相続は、私たちの人生において避けて通れない大切なプロセスの一つです。
愛された人が亡くなったとき、その遺産は法律に基づき遺族や親族に引き継がれます。
しかし、この遺産の取り扱いや名義変更は、多くの人にとって難解で複雑な手続きとなります。
本記事では、相続でする名義変更について以下の点を中心にご紹介します!
- 名義変更とは
- 名義変更の流れ
- 名義変更に必要な書類
相続の名義変更について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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名義変更とは

名義変更は、土地や建物などの不動産の所有者が変わる際に、その変更を正式に記録する手続きを指します。
特に相続の際には、故人の名義から相続人の名義へと変更する必要があります。
この手続きは、法務局で行われ、必要な書類や手続きの流れが定められています。
土地や建物を「不動産」とよぶ
土地や建物は「不動産」と呼ばれるカテゴリに分類されます。
不動産は、移動できない固定資産の一部であり、その所有権や利用権が法的に保護されています。
日本においては、不動産のデータは法務局で保管されており、所有者の情報や土地・建物の詳細などが「登記事項証明書」として発行されます。
記事項証明書は、土地や建物の売買、相続、贈与などの際に、名義変更を行うための重要な書類となります。
土地の名義変更は、所有者が変わる際に必要となる手続きです。 しかし、土地の名義変更の手続きは専門的な知識を必要とし、また、売買、相続、贈与など、名義変更の理由によってはさまざまな税金が発生します。 この記事では、土地の名義変更につい[…]
なぜ名義変更が必要なのか

名義変更は、不動産の所有権を正確に示すための重要な手続きです。
特に、所有者が亡くなった場合、その不動産の扱いや管理に関する問題が生じる可能性があります。
名義変更をしないと、さまざまなリスクが生じることが考えられます。
また、2024年4月からは、故人の土地の名義変更が義務化されることが予定されています。
名義変更をしなかった場合のデメリット
名義変更を行わない場合、不動産の所有権が不明確となり、将来的に多くの問題が生じる可能性があります。
例えば、相続税の計算や不動産の売却、賃貸などの取引が困難になることが考えられます。
また、名義変更を行わないまま数年が経過すると、名義変更の手続き自体が複雑化し、多くの時間や費用がかかることもあります。
数次相続がおきるリスク
数次相続とは、何世代も相続登記をしていない状態を指します。
このような場合、相続人が増えることで、手続きが複雑化し、多くの書類が必要となります。
特に、亡くなった方の親や祖父母が登記名義人になっている場合、その親や祖父母からの相続登記を先に行う必要があります。
相続持分売却がおきるリスク
相続持分売却とは、相続人の一部が他の相続人に対して、自分の持分を売却することを指します。
名義変更を行わないと、相続人間でのトラブルや紛争が生じるリスクが高まります。
特に、不動産の価値が高い場合や、相続人間の関係が悪化している場合には、このリスクはさらに高まります。
相続分の差し押さえがおきるリスク
名義変更を行わないと、相続人の一部が負債を抱えている場合、その負債の返済のために、他の相続人の持分まで差し押さえられるリスクがあります。
このような場合、相続人全員がその負債の返済のための負担を強いられることとなります。
名義変更の期限
名義変更の期限については、特定の期限が法律で定められているわけではありませんが、早めの手続きが推奨されます。
特に、2024年4月からは、故人の土地の名義変更が義務化されることが予定されています。
この義務化に伴い、期限を過ぎると罰則が適用される可能性も考えられます。
登記は登録名義人が行う
登記とは、不動産の所有権や担保権などの権利関係を公示するための手続きを指します。
この登記は、登録名義人が行う必要があります。
登録名義人とは、不動産の所有権を有する人を指します。
したがって、亡くなった方が登記名義人である場合、その相続人が新たな登記名義人となり、相続登記を行う必要があります。
登記されていない不動産だったとき
登記されていない不動産の場合、相続人全員で遺産分割協議を行い、所有権保存登記を行う必要があります。
所有権保存登記とは、不動産の所有権を保護するための登記を指します。
この手続きを行うことで、不動産の所有権が明確となり、将来的なトラブルを防げます。
不動産が担保に入っていたとき
不動産が担保に入っている場合、それは抵当権が設定されていることを意味します。
抵当権とは、借金の返済の保証として不動産を担保にする権利を指します。
この抵当権は、相続によっても引き継がれます。
したがって、抵当権を消したい場合は、借金の完済と抵当権抹消の手続きが必要となります。
自分で名義変更をするときの流れ

