近年、注目を集めているのが「相続時精算課税制度」です。
この制度は、生前贈与と相続をトータルで課税する制度で、節税対策として有効活用できます。
しかし、特例を受けるためには、いくつかの条件や注意点があります。
そこで今回は、相続時精算課税制度のメリット・デメリット、そして必要書類や申告方法について詳しく解説します。
- 相続時精算課税制度とは?
- 相続時精算課税制度を利用するメリット・デメリット
- 相続時精算課税制度を利用する際の注意点
相続時精算課税制度について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
相続ナビに相続手続きをお任せください。
スマホ・PCで登録完了
役所などに行く必要なし
相続時精算課税制度とは

相続時精算課税制度は、生前に贈与した財産に対して、相続時にまとめて課税される制度です。
贈与税と相続税を一体的に扱い、生前と相続時の贈与・相続された財産の合計額に対して課税されます。
この制度のメリットは、生前に最大2,500万円まで贈与税非課税枠を利用できることです。また、60歳以上の方が18歳以上の子どもに贈与する場合、一定の条件を満たせば、贈与税と相続税を合算した税率が軽減されるというメリットもあります。
一方、デメリットとしては、生前に贈与した財産を把握・管理する必要が生じる点が挙げられます。
また、贈与後に値上がりした財産に対しては、贈与時の評価額で課税されるため、注意が必要です。
相続時精算課税制度は、節税対策の一つとして有効ですが、制度の内容や注意点などを理解した上で活用することが重要です。
相続税で精算する仕組み
相続時精算課税制度は、生前贈与と相続をトータルで課税する制度で、従来は2500万円までの贈与が非課税でした。
しかし、2024年1月の改正で、年110万円までの贈与が新たに非課税となり、さらに使いやすくなりました。
従来の制度では、2500万円を超える贈与は相続時に課税されるため、節税効果は限定的でした。
しかし、今回の改正により、年間110万円ずつ贈与すれば、合計2500万円を超えても贈与税と相続税の両方が非課税になる可能性があります。
例えば、親が子に毎年110万円ずつ贈与した場合、子が30年後に2500万円受け取るまでに親が亡くなれば、子は贈与税も相続税も支払う必要はありません。
このように、2024年改正によって、相続時精算課税制度はより多くの場合で節税効果を発揮するようになりました。
制度の仕組みを理解し、自分に合った活用方法を検討することをおすすめします。
適用対象者
相続時精算課税制度を利用できるのは以下の条件を満たす方々です。
贈与者(財産を贈与する人)
- 60歳以上の方
- 贈与を受ける方の親または祖父母である方
受贈者(財産を受け取る人)
- 18歳以上の方(2022年3月31日以前の贈与の場合は20歳以上の方)
- 贈与者の子供または孫である方
累計2500万円を超えたら20%の贈与税がかかる
相続税法改正により、2023年1月1日以降、贈与税の制度が大きく変わりました。
以前は、年間1100万円までの贈与であれば贈与税は非課税でしたが、改正後は年間1100万円を超える部分に対して累進課税されるようになりました。
具体的には、累計贈与額が2500万円を超えると、超えた金額に対して20%の贈与税がかかります。
つまり、2500万円を超える贈与を行う場合は、贈与税を支払う必要があるのです。
この改正には、贈与税申告の手間が省けるなどのメリットがあります。
しかし、一度この制度を選択すると旧制度に戻れないなどのデメリットもあります。
贈与を行う際には、新しい制度の仕組みを理解した上で、慎重に検討することが重要です。
相続時精算課税制度は、一見複雑に見えるかもしれません。 しかし、その基本的な考え方を理解すれば、適切な相続対策を立てることが可能です。 本記事では、相続時精算課税制度について以下の点を中心にご紹介します! 相続時精算課税制[…]
相続時精算課税制度の申告方法・必要書類

