相続した後の確定申告は不要?相続税の基礎控除内なら申告はしなくて良いかなど解説

相続が発生した際、多くの方が直面するのが「確定申告」の必要性です。

しかし、すべての相続が確定申告を必要とするわけではありません。
相続税申告と所得税の確定申告は異なるものであり、特定の条件下では、確定申告が不要になることがあります。

本記事では、相続と確定申告について以下の点を中心にご紹介します。

  • 相続後の確定申告とは
  • 相続税申告が不要になるケース
  • 相続する際の確定申告の注意点

相続と確定申告について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

目次
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相続後の確定申告とは

相続後の確定申告は、故人の財産を受け継いだ後に発生する可能性のある税務上の手続きです。

相続によって得た財産が所得を生み出す場合、例えば賃貸物件からの家賃収入や、相続した財産の売却から得た利益など、相続人はその所得に対して確定申告を行う必要があります。
この申告は、所得が発生した翌年の2月16日から3月15日の間に行われます。

確定申告とは

確定申告とは、個人が1年間に得た所得に対して行う税務申告のことを指します。
所得税法に基づき、所得金額に対する税額を算出し、納税または還付を受けるための手続きです。

通常、給与所得者は年末調整によって所得税が精算されますが、自営業者やフリーランス、または特定の所得がある場合は、自ら確定申告を行う必要があります。

相続税申告とは

相続税申告は、相続や遺贈によって一定額以上の財産を取得した場合に行う申告です。

相続税は、故人の財産を受け継ぐことによって発生する税金であり、相続人は相続財産の評価額と法定の控除を考慮した上で、相続税の申告と納税を行う必要があります。
相続税申告は、相続開始を知った日から10ヶ月以内に行う必要があります。

相続後の確定申告は、相続人が直面する複雑な税務手続きの一部です。
適切な申告を行うことで、税務上のトラブルを避け、相続財産を適正に管理することが可能となります。

相続が発生した際には、これらの申告義務に注意し、必要に応じて税務専門家に相談することをおすすめします。

確定申告については、こちらの記事もお読みください。

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相続税申告が不要になるケース

相続が発生した際には、多くの場合、相続税の申告が必要となりますが、すべての相続が申告義務を伴うわけではありません。
相続税申告が不要となる特定のケースが存在し、これらの条件を理解することは、相続人にとって非常に重要です。

相続する財産(遺産)が3,000万円以下になるケース

相続税の申告が不要となる最も一般的なケースは、相続する財産の総額が3,000万円以下である場合です。
この金額は、相続税の基礎控除額として設定されており、相続財産がこの額を下回ると、税務申告の必要がありません

具体的には、相続財産には不動産、預貯金、株式などが含まれますが、これらの総額が3,000万円以下であれば、相続税の申告義務が免除されるのです。

相続する財産(遺産)が基礎控除以下になるケース

次に、相続税申告が不要となるのは、相続する財産が基礎控除額以下である場合です。
基礎控除額は、

  • 3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

で計算されます。

例えば、法定相続人が1人の場合、基礎控除額は3,600万円となります。
この控除額以下の財産を相続する場合、税務申告は不要です。

基礎控除以外の各種控除を適用して税額0円になるケース

最後に、基礎控除以外にも、様々な控除が適用されることで、相続税が0円となり、申告が不要になるケースがあります。
これには、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減などが含まれます。

これらの控除を適用することで、相続税の納税額が0円となり、結果的に申告義務がなくなるのです。
以上の3つのケースは、相続税申告が不要となる代表的な例です。

相続が発生した際には、これらの条件に該当するかどうかを確認し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。
相続税の申告は複雑な場合が多いため、正確な情報と適切な手続きが求められます。

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遺産相続で確定申告が必要となるケース

相続人自身の確定申告が必要なケース

相続人が遺産を受け取った後、特定の状況下で確定申告が必要となることがあります。
これは、相続した財産から収益が生じた場合や、相続財産を売却して利益が出た場合に該当します。

例えば、相続した不動産から賃貸収入が得られる場合や、相続した株式を売却してキャピタルゲインが発生した場合です。
これらの収益は、相続人の所得として確定申告を行う必要があります。

