遺産相続放棄の手続きは、相続人が被相続人の財産を一切受け取らない意思を示す重要な手続きです。相続放棄を選択すると、負債を含むすべての遺産から解放される一方で、相続人としての権利も失うことになります。
本記事では遺産相続放棄の手続きの流れについて以下の点を中心にご紹介します。
- 遺産相続放棄の手続きとは
- 遺産相続放棄の準備
- 遺産相続放棄は自分でできるのか
遺産相続放棄の手続きの流れについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
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遺産相続放棄の手続きとは
遺産相続放棄の手続きとは、法定相続人が被相続人の遺産を一切受け取らないことを宣言する手続きのことです。
この手続きを行うことで、相続人は財産に対する権利を放棄するだけでなく、負債も含めた全ての遺産から解放されます。
具体的には、現金や不動産といったプラスの財産に加え、借金などのマイナスの財産も一切受け取ることがなくなります。そのため、相続放棄をした者は、最初から相続人ではなかったものとみなされ、相続に関する責任を免れることができます。
遺産相続放棄の準備
遺産相続放棄を行う前には、いくつかの重要な準備が必要です。
まず、被相続人の財産を調査し、相続放棄をするかどうかを慎重に判断します。財産の調査は、通帳や請求書などの書類を基に行いますが、どの方法を取るかはケースによって異なります。
また、過去に消費者金融などから借り入れがあった場合、過払い金が発生していることもあるため、その調査も併せて行うことが重要です。
次に、必要な書類を収集します。一般的に必要な書類には、被相続人の戸籍謄本、住民票または戸籍附票、相続放棄を行う相続人の戸籍謄本、そして相続放棄申述書が含まれます。場合によっては、相続関係が複雑になっているため、複数の戸籍を取り寄せることが必要になります。弁護士に依頼すれば、これらの準備を代行してもらうことができます。
最後に、相続放棄の申述を行う裁判所を確認します。申述書を提出するのは、被相続人が生前最後に住んでいた住所地を管轄する家庭裁判所です。裁判所の管轄については、事前に確認しておくことが重要です。
遺産相続放棄の手続きの流れ
遺産相続放棄の手続きは、まず最初に相続財産の調査を行い、相続放棄を行うべきかどうかを判断することから始まります。
遺産相続放棄の手続きを通じて、相続財産にプラスの財産とマイナスの財産が含まれているかを把握し、慎重に決定します。
相続放棄を決断したら、次に必要書類を収集し、相続放棄申述書を作成します。この申述書には、被相続人と相続放棄を行う相続人の氏名や住所、相続放棄の理由などを記載し、家庭裁判所に提出することになります。
提出後、家庭裁判所が書類を確認し、問題がなければ正式に受理されます。これにより、相続放棄の手続きは完了します。
自分で遺産相続放棄はできる?
遺産相続放棄は、自分で手続きを進めることが可能です。
手続きの流れを理解し、必要な書類や費用を準備することで、弁護士や司法書ひに依頼せずとも自分で完結させることができます。以下の手順を踏んで、相続放棄を行うことができます。
まずは、相続財産の調査を行い、相続放棄をするかどうかを慎重に判断します。相続放棄は一度行うと基本的に撤回ができないため、プラスの財産とマイナスの財産を十分に確認することが重要です。調査が終わったら、必要書類を準備します。主に必要となる書類は、戸籍謄本や相続放棄申述書などで、これらを揃えたら、家庭裁判所に申し立てを行います。
家庭裁判所に申し立てをすると、照会書が送られてくるため、必要事項を記入し再送します。その後、正式に相続放棄が認められると「相続放棄申述受理通知書」が届き、手続きが完了します。
相続放棄は費用も少額で済みますが、複雑な場合や手続きに不安がある場合は、弁護士に相談するのも一つの手段です。
遺産相続放棄を自分でした場合の注意点
遺産相続放棄を自分で行う場合、いくつかの注意点があります。
以下で解説します。
相続放棄の手続きの期限を守る
