不動産の相続税は、相続財産に対して課税される税金であり、正しい計算と対策が必要です。不動産は評価額が大きくなることが多いため、相続税の負担が大きくなる可能性があります。
本記事では不動産の相続税の計算方法について以下の点を中心にご紹介します。
- 不動産の相続でかかる税金とは
- 不動産の相続税の計算の流れ
- 不動産の相続税を減らせる方法はあるのか
不動産の相続税の計算方法について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
相続ナビに相続手続きをお任せください。
スマホ・PCで登録完了
役所などに行く必要なし
相続税とは?

相続税とは、亡くなった人(被相続人)の財産を相続する際に発生する税金です。相続税は、相続財産の価値に応じて計算され、原則として相続人個人に納税義務が課せられます。相続税の額は、相続した財産の総額に基づいて決定されます。
- 申告・納税先: 被相続人の住所地を管轄する税務署
- 申告・納税期限: 相続の事実を知った日の翌日から起算して10ヶ月以内
期日を過ぎると、延滞税や加算税が課されるため、期限内の申告と納税が必要です。相続した場合は、期限内に必ず手続きを済ませることが求められます。
不動産の相続でかかる税金とは

不動産を相続した際に発生する主な税金は、相続税と登録免許税です。相続税は、相続財産の評価額に基づいて計算され、相続が発生した時点で納付が求められます。また、相続人以外の人が遺言で不動産を受け取る「特定遺贈」の場合には、不動産取得税も課税されます。
さらに、不動産を所有し続ける場合、毎年固定資産税や都市計画税が課せられます。もし相続した不動産を売却する場合は、譲渡所得に対して所得税や住民税、復興特別所得税がかかることもあります。
不動産の相続に関わる税金は大きく分けて以下の3つのタイミングで発生します。
取得時
- 相続税
- 登録免許税
- 不動産取得税(特定遺贈の場合)
所有期間中
- 固定資産税
- 都市計画税
売却時
- 所得税
- 復興特別所得税
- 住民税
このうち、特に高額となりやすいのが相続税であり、重要な部分について詳しく解説していきます。後半では、固定資産税や登録免許税についても簡単に触れます。
不動産の相続税の計算方法

不動産を相続した場合の相続税の計算について以下で解説します。
相続人の確定
相続税計算の最初のステップは、相続人を確定することです。家族のなかで養子や認知された子がいる場合、これを確認することで相続の分割や相続税額に影響を与えるため、重要です。
相続人を確定するには、被相続人のすべての戸籍謄本を取得する必要があります。これは市役所や区役所で手続きを行い、転籍や除籍なども含めて正確に確認します。
相続財産の確認
次に、相続する財産を確認します。不動産の場合、固定資産評価証明書、登記事項証明書、地積測量図など、必要な書類を収集します。これらの書類は市役所や法務局で取得可能です。不動産の種類によって、評価方法や税額が異なるため、正確な情報を基に評価を進めます。
不動産の相続税評価額を算出
不動産の相続税評価額は、土地と建物に分けて計算されます。土地の評価方法には、路線価方式と倍率方式があります。
路線価方式
路線価が設定されている地域では、土地の価値を路線価に基づいて計算します。路線価に補正率や面積を掛け算し、評価額を求めます。
倍率方式
路線価がない地域では、固定資産税評価額に一定の倍率を掛けて計算します。
建物については、固定資産税評価額に1.0を乗じて評価します。賃貸物件の場合、土地は貸家建付地、建物は貸家として評価します。
相続税額の計算
相続税の計算は、まず正味の遺産総額を算出し、そこから基礎控除を差し引いた課税遺産総額を求めます。次に、法定相続分に応じて各相続人が取得する金額を計算し、それに基づいて税額を算出します。
各相続人の相続税額は、相続税の税率表に従って計算されます。相続税率は、相続財産の金額に応じて段階的に設定されており、取得額が多いほど税率が高くなります。
各相続人の相続税額を割り振る
最終的に、相続税の総額を各相続人に分け、各自の納税額を算出します。税額控除などが適用される場合は、その分を差し引きます。
不動産の相続税を減らせる方法はあるのか

