不動産相続は、多くの人にとって大きな節目ですが、売却する際の税金問題は避けて通れません。
相続財産を売却する際には、相続税だけでなく、譲渡所得税や登録免許税など、さまざまな税金が関わってきます。
そこで、不動産相続で売却する際の税金について気になる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、不動産相続で売却する際の税金について以下の点を中心にご紹介します!
- 相続した不動産売却にかかる税金
- 相続した不動産売却にかかる税金の特別控除
- 不動産を相続した後に売却をするメリット
不動産相続で売却する際の税金について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
相続ナビに相続手続きをお任せください。
スマホ・PCで登録完了
役所などに行く必要なし
相続した不動産売却にかかる税金

相続した不動産を売却する際には、以下のような税金が発生します。
これらの税金を正しく理解し、負担を軽減するための特例を活用することが重要です。
- 相続税
不動産の相続時に発生する税金です。相続財産の総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合に課税されます。 - 登録免許税
相続による不動産の名義変更時に課される税金で、固定資産税評価額の0.4%が適用されます。 - 印紙税
不動産売買契約書を作成する際に必要な税金です。契約金額に応じて200円から60万円までが課税されます。 - 譲渡所得税
不動産売却による利益(譲渡所得)に対して課される税金です。所有期間が5年以下の場合は30%、5年を超える場合は15%の税率が適用されます。 - 住民税
譲渡所得に対して課される地方税です。所有期間が5年以下の場合は9%、5年超の場合は5%の税率が適用されます。 - 復興特別所得税
東日本大震災からの復興財源確保のため、2037年まで所得税額の2.1%が加算されます。
相続した不動産の売却では、これらの税金を適切に把握し、計画的に対応することが重要です。
また、特定の条件を満たす場合には、税負担を軽減できる特例も用意されています。
売却前には税理士や不動産の専門家に相談し、最適な方法を選ぶことが推奨されます。
相続が発生した際、不動産の法的所有権を正式に移転するためには相続登記が必要です。 この手続きは、故人の不動産を相続人の名義に変更することを目的としており、登記を完了させるためには登録免許税の支払いが伴います。 登録免許税は、不動産の[…]
不動産売却にかかる税金の特別控除

不動産を売却する際には、さまざまな税金が発生しますが、一定の条件を満たす場合、特例制度を活用することで税負担を軽減することが可能です。
以下は、不動産売却時に利用できる主な特別控除です。
- 居住用財産の3,000万円特別控除
自宅(居住用不動産)を売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円まで控除が適用されます。
この特例は、売却時にその不動産が居住用であること、過去に同様の特例を利用していないことなどが条件となります。 - 相続した空き家の3,000万円特別控除
相続した空き家を売却した際、一定の要件を満たすことで譲渡所得から3,000万円まで控除されます。
要件には、売却前に空き家を解体して更地にすることや、売却価格が1億円以下であることが含まれます。 - 10年超所有財産の軽減税率の特例
所有期間が10年を超える居住用不動産を売却した場合、譲渡所得の6,000万円以下の部分に対して14%の軽減税率が適用されます(所得税10%、住民税4%)。 - 相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例
相続税が課された財産を売却する際に、相続税の一部を取得費に加算することで譲渡所得を減少させ、課税額を軽減できます。
これは、相続から3年以内に売却する場合に適用されます。 - 特定の居住用財産の買換え特例
居住用不動産を売却して新たな居住用不動産を購入した場合、譲渡益への課税を将来に繰り延べることができます。
この特例を利用することで、売却時の税負担を抑えることが可能です。
これらの特例を利用するためには、税務署への申告や条件の確認が必要です。
適用要件や手続きに関しては税理士や専門家に相談することをおすすめします。
特例を活用して、売却時の税負担を最小限に抑えましょう。
不動産を相続した後に売却をするメリット・デメリット

