土地を相続した場合、相続税がかかるのか気になりますよね。
この記事では、土地の相続税について、かかるのか、どういった計算方法で税額が決まるのか、どんな控除があるのかをわかりやすく解説します。
相続税について知りたい方は、ぜひご覧ください。
- 相続税とは
- 相続税が課税されるケースとは
- 土地を相続したときに活用できる控除や特例
土地に相続税はかかるのかについてご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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相続税とは
相続税とは、個人が亡くなった際に、その人の財産を相続した場合に課される税金です。
相続財産には、現金、土地、不動産、株式、預貯金などが含まれます。
日本では、一定の基礎控除額が設定されており、その額を超える財産に対して課税が行われます。
相続税の計算は、相続財産の評価額から基礎控除額を差し引いた残りに対して、累進課税方式で行われます。
税率は財産の金額に応じて異なり、相続人の数や相続財産の内容によっても影響を受けます。
適切な相続税対策を行うことで、税負担を軽減することが可能です。
相続税については、こちらの記事もお読みください。
相続税は、多くの方にとって複雑で気になる要素の一つではないでしょうか。 特に、「相続税はいくらからかかるのか」という疑問は、相続に直面した際に非常に重要です。 この記事では、相続税はいくらからかについて以下の点を中心にご紹介します![…]
相続税が課税されるケースとは
相続税が課税されるケースは、被相続人の遺産が基礎控除額を超える場合です。
基礎控除額は「3000万円+法定相続人の数×600万円」で計算されます。
この額を超える遺産がある場合、その超過分に対して相続税が課されます。
例えば、法定相続人が2人いる場合、基礎控除額は4200万円となります。
相続財産が4200万円を超えると、その超過部分に相続税がかかるのです。
相続財産には現金、不動産、有価証券などが含まれます。
相続税の申告・納税の期限
相続税の申告・納税の期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。
この期限内に、相続財産の評価、遺産分割協議、相続税の計算を行い、申告書を税務署に提出する必要があります。
期限を過ぎると、延滞税や加算税が課される可能性がありますので、注意が必要です。
また、納税は一括が基本ですが、納税資金の準備が難しい場合は、延納や物納といった方法も利用可能です。
適切な準備と計画が重要です。
土地の相続税評価額の計算方法
相続によって土地を受け継いだ場合、その土地に相続税がかかることがあります。
相続税の計算には、土地の評価額が重要な要素となります。
更地の評価方法
更地の評価方法は、相続税評価額を計算するために重要です。
更地の評価は、まず路線価方式か倍率方式のいずれかで行われます。
路線価方式は、国税庁が公表する路線価を基準にし、土地の面積を掛け合わせて評価額を算出します。
倍率方式は、固定資産税評価額に一定の倍率を掛けて計算します。
どちらの方式を用いるかは、土地の所在地によって異なります。
また、更地の形状や用途地域なども評価に影響を与えるため、正確な評価が求められます。
路線価方式
路線価方式は、相続税や贈与税の課税対象となる土地の評価方法の一つです。
国税庁が毎年公表する路線価を基に、土地の評価額を算定します。
路線価は、主要道路に面する土地1平方メートルあたりの価格を示しており、この価格に土地の面積を掛け合わせて評価額を算出します。
さらに、土地の形状や利用状況、周囲の環境などを考慮し、補正率を適用する場合もあります。
路線価方式は、特に都市部で多く用いられる評価方法です。
倍率方式
倍率方式は、相続税や贈与税の土地評価に用いられる方法の一つです。
この方式では、固定資産税評価額に地域ごとに定められた倍率を掛け合わせて土地の評価額を算出します。
路線価が設定されていない地域で主に利用され、地方の土地評価に適しています。
固定資産税評価額は、市区町村が3年ごとに見直すため、比較的安定した評価基準となります。
倍率方式は、評価手続きが比較的簡便であることから、広く利用されています。
土地評価額は、相続税の計算や財産の分配に直接影響を与えます。 しかし、土地の評価は、その位置、面積、用途、市場価格など、多くの要素を考慮する必要があります。 本記事では、相続における土地の評価額について以下の点を中心にご紹介します![…]
土地を相続したときの相続税の計算方法
土地を相続したとき、相続税がかかることがあります。
この相続税の計算には、土地の評価額が大きく関わってきます。
以下では、土地の相続税評価額の計算方法をわかりやすく解説します。
遺産総額を算出する
遺産総額を算出することは、相続税の計算において重要なステップです。
まず、被相続人が残した全ての財産をリストアップします。
これには、不動産、現金、預貯金、有価証券、生命保険金、家具、骨董品などが含まれます。
次に、それぞれの財産の評価額を計算します。
不動産は路線価や倍率方式で評価し、現金や預貯金はそのままの金額を用います。
有価証券は時価、生命保険金は受取額を基にします。
さらに、債務や葬儀費用などの控除項目も考慮し、総額から差し引きます。
