相続税申告書とは、相続により取得した財産に対して課される相続税を申告するために作成する書類です。
相続税の計算や控除適用を正確に行うためには、申告書の作成方法をしっかり理解しておく必要があります。
本記事では相続税の申告書について以下の点を中心にご紹介します。
- 相続税申告書とは
- 相続税申告書が必要な人・不要な人
- 相続税申告書の書き方
相続税申告書について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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相続税申告書とは?

相続税申告書は、亡くなった方の財産を相続や遺贈により取得した際に、その財産にかかる相続税を計算し、税務署に申告するために使用する書類です。
相続税は、一定の条件を満たした場合に課されるものであり、全ての相続人が申告義務を負うわけではありません。具体的には、相続や遺贈による財産の総額が基礎控除額を超えた場合に、申告が必要となります。
相続税の基本的な目的は、財産が公平に分配されるよう促すことや、一部の人々に財産が過度に集中することを防ぐことにあります。そのため、課税額は取得した財産の総額や相続人の人数、被相続人との関係性などによって異なります。
なお、相続税申告を怠った場合や期限を過ぎてしまった場合には、延滞税や加算税などの罰則が科される可能性があるため、速やかに正確な手続きを行うことが重要です。申告書の作成や提出方法についてしっかりと理解し、適切に対応しましょう。
相続税の申告は、被相続人が亡くなった後に発生する重要な手続きの一つです。 多くの方が専門家に依頼することを考えますが、費用を節約するために自分で申告を行う選択肢もあります。 自分で相続税申告を行うことは可能ですが、手続きには多くの手[…]
相続税申告書を提出する必要がある人

相続税申告書を提出しなければならないのは、遺産を受け取った人のうち、受け取った遺産の総額が基礎控除額を超える場合です。
基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という計算式で算出され、この金額を上回る遺産を取得した人は申告の義務があります。
遺産を受け取る権利があるのは、以下に該当する方々です。
- 法定相続人
法律で定められた相続の権利を持つ人
- 遺贈を受けた人
故人の遺言に基づき遺産を受け取る人
- 特別縁故者
法定相続人がいない場合などに、特別な関係性を認められた人
- 特別寄与者
故人の財産の維持や増加に特別な貢献をした人
- 死因贈与を受けた人
故人が生前に合意し、死後に財産を譲り受ける契約を結んでいた人
上記に当てはまる方で、基礎控除額を超える遺産を取得した場合、相続税申告書の提出が必要となります。基礎控除額を超えていない場合は申告の義務はありませんが、正確な計算を行うために専門家へ相談することも大切です。
相続税申告書の提出が不要な人

相続税申告書の提出は、すべての相続人に必要というわけではありません。以下の条件に該当する場合、申告は不要です。
- 遺産総額が基礎控除の範囲内である場合
相続税には「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」という基礎控除額が設定されています。遺産総額がこの基礎控除額を超えない場合、課税対象にならないため、相続税申告をする必要はありません。基礎控除額を計算し、遺産の総額を正確に把握することがポイントです。
- 特定の控除により相続税が発生しない場合
基礎控除額を超える遺産を取得した場合でも、「未成年者控除」「障害者控除」「相次相続控除」などの特例を適用すると相続税がゼロになるケースがあります。この場合も相続税申告は不要です。ただし、控除後も税額が発生する場合は申告が必要です。
- 未成年者控除
相続人が未成年の場合、18歳になるまでの年数に10万円を掛けた金額が相続税から控除されます。
- 障害者控除
相続人が85歳未満の障害者である場合、85歳までの年数に10万円を掛けた金額が控除されます。
- 相次相続控除
前回の相続から10年以内に再び相続が発生した場合、前回支払った相続税の一部が控除されます。
これらの控除を受けるには、特定の条件を満たしている必要があります。また、控除額を適用する場合の計算や必要書類の準備は慎重に行いましょう。
相続が発生した際、すべてのケースで相続税の申告が必要になるわけではありません。 相続財産の総額が基礎控除額を下回る場合や、特定の特例や控除が適用される場合には、相続税の申告が不要となることがあります。 しかし、申告不要であっても適切[…]
相続税申告書の種類

相続税申告書には、提出が義務付けられている書類と、特定の条件下で提出が必要になる書類があります。
これらの書類を正しく準備することは、正確な申告を行うために非常に重要です。
- 提出が必須の申告書
- 第1表(相続税の申告書)
相続税の総額や申告者情報を記載するメインの書類
- 第2表(相続税の総額の計算書)
相続税額の詳細な計算内容を記載
- 第11表(相続税がかかる財産の明細書)
課税対象となる財産の詳細を記載
- 第13表(債務及び葬式費用の明細書)
遺産から控除可能な債務や葬儀費用を記載
- 第15表(相続財産の種類別価額表)
財産を種類ごとに分類し、評価額を記載
- 条件に応じて必要になる申告書
次の書類は、特定の控除や特例を申請する際に必要になります。これらの書類の提出が求められるかどうかは、個々の相続の内容によって異なります。
- 第4表(相続税額の加算金額の計算書)
相続税に加算される税額を計算する際に使用
- 第5表(配偶者の税額軽減額の計算書)
配偶者の税負担軽減を適用する場合に必要
- 第6表(未成年者控除額・障害者控除額の計算書)
未成年者や障害者への控除を申請する場合に使用
- 第7表(相次相続控除額の計算書)
短期間に複数回の相続が発生した場合の控除に必要
- 第9表(生命保険金などの明細書)
生命保険金を遺産に含める場合に提出
- 第10表(退職手当金などの明細書)
退職金が遺産に含まれる場合に提出。
- 第11・11の2表の付表1(小規模宅地等についての課税価格の計算明細書および別表)
特例を適用する際に必要
上記の作成が不安な方は、専門家へ相談することも検討してみましょう。
相続税申告書の書き方

