二次相続とは?一次相続との違いや注意点などについて解説

二次相続とは、一次相続で財産を引き継いだ配偶者が亡くなった後に生じる相続手続きです。
この段階では、相続税の計算や相続人の構成が初回の相続とは異なり、新たな課題が顕在化します。

本記事では、二次相続について以下の点を中心にご紹介します!

  • 二次相続とは
  • 二次相続と一次相続の違い
  • 二次相続での注意点

二次相続について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

目次
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二次相続とは

二次相続は、一次相続で財産を受け継いだ配偶者が亡くなった際に発生する相続の過程です。
二次相続では、通常、子どもたちが主な相続人となります。

二次相続は、一次相続での対策が将来の税負担に大きな影響を与えるため、特に注意が必要です。

一次相続と二次相続の違い

一次相続と二次相続の主な違いは、相続人の構成と相続税の計算方法にあります。
一次相続では、配偶者と子どもが相続人となりますが、二次相続では配偶者がいないため、子どもたちだけが相続人となります。

これにより、基礎控除額が減少し、相続税が増加する可能性があります。

二次相続の特徴と対策

二次相続では、相続税が増加するリスクが高まります。
これは、法定相続人の減少、死亡保険金や死亡退職金の非課税限度額の減少、配偶者控除の不適用などによるものです。

また、配偶者が元々所有していた財産が合算されることも、税額増加の一因となります。
これらのリスクを軽減するためには、生前贈与の活用、一次相続時の遺産分割協議で二次相続を見据えた計画の立案、子どもへの遺産の早期相続などが有効です。

二次相続は相続税が増える

二次相続は、一次相続で財産を受け継いだ配偶者が亡くなった際に発生します。
この段階での相続税が増加する主な理由は、配偶者控除の不適用、小規模宅地等の特例の利用が難しくなること、そして相続人一人分の基礎控除額の低下です。

配偶者控除の不適用

一次相続では、配偶者控除により相続税が軽減されることが多いですが、二次相続ではこの控除が適用されません
これにより、配偶者が一次相続で受け継いだ財産と配偶者自身の財産が合算され、相続税が高額になる可能性があります。

小規模宅地等の特例の利用が難しい

二次相続では、小規模宅地等の特例の利用が難しくなります。
小規模宅地等の特例は、不動産の評価額を最大80%まで減額できるものですが、二次相続では特例適用の条件が厳しくなるため、相続税が増えるリスクがあります。

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基礎控除額の低下

二次相続では、相続人が減ることにより、基礎控除額が低下します。
これにより、相続税の負担が増加することが一般的です。

二次相続で相続税が増える理由とは?

一次相続で相続した財産を、さらに相続人が相続する二次相続です。
相続税の計算は一次相続とは異なり、多くの場合、相続税額が増えてしまいます。

なぜ二次相続では相続税が増額するのか、その理由について解説します。

相続人が減り、基礎控除は少なくなるため

二次相続では、相続税が増加する可能性が高いです。
その理由の一つは、相続人の数が減少することにより基礎控除が少なくなるからです。

基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されますが、一次相続(例:父親が亡くなった際)に比べ、二次相続(例:母親が亡くなった際)では通常、相続人の数が減少します。


そのため、控除額が少なくなり、課税対象となる財産が増加します。


また、一次相続で相続税を節税していたとしても、その対策が二次相続において同じように機能しないこともあります。

これにより、結果として相続税負担が増加することがよくあります。

配偶者の税額軽減が使えなくなるため

二次相続で相続税が増える理由の一つは、配偶者の税額軽減が使えなくなるためです。
一次相続では、残された配偶者が財産を相続する際、一定の条件を満たせば相続税が大幅に軽減されます。

具体的には、1億6,000万円までの財産、もしくは配偶者が法定相続分までの財産を相続する場合、相続税は課されません。


しかし、二次相続では配偶者がすでに亡くなっているため、この税額軽減制度が適用されず、相続税の負担が増えることになります。

これにより、子どもたちが直接相続する際には、相続税の負担が一次相続に比べて大きくなる傾向があります。

小規模宅地等の特例が使えないことがあるため

二次相続で相続税が増加する理由の一つは、「小規模宅地等の特例」が適用できないことがあるためです。
この特例は、相続した宅地の評価額を大幅に減額できる制度ですが、適用にはいくつかの条件があります。

一次相続では、亡くなった配偶者が住んでいた自宅の土地に対してこの特例を利用できることが多いです。

しかし、二次相続では配偶者がすでに亡くなっているため、特例を利用するための条件が厳しくなります。

特に、相続した土地を居住用として使用しなければならないなどの要件を満たさなければなりません。


そのため、特例が適用されない場合、相続税の負担が重くなります。

これにより、相続人は税負担を考慮せざるを得なくなり、結果的に相続税の負担が増えることになります。

一次相続と二次相続でかかる相続税の違い

一次相続と二次相続は、相続の発生タイミングと相続人の構成において異なります。
一次相続は、通常、配偶者と子供が相続人となります。

これに対して、二次相続は配偶者が亡くなった後に発生し、子供が主な相続人となるケースが多いです。
この違いが、相続税の計算に大きな影響を与えます。

相続税の計算における違い

一次相続では、配偶者控除などの特例を利用して相続税の納税額を抑えることが可能です。

しかし、二次相続ではこれらの特例が適用されないため、相続税が高額になる傾向があります。
特に、一次相続で配偶者に多額の財産を相続させた場合、二次相続時にはその財産に対して高額の相続税が課されるリスクがあります。