ここでは、不動産を相続した後に売却をするメリット・デメリットについて紹介します。
メリット
公平な遺産分割が可能
不動産を売却して現金化することで、相続人間で遺産を公平に分配しやすくなります。
特に、不動産が相続財産の大部分を占める場合に有効です。
譲渡所得税の特例適用
相続税が課された不動産を相続開始から3年10ヶ月以内に売却した場合、譲渡所得税の計算時に相続税額を取得費に加算でき、税負担を軽減することができます。
維持管理コストの削減
不動産を所有し続けると固定資産税や修繕費、管理費などが発生しますが、売却することでこれらのコストを回避できます。
速やかな現金化
不動産を売却することで、資産をすぐに現金化でき、相続後の生活資金や負債の返済に充てることが可能です。
デメリット
所有権の喪失
売却により不動産の所有権を失うため、居住や将来的な賃貸収入といった不動産の利用価値がなくなります。
譲渡所得税の負担
売却によって利益(譲渡所得)が発生した場合、譲渡所得税や住民税が課税されます。
特に、不動産の相続税評価額と売却価格の差額が大きい場合、税額も増える可能性があります。
市場の影響
売却する時期によって不動産市場の動向が異なるため、思ったよりも低い価格でしか売却できないリスクがあります。
手続きの手間
売却には査定や買主との交渉、契約書作成など多くの手続きが必要で、時間と労力を要します。
不動産を相続した後の売却の注意点

相続した不動産を売却する際には、いくつかの重要な注意点があります。
これらを理解し、適切な手続きを行うことでトラブルを防ぎ、スムーズに売却を進めることができます。
- 相続登記の完了
売却するためには、まず不動産の名義を被相続人から相続人に変更する相続登記を行う必要があります。
相続登記が完了していない場合、売却手続きが進められません。 - 遺産分割協議の合意
複数の相続人がいる場合、不動産を売却するには遺産分割協議を行い、全員の同意を得る必要があります。
同意が得られない場合、売却が難航することがあります。 - 不動産の評価と適正価格の設定
売却価格を設定する際、相続税評価額や市場価格を基に適正な価格を決定することが重要です。
不動産会社や専門家に査定を依頼することで、正確な価格を把握できます。 - 税金の確認
売却によって発生する譲渡所得に対して、譲渡所得税や住民税が課税されます。
また、相続税の特例(取得費加算の特例など)を適用することで税負担を軽減できる場合がありますので、税理士に相談することが推奨されます。 - 空き家の状態に注意
相続した不動産が空き家の場合、特定空き家に指定されると固定資産税が増額されるリスクがあります。
売却前に管理状況を確認し、必要であれば修繕や解体を検討しましょう。 - 市場の動向を把握
不動産市場は地域や時期によって動向が異なります。
売却を検討する際には、現在の市場状況を確認し、売却のタイミングを見極めることが重要です。 - 専門家への相談
相続や売却に関する手続きは複雑であるため、税理士や不動産会社、弁護士などの専門家に相談することで、手続きの不備を防ぎ、トラブルを回避できます。
相続した不動産を売却する際には、これらの注意点を押さえ、計画的に進めることが成功への鍵となります。
相続した不動産を売却するとき

ここでは、相続した不動産を売却するときについて紹介していきます。
手続きの流れ
相続登記の完了
売却前に、不動産の名義を被相続人から相続人へ変更する相続登記を行います。
これは、不動産を売却するために必須の手続きです。
遺産分割協議
相続人が複数いる場合、遺産分割協議を行い、全員の同意を得て不動産を売却できる状態にします。協議内容を遺産分割協議書にまとめます。
不動産の査定
不動産会社に査定を依頼し、市場価格を把握します。複数の不動産会社に査定を依頼することで、より正確な売却価格の設定が可能です。
媒介契約の締結
不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を開始します。契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があり、状況に応じて選択します。
売買契約の締結
買主が見つかったら、売買契約を締結します。
この際、手付金を受け取り、契約内容を詳細に確認します。
所有権移転登記と引き渡し
残代金を受け取り、司法書士と連携して所有権移転登記を行います。最後に不動産を引き渡して完了です。
必要な書類
- 登記簿謄本または登記事項証明書
- 売買契約書(購入時のもの)
- 登記済権利書または登記識別情報
- 固定資産税納税通知書
- 土地測量図および境界確認書(必要に応じて)
- 建築確認済証および検査済証
- マンションの場合、管理規約や維持費関連書類
- 耐震診断報告書、アスベスト調査報告書(該当する場合)
これらの書類は、不動産の評価や売却手続きに必要です。紛失している場合は早めに再発行を依頼しましょう。
かかる費用
- 相続登記費用
登記手数料や司法書士への報酬が発生します。相続登記には固定資産税評価額に応じた登録免許税も必要です(税率:0.4%)。 - 仲介手数料
不動産会社に支払う仲介手数料は、売却価格の3%+6万円(税別)が一般的です。 - 譲渡所得税・住民税
売却による利益(譲渡所得)に対して課税されます。取得費加算の特例や居住用財産の3,000万円特別控除を利用すると負担を軽減できます。 - その他の費用
- 測量費(必要に応じて)
- 修繕費(老朽化した建物の場合)
- 印紙税(売買契約書の作成時)
売却に伴う費用を正確に把握し、計画的に手続きを進めることでスムーズな売却が可能です。
必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。
相続した不動産を売却について気になる方も多いのではないでしょうか。 本記事では相続した不動産を売却する場合について以下の点を中心に解説していきます。 相続した不動産を売却するまでの手順とは 相続した不動産の売却にかかる[…]
不動産の売却益の計算方法

