親や祖父母などから1,000万円の資金を贈与された場合「どれくらいの贈与税がかかるのか?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
贈与税は贈与された金額によって大きく変わるため、あらかじめ計算方法や節税のポイントを押さえておくことが大切です。
本記事では1000万円譲渡にかかる贈与税について以下の点を中心にご紹介します。
- 1,000万円の贈与を受けた場合の贈与税について
- 1,000万円を譲る場合相続と贈与のどちらがお得
- 特例や非課税枠を利用して贈与税を抑えるためには
1000万円譲渡にかかる贈与税について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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贈与税と相続税の違い

贈与税と相続税は、どちらも財産を受け取るときに関わる税金のことです。
しかし、発生するタイミングや課税対象、手続きの流れなどに明確な違いがあります。
まず、課税のタイミングが異なります。
贈与税は、生きている人から財産を受け取ったときに発生し、相続税は、誰かが亡くなった際にその財産を相続したときに発生します。
次に、納税義務者にも違いがあります。
贈与税は財産を受け取った人(受贈者)が支払うのに対し、相続税は相続人が支払うことになります。
さらに、基礎控除額にも差があり、贈与税では年間110万円が控除されるのに対し、相続税では「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という大きな控除が設定されています。
税率はどちらも10~55%の累進課税方式が採用されており、財産額が多くなるほど高い税率が適用されます。
申告期限については、贈与税は贈与を受けた翌年の2月1日〜3月15日までに申告が必要です。
一方、相続税は相続の開始(被相続人の死亡)から10ヵ月以内に申告しなければなりません。
また、それぞれに適用される特例制度が用意されています。
贈与税には、住宅取得資金の非課税制度や教育資金贈与の特例などがあり、相続税では、配偶者に対する相続税の軽減や、小規模宅地等の評価減などの特例が設けられています。
このように、贈与税と相続税は似ているようで、それぞれ異なる制度や条件があるため、正しく理解して活用することが大切です。
贈与税の課税制度

贈与税には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つの課税方式があり、それぞれ特徴や適用条件が異なります。
以下で解説します。
暦年課税とは
暦年課税は、毎年1月1日〜12月31日までの1年間に受け取った贈与額をもとに、贈与税が計算される一般的な課税方式です。
年間110万円までの贈与には課税されず、この「基礎控除額」を超えた部分に対して課税されます。
税率は10%〜55%の累進課税で、贈与額が大きいほど税率が上がります。
贈与者・受贈者ともに制限がなく、誰から誰へでも適用可能です。
注意点は、相続開始前3年以内に受けた贈与は、相続財産に加算されることがあるため、生前贈与を計画する際にはこのルールにも留意する必要があります。
相続時精算課税とは
相続時精算課税は、一定の条件を満たす場合に選択できる制度で、将来の相続を見据えた資産移転に適しています。
60歳以上の親または祖父母が、18歳以上の子や孫に対して贈与を行う場合に利用できます。
通算で2,500万円までの贈与額は非課税となり、それを超えた分には一律20%の贈与税が課税されます。
贈与時の評価額で将来の相続財産に組み入れられるため、贈与時点では課税を先送りできる仕組みです。
ただし、一度この制度を選ぶと、通常の暦年課税に戻すことはできません。
そのため、将来の相続計画をよく検討した上で利用することが求められます。
1,000万円の贈与を受けた場合の贈与税はいくらなのか

1年間に受け取った贈与額が110万円を超えると、贈与税の対象になります。
例えば、ある年に1,000万円の財産を贈与された場合「暦年課税制度」に基づいて贈与税を計算することになります。
この制度では、その年の1月1日〜12月31日までに贈与された金額の合計から、年間110万円の非課税枠(基礎控除)を差し引いた金額に対して課税が行われます。
この例で計算すると、1,000万円 − 110万円 = 890万円が課税対象となる金額です。
また、贈与を受けた人が20歳以上(2022年以降は18歳以上)で、直系尊属(両親や祖父母など)からの贈与であれば「特例贈与財産」として扱われ、890万円に対する税率は45%、控除額は265万円となります。
従って、贈与税の計算式は以下のようになります。
890万円 × 45% − 265万円 = 135万5,000円
つまり、この例では、約135万5,000円の贈与税が発生することになります。
なお、贈与税の計算においては適用区分の確認が非常に重要です。
自分がどちらの区分に当てはまるかを把握したうえで、正しく税額を算出するようにしましょう。
必要に応じて税理士など専門家に相談するのも安心です。
特例や非課税枠を利用して贈与税を抑えるためには