不動産を相続する際の相続税は、大きな負担となることがありますが、国は税負担を軽減するための特例や控除制度を用意しています。特例や控除制度をうまく活用することで、相続税額を減らすことが可能です。以下の特例や控除を確認していきましょう。
小規模宅地等の特例
相続した自宅や事業用の土地、賃貸用不動産に関しては、「小規模宅地等の特例」を利用することで、最大で8割の減額が可能です。小規模宅地等の特例が適用されると、例えば5,000万円の自宅の土地に対して、相続税評価額は1,000万円に減額されることになります。この特例を適用するためには、一定の要件を満たす必要があるため、詳細を確認し、申請を行うことが重要です。
配偶者の税額軽減
配偶者に対しては、相続税を軽減するための特例が設けられています。配偶者が相続する遺産が1億6,000万円を超える場合や、配偶者の法定相続分相当額が多い場合、相続税がかかりません。
よって、配偶者が残された財産で今後の生活を維持できるよう配慮されています。ただし、配偶者が亡くなった後の二次相続において、相続税の負担が大きくなることもあるため、注意が必要です。
未成年者控除
相続人が未成年者の場合、相続税から未成年者控除を受けることができます。控除額は、未成年者が18歳になるまでの年数に応じて計算され、1年あたり10万円が控除されます。この控除を適用することで、相続税の負担を軽減することができます。
障害者控除
障害者が相続人である場合、障害者控除が適用されます。この控除は、障害者が85歳に達するまでの年数に応じて計算されます。特別障害者の場合、1年あたり20万円、通常の障害者の場合は10万円が控除されます。この制度により、障害者相続人の相続税負担を軽減することができます。
相次相続控除
相続が短期間内に続いた場合、相次相続控除を利用することで、過去の相続税額を一部軽減することができます。例えば、父親の相続から8年後に母親の相続が発生した場合、前回の相続税額の一部を控除することができます。控除額は、前回の相続税額から1年につき10%ずつ減額した額が、今回の相続税額から差し引かれます。
不動産の相続税を支払えない場合どうすればよいのか?

相続した不動産に対する相続税を支払うための現金が不足することは珍しくありません。相続税の支払いが困難になることがある場合、どうすればよいのでしょうか。以下で解説します。
1. 延納
相続税の支払いが難しい場合、一定の条件下で「延納」を利用できます。これは、相続税額が10万円を超え、金銭での納付が困難な場合に、納税を後に延期することができる制度です。ただし、延納を利用すると利息がかかるため、その点も考慮して計画を立てる必要があります。
2. 物納
延納でも支払いが困難な場合には「物納」を選択できます。物納は、不動産そのものを相続税の納付に充てる方法で、金銭ではなく不動産を納めることができます。ただし、物納に使用できるのは、相続財産の中で、担保になっていない不動産に限られます。そのため、事前に適用できる不動産を確認しておくことが大切です。
3. 遺産の売却
相続税を支払うために、不動産を売却して現金化する方法もあります。しかし、売却には時間がかかり、急いで売った場合には予想以上に安く売却してしまうリスクもあります。また、売却によって新たな税金が発生し、結果として納税資金が足りなくなる場合もあります。売却を選択する際は、慎重にタイミングを見極めることが重要です。
4. 金融機関からの借り入れ
金融機関からの借り入れを利用して、相続税を支払う方法もあります。しかしこの方法を利用する場合は、融資審査を通過する必要があり、時間がかかることがあります。また、相続後すぐに融資が難しくなる場合もあるため、事前に資金不足を確認し、納税資金を確保するための対策を検討しておくことをおすすめします。
不動産の相続税の計算方法についてのよくある質問

不動産の相続税の計算方法についてのよくある質問は以下のとおりです。
7000万の不動産を相続したら相続税はいくらですか?
例えば、相続財産のなかで不動産の評価額が6,000万円、全体の遺産総額が7,000万円だとします。この場合、不動産が占める割合は、6,000万円 ÷ 7,000万円 = 約85%となります。
相続税は遺産総額に基づいて計算されますが、不動産の評価額が高いため、相続税額の多くが土地にかかることになります。この割合を元に相続税額を算出するためには、まず全体の課税遺産総額を算出し、そこから不動産の部分に対する相続税を求める必要があります。
10年放置した土地には相続登記の義務がありますか?
2024年4月1日から、相続によって取得した土地の名義変更、つまり相続登記が義務化されることが決まりました。この新たな規定では、相続が発生した日から3年以内に相続登記を行う必要があります。そのため、相続してから10年以上放置していた土地についても、相続登記を義務として行わなければなりません。
不動産の相続税の計算方法についてのまとめ

ここまで不動産の相続税の計算方法についてお伝えしてきました。不動産の相続税の計算方法についての要点をまとめると以下のとおりです。
- 不動産を相続した際に発生する主な税金は、相続税と登録免許税
- 不動産の相続税の計算の流れは、相続人の確定と相続財産の確認をしてから、不動産の相続税評価額を算出をする。次に、相続税額の計算をして、各相続人の相続税額を割り振られる
- 不動産の相続税を減らす方法には、小規模宅地等の特例、配偶者の税額軽減、未成年者控除、障害者控除がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。