名義変更、特に不動産の名義変更は、相続や売買などの際に必要となる手続きです。
この手続きは複数のステップから成り立っており、それぞれのステップで必要な書類や手続きが異なります。
ここでは、自分で名義変更を行う際の流れを詳しく解説します。
1.登記事項証明書を取得する
登記事項証明書は、不動産の現在の登記状況を示す重要な書類です。
この証明書は、法務局やオンラインで請求できます。
特にオンライン請求は、手間を省けるため、多くの人々に利用されています。
2.戸籍謄本を集める
戸籍謄本は、相続人の資格や相続分を確認するために必要な書類です。
全ての相続人の戸籍謄本を集める必要があります。
3.遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成する
相続人間で遺産の分割について協議を行い、その結果を遺産分割協議書にまとめます。
この協議書は、後の手続きで必要となるため、重要です。
4.必要書類を用意する
名義変更を行うためには、登記事項証明書や戸籍謄本のほかにも、さまざまな書類が必要となります。
これらの書類を事前に準備しておくことで、スムーズな手続きが期待できます。
5.登記申請書を作成する
名義変更の申請を行うための書類として、登記申請書を作成します。
この申請書には、名義変更の内容や理由などが記載されています。
6.法務局で申請手続きをする
必要な書類をそろえたら、法務局にて名義変更の申請手続きを行います。
手続きの際には、申請書や必要な書類を提出する必要があります。
7.相続税の申告と納付をする
名義変更を行った後、相続税の申告と納付を行う必要があります。
相続税は、相続財産の価値に応じて計算されるため、正確な申告が求められます。
8.登記事項証明書を取得する
名義変更が完了した後、再度登記事項証明書を取得することで、変更が正確に登記されているかを確認できます。
登記事項証明書や印鑑証明書などの請求は、インターネットを利用できます。
特に「かんたん証明書請求」に対応している手続きでは、Webブラウザ上で必要な事項を入力するだけで証明書を請求できます。
オンライン請求は、時間や手間を省けるため、非常に便利です。
自分で名義変更をするときに必要な書類

遺産相続や名義変更は、多くの書類が必要となる手続きです。
遺言書の有無や遺産分割協議書の有無によって、必要な書類が異なります。
以下では、それぞれのケースにおける必要書類について詳しく解説します。
1.提出書類の原本は帰ってこない
提出する書類の原本は、手続き完了後に返却されることはありません。
これは、公的な手続きにおいて、原本の提出が必要とされるためです。
原本を提出する際には、コピーを取っておくことをおすすめします。
また、原本の返却を希望する場合は、特別な手続きが必要となる場合があります。
2.法定相続情報一覧図とは何か
法定相続情報一覧図は、戸籍謄本の代わりとして使用される書類です。
これは、相続人や遺産の分配に関する情報を一覧で示すもので、戸籍謄本と同じく公的な証明書としての役割を果たします。
3.戸籍謄本などの証明書が取得できないとき
戸籍謄本やその他の証明書が取得できない場合、不在籍証明証書や不在住証明書を使用できます。
これらの証明書は、公的な手続きにおいて、戸籍謄本の代わりとして使用されることが認められています。
4.故人が外国籍であったときの必要書類
故人が外国籍であった場合、日本の法律では相続は被相続人の本国法によるものと定められています。
これは、相続人が日本国籍であっても、日本の法律は適用されないことを意味します。
そのため、外国籍の故人の場合、その国の法律に基づいた書類が必要となる場合があります。
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自分で名義変更をするときにかかる費用

