相続税と贈与税はどちらがいい?違いや計算方法を解説します

  • 2025年8月17日
  • 2025年6月17日
  • 相続税

相続税と贈与税は、いずれも財産の移転に関わる税金ですが、課税方法や負担額には大きな違いがあります。相続税は、遺産が相続人に渡る際に課される税金であり、贈与税は、生前に贈与を受けた際に課される税金です。

 

本記事では相続税と贈与税はどちらがいいのかについて以下の点を中心にご紹介します。

 

  • 相続税とは
  • 贈与税とは
  • 相続税か贈与税、どちらを選んだ方がいいのか

 

相続税と贈与税はどちらがいいのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

相続手続きが不安な方へ
相続ナビに相続手続きをお任せください。

必要書類を代行取得
スマホ・PCで登録完了
役所などに行く必要なし

\\今すぐ電話で無料相談//

TEL:050-1720-0544

\\HPで詳しく見る//

相続税とは?

相続税とは、故人が残した財産を相続人が受け継ぐ際にかかる税金のことです。亡くなった人の遺産を相続や遺贈を通じて受け取った場合に課されるもので、受け取る財産の金額や相続人の関係性によって税額が異なります。相続税は、財産をもらった人ではなく、受け取った遺産の合計額に基づいて相続人が納税義務を負います。

 

相続税の課税対象となるのは、現金や預貯金、不動産などの実物財産に加え、株式や貴金属、生命保険金なども含まれます。また、相続税には基礎控除額があり、一定額以下の相続財産には課税されません。例えば、相続人が1人の場合には、3,600万円までが基礎控除の対象となり、それを超える分に対して課税が行われます。

 

相続税は、死亡時の財産に対してかかる税金であるため、贈与税と異なり、財産を受け取ったタイミングが亡くなった後となります。そのため、事前に計画的な資産管理や生前贈与を行うことが、相続税の負担を軽減する方法として活用されることもあります。

 

相続税はどのくらいの費用がかかるのか

相続税の金額は、遺産の総額や相続人の数、またその相続割合に基づいて決まります。まず、相続財産の総額を算出し、そこから基礎控除額を差し引くことで課税対象額を算出します。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算され、相続人が多いほど控除額も増えます。

 

たとえば、法定相続人が1人の場合、基礎控除額は3,600万円となります。この控除額を超える遺産がある場合、超過分に対して相続税が課税されます。相続税の税率は、課税対象額に対して累進課税方式で決まり、課税額が高くなるほど税率も上がります。税率は10%から最大55%までと幅広く、遺産の規模が大きくなるほど、負担が重くなります。

 

また、贈与税の影響も忘れてはいけません。生前に財産を贈与した場合、その贈与分が相続税の計算に加算される「生前贈与加算」のルールが適用されます。特に、贈与後7年以内に亡くなった場合、贈与した財産が相続税の対象となるため、生前の贈与には慎重な計画が求められます。

 

相続税は、一度の申告で計算するため、贈与税と合わせた相続計画を立てることが重要です。税金対策を講じるためには、税理士などの専門家と相談しながら適切な戦略を立てることをお勧めします。

相続税で使える控除や特例について

相続税の負担を軽減するためには、いくつかの控除や特例を活用できます。これらの特例は、状況に応じて適用され、税額を大きく減らすことが可能です。以下では、代表的な控除や特例を紹介します。

1.配偶者の税額軽減

配偶者が相続する遺産については、1億6,000万円または法定相続分相当額のいずれか大きい額までが控除されます。これは、夫婦が共に築いた財産に対して、重複して課税しないという配慮からの制度です。ただし、この特例は法律上の配偶者にのみ適用され、内縁関係には適用されません。

2.未成年者控除

18歳未満の相続人が財産を相続した場合、その年齢に応じて控除額が決まります。控除額は、未成年者が満18歳になるまでの期間に応じて10万円ずつ控除される仕組みです。例えば、14歳9か月の未成年者の場合、控除額は40万円(10万円×4年)となります。