また、相続した財産を寄付した場合、税制上の優遇措置を受けるためにも確定申告が求められることがあります。

亡くなった方の代わりに確定申告(準確定申告)が必要なケース

亡くなった方が生前に確定申告を行う必要があった場合、その責任は相続人に移ります。
これを「準確定申告」と呼びます。

準確定申告は、被相続人が亡くなった年の所得に対して行われ、相続人がその年の所得税を計算し、申告する必要があります
これには、被相続人の事業収入や不動産収入、未支給年金などが含まれます。

準確定申告の期限は、相続の開始を知った日の翌日から4カ月以内と定められています。

以上の2つのケースは、遺産相続において確定申告が必要となる主な例です。
相続が発生した際には、これらのケースに該当するかどうかを確認し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。

適切な申告を行うことで、税務上のトラブルを避け、相続財産を適正に管理することが可能となります。

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相続人自身の確定申告が必要となる場合

相続を経験する際、多くの人が直面するのが税務申告の義務です。
特に、相続人自身が確定申告を行う必要がある状況は、予期せぬ税金の負担を避けるために理解しておくべき重要なポイントです。

死亡保険金を受け取った場合

相続人が死亡保険金を受け取る際、その保険金が所得税の対象となるかどうかは、保険料の支払い主体によって異なります。
亡くなった人が保険料を支払っていた場合、受け取った保険金は相続税の対象となり、確定申告は不要です。

しかし、相続人が保険料を支払っていた場合、受け取った保険金は一時所得として所得税の対象となり、確定申告が必要です。
この場合、一時所得の計算式は以下の通りです。

  • 一時所得=(受け取った保険金額+配当金−支払った保険料−50万円)×21​

相続した賃貸物件から家賃収入が生じた場合

賃貸物件を相続し、その物件から家賃収入を得た場合、その収入は不動産所得として確定申告の対象となります。
家賃収入は、収入金額から必要経費を差し引いた金額に対して所得税が課税されます。

不動産所得の確定申告は、収益を得た翌年の2月16日から3月15日の間に行う必要があります。

相続した不動産を売却した場合

相続した不動産を売却し、譲渡所得が発生した場合、その所得に対して確定申告が必要です。
譲渡所得の計算式は以下の通りです。

  • 譲渡所得=収入金額−(取得費+譲渡費用)−特別控除額

相続財産の売却には、相続税の取得費加算や空き家特例など、特別な控除が適用される場合があります。

亡くなった方の事業を引き継いだ場合

亡くなった方が個人事業主であった場合、その事業を相続人が引き継ぐと、事業所得として確定申告が必要になります。

事業所得の申告には、亡くなった方の事業に関する収入、経費、契約書などの情報が必要です。
事業を引き継いだ年の所得に対して、翌年の確定申告期間内に申告を行います。

相続した財産を国などに寄付した場合

相続した財産を公共の福祉の増進に寄与する目的で国や地方公共団体などに寄付した場合、寄付金控除の対象となり、確定申告を通じて所得税の還付を受けることができます。
ただし、寄付による控除を受けるためには、寄付をした事実を証明する書類が必要です。

以上の5つのケースは、相続人自身が確定申告を行う必要がある主な例です。

相続が発生した際には、これらのケースに該当するかどうかを確認し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。
適切な申告を行うことで、税務上のトラブルを避け、相続財産を適正に管理することが可能となります。

相続税申告の流れ

相続税申告は、故人から財産を受け継ぐ際に避けて通れない重要な手続きです。
この手続きは、相続人が法的な義務を果たし、税務上の正確な処理を行うために必要となります。

相続人・相続財産の確定

相続税申告の最初の手順は、相続人と相続財産を確定することです。

相続人の特定には、被相続人の戸籍謄本や除籍謄本などの公的書類が必要となります。
これにより、法定相続人が誰であるかを明確にします。

次に、相続財産の範囲を特定し、不動産、預貯金、株式などの財産の評価を行います。
この手順には、遺品整理や銀行への照会、不動産の評価など、多岐にわたる作業が含まれます。

