株の相続手続きは、遺産の中でも特に複雑で重要な手続きです。
相続人が株式を適切に受け継ぐためには、証券会社とのやり取りや名義変更手続き、相続税の申告など、多くのステップを踏む必要があります。
株の相続手続きについて気になる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、株の相続手続きについて以下の点を中心にご紹介します!
- 株の相続手続き方法
- 節税対策について
- 株を相続する際の注意点
株の相続手続きについて理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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株の相続手続き方法

株式を相続する際には、他の財産とは異なる特有の手続きが必要です。
以下に、株の相続手続きの基本的な流れを説明します。
1.遺言書の確認と相続財産・相続人の調査
- 被相続人の遺言書がある場合は内容を確認します。遺言書がない場合は、相続人を確定するために戸籍謄本を取り寄せます。
- 被相続人が保有していた株式の種類や数量を調査します。証券会社の取引残高報告書や株式の保管場所を確認します。
2.準確定申告の実施
- 被相続人が死亡した年の1月1日から死亡日までの所得について、準確定申告を行います(死亡日から4カ月以内)。
- 株式の配当金も所得として申告する必要があります。
3.遺産分割協議の実施
- 遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議を行い、株式を含む財産の分割方法を決定します。
- 遺産分割協議書を作成し、相続人全員の署名と押印を行います。
4.株式の名義変更手続き
- 遺産分割協議で決定した内容に基づき、証券会社や発行会社に対して株式の名義変更を行います。
- 名義変更には以下の書類が必要です。
- 遺産分割協議書(または遺言書)
- 被相続人の戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 株式の残高証明書
- その他証券会社や発行会社が指定する書類
5.相続税の申告・納税
- 相続開始から10カ月以内に相続税の申告・納税を行います。
- 株式の評価額を正確に算定する必要があります。
- 上場株式は死亡日の終値や前後月の平均価格の中で最も低い価格で評価されます。
- 非上場株式は特殊な評価方法が適用されるため、専門家の支援が推奨されます。
6.株式の売却手続き(必要に応じて)
- 相続後に株式を売却する場合、譲渡所得税が発生します。取得価格は被相続人の購入時の価格を基準とします。
- 非上場株式を売却する際には、発行会社の譲渡制限などに注意が必要です。
株の相続手続きは、調査や書類準備が多く、税務処理も含むため非常に複雑です。
正確な対応を行うためには、税理士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
株を相続するときにかかる費用

株式を相続する際には、税金や手続きに関わる費用が発生します。
また、手続きを進めるためには特定の書類が必要となります。
以下に、具体的な費用と必要書類を解説します。
かかる費用
- 相続税
- 株式は相続財産として評価され、相続税の課税対象になります。
- 評価額は以下の方法で算定されます。
- 上場株式:被相続人の死亡日の終値や前後月の平均価格
- 非上場株式:会社の財務状況や資産価値を基にした特殊な評価
- 相続税は、相続財産の総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合に課税されます。
- 名義変更手数料
- 証券会社や発行会社で株式の名義変更を行う際に手数料が発生する場合があります。
- 手数料の金額は証券会社や株式の種類によって異なります。
- 専門家への依頼費用
- 相続税申告や株式の評価には、税理士や弁護士のサポートが必要になる場合があります。
- 費用は依頼内容や財産の複雑さによって異なりますが、相続財産の評価額に応じて報酬が発生するのが一般的です。
- 証明書の取得費用
- 戸籍謄本、住民票、残高証明書などの必要書類を取得する際の費用がかかります。
- 1通あたり数百円〜1,000円程度
必要な書類
- 被相続人に関する書類
- 戸籍謄本(出生から死亡までの連続したもの)
- 除籍謄本
- 遺言書(ある場合)
- 相続人に関する書類
- 各相続人の戸籍謄本
- 住民票
- 株式に関する書類
- 株式残高証明書(証券会社または発行会社で取得)
- 株券(もし紙の株券が発行されている場合)
- その他
- 遺産分割協議書(遺言書がない場合)
- 遺産評価に必要な書類(会社の財務諸表や決算書など、非上場株式の場合)
株式の相続には、評価や手続きに応じた費用が発生します。
また、正確な手続きを行うために、必要書類を事前に準備しておくことが重要です。
専門家に相談することで、手続きの円滑化や費用の最適化を図ることができます。
株の相続の計算方法

