相続は、故人が残した財産を引き継ぐ重要な手続きです。
特に現金の相続には、法的な手続きや税務上の注意点があります。
本記事では、相続する際のお金の渡し方について以下の点を中心にご紹介します。
- 預金と現金の相続での違い
- 現金を相続するメリット
- 現金を相続する際の注意点
相続する際のお金の渡し方について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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相続上の現金の取り扱い

相続が発生した際、現金と預金は相続財産として重要な位置を占めます。
しかし、これら二つの資産は、相続における取り扱いが異なる点がいくつかあります。
預金と現金の相続での違い
預金は、被相続人名義の銀行口座に存在する金額で、相続手続きを経て、正式に相続人の名義に書き換えることが必要です。
それに対して、現金は物理的な資産として直接保有でき、一般的には相続が発生した時点で、すぐに相続人に移されます。
相続税の申告義務
相続税の申告においては、被相続人が亡くなった時点で保有していた現金や預金は全て課税対象財産となります。
現金に関しては、被相続人が管理していた金額が相続財産となり、預金については被相続人の名義となっているものが相続財産となるのが原則です。
現金を相続した場合の相続税の計算方法

相続税は、故人から引き継がれる財産に対して課される税金です。
特に現金の相続は、そのシンプルさから計算が比較的容易ですが、正確な計算方法を理解することが重要です。
相続税の計算方法
相続税の計算は、以下の手順に従って行われます。
- 相続財産の評価:まず、故人が残した全ての財産を評価します。
現金の場合、その額面がそのまま評価額となります。 - 基礎控除の適用:次に、基礎控除額を適用します。
2021年の情報に基づくと、基礎控除額は3,000万円+(600万円×法定相続人の数)です。
この控除額を相続財産の評価額から差し引きます。 - 課税遺産総額の算定:基礎控除後の残額が課税遺産総額となります。
- 相続税率の適用:課税遺産総額に対して、相続税率を適用します。
税率は、課税遺産総額に応じて段階的に増加します。
相続財産が現金である場合の評価方法
現金を相続する場合、その評価は非常に直接的です。
相続開始日における現金の額面が、そのまま相続財産の評価額となります。
例えば、故人が1,000万円の現金を残していた場合、その1,000万円が相続財産の評価額として計算されます。
計算例
故人が1,000万円の現金を残し、法定相続人が1人の場合の相続税の計算は以下のようになります。
- 相続財産の評価額:1,000万円
- 基礎控除額:3,000万円+(600万円×1人)= 3,600万円
- 課税遺産総額:1,000万円 – 3,600万円 = 0円(基礎控除額を超えないため、相続税は0円)
この例では、基礎控除額を超えないため、相続税は発生しません。
しかし、相続財産が基礎控除額を超える場合は、超える分に対して相続税が課されます。
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相続において、現金は最もシンプルで分かりやすい資産の一つですが、相続税の観点からは注意が必要です。 現金はそのままの額で相続税の課税対象となるため、適切に対策を講じなければ予想以上の税負担が発生することがあります。 本記事では、[…]
現金を相続する際の注意点

相続において現金は、その取り扱いのシンプルさから他の財産形態と比較しても特別な注意が必要です。
以下では、現金を相続する際の重要なポイントを解説します。
現金は遺産分割協議で分配する
相続が発生した際、現金は遺産分割協議の対象となります。
これは、相続人全員が参加する協議によって、誰がどの程度の現金を受け取るかを決定するプロセスです。
この協議は、相続人間の合意が必要であり、法定相続分に従う必要はありません。
しかし、全員の合意が得られるまで、個々の相続人は現金に自由にアクセスすることはできません。
この段階で公平な分配が行われることが、後のトラブルを避けるためには不可欠です。
現金を隠す行為は絶対にNG
相続財産を隠す行為は、法的にも道徳的にも許されるものではありません。
現金を隠すことは、相続税の適正な申告を妨げ、場合によっては刑事罰の対象となる可能性もあります。
また、相続人間の信頼関係を損ない、家族間の紛争を引き起こす原因ともなり得ます。
相続財産隠しは、相続税法に基づく申告義務違反や、民法上の不法行為として損害賠償責任を問われることもあります。
したがって、透明性を持って相続プロセスに臨むことが、全ての関係者にとって最善の道です。
現金を相続するメリット

