戸籍謄本と戸籍抄本の違いとは?必要なケースや取得方法について解説します

戸籍謄本と戸籍抄本は、どちらも戸籍に関する公的な書類ですが、その内容や取得方法には違いがあります。どちらを取得するべきかは、目的や必要な情報に応じて異なります。

 

本記事では戸籍謄本と戸籍抄本の違いについて以下の点を中心にご紹介します。

 

  • 戸籍抄本とは
  • 戸籍抄本と戸籍謄本の違いとは
  • 戸籍抄本が必要なケース

 

戸籍謄本と戸籍抄本の違いについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

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戸籍抄本とは

戸籍抄本とは、戸籍に記録されている情報のうち、一部の人物に関する身分事項を証明するための書類です。「抄本」という言葉は、「一部を抜き出した写し」を意味しています。

 

例えば、ある家族の戸籍に夫婦と子どもが記載されている場合、そのうち特定の人物(例えば妻や子ども)の情報だけを取り出して証明する場合に発行されるのが戸籍抄本です。このように、戸籍抄本は必要な情報のみを提供するため、用途に応じて戸籍全体ではなく一部の内容を確認したいときに利用されます。

戸籍抄本の正式名称

戸籍抄本の正式な名称は「戸籍個人事項証明書」となります。以前は戸籍が紙で管理されていたため、その際には「戸籍抄本」という名称が使用されていました。

 

しかし現在では、戸籍の管理が電子化され、その一部分の写しを指す正式名称として「戸籍個人事項証明書」が使われています。呼び方は変わりましたが、内容は変わらず、戸籍に記載された一部の人物の身分事項を証明する書類であることに違いはありません

 

現在も「戸籍抄本」と呼ばれることが一般的ですが、この記事では「戸籍個人事項証明書」を「戸籍抄本」として扱います。

戸籍抄本には何が書かれている?

戸籍抄本には、主に以下の5つの内容が記載されています。

本籍

「本籍」とは、戸籍が登録されている場所を指します。具体的には、都道府県名、市区町村名、町名や地番などが記載されています。

戸籍の筆頭者

「筆頭者」とは、その戸籍の一番上に記載されている人物のことです。通常、結婚によって新たに戸籍が作られた際、名字を変えなかった方が筆頭者として記載されます。この筆頭者は、住民票に記載される「世帯主」とは異なります。

戸籍事項

この欄には、戸籍に関する基本的な情報が記載されます。戸籍が作られた日付やその後の変更履歴、戸籍法改正による様式変更などが含まれます。

戸籍に記載されている人の情報

戸籍抄本では、申請者が希望した人の情報のみが記載されます。内容としては、名前や生年月日、父母や配偶者との関係、養子の場合は養父母との関係などが記録されます。

身分事項

身分事項には、出生、婚姻、離婚、死亡など、戸籍上での重要な出来事が記載されます。例えば、出生の際には生年月日や出生地、届出日などが記載され、その後の変動がある度に更新されます。

戸籍抄本と戸籍謄本の違いとは

戸籍抄本と戸籍謄本は、どちらも戸籍に記録されている情報を証明するための書類ですが、その内容には大きな違いがあります。戸籍謄本は、戸籍に記録されているすべての人物の身分事項が記載された「戸籍の全部の写し」です。つまり、戸籍に記載されている全員分の情報が含まれます。

 

一方で、戸籍抄本はその一部の人の身分事項を記載した書類です。具体的には、申請者が必要とする人物のみの情報が記載されます。

 