相続税の基礎控除の違い

相続税の基礎控除は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。

一次相続では配偶者が含まれるため、基礎控除額が大きくなりますが、二次相続では配偶者がいないため、基礎控除額が減少します。
これにより、同じ遺産額でも二次相続の方が相続税が高くなる可能性があります。

二次相続における相続税対策

二次相続において相続税を軽減するためには、以下のような対策が有効です。

  • 生前贈与の活用:年間110万円以下の贈与は非課税となるため、生前に財産を段階的に贈与することで、相続時の課税対象額を減らすことができます。
  • 一次相続で自宅を子供に相続させる:子供が一次相続により自宅を受け継ぐ場合、二次相続が起こったとしても、その自宅が相続税の課税対象にならない可能性が存在します。
  • 生命保険に加入する:生命保険金は相続税の課税対象ですが、法定相続人1人につき500万円までの非課税枠があります。
    これを利用することで、相続税の負担を軽減できます。

相続税については、こちらの記事もお読みください。

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相続税の基礎控除の種類

相続税の基礎控除は、相続財産の額から特定の金額を控除することで、課税対象額を減少させる重要な機能を持ちます。
この控除により、相続財産の額が基礎控除額以下であれば、相続税が発生しないため、相続税計算の初期段階で非常に重要な役割を果たします。

基本的な計算式は「基礎控除=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」であり、法定相続人の数が多いほど控除額は増加します。

主な相続税の基礎控除の種類

以下は主な相続税の基礎控除の種類です。

配偶者控除

 配偶者控除は、被相続人の配偶者が相続する場合に適用される控除です。
この控除により、課税価格が1億6,000万円以下、または配偶者の法定相続分に相当する額までは相続税が免除されます。

これにより、配偶者が相続する財産に対する相続税の負担が大幅に軽減される可能性があります。

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未成年者控除

未成年者控除は、相続人が未成年である場合に適用されます。
控除額は「(18歳-相続開始時の年齢)×10万円」と計算され、未成年者の相続税額から控除されます。

未成年者の相続税額から全額を控除できない場合、残額は扶養義務者の相続税額から差し引くことができます。

障がい者控除

障がい者控除は、相続人が85歳未満の障がい者である場合に適用されます。
控除額は「(85歳-相続開始時の年齢)×10万円」となり、障がい者の相続税額から控除されます。

特別障がい者の場合は、控除額が1年につき20万円となります。

相続税の基礎控除は、相続税計算において重要な役割を果たします。
配偶者控除、未成年者控除、障がい者控除など、適用される控除によって相続税の負担が大きく変わるため、これらの控除を適切に理解し活用することが重要です。

相続税の基礎控除に関する詳細な情報や適用条件については、専門家に相談することをおすすめします。

一次・二次相続の遺産分割シミュレーション

一次相続と二次相続では、相続税の計算方法が異なるため、遺産分割のシミュレーションが非常に重要です。

特に、配偶者控除の不適用や基礎控除額の低下が二次相続の相続税を増加させる要因となります。
適切なシミュレーションを行うことで、相続税の負担を軽減し、家族間のトラブルを避けることが可能です。

遺産分割シミュレーション

以下は、一次相続と二次相続の遺産分割シミュレーションの具体例です。
この遺産分割シミュレーションは、家族構成や遺産総額に基づいて、相続税額の違いを示しています。

配偶者の遺産割合を80%とした場合

一次相続で遺産総額の80%を配偶者へ、残り20%を子どもに分配。
二次相続では、配偶者から子どもへの遺産総額が1億6,000万円となり、相続税額の合計は約2,680万円になります。

配偶者の遺産割合を50%とした場合

一次相続で遺産総額の50%を配偶者へ、残り50%を子どもに分配。
二次相続での子どもの相続分が5,000万円ずつとなり、相続税額の合計は約2,120万円になります。

遺産分割シミュレーションから、配偶者への遺産割合を調整することで、二次相続時の相続税額を軽減できることがわかります。

二次相続対策をした方がいい理由

二次相続は、一次相続で相続人となった者(多くの場合は配偶者)が亡くなった後に発生する相続です。
この段階で適切な対策を行っていないと、相続税が高額になるリスクがあります。

特に、配偶者が高齢の場合、二次相続は予想より早く発生することがあり、その際には相続税の負担が大きくなることが一般的です。

基礎控除の低下による相続税の増加

二次相続では、相続人が一人減ることで基礎控除が低下します。
相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されるため、相続人が一人減ると、600万円の控除額が減少します。