相続財産としての現金は、その取り扱いのシンプルさと即時性において、他の資産形態と比較して多くの利点を提供します。
手続きがシンプルで簡単
現金の相続は、不動産や株式など他の資産に比べて、手続きが非常にシンプルで簡単です。
名義変更や評価の必要がなく、相続人間での合意があれば、迅速に分配が可能です。
これにより、相続に関わる行政的な負担が軽減され、プロセスがスムーズに進行します。
相続人同士で公平に分けやすい
現金は、その額面が明確であるため、相続人間での公平な分配が容易に行えます。
特に複数の相続人がいる場合、現金は等分に分けることが可能であり、遺産分割協議において紛争を避ける助けとなります。
相続後すぐに使える
相続が完了した後、現金はすぐに使用することができます。
これは、相続人が直面するかもしれない急な経済的ニーズに対応するための大きな利点です。
不動産などの資産を現金化するためには時間がかかることが多いのに対し、現金は即座に利用可能です。
続税の納税や遺留分の支払いに使える
相続税の納税や遺留分の支払いに現金を使用することができます。
これにより、他の資産を売却することなく、税金や法的な義務を果たすことが可能となります。
また、相続税の納税期限に間に合わせるためには、現金の流動性が非常に重要です。
現金を相続するデメリット

相続における現金は、その即時性と分配の容易さから多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
以下は、現金を相続する際のデメリットについての詳細な解説です。
現金は全てが課税の対象となる
現金を相続する際の最大のデメリットは、その全額が相続税の課税対象となることです。
不動産や株式など他の資産と異なり、現金は時価評価額の軽減が原則としてありません。
そのため、相続税の計算においては、現金は額面通りに全額が課税されます。
これは、相続税の負担を重くする要因となり得ます。
取り分の差により相続人同士のトラブルが起こる可能性
現金の相続は、相続人間での分配が容易である一方で、取り分の差によってトラブルが生じる可能性があります。
現金の額が明確であるため、少しの差異でも相続人間での不公平感を生じさせ、家族間の争いに発展することがあります。
特に、遺産分割協議がスムーズに進まない場合、現金の分配を巡る対立は深刻な問題となることがあります。
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相続税の申告後・納税後に出てきた現金を申告しなかった場合

相続税の申告は、故人の財産を正確に国に報告し、適切な税金を納める法的義務です。
しかし、申告や納税完了後に新たに現金が見つかった場合、その現金を申告しない選択をする相続人もいます。
この行為は、税務上の違反となり、重大な法的責任を負うことになります。
現金の申告をしなかった場合のペナルティ
申告漏れが発覚した場合、税務署は無申告加算税を課すことがあります。
これは、本来納付すべき税額に対して一定の割合を加算した税金で、申告漏れの金額や悪質性によって異なります。
さらに、意図的な隠蔽が認められた場合は、重加算税や刑事罰の対象となることもあります。
現金を他の相続人に隠して遺産分割をした場合のリスク
相続人が故意に現金を隠し、遺産分割を行った場合、その行為は横領や詐欺と見なされる可能性があります。
また、後に隠し財産が発覚した場合、遺産分割協議の無効や再協議を余儀なくされることがあり、相続人間の信頼関係にも深刻な影響を及ぼします。
相続税の申告後に見つかった現金を申告しないことは、法的なリスクだけでなく、相続人間の関係にも悪影響を及ぼすため、見つかった現金は速やかに申告することが重要です。
相続税の専門家に相談し、適切な手続きを行うことをおすすめします。
現金を相続すると相続税が高くなる?

相続財産の中で現金は、その取り扱いのシンプルさから特別な注意が必要な資産です。
現金を相続すると、相続税が高くなるというのは、一般的な認識として広く知られています。
しかし、その理由や背景を理解することは、効果的な相続税対策を立てる上で非常に重要です。
現金の相続税評価
現金は、相続税の評価において、その額面がそのまま評価額となります。
これは、不動産や株式などの他の資産とは異なり、時価評価額の軽減が原則としてありません。
したがって、現金をそのまま相続すると、相続税の課税対象額が高くなる可能性があります。
不動産との比較
不動産の場合、相続税評価額は市場価格よりも低く設定されることが一般的です。
さらに、小規模宅地等の特例などを利用することで、相続税評価額を下げることが可能です。
これに対して、現金は特例や控除が適用されず、額面通りの評価となるため、相続税の負担が大きくなりがちです。
現金相続の税務対策
現金を相続する際に相続税が高くなることを避けるためには、生前の税務対策が重要です。
例えば、年間110万円の贈与税基礎控除を利用した贈与や、生命保険の活用、住宅取得資金の贈与の特例など、さまざまな方法があります。
これらの対策を通じて、相続税の負担を軽減することが可能です。
現金を含めた遺産を相続する場合の分割方法