このように、戸籍謄本は全員分、戸籍抄本は一部の人の情報を提供するという点で、二つの書類は異なります。どちらを取得するかは、必要な情報によって選ぶことができます。

戸籍抄本が必要なケース

戸籍抄本が求められる場面はさまざまですが、以下のようなケースで使用されることが多いです。

年金の請求

年金を請求する際には、本人の戸籍謄本、戸籍抄本、住民票、または住民票の記録事項証明書のいずれかが必要です。

国家資格の受験・登録

国家資格を受験したり、その資格を登録したりする場合は、本人の戸籍謄本または戸籍抄本が求められることがあります。

生命保険・簡易保険の請求

生命保険や簡易保険を請求する場合、亡くなった方の戸籍謄本や戸籍抄本、または受取人の戸籍謄本や戸籍抄本が必要になることがあります(受取人が指定されている場合)。

婚姻や離婚の届出

婚姻や離婚の届出においては、ほとんどの市区町村で戸籍謄本が必要ですが、場合によっては戸籍抄本でも対応可能なことがあります。

 

これらのケースでは、必要な書類として戸籍抄本が要求されるため、目的に応じて適切に取得することが重要です。

戸籍抄本の取り方

戸籍抄本は、次の4つの方法で取得できます。それぞれの方法について、以下で詳しく説明します。

役所の窓口で取得

最寄りの市区町村役場で直接窓口にて戸籍抄本を取得できます。この方法では、即日発行されることが多いようです。

郵送で取得

役所に郵送で申請することも可能です。申請書と必要書類を郵送し、後日自宅に戸籍抄本が届きます。

コンビニで取得

マイナンバーカードを利用して、全国の対応しているコンビニエンスストアで簡単に戸籍抄本を取得できます。手続きはマルチコピー機を使って行います。

オンラインで取得

インターネットを通じて、オンライン申請を行うことで、戸籍抄本を取得する方法もあります。自宅から手軽に手続きができます。

 

これらの方法から、自分の都合に合った方法で戸籍抄本を取得することができます。

戸籍謄本・戸籍抄本を取得するのにかかる費用

戸籍謄本・戸籍抄本の手数料は1通450円で、除籍・改製原戸籍(謄本・抄本)の手数料は1通750円です。

戸籍謄本と戸籍抄本の違いについてのよくある質問

戸籍謄本と戸籍抄本の違いについてのよくある質問は以下のとおりです。

戸籍抄本でどこまでわかるのか?

戸籍抄本には、同じ戸籍に記載されている人物のうち、特定の個人に関する身分事項のみが記載されます。それに対して、ほかの家族や同じ戸籍内の人物の情報は含まれていません。

 

つまり、必要な人物の情報だけが抜粋されており、ほかの人の詳細な内容は省かれているため、個人の身分事項を確認したい場合に役立ちます。

戸籍抄本をコンビニで取れないのはなぜ?

戸籍抄本をコンビニで取得できない場合、主に次の2つの理由が考えられます。

本籍地の市区町村が対応していない

戸籍抄本のコンビニ交付サービスは、全ての市区町村が対応しているわけではありません。もし本籍地の市区町村がこのサービスに対応していない場合、コンビニでの取得はできません。

サービス提供時間外である

コンビニで戸籍抄本を取得するためには、役所のシステムが稼働している時間内である必要があります。もしシステムが提供していない時間帯にアクセスした場合、取得ができないことがあります。

 

これらの理由により、戸籍抄本をコンビニで取得できないことがあります。事前にサービスの利用条件を確認しておくことが重要です。

戸籍謄本と戸籍抄本の違いについてのまとめ

ここまで戸籍謄本と戸籍抄本の違いについてお伝えしてきました。戸籍謄本と戸籍抄本の違いについて要点をまとめると以下のとおりです。

 

  • 戸籍抄本とは、戸籍に記録されている情報のうち、一部の人物に関する身分事項を証明するための書類のこと
  • 戸籍謄本は、戸籍に記載されている全員分の情報が含まれており、戸籍抄本はその一部の人の身分事項を記載した書類のこと
  • 戸籍抄本が必要なときは、年金の請求、国家資格の受験・登録、生命保険・簡易保険の請求、婚姻や離婚の届出が挙げられる

 

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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