最終的に残った金額が遺産総額となり、この金額が相続税の基礎となります。
適切な評価と控除を行うことで、正確な遺産総額を算出することができます。
計算が複雑な場合は、税理士などの専門家に相談することも一案です。
基礎控除額を差し引き課税遺産総額を出す
基礎控除額を差し引いて課税遺産総額を出すことは、相続税計算の重要なプロセスです。
基礎控除額は、「3000万円+法定相続人の数×600万円」という計算式で求められます。
まず、遺産総額を算出し、その総額から基礎控除額を引きます。
例えば、法定相続人が2人の場合、基礎控除額は4200万円(3000万円+2人×600万円)となります。
遺産総額が5000万円であれば、5000万円から4200万円を差し引いた800万円が課税遺産総額となります。
この課税遺産総額に対して、相続税率を適用して税額を計算します。
相続税率は累進課税方式で、課税遺産総額が大きいほど高い税率が適用されます。
基礎控除額を適切に計算し、正確な課税遺産総額を求めることが、相続税の負担を最小限に抑えるために重要です。
法定相続分の相続税額を求める
法定相続分の相続税額を求める手順は、まず遺産総額から基礎控除額を差し引き、課税遺産総額を算出することから始まります。
次に、課税遺産総額を法定相続人の法定相続分に応じて分割します。
法定相続分は、民法で定められた割合に基づいており、例えば配偶者と子供2人が相続人の場合、配偶者は1/2、子供は各1/4となります。
この分割後の金額に対して、相続税の税率を適用し、相続人ごとの相続税額を計算します。
相続税率は累進課税方式であり、相続分が多いほど高い税率が適用されます。
最後に、各相続人の相続税額を合計し、総額を出します。
この総額が、全体として支払うべき相続税額となります。
正確な計算を行うためには、税務署や専門家の助けを借りることも有効です。
実際の取得割合に応じて税額を出し控除額を差し引く
実際の取得割合に応じて相続税額を求める手順は、まず課税遺産総額を各相続人の法定相続分に基づいて分割し、それに対する相続税額を計算することから始まります。
次に、実際に相続した割合に応じて、各相続人の最終的な相続税額を求めます。
例えば、法定相続分より多く取得した場合、その追加部分に対しても税額を計算します。
逆に、法定相続分より少ない場合は、その分税額が減少します。
次に、各相続人が利用できる控除額を差し引きます。
控除額には、基礎控除の他に、配偶者控除や未成年者控除などが含まれます。
例えば、配偶者控除を適用することで、配偶者が受け取る相続財産のうち、一定額まで非課税とすることができます。
最後に、控除額を差し引いた後の金額が、各相続人が実際に支払うべき相続税額となります。
正確な計算には、税務署や専門家の助言を求めることが重要です。
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土地を相続したときに活用できる控除や特例
土地を相続したとき、相続税がかかることがあります。
しかし、相続税を軽減できる控除や特例がいくつか存在します。
以下では、土地の相続で活用できる控除や特例について、わかりやすく解説します。
小規模宅地等の特例
「小規模宅地等の特例」は、相続税の負担を軽減する制度です。
被相続人が使用していた宅地やアパート、貸付事業用の土地などが対象となります。
特定の条件を満たすことで、最大80%の評価額減額が適用されます。
例えば、居住用の宅地では330平米まで80%、貸付事業用の宅地では200平米まで50%の減額が受けられます。
この特例を活用することで、相続税の負担を大幅に軽減することが可能です。
配偶者の税額軽減
「配偶者の税額軽減」は、相続税に関する重要な特例です。
被相続人の配偶者が相続する場合、この特例により、1億6,000万円または法定相続分のいずれか大きい金額まで相続税がかかりません。
これにより、配偶者が財産を継承しやすくなるとともに、生活の安定を支えるための措置が講じられています。
特例の適用を受けるためには、適切な手続きが必要ですので、専門家への相談が推奨されます。
未成年者控除
「未成年者控除」は、相続税の軽減措置の一つで、未成年の相続人に対して適用されます。
相続人が18歳に達するまでの年数に応じて、相続税から1年あたり10万円が控除されます。
この控除は、相続税の負担を軽減し、未成年の相続人の生活基盤を安定させるための措置です。
2022年から成年年齢が18歳に引き下げられたため、控除の適用条件も変更されています。
相次相続控除
「相次相続控除」は、10年以内に複数の相続が発生した場合に適用される控除です。
同じ財産に何度も相続税が課される負担を軽減するための制度で、前回の相続開始から10年以内に相続が発生した場合、相続税額から控除される金額は1年につき10%減額されます。
これにより、相続税の総額が軽減されます。
贈与税額控除
相続開始前7年以内に被相続人から贈与された財産に対し支払った贈与税は、相続税から控除できます。
これは、贈与税と相続税の二重課税を避けるための措置です。
申告しても土地の相続税がかからないケースとは
土地を相続したとき、相続税がかかるイメージが強いですが、申告をしても相続税がかからないケースがあります。