相続時精算課税制度を選択するには、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間に、贈与税の申告書と相続時精算課税選択届出書を、贈与を受けた方の住所を管轄する税務署へ提出する必要があります。
以下、必要書類を見ていきましょう。
必要な書類をそろえる
相続税や贈与税の負担を軽減するために、「相続時精算課税制度」を活用するケースが増えています。
この制度では、親や祖父母が子や孫に最大2,500万円を贈与しても、贈与税がかかりません。
しかし、贈与した財産は、贈与者が亡くなった際に相続税の課税対象となる点や、贈与を受けた側が特定の税制優遇措置を受けられなくなる点などに注意が必要です。
制度を利用するためには、以下の書類を準備する必要があります。
- 贈与税の申告書
- 相続時精算課税選択届出書
- 受贈者の戸籍謄本または戸籍抄本
これらの書類は、税務署や税理士に相談しながら準備することをおすすめします。
贈与税の計算を行う
贈与税は、以下の式で計算されます。
| (贈与された財産の価額 – 基礎控除額 – 特別控除額)]× 20% |
贈与税の額は、贈与された財産の価額、基礎控除額、特別控除額によって決まります。
具体的には、贈与された財産の価額から基礎控除額と特別控除額を差し引いた額に、20%を乗じて計算されます。
贈与税の計算は複雑な場合もあります。
ご自身で計算するのが難しい場合は、専門家に相談することをおすすめします。
申告書に記入して提出する
相続税と贈与税の節税対策として注目されている「相続時贈与税制度」について、申告書への記入方法と注意点をご紹介します。
この制度では、親や祖父母が子や孫に最大2,500万円を贈与する場合、贈与税がかかりません。
しかし、贈与した財産は、親や祖父母が亡くなった際に相続税の課税対象となる点や、子が先に亡くなった場合、その相続人が贈与された財産に対して二度相続税を支払う必要がある点などに注意が必要です。
申告書への記入方法は以下の通りです。
- 贈与税申告書を管轄の税務署に提出する
- 贈与者と受贈者の氏名、住所、贈与金額などを記入する
- 贈与財産の価額を評価する
- 贈与税額を計算する
申告期限は、贈与があった年の翌年の1月1日から3月15日までの期間です。
「相続時贈与税制度」は、節税対策として有効な手段ですが、注意点も理解した上で利用することが重要です。
近年、注目を集めているのが「相続時精算課税制度」です。 この制度は、生前贈与と相続をトータルで課税する制度で、節税対策として有効活用できます。 しかし、特例を受けるためには、いくつかの条件や注意点があります。 そこで今回は、相[…]
相続時精算課税選択届出書の書き方

相続時精算課税制度は、60歳以上の親や祖父母から財産を贈与された子や孫が、贈与された財産を相続時に課税対象とする代わりに、贈与時にかかる贈与税を軽減する制度です。
この制度を利用するには、相続時精算課税選択届出書を提出する必要があります。
受贈者欄の書き方
相続時精算課税制度における受贈者欄は、贈与を受ける人の情報を記入する重要な欄です。記入内容を誤ると、制度の適用を受けられなくなる可能性もありますので、注意が必要です。
記入項目
- 住所:受贈者の現住所を正確に記入しましょう。
番地まで丁寧に記入してください。 - 氏名:受贈者の氏名をフルネームで記入しましょう。
苗字と名前の間には空白を開け、漢字とかなの間に濁点や半濁点などを忘れずに記入してください。
- 生年月日:受贈者の生年月日を西暦で記入しましょう。
記入例:2000年1月1日生まれの場合、令和12年1月1日生まれの場合
続柄
特定贈与者は親または祖父母を指すため、続柄欄には「子」または「孫」と記入してください。
特定贈与者欄の書き方
特定贈与者とは、贈与者が60歳以上で、受贈者が18歳以上の直系卑属(子どもや孫)である場合の贈与者を指します。
相続時精算課税制度を利用する場合には、贈与税申告書に特定贈与者の情報を記入する必要があります。
年の途中で特定贈与者の推定相続人または孫となった場合
以下のいずれかに該当する人が受贈者となった場合に記入します。
- 調停によって贈与者の子どもに認知された人
- 養子縁組によって養親の子どもとなった人(贈与者に子どもがいない場合)
- 養子縁組によって親の再婚相手の養子となった人
管轄税務署への提出
相続時精算課税選択届出書の年月日(様式の上部左側)は、提出直前に記入する必要があります。
これは、提出時点での最新の年月日を記入することが求められているためです。
記入がすべて完了し、必要書類も揃ったら、受贈者の住所地の管轄税務署に提出します。
提出方法は、直接持参、郵送のどちらでも可能です。
相続時精算課税選択届出書の提出期限は、贈与があった年の翌年2月1日から3月15日までです。
期限を過ぎてしまうと、相続時精算課税制度の適用を受けることができないので注意が必要です。
相続時精算課税制度を利用するメリット・デメリット