名義変更は、相続した不動産の所有権を正式に移転するための手続きです。この手続きを自分で行う場合、さまざまな費用が発生します。
以下では、その詳細について解説します。
必要な書類の準備にかかる費用
名義変更を行う際には、さまざまな書類が必要となります。
以下は、一般的な取得費用の例です。
- 登記事項証明書: 600円
- 戸籍謄本: 450円
- 住民票: 300円
- 印鑑登録証明書: 250円
- 固定資産評価証明書: 400円
登録免許税
登録免許税は、所有権移転登記を申請する際に必要となる税金です。
この税金は、固定資産税評価額に税率をかけて計算されます。
具体的には、土地と建物の固定資産税評価額×0.4%で、登録免許税の額が算出されます。
司法書士への報酬
名義変更の手続きを自分で行うことも可能ですが、間違いを避けるためや手間を省くために、司法書士に依頼することも一般的です。
司法書士への報酬額は、依頼する司法書士や内容によりますが、5〜7万円程度が相場とされています。
ただし、相続登記の場合、手間がかかることもあるため、10万円前後になることも考えられます。
名義変更をしてない土地は相続税がいくらになるか
名義変更をせずに放置すると、相続人間でのトラブルが発生しやすくなります。
また、相続登記をしないまま相続人が亡くなると、法定相続人が増え、手続きが複雑化するリスクもあります。
さらに、権利が確定していないため、第三者に所有権を主張できず、売却や金融機関からの融資も受けられなくなります。
このようなリスクを考慮すると、名義変更は迅速に行うことが推奨されます。
不動産の名義変更は、相続や贈与、売買などさまざまな場面で行われます。 しかし、不動産の名義変更手続きは一見簡単そうに見えても、実際には専門的な知識と手間が必要です。 特に、その費用は予想以上に高額になることがあります。 この記[…]
司法書士に名義変更を依頼するケース

相続は多くの手続きが伴います。
特に名義変更は、相続人が多い場合や不動産が関与する場合など、自力での手続きが難しいケースがあります。
そんなとき、司法書士の力を借りることで、スムーズに手続きを進められます。
では、どのようなケースで司法書士に依頼するのが適切なのでしょうか。
また、その際の費用や時間はどれくらいかかるのでしょうか。
遺言書がなく相続人が多い
遺言書が存在しない場合、法定相続人による相続が行われます。
相続人が多い場合、名義変更の手続きが複雑になることが多いです。
各相続人の意向をまとめ、適切な手続きを進めるためには、専門家の知識と経験が求められます。
司法書士に依頼することで、適切なアドバイスやサポートを受けられ、手続きのミスを防げます。
不動産が多い
不動産の相続は、特に手続きが複雑です。
複数の不動産が相続財産として存在する場合、それぞれの物件の評価や名義変更、税金の計算など、多くの手続きが必要となります。
このような複雑なケースでは、司法書士の専門的な知識と経験が大変役立ちます。
不動産が遠い場所にある
遠方の不動産を相続する場合、現地での手続きが必要となることが多いです。
遠方での手続きは時間や労力がかかりますが、司法書士に依頼することで、適切な手続きを代行してもらえます。
また、地域ごとの特有の手続きやルールにも対応してもらえるため、落ち着いて任せられます。
急いで相続登記をしたい
相続登記の手続きは、適切に行わないと後々のトラブルの原因となることがあります。
急いで手続きを進めたい場合、司法書士に依頼することで、迅速かつ適切に手続きを進められます。
相続税がかかる規模の遺産がある
大きな遺産を相続する場合、相続税の計算や申告が必要となります。
このようなケースでは、税金の計算ミスや申告のミスが大きな損失となる可能性があります。
司法書士に依頼することで、適切な税金の計算や申告をサポートしてもらえます。
疎遠な相続人がいる
疎遠な相続人が存在する場合、その人の意向を確認するのが難しいことがあります。
このようなケースでは、司法書士に依頼することで、適切な手続きやコミュニケーションをサポートしてもらえます。
相続を放棄したいとき

相続は多くの人が一生のうちに一度は経験するものですが、その際の手続きや注意点は意外と知られていません。
特に、相続を放棄したいと考える場面もあるかと思います。
ここでは、相続を放棄する際の手続きやその影響について詳しく解説します。
相続放棄の申し立て期限
相続が発生した場合、相続を放棄したいと考える場合があります。
特に、遺された財産が多額の借金を含む場合など、相続を受けることが経済的な負担となる恐れがある場合です。
しかし、相続放棄を行う際には注意が必要です。相続の放棄は、自分のための相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内に家庭裁判所に相続放棄の申し立てを行う必要があります。
3カ月の期限を過ぎると、相続放棄はできなくなるので注意が必要です。
相続放棄の影響
相続放棄を行うと、その結果として相続する権利が全てなくなります。
これには、財産だけでなく、借金も含まれます。
つまり、相続放棄を行うことで、親や親戚からの財産や借金の相続が全てなくなるということです。
しかし、この手続きを行わなかった場合、債務も含めてすべてを相続することになります。
また、相続放棄を行った場合、その後に遺産の一部を使用したり、換金したりすることはできなくなるので、その点も注意が必要です。
遺産分割協議でもめたとき

