相続した不動産を売却について気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では相続した不動産を売却する場合について以下の点を中心に解説していきます。
- 相続した不動産を売却するまでの手順とは
- 相続した不動産の売却にかかる税金・費用
- 相続した不動産を売却する際の注意点
相続した不動産を売却する場合について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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相続した不動産を売却するまでの手順とは??

相続が発生し、不動産売却までの流れを以下でまとめました。
不動産の売却、例えばマンションの相続などでは、名義変更や分割が必要となることがあります。
見ていきましょう。
相続の発生
- 被相続人の死亡により相続開始
- 葬儀
- 四十九日法要後、遺産分割協議
法務局への相続登記
- 不動産の相続人が名義変更
- 相続による所有権移転登記
- 必要書類:登記簿謄本、相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書など
- 手続き:法務局へ必要書類を提出
- 費用:登録免許税、司法書士報酬など
不動産業者への依頼
- 相続登記後、不動産業者へ売却依頼
- 媒介契約:専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約
- 物件調査:現地調査、法務局調査、役所調査、近隣の市場調査
- 売却価格決定
買主との売買契約
- 買主が見つかったら売買契約締結
- 売買契約書作成
- 売買契約締結当日:顔合わせ、物件説明、契約書確認・記入・押印、手付金受領
残金決済/引渡し
- 最終段階
- 決済日当日:残置物片付け、電気水道ガス解約、設備説明・鍵準備
- 残金決済:所有権移転登記、物件引渡し、残金支払い
- 決済当日:当事者自己紹介、書類確認、支払い準備、融資実行、引渡し・精算
- 決済場所は銀行が多い
- 平日の午前中に行われることが多い
必要書類
- 相続登記:登記簿謄本、相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書など
- 売買契約:売買契約書、重要事項説明、登記簿謄本など
- 残金決済:残代金受領書、登記済権利書など
税金
- 相続税:相続財産の価額から基礎控除などを差し引いた課税対象額に対して課税
- 譲渡所得税:譲渡所得に対して課税
相続の各手続きの期限

相続の各手続きの期限は下記の通りです。
- 相続放棄
- プラスの財産もマイナスの負債もすべて放棄する手続きです。
- 期限は、相続開始を知った日から3ヶ月以内です。
- 3ヶ月を過ぎると、相続放棄できなくなる可能性があります。
- 相続放棄をする場合は、早めに家庭裁判所に申立てが必要です。
- 限定承認
- 相続するプラスの財産の限度内でマイナスの負債を相続する手続きです。
- 期限は、相続開始を知った日から3ヶ月以内です。
- 3ヶ月を過ぎると、限定承認できなくなる可能性があります。
- 限定承認をする場合は、早めに家庭裁判所に申立てが必要です。
- 準確定申告
- 被相続人(つまり他界した人)が1月1日から他界するまでの期間の所得について確定申告を行う手続きです。
- 期限は、相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内です。
- 4ヶ月を過ぎると、申告できなくなる可能性があります。
- 準確定申告は、相続税の申告と納税の前提となる手続きです。
- 相続税の申告と納税
- 相続税を申告して納税する手続きです。
- 期限は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。
- 10ヶ月を過ぎると、延滞税が課せられる可能性があります。
- 相続税の申告は、複雑な手続きとなる場合があるので、早めに税理士に相談することをお勧めします。
- 遺産分割協議
- 相続人同士で遺産の分割方法を決める協議です。
- 期限は特に定められていません。
- 遺産分割協議は、後々トラブルにならないように、書面にしておくことをお勧めします。
名義変更後~売却までの流れ

遺言書や遺産分割協議を経て相続人が決まったら、速やかに名義変更手続きを進めることをおすすめします。
名義変更後の売却までの流れは以下の通りです。
不動産の名義変更手続きが完了した後、実際に売却するまでには、いくつかの手順があります。
不動産会社への依頼
まず、売却を希望する不動産会社に連絡し、査定を依頼しましょう。
複数の不動産会社に査定を依頼することで、相場を把握し、より有利な条件で売却することができます。
査定結果に納得できれば、不動産会社と媒介契約を締結します。
媒介契約には、専任媒介契約、専属専任媒介契約、一般媒介契約の3種類があります。
それぞれの特徴を理解した上で、自分に合った媒介契約を選びましょう。
売却活動
不動産会社は、購入希望者への物件紹介や価格交渉を行います。
インターネット広告やチラシ配布、オープンハウスなどの方法で、積極的に物件をPRします。
購入希望者から内覧申し込みがあった場合は、物件を案内し、質問に答えましょう。
内覧後に購入希望者が購入を希望した場合、売買契約の締結に向けて価格交渉を行います。
売買契約締結
売主と買主で合意すれば、売買契約書を作成し、署名・捺印します。
売買契約書には、物件の引き渡し時期や代金支払い方法などを記載します。
物件引渡
売買契約に基づき、物件の所有権を買主に移転します。
登記簿謄本に所有者の変更が記載されます。
引渡時に、物件の鍵や設備に関する書類などを買主に渡します。
確定申告手続き
不動産売却によって利益が出た場合、譲渡所得税の申告が必要です。
必要書類を準備し、申告期限までに税務署に提出しましょう。
名義変更から売却までの期間は、物件の状況や市場動向によって異なりますが、一般的には数ヶ月から1年程度です。
不動産売却のための必要書類