3.障害者控除

障害者認定を受けた相続人には、年齢に応じた控除が適用されます。通常は1年につき10万円が控除され、特別障害者には20万円が控除されます。また、障害者控除額が相続税額を上回る場合、扶養義務者の相続税額から控除することも可能です。

4.贈与税額控除

相続開始前7年以内に贈与を受けた相続人に適用されます。贈与税がすでに支払われた場合、その金額を相続税から控除することができ、二重課税を避けられます。

5.相次相続控除

短期間で相続が発生した場合に有効な特例です。前回の相続から10年以内に相続が発生した場合、その相続税額の一部を控除できる仕組みで、短期間で同じ財産に二重に相続税がかからないように配慮されています。

 

6.小規模宅地等の特例

この特例を使うと、相続した宅地等の評価額が最大80%減額され、相続税の負担が軽減されます。配偶者や同居親族などが対象となり、条件を満たせばその宅地等のうち330㎡までが対象となります。

 

これらの控除や特例を適切に活用することで、相続税の負担を軽減することが可能です。申告や手続きが必要な場合もあるため、専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

贈与税とは

贈与税とは、生前に他人から無償で財産を贈与された際に課される税金のことです。この税金は、個人が他の個人に財産を譲渡することによって発生します。贈与税には、主に「暦年課税制度」と「相続時精算課税制度」の2種類の課税方法があります。

暦年課税制度

贈与を受けた年間の財産総額が基礎控除額である110万円を超えない限り、贈与税は課されません。110万円以内の贈与については、非課税となり、贈与者も受贈者も特別な手続きをしなくても済みます。ただし、注意が必要なのは、亡くなる前に行われた贈与が相続税に加算される点です。2024年1月1日以降、税制改正により、相続税が課税される期間が従来の3年から7年に延長され、7年以内に贈与された財産は相続税の対象になります。

相続時精算課税制度

一定の条件を満たす場合に選択できる制度です。この制度では、60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子や孫に贈与が行われる場合、2,500万円までの財産が非課税となりますが、贈与者が亡くなった際にはその贈与分を相続財産に加算して相続税が計算されます。さらに、2024年の税制改正により、1年あたり110万円までの贈与については、基礎控除が適用され、贈与税はかからず、相続税に加算されることもありません。

 

贈与税は、特に生前の資産移転を行う際に重要なポイントとなります。選択する課税方法によって、税負担が異なるため、事前にしっかりと理解し、計画的に贈与を行うことが大切です。

 

贈与税の計算方法

贈与税は、贈与を受けた財産の額に応じて異なる計算方法が適用されます。特に、「暦年課税制度」と「相続時精算課税制度」の2つの制度で計算方法が異なり、贈与する相手や贈与金額に応じて税率が変動します。

1. 暦年課税制度の計算方法

暦年課税制度では、贈与された財産の合計額から基礎控除額(110万円)を引いた額に速算表に基づく税率を適用して計算します。具体的な計算式は以下のとおりです。

 

  • (贈与された財産の総額 − 基礎控除110万円)× 速算表の税率 − 速算表の控除額

 

この方法では、贈与財産が特例贈与財産か一般贈与財産かで税率が異なります。特例贈与財産は、主に親や祖父母から子や孫への贈与が対象となり、税率も一般贈与に比べて抑えられています。贈与額が同じであっても、特例贈与か一般贈与かの違いによって、課される税額に差が出ます。

 

【速算表例】

税率は最高で55%となり、贈与された金額が多ければ多いほど、適用される税率が高くなります。特例贈与財産の場合、一般贈与財産に比べて贈与税が軽減されるため、親族間の贈与に対しては有利な税率が適用されます。

2. 相続時精算課税制度の計算方法

相続時精算課税制度では、贈与額が2,500万円まで非課税となりますが、超過分には贈与税がかかります。この制度を選択した場合、以下の計算式で贈与税額を算出します。

 

  • {(贈与額 − 基礎控除110万円)− 2,500万円  } × 20%

 