株式を相続する際には、その評価額を算定し、相続税の申告に反映させる必要があります。
評価方法や相続税の計算は、株式の種類や相続財産の総額に応じて異なります。
以下に詳細を解説します。
評価額の計算方法
株式の評価額は、相続税法に基づいて計算されます。
株式の種類(上場株式または非上場株式)によって評価方法が異なります。
上場株式の場合
上場株式の評価額は、被相続人の死亡日またはその前後の日付に基づいて算定されます。
以下の4つの価格の中で最も低い価格が評価額として採用されます。
- 死亡日の終値
- 死亡日の属する月の終値の平均値
- 死亡日の前月の終値の平均値
- 死亡日の翌月の終値の平均値
この方法により、株式市場の変動による影響を最小限に抑えることが可能です。
非上場株式の場合
非上場株式の評価は、会社の財務状況や利益、資産価値を基にした特殊な方法で行われます。
主に以下の基準が用いられます。
- 類似業種比準方式
- 上場企業の同業種の株価を参考にして評価します。
- 利益や純資産に応じて評価額が決定されます。
- 純資産価額方式
- 会社の純資産額を基に評価します。
- 会社が保有する土地や建物などの資産が多い場合に適用されることが一般的です。
- 配当還元方式
- 配当金の額を基に評価します。
- 主に会社との関係が薄い少数株主に適用されます。
非上場株式の評価は複雑であるため、税理士など専門家の支援が推奨されます。
相続税の計算方法
相続税は、相続財産の評価額に基づいて算定されます。計算の流れは以下の通りです。
- 基礎控除額を計算
- 基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
- 課税遺産総額を算出
- 相続財産の総額から基礎控除額を差し引きます。
- 税率を適用
- 課税遺産総額に応じた税率を適用して相続税額を計算します。
- 税率は10%〜55%の累進課税です。
- 控除を適用
- 配偶者控除や未成年者控除など、適用可能な控除を差し引き、最終的な相続税額を決定します。
節税対策について

株式の相続においては、相続税の負担を軽減するための節税対策が重要です。
以下に、効果的な節税方法として「生前贈与」と「取得費の特例」を解説します。
生前贈与
概要
- 生前に株式を贈与することで、相続財産の総額を減らし、相続税の負担を軽減する方法です。
- 贈与税には年間110万円の基礎控除があるため、この範囲内での贈与を計画的に行うことで、贈与税を支払わずに資産を移転することが可能です。
非課税の特例
- 教育資金の一括贈与:1,500万円まで非課税
- 結婚・子育て資金の一括贈与:1,000万円まで非課税
- 住宅取得等資金の贈与:一定条件のもと最大1,000万円まで非課税
注意点
- 生前贈与を行った財産は、相続開始前7年以内のものが相続財産に加算されるため、計画的に進める必要があります。
- 非上場株式の贈与には、株式の評価や贈与税の計算が複雑になる場合があるため、専門家の助言を受けることを推奨します。
取得費の特例
概要
- 相続した株式を売却する際、被相続人が購入した際の取得費を引き継ぐことができます。
- 取得費は売却時の譲渡所得税の計算に使用されるため、この特例を活用することで、譲渡所得税を抑えることが可能です。
計算方法
- 譲渡所得=売却価格-(取得費+売却手数料)
- 被相続人の購入価格が取得費として認められるため、購入価格の記録が重要です。
注意点
- 取得費の特例を活用するためには、被相続人の購入価格や関連する書類(購入明細や証券会社の取引記録など)が必要です。
- 書類がない場合は「概算取得費」(売却価格の5%)が適用され、結果的に譲渡所得税が高額になる可能性があります。
節税対策は、計画的に進めることで相続税や譲渡所得税の負担を軽減する効果があります。ただし、税制のルールは複雑なため、専門家のアドバイスを受けながら進めることが重要です。
株を相続する際の注意点