不動産売却は人生の中でも大きなイベントの一つです。
手続きも複雑で必要な書類も多いため、準備に戸惑う方も多いでしょう。
そこで今回は、スムーズな売却を実現するために欠かせない書類について、種類と取得方法を分かりやすく解説します。
所有権を証明する書類
- 登記済証(権利証)または登記識別情報
- 土地の確定測量図
本人確認書類
- 運転免許証
- パスポート
- 住民票
物件に関する書類
- 物件の間取り図・パンフレット
- 建築確認通知書・検査済証
- 耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書
- 付帯設備表および告知書
その他
- 実印
- 印鑑証明書
- 固定資産税・都市計画税納税通知書
- ローン完済証明書(抵当権設定の場合)
必要書類の取得方法
- 登記済証・登記識別情報:法務局
- 土地の確定測量図:土地家屋調査士
- 本人確認書類:市区町村役場
- 物件に関する書類:所有者、建築士、管理会社
- 固定資産税・都市計画税納税通知書:市区町村役場
- ローン完済証明書:金融機関
早めの準備でスムーズな売却を実現
- 必要書類は早めに準備しておくことが重要
- 登記済証や登記識別情報の取得には時間がかかる場合もあるので、早めに法務局へ申請する
- 書類の準備が整えば、不動産会社へ査定依頼を行い、売却活動をスタートできる
相続した不動産の分割方法

不動産は現金と異なり、物理的に分割することが難しい場合があり、相続人同士でどのように分けるか悩むケースも多いです。
ここでは、相続した不動産の4つの分割方法と、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
現物分割
現物分割とは、不動産そのものを相続人ごとに分割する方法です。
メリット
- 不動産を売却する必要がない
- 特定の相続人が住み慣れた家に住み続けることができる
- 思い出の詰まった家を所有し続けられる
デメリット
- 不動産を物理的に分割できない場合がある
- 分割後の不動産の価値が不均等になる可能性がある
-
管理・維持費を相続人同士で分担する必要がある
換価分割
換価分割とは、不動産を売却して得た代金を相続人ごとに分割する方法です。
メリット
- 分割後の不動産の価値が不均等になることはない
- 相続人同士で話し合いの必要がない
- 相続税の納税資金を確保しやすい
デメリット
- 不動産を売却する手間がかかる
- 思い入れのある家を売却する必要がある
- 売却価格が予想よりも低くなる可能性がある
代償分割
代償分割とは、相続人1人が不動産を所有し、他の相続人に代償金を支払う方法です。
メリット
- 特定の相続人が住み慣れた家に住み続けることができる
- 不動産を売却する必要がない
デメリット
- 代償金を支払う相続人の経済的な負担が大きい
- 代償金の金額を巡って相続人同士で争いが発生する可能性がある
共有分割
共有分割とは、相続人全員で不動産を共有する方法です。
メリット
- 不動産を売却する必要がない
- 法定相続分で公平に分割できる
デメリット
- 不動産の管理・維持費を相続人同士で分担する必要がある
- 共有者全員の同意がないと、不動産を売却できない
- 将来的に共有者間のトラブルが発生する可能性がある
名義変更の方法

相続した不動産を売却するには、まず名義変更が必要となります。
名義変更の手順は、遺言書があるかどうかにより異なります。
遺言書がある場合
遺言書に不動産の名義変更に関する記載があれば、原則として遺言書に従って名義変更を行います。
遺言書がない場合
遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、誰が不動産を引き継ぐかを決めなければなりません。
遺産分割協議には、特に期限の定めはありませんが、後々のトラブルを避けるためにも、早めに協議を行うことをおすすめします。
遺産分割協議
遺産分割協議は、相続人全員で遺産の分け方を話し合う協議です。
協議の結果は、遺産分割協議書にまとめられます。
遺産分割協議書には、以下の内容を記載する必要があります。
- 相続人の氏名
- 遺産の分割内容
- 遺産分割協議の年月日
遺産分割協議書は、作成後、相続人全員が署名または記名押印する必要があります。
相続税の納税のために不動産を売却する場合、相続が開始したと知った次の日から10ヶ月以内に現金化しなければなりません。
相続した不動産の売却にかかる税金