相続時精算課税制度は、メリットとデメリットがある制度です。
制度を利用するかどうかは、自身の状況や財産状況をよく検討した上で判断することが重要です。
相続時精算課税制度のメリット
相続時精算課税制度は、贈与税と相続税を一体的に課税する制度です。
最大2,500万円の贈与税非課税枠を活用することで、計画的な資産移転を実現し、相続税負担を軽減することができます。
メリットは以下の通りです。
- 節税効果: 生前に最大2,500万円の贈与が可能で、相続税負担を大幅に軽減できます。
- 柔軟な資産移転: 贈与の時期や金額を自由に選択できます。
- 将来の相続トラブル回避: 将来の相続人同士のトラブルを未然に防ぐことができます。
相続時精算課税制度のデメリット
相続時精算課税制度は、生前に贈与した財産を、相続時にまとめて課税する制度です。
節税効果が期待できる一方で、いくつかのデメリットも存在します。
以下に、主なデメリットを5つご紹介します。
暦年課税が使えなくなる
相続時精算課税制度を選択すると、暦年課税制度が使えなくなります。
暦年課税制度は、毎年110万円までの贈与であれば贈与税がかからない制度です。
相続時精算課税制度を選択すると、この非課税枠が使えなくなるため、将来的に贈与を行う際に、より多くの贈与税を支払うことになります。
贈与税の申告漏れのリスク
相続時精算課税制度を選択した場合、贈与した財産の価額を毎年きちんと把握し、贈与税の申告を行う必要があります。
申告漏れがあると、追徴課税されるだけでなく、延滞金も支払うことになります。
相続時に相続税が発生する可能性がある
贈与した財産の価額が、相続発生時の時価よりも高かった場合、相続時に相続税が発生する可能性があります。
これは、贈与時の時価で課税されるためです。
小規模宅地等の特例が使えなくなる
相続時精算課税制度を選択した場合、小規模宅地等の特例が使えなくなります。
小規模宅地等の特例は、一定の条件を満たす土地を贈与する場合に、贈与税が軽減される特例です。
不動産の生前贈与はコストが増える
相続時精算課税制度を選択した場合、不動産の生前贈与にかかるコストが増えます。
これは、贈与税に加えて、登録免許税や不動産取得税などの費用が必要になるためです。
上記以外にも、相続時精算課税制度には様々なデメリットがあります。
制度を利用する前に、メリットとデメリットをよく理解した上で、慎重に検討することが重要です。
相続時精算課税制度は、生前贈与を効果的に活用するための制度として注目されています。 高額な財産を贈与する際に贈与税の負担を軽減し、相続時に清算するこの制度は、計画的な資産移転を希望する方々にとって大きなメリットを提供します。 し[…]
新しい相続時精算課税制度の変更点「110万円の基礎控除」

2023年1月から施行された新しい相続時精算課税制度では、相続税と贈与税が一体化され、年間110万円の基礎控除が設けられました。
これは、以前の2500万円の特別控除に代わるもので、年間110万円以下の贈与であれば贈与税や相続税がかからないというものです。
この制度変更には、贈与税申告手続きの簡素化など、いくつかのメリットがあります。
しかし、一度この制度を選択すると旧制度に戻れないというデメリットもあります。
新しい制度の導入により、相続対策の選択肢が広がりました。
自分に合った制度を選ぶためには、専門家に相談することをおすすめします。
新しい相続時精算課税制度のメリット