相続方法を選定

相続人が確定したら、相続方法を選定します。
これには、遺言書の有無の確認が含まれ、遺言書がある場合はその内容に従います。

遺言書がない場合は、法定相続分に基づいて相続が行われます。
また、相続人間での合意が必要な場合は、遺産分割協議を行い、全員の合意形成を目指します。

遺産分割協議

遺産分割協議は、相続人全員が参加する重要な手順です。
この協議を通じて、各相続人が受け取る遺産の具体的な内容と割合を決定します。

協議は円滑に進めるためにも、事前に相続財産のリストアップや評価額の共有が必要です。
協議が成立したら、遺産分割協議書を作成し、必要に応じて公証人の認証を受けます。

準確定申告

被相続人が亡くなった年の所得に対して行う準確定申告は、相続税申告とは別に必要な手続きです。

被相続人の死亡日から4ヶ月以内に行う必要があり、これには被相続人の年間所得や未支給の給与、事業収入などが含まれます
準確定申告を行うことで、被相続人の最終年の所得税を清算します。

以上のステップは、相続税申告に至るまでの基本的な流れを構成しています。

相続が発生した際には、これらのステップについて順を追って丁寧に行うことが重要です。
適切な申告を行うことで、税務上のトラブルを避け、相続財産を適正に管理することが可能となります。

確定申告に必要な書類

確定申告は、個人の税務上の義務を果たすための重要な手続きです。
この手続きを正確に完了するためには、さまざまな書類が必要となります。

確定申告書AまたはB

確定申告書は、税務署に提出する最も重要な書類です。
これには、1年間の所得金額や所得税の金額を計算し、源泉徴収された税金や、予定納税額などの過不足を精算するための情報が記載されています。

2023年1月からは、申告書Aと申告書Bが統合され、新しい様式が使用されています。
確定申告書は、税務署や市区町村の担当窓口で入手することができます。

身分証明書類

確定申告を行う際には、本人確認のための身分証明書類が必要です。
マイナンバーカードがあれば、それだけで本人確認が完了します。

マイナンバーカードがない場合は、通知カードや住民票の写しに加えて、運転免許証や健康保険証などの身元確認書類が必要になります。
これらの書類は、税務署に直接提出する場合は提示し、郵送する場合はコピーを添付します。

控除証明書

生命保険料控除や社会保険料控除など、各種控除を受けるためには、それを証明する書類が必要です。
これには、保険会社や社会保険事務所から発行される控除証明書が含まれます。

ただし、年末調整でこれらの控除を受けている場合は、確定申告での添付は不要です。

源泉徴収票

給与所得者や年金受給者は、年末調整で処理された源泉徴収票を確定申告書に添付する必要があります。
これには、1年間の給与や年金の総額と、そこから差し引かれた税金の額が記載されています。

2019年4月1日以降、年末調整後の給与所得の源泉徴収票は添付不要になりましたが、その他の所得については添付が必要です。

以上の書類は、確定申告を行う上で欠かせないものです。

適切な書類を準備し、期限内に正確に申告を行うことで、税務上のトラブルを避けることができます。
確定申告は複雑な手続きが多いため、不明点がある場合は税務専門家に相談することをおすすめします。

確定申告の方法

確定申告は、個人が年間を通じて得た所得に対する税金を計算し、国に報告する法的な手続きです。
この手続きを適切に行うためには、正しい方法を理解し、適用することが不可欠です。

税務署の相談窓口で行う

確定申告を税務署の相談窓口で行う場合、事前に必要な書類を準備し、税務署の開庁時間内に直接訪問します。
税務署では、専門の職員が申告書の作成をサポートしてくれます。

また、申告に関する疑問や不明点がある場合は、その場で質問し、適切なアドバイスを受けることができます。
税務署での申告は、特に初めて確定申告を行う方や複雑な申告内容を持つ方におすすめです。

国税庁のHPにて申告する

国税庁のホームページでは、e-Taxを利用したオンラインでの確定申告が可能です。
マイナンバーカードとカードリーダーを使用し、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作成し、提出することができます。

この方法は、自宅やオフィスからでも申告が行えるため、時間や場所を選ばずに利便性が高いです。
また、マイナポータルと連携して控除証明書等のデータを一括で取得し、申告書に自動入力することも可能です。

