相続税におけるマンションの評価額とは?計算方法と注意点をわかりやすく解説

  • 2025年5月28日
  • 2025年4月28日
  • 相続税

マンションを相続した際、「どのように評価額が決まるのか分からない」「税金がどれくらいかかるのか不安」と感じる方は少なくありません。特に初めての相続では、土地と建物で評価方法が異なる点や、市場価格との違いに戸惑うこともあるでしょう。

 

本記事では、相続税評価額について以下の3点を中心にご紹介します。

 

  • 相続税評価額の基本的な考え方と計算方法
  • 区分所有マンションに関する評価のポイント
  • 令和6年以降の評価制度の改正内容と注意点

 

マンション相続に関する税金や手続きの理解を深め、スムーズに相続を進めるための参考になれば幸いです。

ぜひ最後までお読みください。

 

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マンションの相続税評価額とは?

マンションを相続する際、相続税を計算するために必要となるのが「相続税評価額」です。これは実際の市場価格とは異なり、国が定めた評価基準に基づいて算出されます。具体的には、マンションの土地部分については「路線価」または「倍率方式」で評価され、建物部分は固定資産税評価額が用いられます

 

分譲マンションの場合、土地は共有部分として持分があるため、自分の持分割合を土地全体の評価額に掛け合わせて算出します。また、マンションの立地や築年数、階数などによっても市場価格は異なりますが、相続税評価額はそれらをすべて反映するわけではありません。そのため、市場価格よりも評価額が低くなる傾向があり、結果的に節税につながるケースもあります。

 

ただし、相続人間で公平に分割するためには、、評価額だけでなく市場価値や将来的な利用価値も考慮する必要があります。マンションの相続は、評価方法によって税額や分割内容に大きな差が生じることがあるため、専門家への相談を検討することが重要です。

 

建物部分の相続税評価額の計算方法

相続において不動産を取得した場合、その評価額に基づいて相続税が課税されます。特に建物部分は、土地とは異なる評価方法が用いられるため、正確に把握することが重要です。以下では、建物部分の評価の基本的な考え方と、所有形態に応じたポイントについて解説します。

固定資産税評価額の確認方法

固定資産税評価額は、市区町村が課税のために毎年算出しており、納税通知書や課税明細書に記載されています。固定資産税評価額は建物の構造や築年数、延床面積などを考慮して決定されており、実際の市場価格(時価)とは異なる点に注意が必要です。

 

なお、納税通知書が手元にない場合は、市役所や区役所の固定資産税課などに申請することで、評価証明書を取得することが可能です。

マンション1棟を所有している場合

1棟全体を所有している場合、その建物全体の固定資産税評価額を相続税評価額とします。たとえば、アパートや賃貸マンションなどの収益物件である場合には、借家権割合(通常30%)や賃貸割合を考慮した、いわゆる「貸家評価」が適用されます。

 

貸家建付地のように土地に借地権が付いているケースでは、建物の評価だけでなく、土地評価の調整も必要です。さらに、未登記部分がある場合は、それも含めた評価が必要となるため、専門家への相談が推奨されます。

分譲マンションの一室を所有している場合

分譲マンションの1室など、区分所有の形態で建物を保有している場合も、固定資産税評価額が、算定の目安として活用されます。各住戸の固定資産税評価額は、自治体が個別に設定しており、納税通知書に記載されています。

 

ここで注意したいのは、専有部分だけでなく、共用部分の持分も含まれて評価されているという点です。そのため、課税対象となるのは、専有部分+共用部分の持分を合算した金額になります。

 

また、マンションが賃貸に出されている場合には、借家権割合を考慮して評価額が減額される可能性があります。空室の有無や賃貸契約の内容によって評価に差が出るため、正確な現況把握が大切です。

 

土地部分の相続税評価額の計算方法

マンションを相続する際、建物部分だけでなく、その敷地に対する持分についても相続税評価が必要です。マンションの敷地は区分所有者全員で共有しているため、相続対象となるのは「敷地全体の評価額 × 持分割合」です。この敷地評価には「路線価方式」と「倍率方式」のいずれかが用いられます。以下に、それぞれの計算方法を詳しく解説します。

マンション全体の敷地に対する相続税評価額を計算する

区分所有マンションの敷地は、各住戸に応じた「敷地権」として所有権が設定されています。相続時には、まず敷地全体の評価額を求めたうえで、自身が所有する部屋に対応する敷地権割合を乗じて評価額を算出します。