相続税申告書は自分で作成することも可能ですが、複雑な内容を伴うため、専門家の助けを借りるのがよいでしょう。専門家に相談することで、正確な申告と適切な税額計算がスムーズに進みます。
- 相続財産の記載
まず、課税対象となる財産をリストアップし、詳細を記載します。不動産や現金、預貯金、株式など、すべての財産を網羅することが必要です。
- 債務および葬儀費用の記載
遺産から差し引ける借入金や未払い金、葬儀にかかった費用などを明確に記載します。
- 相続開始前3年以内の贈与財産の記載
相続開始前の3年間に被相続人から贈与を受けた財産を記載します。これも課税対象に含まれるため注意が必要です。
- 財産の種類別価額表の作成
各財産の種類ごとに評価額を記載し、総額を算出します。
- 課税価格の計算
財産総額から債務や葬儀費用を控除し、課税対象となる価格を計算します。
- 相続税の総額計算
課税価格に応じた税率を適用し、相続税の総額を算出します。
- 各人の税額計算
総額を基に、各相続人の負担額を計算します。ここでは控除や特例の適用も反映されます。
- 配偶者の税額軽減の計算
配偶者が相続した財産に対する税額軽減を計算します。
- 納付税額の計算
各相続人が実際に支払う税額を最終的に確定します。
これらの手順を正確に進めるには、相続財産の正確な把握と税法の理解が不可欠になります。
相続税申告書で必要な書類を集める方法

相続税申告書の申告期限は相続開始から10カ月と限られているため、早い段階での準備が求められます。また、一部の書類は取得に時間がかかる場合があるため、優先順位をつけて計画的に収集を進めることがポイントです。
以下に詳しく解説します。
- 身分証明書は最初に準備
まず取りかかるべきは、被相続人や相続人の身分を証明する書類の収集です。特に、被相続人の戸籍謄本は出生から死亡までの一連の記録が必要であり、転籍が多い場合は複数の役所に請求しなければならないことがあります。取り寄せには時間がかかることもあるため、最優先で手続きを進めましょう。
- 時間がかかる書類は早めに申請
金融機関の残高証明書や生命保険金の支払い明細書など、一部の書類は申請から発行まで10日から2週間程度かかることがあります。これらの書類は即日取得が難しいため、余裕を持って早めに申請を行いましょう。こうした計画的な行動が、後々の時間的余裕を生むことにつながります。
- 領収書や証明書の確認と整理
葬儀費用や医療費などの領収書は控除対象となるため、正確な記録が必要です。手元に保管していると思い込んでいた書類が見つからないケースもあるため、早い段階で確認し、整理しておくことが大切です。書類をまとめて保管することで、申告時の手間を減らせます。
相続は人生の大きな出来事であり、同時に税務手続きも伴います。 相続税の申告は、複雑な手続きが多く、何を準備すれば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。 この記事では、相続税の申告に必要な書類について、特例や控除を受ける場[…]
相続税申告書についてよくある質問

相続税申告書の用紙はどこでもらえるのか?
国税庁の公式サイト「確定申告書等の様式・手引き等」では、確定申告書に加え、関連する付表、計算書、明細書、手引きなどが掲載されています。必要な書類をダウンロードし、印刷して利用することが可能です。
また、確定申告書や関連書類は、税務署や確定申告会場でも配布されています。その際、窓口の受付時間や対応時間に注意してください。
相続税の申告を税理士に頼むといくらかかるのか?
相続税の申告を税理士に依頼する際の報酬は、遺産総額の0.5%から1.0%程度が一般的な目安です。多くの税理士事務所では、自社のウェブサイトで料金表を公開しているため、依頼前に確認するとよいでしょう。
相続税申告書を出さないとどうなるのか?
相続税の申告は、被相続人が亡くなった翌日から10カ月以内に行う必要があり、この期限を守らないと無申告扱いとなり、無申告加算税が課される可能性があります。
無申告加算税とは、期限内に相続税の申告をしなかった際に課されるペナルティです。たとえ相続財産が基礎控除額以下であり申告が不要な場合でも、配偶者の税額軽減などの特例を利用する場合には、納税額が0円であっても申告をしなければならないため注意が必要です。
相続税申告書についてのまとめ

相続税申告書についてお伝えしてきました。
相続税申告書についてまとめると以下の通りです。
- 相続税申告書は、亡くなった方の財産を相続や遺贈により取得した際に、その財産にかかる相続税を計算し、税務署に申告するために使用する書類のこと。相続税は、一定の条件を満たした場合に課されるものであり、全ての相続人が申告義務を負うわけではない。具体的には、相続や遺贈による財産の総額が基礎控除額を超えた場合に、申告が必要となる
- 相続税申告は法定相続人や遺贈を受けた人が必要で、遺産総額が基礎控除の範囲内である場合や特定の控除により相続税が発生しない場合は相続税申告が不要である
- 相続税申告書の申告期限は相続開始から10カ月と限られているため、早い段階での準備が求められる。身分証明書は最初に準備したり、時間がかかる書類は早めに申請したりと早い準備を心がけること
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


