住宅取得にかかる贈与税はいくらから?手続きや必要書類について解説

  • 2025年2月20日
  • 2025年3月12日
  • 相続税

住宅を購入する際、親や祖父母から贈与を受けることで資金を補うケースも多いでしょう。このような場合、贈与税が課されるのはどのような条件からなのか、また手続きや必要書類について具体的に知っておくことが重要です。

 

本記事では住宅取得にかかる贈与税について以下の点を中心にご紹介します。

 

  • 住宅取得資金贈与の特例について
  • 住宅資金贈与の非課税限度額について
  • 贈与を受ける際の注意点とは

 

住宅取得にかかる贈与税について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

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贈与税とは?

贈与税とは、個人間で財産を無償で譲渡した際に、財産を受け取った側に課される税金のことです。贈与は、贈与者が「財産を渡す」という意思を示し、受贈者がそれを「受け取る」と合意することで成立します。贈与者は一般的に親や祖父母である場合が多く、受贈者には子どもや孫が含まれることが一般的です。

 

贈与税は、その年の1月1日から12月31日までに受け取った贈与額に対して課されます。申告義務は財産を受け取った受贈者にあり、贈与を行った側である贈与者が申告を行うわけではない点に注意が必要です。

 

ただし、すべての贈与に贈与税が課されるわけではありません。贈与税には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つの課税方式があり、それぞれに非課税枠が設けられています。この非課税枠を活用することで、一定額以下の贈与には課税が発生しない仕組みとなっています。贈与税を理解するには、課税方式や非課税の範囲について知ることが重要です。

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住宅取得資金贈与の特例とは

住宅購入の際に親や祖父母から資金援助を受けるケースはよくありますが、個人間の贈与である以上、通常は贈与税の課税対象となります。しかし、「住宅取得等資金の非課税特例」を活用することで、一定額までの贈与が非課税となります。この特例は、親や祖父母が子や孫の住宅購入を支援する際に大変有効です。

特例の非課税限度額

この特例を利用すると、非課税限度額の範囲内で贈与を受けることが可能です。たとえば、省エネ等住宅の場合は最大1,000万円、それ以外の住宅では500万円が非課税となります(改正後の上限額)。これにより、通常の贈与税の非課税枠(110万円)を超える高額な贈与も課税されずに利用できます。

 

特例を受けるための要件

  • 贈与者の直系卑属(子や孫)であること
  • 贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であること
  • 贈与を受けた年の所得が一定金額以下であること(例:住宅の床面積に応じて2,000万円以下または1,000万円以下)
  • 贈与を受けた資金を翌年3月15日までに住宅取得費用に充て、12月31日までに居住を開始すること

住宅に関する要件

  • 日本国内にある住宅であること
  • 床面積が40㎡以上240㎡以下で、その半分以上が居住用であること
  • 中古住宅の場合、耐震基準を満たしていることや、一定の築年数以内であること

特例の改正点(2022年以降)

  • 適用期限の延長

非課税制度の期限が2023年12月31日まで延長されました。

 

  • 非課税限度額の変更

省エネ住宅で最大1,500万円だった上限額が1,000万円に、一般住宅で1,000万円だった上限額が500万円に引き下げられました。

 

  • 中古住宅の基準緩和

新耐震基準適合とみなされる条件が簡素化され、昭和57年1月1日以降に建築された家屋が対象となります。

 

  • 年齢要件の変更

成人年齢引き下げに伴い、2022年4月以降の贈与について18歳以上が適用対象になりました。

 

この特例は、住宅購入時の税負担を大幅に軽減し、家族間での資金援助をよりスムーズに行うための重要な制度です。

住宅資金贈与の非課税限度額とは

住宅取得等資金の贈与に対する非課税の特例は、親や祖父母など直系尊属から贈与された資金を利用して住宅を購入、新築、または増改築を行う際に、一定額まで非課税とする制度です。この制度を利用することで、高額な住宅購入にかかる贈与税の負担を軽減することができます。