相続放棄の手続きを行うには期限が設けられており、これを過ぎてしまうと「単純承認」とみなされ、相続を受け入れたことになってしまいます。特に、必要書類を取り寄せるのに時間がかかる場合や、書類に不備があった場合、期限内に手続きを完了できないリスクがあります。
相続放棄の申述後に書類に不備があるかどうか
裁判所から再確認の通知が届くこともあります。この場合、再度対応しなければならず、手続きが遅れる可能性があります。自己判断で手続きを進める際は、書類の正確性に十分注意が必要です。
本来得られた遺産を放棄することになる
相続放棄をすると、本来得られた遺産を放棄することになります。特に、相続放棄をする前に財産調査を十分に行わなかった場合、後から新たに財産が見つかることがあるため、慎重な判断が求められます。
ほかの相続人との間でトラブルが発生する可能性がある
例えば、自分が放棄した財産をほかの相続人が引き継ぐことになりますが、その後負担を抱えることになる場合があります。こうした問題を避けるためにも、相続放棄をすることをほかの相続人に事前に伝えておくことが大切です。
相続放棄を行った後も財産の管理義務が残ることがある
特に、故人と同居していたり、名義変更がされていない財産を使用している場合は注意が必要です。
遺産相続放棄は自分でやった方がいい?弁護士に依頼した方がいい?
相続放棄の手続きは、基本的には自分で行うこともできますが、特定の状況では弁護士などの専門家に依頼した方が位い場合もあります。どちらが適しているかは、個々のケースに応じて判断することが重要です。
自分で相続放棄を行っても問題ないケース
以下のような場合は、相続放棄を自分で行っても大きな問題は生じにくいです。
- 相続財産において、マイナスの遺産(借金など)がプラスの遺産(現金や不動産)よりも明らかに多い場合
- 相続人が少なく、トラブルが起こる可能性が低い場合
- 手続きに十分な時間があり、余裕を持って進められる場合
これらの状況であれば、基本的には自分で手続きを進めてみることができます。途中で不安な点があれば、弁護士に相談することも可能です。
弁護士に依頼すべきケース
一方で、次のような場合は、相続放棄を専門家に依頼することを検討する方がいいでしょう。
- 遺産の種類が多く、相続財産の全体像を把握しにくい場合
- 手続きに間に合わない場合や、期限に不安がある場合
- 相続人が多かったり、疎遠な相続人がいる場合
- 遺産に不動産が含まれており、その取り扱いに不安がある場合
- 多忙や海外在住などの理由で手続きが難しい場合
- 相続放棄を確実に行いたい場合
遺産相続放棄の手続きの流れについてのよくある質問
ここでは、遺産相続放棄の手続きの流れについてのよくある質問は以下のとおりです。
遺産相続放棄にかかる費用は?
相続放棄を自分で行う場合、かかる費用は主に書類の取り寄せ費用や郵送代、収入印紙代などで、一般的には3,000~5,000円程度です。この方法で手続きを進めれば、費用を抑えることができます。しかし、弁護士や司法書士へ依頼する場合は、報酬が発生し、費用は数万円になることが一般的です。
親族みんなが相続放棄をすると、何が起きる?
相続人全員が相続放棄をした場合、相続財産は相続財産清算人が管理・処理します。
もし特別縁故者が存在する場合、清算後に残った財産の一部または全部が特別縁故者に分配されることがあります。最終的に残った財産は、国に帰属します。
遺産相続放棄の手続きの流れについてのまとめ
ここまで遺産相続放棄の手続きの流れについてお伝えしてきました。遺産相続放棄の手続きの流れについての要点をまとめると以下のとおりです。
- 遺産相続放棄の手続きとは、法定相続人が被相続人の遺産を一切受け取らないことを宣言する手続きのこと
- 遺産相続放棄の準備の流れは、まず、被相続人の財産を調査し、相続放棄をするかどうかを慎重に判断すること。その次に相続放棄に必要な書類を収集し、最後に相続放棄の申述を行う裁判所を確認すること
- 遺産相続放棄は、自分で手続きを進めることが可能
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。