不動産の売却益(譲渡所得)は、売却時に得た収入金額から必要経費や取得費を差し引いた金額を基に計算されます。
この譲渡所得は課税対象となるため、正確な計算が重要です。
以下が計算方法の流れです。
1. 譲渡所得の計算式
譲渡所得は以下の式で算出されます。
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)
- 売却価格
実際に不動産を売却した価格 - 取得費
不動産を購入した際の費用に、購入時の手数料や修繕費などを加えた金額。相続で取得した場合は、相続時の評価額が取得費となります。
なお、取得費が不明な場合は、売却価格の5%を概算取得費として利用できます。 - 譲渡費用
不動産売却時に発生した費用(仲介手数料、測量費、登記費用、広告費など)
2. 課税譲渡所得の計算式
譲渡所得から特例控除が適用される場合、その控除額を引きます。
課税譲渡所得 = 譲渡所得 − 特例控除額
- 特例控除
主に居住用財産を売却した場合に適用される「3,000万円特別控除」などが代表的です。
3. 税額の計算
課税譲渡所得に税率をかけて、納めるべき税額を算出します。税率は所有期間によって異なります。
- 短期譲渡所得(所有期間5年以下)
所得税:30%、住民税:9% - 長期譲渡所得(所有期間5年超)
所得税:15%、住民税:5%
※さらに復興特別所得税(所得税額の2.1%)が加算されます。
4. 計算例
例えば、以下の条件で譲渡所得を計算します。
- 売却価格:3,000万円
- 取得費:1,200万円
- 譲渡費用:100万円
- 特例控除:3,000万円(居住用財産の3,000万円特別控除)
計算手順:
- 譲渡所得 = 3,000万円 −(1,200万円 + 100万円) = 1,700万円
- 課税譲渡所得 = 1,700万円 − 3,000万円 = 0円
この場合、課税譲渡所得が0円となり、税金は発生しません。
正確な計算を行うためには、取得費や譲渡費用の記録をしっかりと残し、適用できる特例控除を確認することが重要です。
複雑な場合は、税理士など専門家に相談することをおすすめします。
不動産相続売却の税金に関するよくある質問