株式の相続には、特有の手続きや税務面の考慮が必要であり、注意すべきポイントがいくつかあります。以下に、株を相続する際の主な注意点をまとめます。
1.名義変更を早めに行う
- 株式の相続後は、速やかに名義変更を行うことが必要です。
名義変更を怠ると、配当金の受け取りや議決権の行使に支障が出る場合があります。 - 名義変更には、遺産分割協議書や戸籍謄本などの書類が必要です。証券会社や発行会社の手続き要件を事前に確認しましょう。
2.株式の評価額を正確に算定
- 株式の評価額は相続税申告に必要です。評価方法は以下のように異なります。
- 上場株式:死亡日の終値や前後月の平均価格など、4つの価格の中で最も低い価格で評価します。
- 非上場株式:特殊な評価方法が適用され、専門的な計算が必要です。
- 評価額の算定ミスは相続税の過不足につながるため、税理士のサポートを受けるのが望ましいです。
3.遺産分割協議の重要性
- 株式を複数の相続人で分割する場合は、遺産分割協議を行い、全員の同意を得る必要があります。
- 株式は分割が難しい財産であるため、分割方法について十分に話し合いましょう。
- 例:株式そのものを共有する、売却して現金化するなど。
4.税金に関する注意
- 相続税:相続開始から10カ月以内に申告・納税を行う必要があります。
- 譲渡所得税:相続後に株式を売却する場合、譲渡所得税が課されます。取得費は被相続人が購入した際の価格を基準とするため、記録を確認しましょう。
5.非上場株式の制限
- 非上場株式の場合、売却や譲渡に制限があることが一般的です。発行会社の同意が必要な場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
6.専門家への相談を検討
- 株式の相続手続きは複雑で、評価方法や税務対応には専門知識が求められます。
- 税理士や弁護士などの専門家に相談することで、手続きの効率化や税務上のリスク回避が可能です。
株式の相続には、正確な評価や手続きが求められます。早めに準備を進め、必要に応じて専門家の力を借りることで、円滑な相続手続きを行うことができます。
相続した株を売却する方法

相続した株を売却する際には、通常の株式売却手続きに加え、相続特有の注意点や必要な準備があります。
以下に、相続した株を売却するための手順を説明します。
1.株式の名義変更を行う
- 相続した株式を売却するためには、まず株式の名義を被相続人から相続人のものに変更する必要があります。
- 名義変更の手続きは、証券会社または発行会社で行います。
- 必要な書類
- 遺産分割協議書(または遺言書)
- 被相続人および相続人の戸籍謄本
- 被相続人の除籍謄本
- 株式の残高証明書
- 相続人の本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
2.売却する証券口座を用意する
- 株式を売却するためには、証券会社で取引口座を開設する必要があります。
- すでに証券口座を保有している場合は、その口座で売却手続きを進められます。
3.株式の売却手続き
- 名義変更後、証券口座に登録された株式を通常の取引として売却します。
- 売却手続きは証券会社のオンライン取引プラットフォームや電話などで行えます。
- 売却のタイミングや株価は市場の状況を確認して決めるのが一般的です。
4.税務申告を行う
- 株式売却により譲渡所得が発生した場合、所得税および住民税の申告が必要です。
- 譲渡所得の計算方法:
- 譲渡所得=売却価格-(取得費+売却手数料)
- 取得費は被相続人が株式を取得したときの購入価格が適用されます。
- 必要な書類:
- 売却時の取引明細
- 被相続人の株式購入記録
- 名義変更の記録
5.非上場株式の売却における注意点
- 非上場株式は譲渡制限が設けられている場合が多く、売却には発行会社の同意が必要なことがあります。
- 売却相手がいない場合、発行会社が株式を買い取る場合もあります。
- 非上場株式の売却は通常の証券取引所を通じて行えないため、専門家(弁護士や税理士)への相談が推奨されます。
相続した株の売却は、手続きが複雑で税務面での配慮も必要です。
売却をスムーズに進めるためには、早めに必要な書類を揃え、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。
相続した株に関するよくある質問