相続した不動産を売却する場合、譲渡所得税、住民税、復興所得税などの税金と、仲介手数料や登録免許税などの費用がかかります。
譲渡所得税は、不動産の売却益に対して課税される税金です。
相続後5年以内に売却した場合は、譲渡所得税の税率が通常よりも高い税率が適用されます。
5年以上経過してから売却した場合は、税率が下がります。
住民税は、不動産の売却益に対して課税される税金です。
住民税は、譲渡所得税の税額に応じて課税されます。
復興所得税は、東日本大震災の復興財源を捻出するために設けられた税金です。
相続後5年以内に売却した場合、譲渡所得税の税額に応じて、復興所得税も課税されます。
仲介手数料は、不動産を売却する際に、不動産会社に支払う手数料です。
仲介手数料は、不動産の売却価格に応じて、一定の割合で計算されます。
登録免許税は、不動産の所有権を移転する際に、国に支払う税金です。
登録免許税は、不動産の価格に応じて、一定の額が課税されます。
相続した不動産を売る場合には、これらの税金・費用を把握しておくことが重要です。
| 税金の種類 | 説明 | 税額 |
| 登録免許税 | 相続登記の名義変更にかかる税金 | 不動産の価額の0.4% |
| 印紙税 | 売買契約書に貼付する印紙代 | 売買契約書の金額に応じて
2千円~10万円 |
| 譲渡所得税 | 相続した土地の売却で出た
利益に対してかかる税金 |
所有期間5年以下
譲渡所得の30%所有期間5年超:譲渡所得の15% |
| 住民税 | 相続した土地の売却で出た
利益に対してかかる税金 |
所有期間5年以下:
譲渡所得の9%所有期間5年超:譲渡所得の5% |
| 復興特別所得税 | 令和19年まで上乗せされる
所得税 |
所有期間5年以下:
譲渡所得の0.63%所有期間5年超:譲渡所得の0.315% |
相続税の取得費加算の特例とは

相続税の取得費加算の特例とは相続税の取得費加算で節税する方法を指します。
相続した不動産を3年以内に売却すると、相続税の取得費を加算できる特例があります。
これにより、相続税の負担を軽減することができます。
取得費加算の特例を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 相続した不動産を3年以内に売却する
- 相続した不動産の取得費を証明できる
- 相続税の申告をする
取得費加算の特例を受けるためには、相続税の申告時に、取得費を加算した金額を申告する必要があります。
また、取得費を証明するために、不動産の購入契約書や登記簿謄本などの書類を用意しておきましょう。
相続税の節税を検討している方は、この特例を利用することで、相続税の負担を最大で50%軽減することができます。
また、取得費を加算することで、相続税の申告額を減らすことができます。
ただし、この特例を受けるためには、相続した不動産を3年以内に売却する必要があります。
相続税の節税を検討している方は、この特例を活用することを検討してみてはいかがでしょうか。
相続した不動産を売却する際の注意点

相続した不動産を売却する際の注意点は、以下のとおりです。
- 不動産の適正な評価額を取得する
- 相続人が誰で、どのように所有権を取得するかを決定する
- 売却に必要な書類を準備する
- 売却による税金の可能性を検討する
- 複数の相続人がいる場合は、売却前に全員の同意を得る
これらの注意点を考慮することで、スムーズに不動産を売却することができます。
具体的には、不動産の評価額は、不動産鑑定士に依頼して取得するのが一般的です。
相続人が複数いる場合は、遺産分割協議を行って、所有権をどのように分けるかを決める必要があります。
売却に必要な書類は、不動産の登記簿謄本や印鑑証明書などです。
売却による税金は、譲渡所得税や相続税などがあります。
これらの注意点を踏まえて、不動産の売却を検討しましょう。
相続した不動産の売却についてのまとめ

ここまで、相続した不動産を売却した場合についてお伝えしてきました。
相続した不動産を売却した場合の要点をまとめると以下の通りです。
- 相続したマンションなど相続した不動産の売却では、分割や名義変更が必要
- 相続した不動産を売却する場合、譲渡所得税、住民税、復興所得税などの税金と、仲介手数料や登録免許税などの費用がかかる
- 相続した不動産を売却する際、相続人が複数いる場合は、全員の合意を得る必要があるなどの注意点がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。