 

通常、贈与税は1年間の贈与額が110万円を超えた分に対して課税されます。たとえば、2,000万円を贈与された場合、1,890万円が課税対象となり、相当な金額の贈与税が発生します。しかし、この特例を利用すれば、非課税枠が適用され、課税額を大幅に抑えることが可能です。

 

非課税限度額の決まり方

非課税限度額は、住宅購入の契約日、住宅の性能、消費税率などによって異なります。特に、耐震性や省エネ性能、バリアフリー性能を備えた住宅では、一般の住宅よりも非課税限度額が高く設定されています

 

たとえば、省エネ性能を備えた住宅の場合、より高額な非課税枠が適用されることがあります。一方、一般的な住宅では非課税限度額が低めに設定される場合もあります。このように、非課税枠は住宅の特徴や条件によって変動するため、事前に確認することが重要です。

非課税限度額を活用するメリット

住宅購入は高額な費用がかかるため、贈与税が発生する額も大きくなりがちです。しかし、この特例を活用することで非課税限度額が適用され、贈与税の負担を減らすことができます。親族から資金援助を受けて住宅を取得する場合には、ぜひこの制度を活用して負担を軽減しましょう。

 

住宅の性能や契約の条件によって非課税枠が異なるため、最新の制度内容を国税庁などの公式情報で確認することをおすすめします。

適用を受けるための手続きや必要な書類とは

住宅取得等資金贈与の非課税制度を利用するには、一定の手続きを行う必要があります。非課税枠の適用を受けるには、贈与を受けた年の翌年に贈与税の申告を行うことが必須です。

 

たとえ贈与税が非課税となる場合でも、適切な申告をしなければ制度の適用は認められません。

申告の期限

贈与税の申告は、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までの間に行います。この期間内に申告が完了しない場合、非課税制度を利用できなくなるため注意が必要です。

申告に必要な書類

贈与税申告書には、制度の適用を受けるための添付書類を加え、税務署に提出します。必要書類としては以下が挙げられます。

 

  • 贈与税申告書
  • 贈与を受けた住宅に関する契約書の写し(売買契約書や工事請負契約書など)
  • 住宅の性能を証明する書類(耐震基準適合証明書、建設住宅性能評価書など)
  • 受贈者の戸籍謄本(贈与者との続柄を確認するため)
  • 受贈者の所得証明書(所得金額が要件を満たすことを確認するため)

 

適用を受けるためには、贈与された資金を住宅取得に充てたことを証明する必要があります。また、書類の不備や提出漏れがあると適用が認められない場合があるため、申告前に必要書類をしっかり確認し準備しましょう。

贈与を受ける際の注意点

住宅資金贈与の非課税の特例を利用して贈与を受ける場合、いくつかの重要な注意点があります。この制度を効果的に活用するためには、以下の3つのポイントに留意することが大切です。

贈与税が非課税でも申告が必要

たとえ非課税の条件を満たしていても、この特例を適用するには必ず申告が必要です。申告は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの期間に行います。申告には戸籍謄本などの書類が必要となるため、事前に必要書類を確認し、税務署に問い合わせて準備を進めることが重要です。

土地には非課税特例が適用されない

この非課税の特例は、住宅の購入資金に対してのみ適用され、土地の取得には適用されません。そのため、親や祖父母から土地を譲り受けた場合には、その評価額に応じて贈与税が課される可能性があります。土地も含めて資金援助を受ける場合には、税負担を考慮して計画を立てる必要があります。

住宅ローン控除との併用に注意

住宅資金贈与の非課税特例と住宅ローン控除を併用する場合、全額が控除対象になるとは限りません。例えば、贈与で取得した金額とローンの総額が住宅価格を超えた場合、超過分はローン控除の対象外になります。親からの贈与額や住宅ローンの借入額について、併用の条件をよく確認しながら計画を進めましょう。