①路線価方式による相続税評価額の計算方法

都市部など路線価の設定があるエリアでは、「路線価方式」で評価が行われます。これは国税庁が毎年公表する「路線価」に基づいて土地の価値を算出する方法です。

 

基本計算式:

路線価 × 奥行価格補正率 × 土地面積 = 敷地全体の評価額

 

例として、マンションが面している道路の路線価が40万円/㎡、奥行価格補正率が0.95、敷地全体の面積が500㎡であれば、

40万円 × 0.95 × 500㎡ = 19,000万円

 

この評価額に対し、相続対象の部屋の敷地権割合が5%であれば、

19,000万円 × 5% = 950万円が相続税評価額となります。

②倍率方式による相続税評価額の計算方法

一方、地方や路線価が設定されていない地域では「倍率方式」が採用されます。これは、固定資産税評価額に一定の倍率をかけて評価額を求める方法です。

 

基本計算式:

固定資産税評価額 × 評価倍率 = 敷地全体の評価額

 

たとえば、敷地全体の固定資産税評価額が3,000万円、評価倍率が1.1の場合、

3000万円 × 1.1 = 3300万円

 

この金額に敷地権割合を乗じて、5%の所有者であれば、

3300万円 × 5% = 165万円が相続税評価額になります。

 

どちらの方式も、正確な評価のためには、マンションの登記簿や路線価図、評価倍率表を参照し、専門家のアドバイスを受けるのが望ましいでしょう。特に市街地にあるマンションは補正率の適用も多岐にわたるため、慎重な計算が求められます。

 

【令和6年から適用】マンションに関する相続評価の新ルール

居住用マンションの相続税評価方法が改正され、新たに「区分所有補正率」が導入されました。これにより、特に高層階や築浅のマンションでは、相続税評価額が大幅に変動する可能性があります。

区分所有補正率の導入背景

以前は、マンションの評価額を算出する際、固定資産税評価額や路線価が基準として用いられていました。しかし、特にタワーマンションでは、市場での取引価格に比べて、相続税評価が3〜4割程度と非常に低く、節税対策として利用されるケースが増加していました。このような評価と市場価格の乖離を是正し、公平な課税を実現するため、区分所有補正率が導入されました。

区分所有補正率の算定方法

区分所有補正率は、以下の4つの要素を基に「評価乖離率」を算出し、その評価乖離率から「評価水準」を導き出すことで決定されます。

 

評価乖離率の計算

 

①築年数の影響(A)

築年数 × (–0.033)

 

②総階数の影響(B)

(総階数 ÷ 33) × 0.239

※総階数 ÷ 33 が1を超える場合は1として計算

 

③所在階の影響(C)

所在階 × 0.018

※地階は0として計算

 

④敷地持分狭小度の影響(D)

(敷地利用権の面積 ÷ 専有面積) × (–1.195)

 

これらを合算し、さらに3.220を加えることで評価乖離率が求められます。

 

④評価水準の計算

評価水準は、1を評価乖離率で除して算出されます。

 

補正値を反映した相続税評価額の計算方法

評価水準に応じて、区分所有補正率および補正後の相続税評価額は以下のように決定されます。

 

評価値が1より高くなる場合

区分所有補正率 = 評価乖離率

補正後の相続税評価額 = 補正前評価額 × 評価乖離率

評価値が0.6以上1未満の範囲にある場合

区分所有補正率 = 1(補正なし)

補正後の相続税評価額 = 補正前評価額

 

評価値が0.6未満の場合

区分所有補正率 = 評価乖離率 × 0.6

補正後の相続税評価額 = 補正前評価額 × 評価乖離率 × 0.6

 

この新たな評価方法により、特に高層階や築浅のマンションでは、相続税評価額が実勢価格に近づき、節税効果が薄れる可能性があります。一方で、築年数が経過し、低層階に位置するマンションでは、評価額が従来よりも下がるケースもあります。

 

マンションの相続手続きの流れ

マンションを相続した場合には、相続人間での協議や遺産分割、そして名義変更(相続登記)といった複数の手続きを段階的に進める必要があります。以下では、マンションの相続手続きにおける基本的な流れをわかりやすく解説します。