2023年1月1日より施行された新しい相続時精算課税制度は、従来の制度と比べて、多くのメリットがあります。
主なメリットは以下の通りです。
年110万円までは暦年課税のような生前贈与加算がない
改正相続税法では、暦年課税のような生前贈与加算が廃止されました。
従来、年間2500万円までの贈与に対しては、贈与税と相続税が非課税になる特例措置がありました。
しかし、改正法では、年間110万円までの贈与であれば、贈与税も相続税も課税されません。
将来値上がりが期待できる財産がある場合は、相続税を抑えられる
将来値上がりが期待できる財産を上手に活用することで、相続税を節税することができます。
その方法の一つが、相続時精算課税制度の利用です。
相続時精算課税制度とは、贈与した財産の価額を、贈与時ではなく相続時に評価して課税する制度です。
つまり、贈与時に財産が値上がりしていたとしても、贈与時の価格で相続財産に加算されるため、相続税を抑えることができます。
相続時精算課税制度を利用する際の注意点

相続時精算課税制度は、暦年課税制度とは異なり、贈与された財産をすべて相続財産に加算し、相続時にまとめて課税される制度です。
メリットも多くありますが、利用にあたってはいくつか注意点があります。
暦年課税に戻れない
近年、相続税対策として「暦年課税」が注目されています。これは、年間110万円までの贈与であれば贈与税がかからない制度です。
しかし、暦年課税には思わぬ落とし穴が潜んでいるのです。
この制度を利用すると、親や祖父母は子供や孫に最大2500万円を贈与することができます。
しかし、贈与した資産は将来、相続税の課税対象となる点に注意が必要です。
つまり、節税効果は限定的であり、長期的な視点で見た場合、かえって負担が大きくなる可能性もあります。
さらに、暦年課税を利用すると、贈与を受けた側は配偶者控除や生命保険料控除などの税制優遇措置を受けられなくなるというデメリットもあります。
暦年課税は、使い方によっては有効な節税対策になり得ますが、その仕組みを理解した上で慎重に検討することが重要です。
相続税の小規模宅地等の特例が利用できなくなる
2023年1月から、相続税の小規模宅地等の特例が段階的に廃止されます。これは、これまで多くの納税者が利用してきた節税対策が使えなくなることを意味します。
この特例を利用すると、一定の条件を満たす土地や建物については、評価額が大幅に減額され、相続税が軽減されます。
しかし、特例の廃止によって、これらの資産の評価額が上がり、相続税が大幅に増加する可能性があります。
大切な資産を守るためには、今から対策を講じることが重要です。
具体的な対策としては、以下の点が挙げられます。
生前に贈与する
特例の廃止前に、配偶者や子供などへ生前に贈与することで、相続税の課税対象となる財産を減らすことができます。
ただし、贈与税の課税を受ける可能性があるため、注意が必要です。
土地活用をする
土地を駐車場や貸店舗などに活用することで、土地の評価額を上げることができます。
建物の新築・改築をする
建物を新築・改築することで、建物の評価額を上げることができます。
これらの対策は、個々の状況によって異なります。
専門家に相談し、自分に合った対策を検討することが重要です。
相続時精算課税制度は必ず節税できるとは限らない
相続税対策として注目される「相続時精算課税制度」。しかし、この制度を導入すれば必ず節税できるというわけではないのです。
この制度では、親や祖父母が子や孫に最大2,500万円を贈与しても贈与税がかかりません。
しかし、贈与した財産は、贈与者が亡くなった際に相続税の課税対象となるという落とし穴があります。
さらに、贈与を受けた側は、配偶者控除や生命保険料控除などの税制優遇措置を受けられなくなるというデメリットもあります。
相続時精算課税制度は、使い方によっては大きな節税効果が期待できます。
相続時精算課税制度についてまとめ

ここまで相続時精算課税制度についてお伝えしてきました。
相続時精算課税制度の要点をまとめると以下の通りです。
- 相続時精算課税制度は、生前に贈与した財産に対して、相続時にまとめて課税される制度を指す。
- 相続時精算課税制度は、節税効果や将来の相続トラブル回避ができる一方、デメリットは暦年課税が使えなくなることや贈与税の申告漏れのリスクなどがある。
- 相続時精算課税制度の注意点は、暦年課税に戻れないところや相続税の小規模宅地等の特例が利用できなくなる可能性がある。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