ここで注意すべき点は、贈与を受けた金額が2,500万円を超える場合に適用される点です。贈与税の特別控除である2,500万円は、累積贈与額から差し引かれます。また、2024年からは年間110万円の基礎控除が設けられることにより、特別控除を超えた分に対して20%の税率が適用されます。

 

相続時精算課税制度は、特定の条件を満たす場合に利用できますが、一度適用すると暦年課税制度に変更できないため、慎重な判断が求められます。

 

贈与税の計算方法は、贈与額や贈与先との関係によって複雑になるため、税理士などの専門家に相談することで、適切な対策を講じることができます。

贈与税に使える控除や特例について

贈与税の負担を軽減するためには、いくつかの特例や控除を活用することが可能です。これらの特例は、特定の目的や状況に応じて適用され、税金を大幅に軽減できます。以下に代表的な特例を紹介します。

1. 教育資金の一括贈与の特例

直系尊属から30歳未満の子や孫への教育資金の一括贈与に関しては、最大1,500万円まで非課税となります(習い事などは500万円まで)。この特例を利用するには、信託銀行などで教育資金を信託する手続きが必要です。また、使った教育資金に関しては領収書を提出し、正当な使用が確認されることが求められます。この特例は、2026年3月31日まで適用される予定です。

 

適用される費用には、入学金や授業料、修学旅行費、学用品など、教育に関する広範な費用が含まれます。ただし、贈与を受けた者が30歳を迎えると契約は終了し、残りの未使用額には贈与税が課される点に注意が必要です。

 

2. 結婚・子育て資金の一括贈与の特例

結婚や子育て資金として、18歳〜49歳までの子や孫に最大1,000万円まで非課税で贈与できる特例です(結婚費用については最大300万円まで)。贈与を受ける者は直系尊属から資金を受け取る必要があり、贈与された資金は信託銀行を通じて管理されます。前年の合計所得が1,000万円を超えると、この特例の対象にはなりません。なお、適用期限は2027年3月31日までです。

 

適用される費用には、結婚式や転居費用、妊娠・出産に関する費用、育児費用などが含まれます。

3. 住宅取得等資金の贈与特例

直系尊属から自宅の購入や増改築資金を贈与された場合に適用される特例です。贈与を受ける者が18歳以上であり、一定の条件を満たしていれば、贈与された金額の一部が非課税となります。省エネ基準を満たす住宅では最大1,000万円、その他の住宅では上限500万円が非課税の対象となります。また、贈与を受けた年に住宅に住み始めることが求められます。

4. 夫婦間の居住用不動産の贈与(おしどり贈与)

結婚して20年以上の夫婦間で、居住用不動産を贈与する場合、贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)を利用できます。この場合、基礎控除の110万円に加えて、2,000万円まで非課税となります。ただし、この特例の適用は一度きりであり、不動産の贈与を受けた場合は、翌年3月15日までにその物件に住み始めていることが求められます。

 

これらの特例をうまく活用することで、贈与税の負担を軽減し、効率的な資産移転が可能となります。しかし、特例ごとに細かな条件や手続きがあるため、実際に利用する際には税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続税か贈与税、どちらを選んだ方がいい?

相続税と贈与税は、どちらも財産の移転にかかる税金ですが、適用されるシチュエーションや税額計算の方法が異なるため、単純にどちらがいいのかと判断するのは難しいものです。それぞれの税額は財産額や家族構成、贈与年数などによって大きく変動するため、実際にどちらが有利かは具体的に計算して比較することが求められます。

1. 贈与税を選択した方が有利なケース

次のような場合には、贈与税を選ぶ方が有利となることがあります。

 

1) 相続財産が高額である場合

相続税は累進課税制度であるため、財産が高額になるほど税率が上がります。最高税率は55%にもなり、相続財産が非常に高額な場合、相続税が大きな負担となります。このようなケースでは、早めに贈与を行い、相続税がかかる前に贈与税を支払う方が税負担を軽減できる場合もあります。

 