マンションを相続したら「相続登記(名義変更)」が必須

不動産を相続した際は、被相続人(亡くなった方)の名義から相続人の名義に変更する「相続登記」が必要です。登記手続きは法的な義務ではないものの、名義変更していないと売却や担保設定ができないため、実質的に避けては通れない手続きです。2024年4月からは相続登記が義務化され、3年以内に登記しなかった場合には10万円以下の罰則が科される可能性もあるため、速やかに対応することが求められます。

マンション相続登記の手続き方法

相続登記には、まず相続人の確定が必要です。被相続人の出生から死亡までの戸籍を収集し、法定相続人を確認します。その後、相続人全員で遺産分割協議を進め、マンションを誰が相続するかを決定します。協議がまとまったら「遺産分割協議書」を作成し、各相続人の署名・実印を押印します。

 

次に、相続登記に必要な書類を揃えます。主な書類は以下の通りです。

 

  • 被相続人の戸籍(出生から死亡まで)
  • 相続人全員の戸籍
  • 固定資産評価証明書
  • 遺産分割協議書
  • 相続人の印鑑証明書
  • 登記申請書

 

これらを準備した上で、不動産の所在地を管轄する法務局に申請します。申請は自分でも可能ですが、書類の不備や手続きの煩雑さを避けるため、司法書士に依頼するケースも多く見られます。

 

マンションの相続は金額も大きく、相続税の対象になることも多いため、税理士への相談も並行して行うのがおすすめです。早めに計画的に準備を進めることで、トラブルや追加負担を防げます。

 

マンションの相続税評価額に関してよくある質問

マンションの相続税評価に関して、多くの方が抱きやすい疑問を取り上げてご説明します。

マンションは生前贈与と相続、どちらで引き継ぐ方が得ですか?

マンションの引き継ぎ方法には「生前贈与」と「相続」の2つがありますが、それぞれにメリット・デメリットがあるため、一概にどちらが得かは状況によって異なります。

 

生前贈与では、暦年贈与や相続時精算課税制度を利用することで、一定の贈与税を抑えることが可能です。特に、将来的な相続税対策として、評価額が高くなる前に贈与するケースもあります。ただし、贈与税は相続税より税率が高めに設定されているため、贈与額によっては負担が大きくなることもあります。

 

一方、相続の場合は「小規模宅地等の特例」や「配偶者控除」などの相続税の軽減制度が適用できる可能性があります。また、マンションの相続税評価額は実勢価格より低くなることが多いため、結果的に税負担が少なくなることもあります。

 

たとえば、親が所有するマンションに子どもがすでに同居しているようなケースでは、相続時に特例の適用を受けやすくなるため、生前贈与よりも有利になることがあります。自宅や投資用不動産の用途、相続人の人数や関係性、評価額、将来の不動産市場の動向なども含めて、税理士などの専門家と事前に相談することが重要です。

 

マンション評価は、何階以上のマンションから適用されますか?

マンションの相続税評価では、原則として「固定資産税評価額」が基準になりますが、加えてマンション特有の評価調整もあります。特に高層階のマンションについては、実際の市場価値(実勢価格)に対し、相続税評価額が大きく下回る傾向があります。

 

国税庁の定める「財産評価基本通達」では、階数や眺望、日当たりなどは基本的に評価に反映されません。そのため、同じ建物内でも、1階と最上階で市場価格に数千万円の差があっても、相続税評価額にはその差が出にくいという特徴があります。

 

特に20階以上などの高層階にあるマンションでは、評価額が市場価格の6〜7割程度にとどまることもあります。この「評価のギャップ」を活用することで、相続税対策として高層マンションの購入を検討する人もいますが、税務調査で否認されるリスクもあるため、安易な活用には注意が必要です。

マンションの相続税評価額についてのまとめ

ここまで、マンションを相続した際の評価額の決まり方や、区分所有特有の注意点、そして令和6年以降の制度改正について解説してきました。要点をまとめると以下の通りです。

 

  • 相続税評価額は「土地(共有持分)+建物(専有部分)」に分けて計算される
  • 区分所有マンションでは、固定資産税評価額を基準に計算するのが一般的
  • 令和6年の制度改正により、特定条件を満たすマンションの評価額が見直される可能性がある

 

マンションの評価は市場価格とは異なるため、相続時には評価基準を正しく理解することが重要です。不安な場合は専門家に相談し、適正な申告・納税が行えるよう早めの準備を心がけましょう。今回の記事が相続手続きを進めるうえでの一助となれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

相続手続きが不安な方へ
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