生前に財産を贈与する際、上手に特例制度や非課税枠を活用することで、贈与税の負担を軽減することが可能です。
相続対策の一環として贈与を行う場合は、課税方法の違いや適用可能な制度を理解しておくことが重要です。
まず、年間110万円までの贈与であれば、贈与税がかからない「暦年課税制度」の基礎控除を利用するのが基本です。
毎年少しずつ財産を贈与することで、長期的に見れば大きな資産を非課税で移転することができます。
ただし、贈与者が死亡する直前の一定期間内に行った贈与は相続税の対象になる場合があり、令和6年以降はこの期間が段階的に延長されるため注意が必要です。
また、子どもや孫にまとまった金額を贈与したい場合は「相続時精算課税制度」も選択肢の一つです。
この制度を使えば、2,500万円までの贈与は非課税で行うことができ、さらに令和6年以降は新たに年間110万円の控除も適用されるようになりました。
さらに、用途が決まっている資金については、特定の目的に応じた非課税制度を活用することで、より効率的な贈与が可能になります。
例えば、住宅購入資金としての贈与には最大1,000万円まで非課税となる制度、教育資金の一括贈与には最大1,500万円までの非課税措置があります。
また、結婚や出産、育児のための支援には最大1,000万円までが非課税となる制度も用意されています。
これらの制度はいずれも、適用には一定の条件があり、贈与の目的や受贈者の年齢・所得などの要件を満たす必要があります。
非課税特例を利用する際には、申告手続きや証明書類の提出が必要となることもあるため、事前に制度内容をよく確認し、必要であれば税理士などの専門家に相談すると安心です。
1,000万円を譲る場合相続と贈与のどちらがお得?

親や祖父母が子ども・孫に1,000万円を譲りたいと考えたとき、「生前に贈与するべきか、それとも相続のタイミングで渡すべきか」と迷う方も多いでしょう。
どちらが有利かは、単に税率の違いだけでは判断できません。
まず、税率だけを見ると、相続税の方が贈与税よりも低く設定されているため、相続の方が得に思えるかもしれません。
しかし、贈与税・相続税はいずれも累進課税の仕組みがあり、金額が大きくなるほど税率も上がるため、将来の資産の増加や税負担の見通しを踏まえて判断する必要があります。
例えば、贈与税には年間110万円の基礎控除があり、長期にわたって少しずつ贈与することで、税負担を抑えながら資産を移転できます。
一方、相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という基礎控除があり、遺産総額がこの枠に収まるなら、相続税がかからない可能性もあります。
つまり、1,000万円をまとめて贈与すると贈与税が発生してしまう一方で、相続時に他の財産を含めても基礎控除内であれば、税金ゼロで1,000万円を譲れるケースもあるのです。
生前贈与が向いているのは、贈与する側の年齢が若く、今後何年にもわたって贈与を続けられる場合や、受け取る側が複数いるような場合です。
また、住宅購入や結婚といったライフイベントに合わせて贈与を行いたいとき、または価値の上昇が見込まれる資産(不動産・株式など)を早めに移しておきたいときにも有効です。
1000万円譲渡にかかる贈与税についてのよくある質問

1000万円譲渡にかかる贈与税についてのよくある質問は以下のとおりです。
祖母から1000万もらうと税金はかかりますか?
祖父母や両親が、子どもや孫に結婚や子育てのための費用を贈与する場合、一定の条件を満たせば、1人あたり最大で1,000万円までが贈与税の対象外になります。
ただし、そのうち結婚に関する費用については、非課税となる上限が300万円と定められています。
この特例を利用できるのは、贈与を受ける人が18歳以上50歳未満であることが条件です。
孫への贈与税は7年ルールの対象ですか?
孫への生前贈与は、原則として「7年以内の持ち戻し(生前贈与加算)」の対象にはなりません。
ただし、贈与の実態がない「名義預金」や、養子縁組によって相続人となった場合など、ケースによっては相続税や贈与税の課税対象となることがあります。
1000万円譲渡にかかる贈与税についてのまとめ

ここまで1000万円譲渡にかかる贈与税はいくらなのかについてお伝えしてきました。
1000万円譲渡にかかる贈与税はいくらなのかの要点をまとめると以下のとおりです。
- 1,000万円の贈与を受けた場合の贈与税は、1年間に受け取った贈与額が110万円を超えると、贈与税の対象になる
- 1,000万円をまとめて贈与すると贈与税が発生する一方で、相続時にほかの財産を含めても基礎控除内であれば、税金ゼロで1,000万円を譲れるケースがある
- 特例や非課税枠を利用して贈与税を抑えるためには、年間110万円までの贈与であれば、贈与税がかからない「暦年課税制度」の基礎控除を利用するのがよい
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。