2) 贈与税の控除や特例を活用したい場合

贈与税にはいくつかの特例や控除があり、これを活用すれば、非課税で早めに財産を移転できます。例えば、子どもの結婚や住宅購入、孫への教育資金援助などに使える「結婚・子育て資金の一括贈与特例」や「教育資金の一括贈与の非課税措置」などがあり、贈与税を支払いながらも税額を抑えることが可能です。これらの特例を利用することで、相続税の発生を遅らせることができるため、早めに贈与を考える価値があります。

 

3) 法定相続人以外に財産を渡したい場合

もし、法定相続人以外の人物(内縁のパートナーや友人など)に財産を譲渡したい場合、生前に贈与する方がスムーズに進みます。遺言書を作成することで相続させることも可能ですが、贈与を通じて事前に財産を渡しておくことで、後々の手続きを簡便にし、税金を管理する上でもメリットがあります。

2. 結論

相続税と贈与税は、それぞれの目的や財産状況に応じて、どちらが適切かを選ぶ必要があります。相続税が高額になることが見込まれる場合や、特例を活用して早めに資産移転をしたい場合には、贈与税を選択することが有効です。贈与税を活用することで、相続時の税負担を軽減し、効率的な資産移転が可能になります。ただし、贈与税を利用する際にも適用される控除や特例をしっかり理解し、専門家に相談しながら計画を立てることをおすすめします。

相続税と贈与税はどちらが安いのかについてよくある質問

相続税と贈与税はどちらが安いのかについてよくある質問は以下のとおりです。

相続の3年ルールとは?

相続における「3年ルール」とは、贈与を受けた財産が、贈与者が亡くなってから一定の期間内に贈与された場合、その贈与が無効とされ、贈与された財産が相続財産として扱われるという制度です。この期間は、通常3年とされています。具体的には、贈与された財産が相続税の対象となるため、贈与税を支払っても相続税として再度課税される可能性があります。

 

たとえば、贈与を受けた親が3年以内に亡くなった場合、その贈与が相続税の対象として加算され、相続税が課せられることになります。これにより、贈与税と相続税が二重に発生し、税負担が重くなることが避けられません。

 

さらに、令和6年からは、この3年の期間が順次延長され、最終的には7年となる予定です。これにより、贈与後7年以内に贈与者が亡くなると、その贈与された財産が相続税の対象に加算されることになります。したがって、贈与を考えている場合は、贈与後の期間も視野に入れた計画が必要となります。

 

相続税の負担を軽減するためには、贈与のタイミングやその後の管理方法に十分な注意が必要です。

現金3000万円の相続税はいくらですか?

遺産が3,000万円の場合、相続税が発生するかどうかが気になるところですが、結論として、相続税は発生しません。実際、3,000万円の遺産であれば、相続税の課税対象額には達しないため、相続税の支払いは不要です。また、相続税の申告義務も発生しません。

 

この理由は、相続税を計算する際に重要な「基礎控除額」が関わっています。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の人数」と計算され、法定相続人が1人であれば、基礎控除額は3,600万円となります。遺産が3,000万円であれば、基礎控除内に収まるため、相続税の対象となる額は発生しません。

 

つまり、遺産が基礎控除額を下回る場合、相続税は発生せず、申告も不要です。このため、3,000万円の現金が相続される場合、相続税に関して心配する必要はありません。

相続税と贈与税はどちらが安いのかについてのまとめ

ここまで相続税と贈与税はどちらがいいのかについてお伝えしてきました。相続税と贈与税はどちらがいいのかについての要点をまとめると以下のとおりです。

 

  • 相続税とは、故人が残した財産を相続人が受け継ぐ際にかかる税金のこと
  • 贈与税とは、生前に他人から無償で財産を贈与された際に課される税金のこと
  • 相続税と贈与税は、どちらも財産の移転にかかる税金だが、適用されるシチュエーションや税額計算の方法が異なるため、単純にどちらがいいのかと判断するのは難しい

 

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

相続手続きが不安な方へ
相続ナビに相続手続きをお任せください。

\\今すぐ電話で無料相談//

TEL:050-1720-0544

\\HPで詳しく見る//