ここでは、不動産相続売却の税金に関するよくある質問について紹介します。
相続した不動産を売った時の税金は?
相続した不動産を売却すると、いくつかの税金が発生します。
これらの税金を正しく把握し、特例を活用することで税負担を軽減することが可能です。
1. 登録免許税
相続した不動産を売却する前に名義変更を行う際に課税されます。
- 税率:固定資産税評価額の0.4%
2. 印紙税
不動産売買契約書を作成する際に必要となる税金です。契約金額に応じて以下のように課税されます。
- 例:1,000万円〜5,000万円の場合は10,000円(軽減措置適用時)
3. 譲渡所得税と住民税
不動産売却による利益(譲渡所得)に課税されます。譲渡所得は以下の計算式で算出されます。
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)
- 取得費:購入時の価格や相続時の評価額、修繕費用などです。取得費が不明な場合は、売却価格の5%を概算取得費として計算できます。
- 譲渡費用:仲介手数料、測量費、登記費用など
譲渡所得に対する税率は所有期間によって異なります。
- 短期譲渡所得(所有期間5年以下):所得税30%、住民税9%
- 長期譲渡所得(所有期間5年超):所得税15%、住民税5%
さらに、復興特別所得税として、所得税額の2.1%が加算されます。
4. 課税の計算例
例として、売却価格3,000万円、取得費不明、譲渡費用150万円、所有期間5年超の場合を見てみましょう。
- 譲渡所得 = 3,000万円 −(150万円 + 取得費150万円) = 2,700万円
- 税金 = 所得税405万円 + 住民税135万円 + 復興特別所得税約8.5万円 = 合計約548.5万円
5. 節税できる特例制度
相続した不動産を売却する場合、以下の特例を活用することで税負担を軽減できます。
- 取得費加算の特例
相続税を支払った場合、相続税額の一部を取得費に加算し、譲渡所得を減少させることができます(相続開始から3年以内に売却する場合)。 - 居住用財産の3,000万円特別控除
被相続人が住んでいた家屋を売却する場合、一定の条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。
6. 確定申告の必要性
売却後、翌年の2月16日から3月15日までに確定申告を行う必要があります。
特例を適用する場合も申告が必要です。
相続した不動産の売却には、税金や申告が関わるため、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
これにより、適切な特例を活用し、税負担を最小限に抑えることができます。
相続した家を売るタイミングは?
相続した家を売却するタイミングは、税金や不動産市場、相続人の状況など、さまざまな要素を考慮して決めることが重要です。
以下は、タイミングを判断するための主なポイントです。
1. 相続税対策のためのタイミング
相続した不動産を売却する場合、相続開始から3年以内に売却すると、譲渡所得税の計算時に「取得費加算の特例」を利用できます。
取得費加算の特例では、支払った相続税の一部を取得費に加算でき、譲渡所得を減少させることができます。
この特例を活用することで、税負担を大幅に軽減することが可能です。
2. 不動産市場の動向を考慮
不動産市場は地域や時期によって変動します。売却価格を最大化するためには、不動産市場が好調な時期を見極めることが重要です。
- 需要が高まる時期:春や秋は、家を探す人が多くなるため、売却がスムーズに進む可能性が高いです。
市場動向を知るためには、不動産会社や専門家に相談することをおすすめします。
3. 空き家の維持コストを考慮
相続した家をそのまま所有している場合、固定資産税や修繕費、管理費などの維持コストが発生します。
- 放置するリスク:長期間空き家のままにしておくと、特定空き家に指定されるリスクがあり、固定資産税の軽減措置が解除される可能性があります。
維持コストが負担になる場合、早めに売却を検討するのが得策です。
4. 相続人間での合意が得られた時
相続人が複数いる場合、売却を進めるには全員の同意が必要です。
遺産分割協議が長引いている場合は、早期に合意を目指すことで、適切なタイミングで売却を進められます。
5. 個人的な状況を考慮
家を売却する理由や状況によって、タイミングが異なる場合があります。
- 早急に現金化が必要:相続税や債務返済のため、売却益を早めに確保したい場合
- 時間をかけて高値で売却したい:売却の急ぎがない場合、適切な時期を待つ余裕があります。
不動産相続売却にかかる税金はいつ納める?
不動産を相続した後に売却する場合、売却に伴って発生する税金(主に譲渡所得税・住民税)は、確定申告を通じて納付します。
納税のタイミングについては以下の通りです。
1. 譲渡所得税と住民税の納付時期
譲渡所得税および住民税は、不動産を売却した年の翌年に確定申告を行い、その際に算出された税額を納めます。
- 確定申告期間
毎年2月16日~3月15日
この期間内に税務署へ申告を行い、必要な税額を納付します。 - 納付期限
確定申告の期限と同じく、3月15日が納付期限です。
ただし、納税額が大きい場合は、分割納付や延納を申請できることもあります。
2. 印紙税の納付時期
不動産売買契約書に課される印紙税は、契約書作成時に収入印紙を購入して貼付することで納付が完了します。
3. 相続税を支払った場合の注意点
相続開始から3年以内に不動産を売却した場合、譲渡所得税計算時に「取得費加算の特例」を利用できます。
この場合も、譲渡所得税・住民税の申告と納付は翌年の確定申告時となります。
4. 確定申告が必要な場合
以下のケースでは、必ず確定申告が必要です。
- 売却により譲渡所得が発生した場合
- 特例(取得費加算の特例、居住用財産の3,000万円特別控除など)を適用する場合
5. 納付方法
税金の納付は以下の方法で行うことが可能です。
- 税務署窓口での現金納付
- 金融機関での納付
- クレジットカードまたは電子納税(e-Tax)
6. 注意点
- 延滞税に注意
納付期限を過ぎると延滞税が発生する可能性があります。
期日までに余裕を持って納付しましょう。 - 必要書類の準備
確定申告の際には、不動産の売却に関する書類(売買契約書、取得費証明書など)が必要です。
紛失している場合は再発行手続きを行いましょう。
不動産相続売却の税金についてのまとめ

ここまで不動産相続で売却する際の税金についてお伝えしてきました。
不動産相続で売却する際の税金の要点をまとめると以下の通りです。
- 相続税や登録免許税、印紙税などが金額に応じて数百円から数十万かかる
- 居住用財産の3,000万円特別控除や相続した空き家の3,000万円特別控除などのいくつか控除される制度がある
- 不動産を売却して現金化することで、相続人間で遺産を公平に分配しやすくなる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