税理士に依頼する

確定申告を税理士に依頼する場合、専門家による正確な申告が期待できます。
税理士は、申告に必要な書類の準備から申告書の作成、税務署への提出までを代行してくれます。

複雑な税務処理が必要な場合や、節税対策を検討している場合には、税理士の専門知識が大いに役立ちます。
ただし、この方法は報酬が発生するため、コストを考慮する必要があります。

以上の方法は、確定申告を行う際の主な選択肢です。
それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、自身の状況に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。

相続する際の確定申告の注意点

相続は、多くの場合、税務上の義務を伴いますが、確定申告に関しては特に注意が必要です。
相続によって生じる所得に対する税金の計算や申告は、相続人にとって複雑であり、しばしば見落とされがちなポイントが含まれています。

未払いの医療費や未納の税金は控除対象に

相続の際には、被相続人が生前に支払いを完了していない医療費や税金がある場合、これらは相続人が支払うことになります。
これらの支出は、相続税の計算において控除対象となる可能性があります。

未払いの医療費については、医療費控除として申告することができ、未納の税金に関しては、相続財産の債務として控除することが可能です。
ただし、これらの控除を適用するためには、適切な書類の準備と正確な申告が必要になります。

還付金は亡くなった方に、還付加算金は相続人に帰属する

相続税の申告を行った結果、還付金が発生した場合、その還付金は原則として亡くなった方に帰属します。

しかし、還付金に加算される利息に相当する還付加算金は、相続人が受け取ることになります。
この点はしばしば誤解されがちですが、還付金と還付加算金の帰属を正しく理解し、適切に申告することが重要です。

ほかの手続きや消費税の確定申告にも注意

相続の際の確定申告では、所得税だけでなく、消費税の申告にも注意が必要です。
特に、被相続人が事業者であった場合、その事業に関連する消費税の申告義務が相続人に移ります。

また、相続に伴う不動産の名義変更や遺産分割に関する手続きも、税務上の注意が必要です。
これらの手続きを適切に行うためには、税務の専門家に相談することをおすすめします。

相続の際の確定申告は、多くの注意点があり、複雑な場合も少なくありません。
適切な申告を行うことで、税務上のトラブルを避け、相続財産を適正に管理することが可能となります。

相続と確定申告についてよくある質問

相続と確定申告に関する疑問は多岐にわたり、適切な情報を得ることが重要です。
以下は、相続と確定申告についてよくある質問と、その回答をまとめたものです。

相続税申告は必要だが、所得税の確定申告は原則不要?

一定額を超える遺産を相続した場合、相続税の申告と納税が必要です。
一方で、所得税の確定申告は、原則として不要です。

これは、相続税が被相続人の財産を取得した場合に課せられるものであるのに対し、所得税は、給料や事業所得などにかかる税金であるためです。
相続によって二重に税金がかかることはありません。

確定申告が必要となるケースは?

相続財産に所得税が課せられない場合でも、相続後に確定申告が必要となるケースがあります。

例えば、相続したアパートから賃料を得たり、相続した財産を売却して所得が発生したりした場合には、相続人自身の所得税の申告手続きが必要です。
通常の確定申告と同様の手続きを行い、申告すべき所得が発生した「翌年の2月16日から3月15日の間」に行います。

準確定申告とは何ですか?

亡くなった人が生前に家賃収入や事業収入などがあり、所得税の申告義務があった場合、亡くなった人の代わりに相続人が確定申告をする必要があります
この手続きを「準確定申告」といい、相続の開始を知った日の翌日から4カ月以内に行う必要があります。

相続と確定申告についてのまとめ

ここまで、相続と確定申告についてお伝えしてきました。
相続と確定申告の要点をまとめると以下の通りです。

  • 相続後の確定申告とは、故人の財産を受け継いだ後に発生する可能性のある税務上の手続き
  • 相続税申告が不要になるケースは、「続する財産(遺産)が3,000万円以下になる」「相続する財産(遺産)が基礎控除以下になる」「基礎控除以外の各種控除を適用して税額0円になる」場合など
  • 相続する際の確定申告の注意点は、「未払いの医療費や未納の税金は控除対象」「還付金は亡くなった方に、還付加算金は相続人に帰属する」「ほかの手続きや消費税の確定申告にも注意」など

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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