相続財産の中に現金が含まれる場合、その分割方法は相続人間の合意や財産の性質によって異なります。
主に4つの方法があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
現物分割
現物分割は、財産をそのままの形で相続人に分配する方法です。
現金、不動産、株式など、各相続人が相続財産の一部を直接受け取ります。
この方法の利点は、財産の価値を変えずに分割できることです。
しかし、財産の性質上、分割が難しい場合もあります。
換価分割
換価分割は、財産を売却して得た現金を分配する方法です。
不動産や株式など、容易に分割できない財産を現金化し、その後で現金を分配します。
この方法は、相続人間で公平な分配を実現しやすいですが、売却による財産価値の減少や、売却に時間がかかるというデメリットがあります。
代償分割
代償分割では、一部の相続人が財産を取得し、他の相続人に対してその価値に相当する金額を支払います。
この方法は、特定の財産に対する愛着や利用価値が高い場合に適しています。
ただし、代償金を支払うための資金計画が必要です。
代償分割は、遺産相続における複雑な問題を解決するための一つの方法です。 特に、不動産など分割が困難な財産が関わる場合、この手法は相続人間の公平な遺産分配を実現するための鍵となります。 しかし、代償分割を適切に行うためには、そのメカニ[…]
共有分割
共有分割は、相続財産を相続人全員の共有名義とする方法です。
共有名義にすることで、すぐに分割を決定しなくても済みますが、後の管理や売却において相続人間の意見の不一致が生じる可能性があります。
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現金を相続した場合の手続き方法

相続が発生した際、現金を含む財産の適切な手続きは、相続人にとって重要な手続きです。
ここでは、現金相続における手続きの流れを、遺言書の確認から相続税の納付まで、段階的に解説します。
遺言書の確認~相続人・財産の調査、遺産分割協議
- 遺言書の確認:まず、故人が遺言書を残しているかを確認します。
遺言書がある場合は、その内容に従って手続きを進めます。 - 相続人の特定:故人の法定相続人を特定し、相続権がある人物を明確にします。
- 財産の調査:故人の財産、特に現金の存在と額を正確に把握します。
- 遺産分割協議:相続人全員で遺産分割協議を行い、現金を含む財産の分配方法を決定します。
遺産分割協議書の作成、相続手続
- 遺産分割協議書の作成:協議で決定した内容を文書にし、遺産分割協議書を作成します。
この書類は、後の手続きで重要な証拠となります。 - 相続手続き:銀行や証券会社など、故人名義の資産を相続人に移転するための手続きを行います。
相続税申告、納付手続き
- 相続税の計算:相続財産の評価を行い、相続税の額を計算します。
- 相続税申告:相続税の申告書を作成し、税務署に提出します。
- 相続税の納付:申告した相続税を納付します。
現金がある場合は、その一部を税金の支払いに充てることができます。
相続は、我々の生活に大きな影響を与える重要な出来事です。 特に、現金の相続はその影響が直接的で、即時に感じられます。 しかし、現金を相続することにはメリットとデメリットがあります。 また、相続税の計算方法や節約策、さらにはタンス預[…]
相続税をかけずに現金を相続人に残す方法

相続税の計算は複雑で、多くの人がその対策に頭を悩ませています。
しかし、適切な計画と知識を持つことで、相続税を軽減し、大切な財産を家族にしっかりと引き継ぐことが可能です。
ここでは、相続税をかけずに、現金を相続人に残す方法をいくつかご紹介します。
1年に110万円ずつ贈与する
年間110万円の贈与税の基礎控除を利用する方法です。
この控除を活用することで、贈与者は受贈者に対して毎年最大110万円までの贈与を税金がかからずに行うことができます。
これを継続することで、相続発生時の財産を減らし、相続税の負担を軽減することが可能です。
住宅取得等資金の贈与の特例を利用する
住宅取得やリフォームに必要な資金を贈与する場合、住宅取得等資金の贈与の特例を利用することができます。
この特例では、一定の条件を満たす場合に限り、贈与税が非課税となるため、大きな節税効果が期待できます。
教育資金の一括贈与の特例を利用する
教育資金の一括贈与の特例は、直系尊属から子や孫に対して、教育資金を目的とした一括贈与を行った場合に、最大1500万円までの贈与税が非課税となる制度です。
これにより、教育費用の負担を軽減しながら、相続税の節税も図ることができます。
結婚・子育て資金の一括贈与の特例を利用する
結婚や子育てに関わる資金を一括で贈与する場合、結婚・子育て資金の一括贈与の特例が利用できます。
この特例では、最大1000万円までの贈与が非課税となり、若い世代の経済的な支援と相続税の節税を同時に行うことが可能です。
これらの方法を駆使することで、相続税の負担を軽減し、大切な財産を家族にしっかりと引き継ぐことができます。
ただし、各特例にはそれぞれ条件がありますので、詳細は専門家に相談することをおすすめします。
相続する際のお金の渡し方についてのまとめ

ここまで、相続する際のお金の渡し方についてお伝えしてきました。
相続する際のお金の渡し方の要点をまとめると以下の通りです。
- 預金と現金の相続における違いは、預金は被相続人名義の銀行口座に存在する金額で、相続手続きを経て、正式に相続人の名義に書き換えることが必要
一方、現金は物理的な資産として直接保有でき、一般的には相続が発生した時点で、すぐに相続人に移される - 現金を相続するメリットは、手続きがシンプルで簡単、相続人同士で公平に分けやすい、相続後すぐに使える、続税の納税や遺留分の支払いに使えるなど
- 現金を相続する際の注意点は、現金は遺産分割協議で分配する、現金を隠す行為は絶対にNGなど
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