以下では、申告をしても土地の相続税がかからないケースについて、わかりやすく解説します。
「申告=相続税がかかる」ではない
相続税の申告をしたからといって必ずしも税金がかかるわけではありません。
相続財産が基礎控除の範囲内であれば、申告は不要であり、税金も発生しません。
また、特例の利用により、申告しても税額が軽減される場合があります。
申告しても土地の相続税が抑えられる制度
土地にかかる相続税を抑える制度として、「小規模宅地等の特例」があります。
この特例により、自宅として使用されている土地を相続する場合、その評価額が最大で80%減額されます。
ただし、この特例を適用するには、いくつかの要件を満たす必要があります。
また、遺産分割協議が終わっていないと適用されないため、注意が必要です。
詳しい条件や手続きについては、専門家に相談することが推奨されます。
土地の相続に関する注意事項
土地を相続する際は、相続税だけでなく、様々な手続きや注意点があります。
以下では、土地の相続に関する重要な注意点をわかりやすく解説します。
死亡日の翌日から10カ月以内に申告する
相続税の申告は、相続開始日(通常は被相続人の死亡日)の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。
この期間内に、税務署に「相続税申告書」を提出し、相続税の納付を済ませなければなりません。
申告が遅れると、無申告加算税や延滞税が課される可能性があり、特例の適用も受けられない場合があります。
申告期限を守ることが重要です。
相続税申告手続きの基本的な流れ
相続税申告の基本的な流れは、次の通りです。
まず、相続財産の調査と評価を行い、遺産の総額を把握します。
次に、相続人や相続分を確定し、遺産分割協議を実施します。
その後、控除や特例の適用を検討し、相続税の申告書を作成します。
申告書は、相続開始日の翌日から10ヶ月以内に税務署に提出し、同時に相続税を納付します。
手続きが複雑な場合は、専門家に相談することが推奨されます。
数種類の申告書が必要
相続税の申告には、状況に応じて数種類の申告書が必要です。
たとえば、基本的な「相続税の申告書(第1表)」に加え、財産の内容や相続人の状況に応じて「不動産の明細書」や「配偶者控除の申告書」などを準備する必要があります。
これらの申告書は、控除や特例の適用を受けるために必要なもので、適切に準備しないと、控除の適用が認められないこともあります。
土地の活用で相続税を節税する際の注意点
土地の有効活用による相続税の節約は、資産管理の一部として極めて重要な要素のひとつです。
しかし、その際には様々な注意点が存在します。
ここでは、土地活用で相続税を節税する際の注意点について詳しく解説します。
早めに相続税対策を始める
相続税は、亡くなった方からの遺産を取得した方に課せられる税金です。
相続税の計算は複雑で、相続財産の評価額によって大きく変わります。
そのため、相続税を節税するためには早めに対策を始めることが重要です。
具体的に言うと、相続が起こった後では対策を立てることはできません。
そのため、余裕を持って土地の相続税対策を行うことをおすすめします。
特に、相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算され、遺産の総額が基礎控除額を超える場合に相続税がかかります。
したがって、早めに対策を始めることで、相続税の節税効果を最大化することが可能です。
相続税の節税だけでなく、収益性も重要な要素
土地を相続した場合、相続税の節税だけでなく、収益性も重要な要素となります。
土地活用の方法は多岐にわたり、アパート経営やマンション経営、駐車場経営などがあります。
これらの活用法は、初期投資と収益性、リスクの大きさ、管理の手間などを考慮して選ぶことが必要です。
特に、相続税の対策と並行して、相続後の利益性も考慮に入れた土地の活用方法の選択は重要です。
資産を減らさないように、安定した経営と高収益が見込める活用がおすすめです。
一次相続だけでなく二次相続も考慮する
相続税対策を考える際には、一次相続だけでなく二次相続も考慮することが重要です。
配偶者が納付する相続税額は、相続税の総額を実際に相続した財産の課税価格に応じて按分されます。
しかし、配偶者控除を使って相続税を抑えることができたとしても、次の相続では大きく課税されてしまう可能性があるため、注意が必要です。
したがって、一次相続だけでなく、二次相続も視野に入れて相続税対策を行うことが大切です。
これにより、長期的な視点から最適な相続税対策を立てることが可能となります。
土地に相続税はかかるのかについてまとめ
土地に相続税はかかるのかについてお伝えしてきました。
土地に相続税はかかるのかについてまとめると以下の通りです。
- 相続税とは、個人が亡くなった際に、その人の財産を相続した場合に課される税金をさす
- 基礎控除額は「3000万円+法定相続人の数×600万円」で計算され、この額を超える遺産がある場合、その超過分に対して相続税が課される
- 土地を相続したときに活用できる控除や特例は、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減などが挙げられる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。