贈与以外にも資金援助を受ける方法

住宅資金贈与の非課税特例は、非課税枠が拡大されるため有効な手段ですが、要件を満たせなかった場合には利用できません。そんなときには、贈与以外の方法で親から資金援助を受ける選択肢を検討することも可能です。以下に代表的な方法をご紹介します。

 

  • 親子間融資

親子間融資は、親から資金を「贈与」ではなく「貸与」として受け取る方法です。金融機関を利用する場合と比較して、手数料がかからず、金利や返済期間を自由に設定できるメリットがあります。ただし、以下の点に注意が必要です。

 

  • 金利を0%にしない

金利が設定されていない場合、利息分が贈与とみなされ、贈与税の対象になる可能性があります。

 

  • 返済計画を明確にする

「必要なときに返済する」という曖昧な取り決めでは、全額が贈与と判断される可能性があるため、返済期間や金利を明確に設定することが重要です。

 

  • 親が住宅の一部を購入する

親が直接住宅の一部を購入し、その分を親名義で所有する方法もあります。この方法では、親の資産を子に移さずに援助を行えるため、贈与税が発生しません。

ただし、以下の点に注意してください。

 

  • 持分割合を正確に設定する

登記の際に、実際の負担割合に基づいた持分を登録する必要があります。実際の負担金額と異なる持分で登記を行うと、その差額が贈与と見なされる可能性があります。

 

  • 共有名義の影響を理解する

住宅が共有名義になるため、売却や相続など将来の取り扱いについて、親子間であらかじめ計画を立てておくことが大切です。

住宅取得にかかる贈与税についてよくある質問

住宅取得にかかる贈与税についてよくある質問は以下のとおりです。

子供への住宅資金の贈与はいくらまで非課税ですか?

平成27年分から令和2年分までの贈与税申告で、住宅取得等資金の非課税特例を利用してすでに非課税となった贈与額がある場合でも、新たに贈与を受けた金額を使って住宅を新築する際には、過去に非課税となった金額を非課税限度額から差し引く必要はありません。

住宅購入の贈与税は2024年にいくらまで非課税になりますか?

住宅購入資金に適用される贈与税の非課税特例では、最大1,500万円が非課税となる場合があります。なお、令和4年度の税制改正により、非課税限度額がこれまでの1,500万円から1,000万円へと変更されている点に注意が必要です。要件や注意事項についても詳しく解説します。

住宅購入時に3000万円を贈与税はいくら?

住宅購入資金として3,000万円の贈与を受けた場合、相続時精算課税制度を利用することで贈与税の計算方法が変わります。この制度では、2,500万円の特別控除が適用されるため、課税対象額は3,000万円から特別控除額の2,500万円を差し引いた500万円となります。

 

課税対象額の500万円に一律20%の税率を掛けるため、贈与税は100万円となります。つまり、この制度を利用することで、通常の贈与税より大幅に税額を抑えることが可能です。

 

また、令和5年度の税制改正により、相続時精算課税制度の詳細が見直されています。特例を活用する際には、最新の情報を確認し、適切に申告手続きを進めることが重要です。

住宅取得にかかる贈与税についてのまとめ

ここまで住宅取得にかかる贈与税についてお伝えしてきました。住宅取得にかかる贈与税の要点をまとめると以下の通りです。

 

  • 贈与税とは、個人間で財産を無償で譲渡した際に、財産を受け取った側に課される税金のこと
  • 住宅購入の際に親や祖父母から資金援助を受けるケースはよくあるが、個人間の贈与である以上、通常は贈与税の課税対象となる。しかし、「住宅取得等資金の非課税特例」を活用することで、一定額までの贈与が非課税となる
  • 住宅購入において贈与を受ける場合は、贈与税が非課税でも申告が必要であること、土地には非課税特例が適用されないことを理解しておくこと

 

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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