亡くなった方の財産を相続する際には、一定の条件で税金がかかる場合があります。どのような財産が対象になるのか、どのように計算されるのかを把握しておくことで、適切な申告や対策が可能です。
本記事では相続税とは?について以下の点を中心にご紹介します。
- 相続税とは
- 相続税の対象となる財産
- 相続税の計算方法
相続税とは?について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
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相続税とは?
相続とは、亡くなった方が残した財産や権利・義務を、法定相続人などが受け継ぐことです。相続によって取得した財産には税金が課される場合があり、これを相続税と呼びます。相続税は、財産の総額に応じて段階的な税率が適用される仕組みです。
また、相続人は相続開始日を基準に、原則として10ヶ月以内に申告・納税を行う義務があります。期限を過ぎると、延滞税や加算税が加わる可能性があるため注意が必要です。
相続税の対象となる財産
相続税の課税対象となるのは、現金や預金、株式、土地・建物など、価値のある財産すべてです。遺言によって相続人以外の方や法人に譲られた遺贈財産も対象となり、この場合は法定相続人が相続する際の税額の2割加算が適用されます。
一方、墓地や仏壇などの祭祀財産、生命保険金や退職金の非課税枠内の金額は課税されません。また、相続税を計算する際には、被相続人の借入金や葬儀費用など、確実に存在する債務を遺産総額から差し引くことができます。
相続税はいくらから?
相続税は、引き継ぐ財産の総額が一定額を超えた場合に課される税金です。
具体的には、相続人が1人の場合、相続財産が3,600万円を超えると課税の対象になる可能性があります。言い換えれば、3,600万円までは相続税がかからない仕組みです。
相続によって財産を受け継ぐと利益が生じますが、この利益に対して必ず相続税が発生するわけではありません。法律上、基礎控除という制度により、一定額までは税金が免除されます。そのため、相続税の負担を考える際には、まず基礎控除の金額を正しく把握することが重要です。
相続税がかからないケース
相続税は、引き継ぐ財産の総額が一定の範囲内であれば課税されません。主に以下のケースが該当します。
- 相続財産の総額が3,000万円以下の場合
- 相続財産の額が、法定相続人の人数に応じた基礎控除の範囲内に収まる場合
- 基礎控除やその他の控除を適用した結果、相続税の計算上、税額が0円となる場合
相続税を計算する際は、まず課税対象となる遺産の合計額、いわゆる課税遺産総額を求めます。課税遺産総額は、遺産の合計額から基礎控除額を差し引いて算出します。
基礎控除額は、3,000万円に法定相続人一人あたり600万円を加えた額となります。例えば、法定相続人が2人いる場合、基礎控除額は4,200万円です。この場合、相続財産が4,200万円以下であれば、相続税は発生せず、申告も不要となります。
相続税の計算方法
相続税は、相続する財産の内容や相続人の人数によって金額が変わるため、計算にはいくつかのステップがあります。概算を把握したい場合は、まず課税対象となる遺産総額を求めることから始めます。
以下では相続税の計算方法について詳しく解説します。
①すべての財産を把握する
被相続人が所有していた預貯金や不動産、株式などの財産に加え、死亡保険金や死亡退職金などの“みなし財産”も含め、すべての資産を合計します。
②マイナスの財産や非課税財産を差し引く
債務や葬儀費用などのマイナスの財産を控除します。さらに、生前贈与や相続時精算課税制度の適用財産など、課税対象となる財産を加えることで、課税価格の合計額を求めます。
③基礎控除を差し引く
算出した課税価格の合計額から基礎控除(3,000万円+法定相続人1人あたり600万円)を引くことで、課税遺産総額が決まります。
④法定相続分に応じて相続税を計算する
課税遺産総額を法定相続分に従って相続人ごとに按分し、税率を適用して相続税を計算します。税率は取得金額に応じた段階制で、控除額も設けられています。各相続人の税額を合計したものが、相続税の総額です。
⑤各種控除を適用する
相続税には、税負担を軽減するための控除制度があります。
例えば、配偶者が取得する財産には“配偶者の税額軽減”、未成年者や障害者が相続する場合には“未成年者控除”や“障害者控除”があります。控除を正しく活用するためには、法定相続人の範囲や各自の取得額を正確に把握することが大切です。
相続税の申告について
相続税の申告は、相続が発生した際に必ず確認すべき重要な手続きのひとつです。ここでは、申告の期限や流れ、注意点について整理して解説します。
