を購入する場合、相続時に遺産分割で揉める可能性があることも考慮する必要があります。
例えば、親が子に住宅購入資金を贈与した場合、他の相続人との間で不公平感が生まれ、遺産分割で争いが起こることがあります。
贈与された子は、他の相続人と同じように遺産を受け取るわけではないため、贈与分を遺産に含めて分割するかどうかが問題となることがあります。
特に、親が生前に贈与した住宅資金が大きな額であった場合、その分を遺産分割にどう反映させるかが争点となることが多いです。
遺産分割の際には、贈与された資産の扱いについて事前に合意を得ておくことが重要です。遺産分割協議書を作成し、家族間での認識を統一することで、相続時のトラブルを防ぐことができます。
相続時精算課税制度との併用に注意
親からの支援で住宅を購入する際、相続時精算課税制度との併用には注意が必要です。
この制度を利用すると、贈与税の非課税枠を超える金額に対して、2,500万円までの贈与が非課税となり、相続時にその分を相続税として精算する仕組みです。
しかし、この制度を利用すると、贈与税の非課税措置を受ける他の特例(例えば住宅資金の贈与税非課税措置)との併用ができなくなります。
例えば、住宅資金の贈与を相続時精算課税制度で行った場合、住宅資金の特例である最大1,000万円の非課税措置を受けることができません。
また、相続時精算課税を選択した場合、暦年課税に戻すことはできないため、将来の贈与計画にも影響を与える可能性があります。
このため、贈与の時期や方法を慎重に検討し、相続時精算課税を選択する際は、将来の相続税負担を十分に考慮することが重要です。
親子間で住宅を生前贈与する際に贈与税はかかるかについてまとめ

親子間で住宅を生前贈与する際に贈与税はかかるかについてお伝えしてきました。
親子間で住宅を生前贈与する際に贈与税はかかるかについてまとめると以下の通りです。
- 贈与税は、個人から個人へ財産を無償で譲渡する際に課される税金で、年間110万円の基礎控除があり、これを超える贈与額に対して課税される
- 住宅取得等資金の贈与税非課税措置は、親や祖父母から住宅購入や改修の資金を贈与された場合、一定額が非課税となる制度である
- 親から子どもへ住宅を生前贈与する際の注意点4つは、親から子どもへ住宅を生前贈与する際には、贈与契約書を作成しておくことが重要で、贈与税をゼロにできる場合でも敢えて贈与税を納める選択肢があることに注意や、親子間の現金手渡しだからバレないとはならない点や親から子どもへ住宅を生前贈与する際には、「特別受益」に注意することが重要である
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