相続は多くの人が一度は経験するものです。
しかし、その際に遺産分割協議で意見が合わないことも少なくありません。
特に不動産のように分割が難しい財産がある場合、どのように分けるかで意見が分かれることが多いです。
このような時、どのように対処すればよいのでしょうか。
遺産分割協議で意見が合わない場合の対処法
遺産分割協議で意見が合わない場合、まずは冷静に話し合うことが大切です。
しかし、どうしても合意に至らない場合は、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
特に、不動産のような高額な財産が関わっている場合、適切なアドバイスが必要です。
法律事務所や相続に詳しい弁護士に相談することで、適切な解決策を見つけられます。
家庭裁判所での遺産分割調停
協議が不成立となった場合、家庭裁判所で遺産分割調停を申し立てられます。
調停は、裁判所が中立的な立場で双方の意見を聞き、適切な分割方法を提案するものです。
この調停を通じて、公平な遺産分割が実現されることが期待されます。
ただし、調停には時間と費用がかかることもありますので、早めの協議と合意が望ましいです。
家を複数人で相続するときの注意点
不動産の相続は、多くの家族が直面する課題の一つです。
特に、複数の相続人がいる場合、不動産の分割方法についての悩みやトラブルが生じることが少なくありません。
ここでは、家や土地などの不動産を複数人で相続する際の4つの主な分割方法について解説します。
現物相続
現物相続は、不動産をそのまま一人の相続人が受け取る方法です。
例えば、実家を一人の子供が相続し、他の子供たちは現金や他の財産を相続するというケースが考えられます。
この方法はシンプルであり、不動産の売却や名義変更の手続きを簡素化できる利点があります。
代償分割
代償分割は、不動産を一人の相続人が相続し、その代わりに他の相続人に対して現金や他の財産を分配する方法です。
代償分割は、不動産の価値に応じて適切な代償を設定する必要があります。
換価分割
換価分割は、不動産を売却し、その売却代金を相続人で分配する方法です。
換価分割は、不動産の現在の市場価格を反映して公平に分配できる利点があります。
ただし、売却の際の手数料や税金などのコストも考慮する必要があります。
共有分割
共有分割は、不動産を複数の相続人で共有する方法です。
共有分割は、相続人間での利用方法や管理責任を明確にする必要があります。
共有の期間や条件、将来の売却時の取り決めなど、詳細な協議が必要となります。
相続土地国庫帰属制度とは

「相続土地国庫帰属制度」という制度があります。
ここでは、制度について詳しく解説します。
相続土地国庫帰属制度とは
相続土地国庫帰属制度は、相続(遺言を含む)により土地の所有権を取得した相続人が、その土地を国庫に帰属させられる制度です。
この制度により、国庫に帰属された土地は、普通財産として国が管理・処分することとなります。
この制度の導入により、所有者不明の土地や管理が困難な土地の問題を解消することを目的としています。
申請権者とは
相続によって土地の所有権を取得した相続人であれば、この制度を利用して申請することが可能です。
制度の開始前に土地を相続した方も申請の対象となりますが、売買等によって土地を取得した方や法人は申請の対象外です。
また、共有地の場合は、共有者全員の同意が必要となります。
国庫帰属の対象となる土地
国庫帰属の対象となる土地は、通常の管理や処分に過大な費用や労力が必要となる土地を除くものとされています。
具体的には、建物や工作物が存在する土地、担保権などの権利が設定されている土地、他人に使用される予定の通路などの土地、土壌汚染や埋設物がある土地、境界が不明確な土地、危険な崖がある土地などが国庫帰属の対象外となります。
手続きにかかる費用
相続土地国庫帰属制度の申請には、審査手数料が必要です。
また、国庫への帰属が承認された場合には、負担金として10年分の土地管理費相当額を納付する必要があります。
参考:宇都宮地方法務局
相続の名義変更についてのまとめ

ここまで相続の名義変更についてお伝えしてきました。
相続の名義変更の要点をまとめると以下の通りです。
- 名義変更とは、物件や預金などの名義を変更することを指し、特に相続が発生した際に故人の名義から相続人の名義へと変更する作業を指すことが多い
- 名義変更の手続きは複数の手順から成り立っており、必要な書類を揃えることから始め、関連する機関や役所に提出し、手続きを進めていく必要がある
- 名義変更を行うためには、相続証明書や遺言書、不動産の登記簿謄本など、さまざまな書類が必要となり、また具体的な書類は変更する物件や状況によって異なるため、注意が必要
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