ここでは、相続した株に関するよくある質問について紹介します。
自分が亡くなった後持ち株はどうなる?
自分が亡くなった場合、保有している株式は他の財産と同様に相続財産となり、相続人に引き継がれます。
以下に、亡くなった後の持ち株の取り扱いや手続きの流れを説明します。
1.相続財産に含まれる
- 株式は、現金や不動産と同様に相続財産の一部として扱われます。
- 相続人間で遺産分割協議を行い、どの相続人が株式を引き継ぐかを決定します。
2.株式の評価
- 相続税申告の際、株式の評価額を算定する必要があります。
- 上場株式:被相続人の死亡日の終値、または前後月の平均価格で評価されます。
- 非上場株式:会社の財務状況や利益、資産状況に基づく特殊な評価方法が適用されます。
- この評価額が相続税計算の基準となります。
3.名義変更の必要性
- 相続人が株式を引き継ぐには、株式の名義を被相続人から相続人のものに変更する手続きが必要です。
- 名義変更には、以下の書類が必要です。
- 遺産分割協議書または遺言書
- 被相続人および相続人の戸籍謄本
- 株式の残高証明書
- 証券会社や発行会社が指定するその他の書類
4.信用取引や先物取引の扱い
- 信用取引や先物取引に関する未決済の建玉(ポジション)は相続されません。
- 被相続人の死亡時点で証券会社が全て決済を行います。
- 決済による利益または損失は相続財産に反映されます。
5.相続税申告
- 相続開始から10カ月以内に相続税申告を行う必要があります。
- 株式の相続が含まれる場合、税務署に適切な評価額を申告し、納税を行います。
6.売却の選択肢
- 相続人は引き継いだ株式を保有するか、売却するかを選択できます。
- 売却時には、譲渡所得税が発生する可能性があるため、税務計算に注意が必要です。
自分が亡くなった後、持ち株は相続財産として遺族に引き継がれます。正確な評価や手続きを行うためには、証券会社への連絡や専門家(税理士・弁護士)への相談が不可欠です。
早めに準備を進めることで、相続人の負担を軽減できます。
株を相続した場合、相続税はかかる?
株式を相続した場合、その株式は相続財産として扱われるため、相続税の課税対象になります。
相続税を適切に申告・納付するためには、株式の評価方法や手続きの流れを理解しておくことが重要です。
相続税がかかる仕組み
相続税は、相続した財産の総額が基礎控除額を超える場合に課されます。基礎控除額は以下の式で計算されます。
基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
株式を含む相続財産の評価額がこの基礎控除額を超える場合、その超過分に対して相続税が課されます。
株式の評価方法
株式の種類によって評価方法が異なります。
- 上場株式
- 被相続人の死亡日の終値、またはその前後月の平均価格を基に評価されます。
- 4つの価格のうち、最も低い価格が評価額として採用されます。
- 非上場株式
- 特殊な評価方法が適用され、会社の財務状況や利益、資産状況を基に算定されます。
- 非上場株式の評価は複雑なため、税理士などの専門家の支援が推奨されます。
税務申告の流れ
- 相続開始の確認
- 被相続人が亡くなった日を基準として相続が開始されます。
- 株式の評価額を算定
- 上記の評価方法に基づいて株式の評価額を計算します。
- 相続税の申告・納付
- 相続開始から10カ月以内に相続税を申告し、納付を行います。
- 株式の評価額が適切に申告されていない場合、追徴課税の対象となる可能性があります。
注意点
- 信用取引や先物取引がある場合
信用取引の未決済のポジション(建玉)は相続の対象外となり、証券会社によって強制決済されます。決済により発生する損益が相続財産に影響を与える可能性があるため注意が必要です。 - 譲渡所得税との違い
相続後に株式を売却する場合は、相続税とは別に譲渡所得税が発生します。取得費は被相続人が購入した際の価格が適用されるため、記録を確認しておきましょう。
株式を相続した場合、適切な評価額で相続税を申告することが重要です。
手続きや評価に不安がある場合は、税理士や弁護士などの専門家に相談することで、円滑に手続きを進めることができます。
株を相続しない場合はどうなる?
株式を含む遺産を相続しない場合、いくつかの選択肢があります。
それぞれの方法によって手続きや結果が異なるため、状況に応じた判断が必要です。
1.相続放棄をする
- 相続放棄とは?
遺産全体の相続権を放棄することで、株式だけでなくすべての遺産を受け取らない選択肢です。 - 手続き方法
被相続人の死亡を知った日から3カ月以内に、家庭裁判所に「相続放棄の申述」を行う必要があります。 - 注意点
- 相続放棄をすると、他の遺産(不動産や現金など)も一切受け取れなくなります。
- 借金や負債も免除されますが、相続権が次順位の相続人に移ります。
2.遺産分割協議で他の相続人に譲渡
- 譲渡の方法
遺産分割協議の中で株式を他の相続人に分配する形で譲渡します。相続放棄と異なり、株式以外の遺産を受け取ることは可能です。 - 手続きに必要な書類
遺産分割協議書を作成し、相続人全員の合意を得ます。
3.株式を売却して現金化
- 売却の理由
株式を相続するものの、その後売却して現金化することで、株式保有に伴う管理やリスクを回避できます。 - 注意点
売却には譲渡所得税が発生する可能性があります。
4.非上場株式の場合の注意
- 株式の保有を断ることが難しい場合もある
非上場株式は譲渡制限がある場合が多く、会社側の同意が必要なことがあります。 - 適切な対応
相続したくない場合は会社と協議し、買い取りや他の株主への譲渡を検討する必要があります。
相続した株についてのまとめ

ここまで相続した株についてお伝えしてきました。
相続した株についての要点をまとめると以下の通りです。
- 株の相続手続き方法は、遺言書の確認と相続財産・相続人の調査、準確定申告の実施などを順番に行う
- 節税対策の一つとして、生前贈与をすることが挙げられる
- 株を相続する際は、名義変更を早めに行うことや株式の評価額を正確に算定、遺産分割協議の重要性に注意する
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。