申告期限は相続開始から10ヶ月以内
相続税は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、被相続人の死亡時住所地を管轄する税務署に申告する必要があります。
なお、申告期限が土日祝日にあたる場合は、翌営業日が期限となります。また、相続税の納税も同じ期限に行わなければなりません。
相続発生後の主な手続きの流れ
相続が始まると、さまざまな手続きを並行して進める必要があります。
目安として、次のような流れがあります。
死亡後7日以内
- 死亡届の提出
- 火葬許可申請書の提出
死亡後14日以内
- 国民健康保険・介護保険の資格喪失手続き
- 国民年金・厚生年金の受給停止手続き
できるだけ早く進めたい手続き
- 遺言書の確認や検認手続き
- 相続財産の把握・リスト作成
- 戸籍の取得による相続人の確認
- 遺産分割協議と協議書の作成
- 生命保険金の請求
- 金融機関への手続き
- 不動産や預貯金の名義変更
相続開始から3ヶ月以内
- 相続放棄または限定承認を行う場合の手続き
相続開始から10ヶ月以内
- 相続税の申告・納税
相続開始から10ヶ月という期間は、一見余裕があるように思えるかもしれません。
しかし実際には、葬儀や納骨、法要の準備に加え、役所や金融機関、保険会社など多岐にわたる手続きを同時進行で進める必要があります。そのため、申告や遺産分割の準備を後回しにすると、期限までに十分な対応ができないこともあります。
相続が発生してから慌てないためには、財産の整理やリスト作成を生前に行い、家族で話し合うことが大切です。
早めに相続財産の状況や申告の必要性を確認しておくことで、相続人間のトラブルを防ぎ、円滑な手続きにつなげることができます。
相続税の申告をしなければどうなる?
相続税の申告が必要であるにもかかわらず、申告を行わずに放置すると、税務署から問い合わせが来ることがあります。
税務署は市区町村役場からの死亡情報や、金融機関・不動産に関する情報をもとに、相続税がかかるかどうかを概算で判断しています。
つまり、問い合わせが届いたからといって必ずしも“申告漏れがあった”というわけではありません。
ただし、税務署からのお尋ねには必ず対応する必要があります。内容を確認し、相続税がかかる場合は申告、または申告不要の場合はその旨を回答しましょう。近年では、オンラインで相続税の申告要否を簡単に判定できるサービスもありますので、活用するとスムーズです。
もし、申告が必要にもかかわらず期限までに手続きを行わないと、延滞税や加算税といったペナルティが課される可能性があります。これを避けるためには、相続に関する手続きや期限を事前に把握し、余裕をもって準備することが重要です。
相続税に関するよくある質問
ここまで相続税とみなされる財産や計算方法などについて解説してきました。
以下では相続税とは?についてのよくある質問をご紹介します。
5000万円の相続税はいくらですか?
遺産総額が5,000万円の場合、相続税の額は相続する人の構成によって変わります。例えば、子ども1人がすべて相続すると、およそ160万円の相続税がかかります。一方、配偶者と子ども1人で遺産を分ける場合、合計で約40万円の相続税が課されます。
特に配偶者が単独で全財産を相続する場合は、“配偶者の税額軽減”の規定により、相続税は課税されません。このように、同じ遺産額でも、相続人の人数や分割の割合によって税額は大きく変動します。
相続税の目安を知ることで、遺産分割や納税資金の準備に役立てることができます。
相続したお金は所得になりますか?
結論から言うと、相続によって得た財産は所得には該当しません。所得税は、給与や事業・副業などによって得た収入から必要経費を差し引いた“所得”を対象に課税されます。
これに対して、相続による財産取得は労働や事業活動によるものではないため、所得税の課税対象には含まれません。
そのため、相続で受け取った現金や不動産、株式などは、原則として所得税を支払う必要はありません。ただし、相続財産を売却して得た利益には譲渡所得税がかかる場合があるため、売却時の課税には注意が必要です。
相続税についてのまとめ
ここまで相続税とは?についてお伝えしてきました。相続税とは?の要点をまとめると以下のとおりです。
- 相続とは、亡くなった方が残した財産や権利・義務を、法定相続人などが受け継ぐこと
- 相続税の課税対象となるのは、現金や預金、株式、土地・建物など、価値のある財産すべてのこと
- 相続税の計算方法の手順は①すべての財産を把握する②マイナスの財産や非課税財産を差し引く③基礎控除を差し引く④法定相続分に応じて相続税を計算する⑤各種控除を適用する
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。