例えば、相続人が3人から2人に減る場合、基礎控除は4,800万円から4,200万円に減少し、その分相続税が増加します。
この控除の減少は、特に高額な遺産を相続する場合に大きな影響を及ぼし、相続税の負担増に直結します。

配偶者の税額軽減が使えないことによる税負担の増加

一次相続では、配偶者に対して適用される「配偶者の税額軽減」により、相続税が大幅に軽減されることがあります。
この特例により、配偶者は1億6,000万円または法定相続分のいずれか大きい方の金額まで相続税が免除されます。

しかし、二次相続ではこの特例が適用されないため、一次相続で配偶者に多額の財産を相続させた場合、その財産に対して高額の相続税が課される可能性があります。
特に、不動産などの高価な資産を持つ場合、二次相続時の税負担は非常に重くなり得ます。

小規模宅地等の特例の利用が難しくなる

小規模宅地等の特例は、被相続人の居住用不動産の相続税評価額を大幅に減額できる制度です。
しかし、小規模宅地等の特例を子どもが利用するためには、被相続人と同居している必要があります

一次相続で配偶者が自宅を相続し、その後二次相続が発生した場合、子どもが同居していないとこの特例を利用できません。
これにより、特に価値の高い不動産を相続する場合、二次相続時の相続税が大幅に増加するリスクがあります

したがって、一次相続時には、将来の二次相続を見据えて、不動産の相続計画を慎重に検討することが重要です。
二次相続では、相続税の計算条件が変わるため、一次相続時とは異なる対策が必要です。

基礎控除の低下、配偶者の税額軽減の不適用、小規模宅地等の特例の利用が難しくなることは、特に注意が必要なポイントです。
これらの理由から、二次相続対策を事前に行うことは、相続税の負担を軽減し、家族間のトラブルを防ぐためにも非常に重要です。

二次相続対策の方法

二次相続は、一次相続で財産を受け継いだ配偶者が亡くなった際に発生します。
この段階で適切な対策が行われていない場合、相続税が大幅に増加するリスクがあります。

特に、配偶者控除の不適用や基礎控除の低下、小規模宅地等の特例の利用が難しくなることが、税額増加の主な要因です。

二次相続対策の方法6選

二次相続は避けられない問題ですが、適切な対策を講じることでその影響を最小限に抑えることが可能です。
以下に、二次相続対策の具体的な方法を6つご紹介します。

生前贈与を行う

生前贈与は、相続税を抑える効果的な手段です。
年間110万円までの贈与は非課税となるため、生前に財産を段階的に贈与することで、相続時の課税対象額を減らすことができます。

配偶者の資産を増やさない

一次相続で配偶者に多額の財産を相続させると、二次相続時の税負担が増加します。
配偶者の資産を増やさない戦略は、二次相続の税負担を軽減するために重要です。

生命保険を活用する

生命保険金は相続税の課税対象ですが、法定相続人1人につき500万円までの非課税枠があります。
これを利用することで、相続税の負担を軽減できます。

子どもに実家を相続させる

小規模宅地等の特例を利用するためには、一次相続で子どもが自宅を相続することが有効です。
これにより、二次相続時の相続税の負担を軽減できます。

相続をする場合の財産の種類を変更する

一次相続で財産の種類を適切に選択することで、二次相続時の税負担を軽減できます。
例えば、値上がりが予想される資産は、一次相続時に子どもに相続させることが望ましいです。

相次相続控除による優待規定を利用する

相次相続控除は、短期間に複数回の相続が発生した場合に、相続税の負担を軽減する制度です。
この規定を活用することで、二次相続時の税負担を減らすことが可能です。

二次相続対策は、相続税の負担を軽減し、家族間のトラブルを防ぐために非常に重要です。生前贈与、配偶者の資産を増やさない戦略、生命保険の活用、子どもへの実家の相続、財産の種類の選択、相次相続控除の利用など、様々な方法があります。
これらの対策を適切に行うことで、二次相続における相続税の負担を効果的に軽減することが可能です。

二次相続でしておく認知症対策

二次相続は、一次相続で財産を受け継いだ配偶者が亡くなった際に発生します。
この段階では、相続人の減少や配偶者控除の不適用などにより、相続税が高くなる傾向があります。

さらに、一次相続後の配偶者が高齢であることを考慮すると、認知症対策も重要な要素となります。
認知症になると、遺言書の作成や資産管理が困難になるため、早めの対策が必要です。

二次相続での認知症対策方法

以下は二次相続での認知症対策方法です。

家族信託の利用を検討する

家族信託は、認知症になるリスクがある場合に有効な対策です。
信託契約により、資産の管理や運用を信頼できる家族や専門家に委ねることができます。

これにより、認知症になった後も資産の適切な管理が可能となります。

任意後見制度の利用を検討する

任意後見制度は、将来的に判断能力が低下した場合に備えて、事前に後見人を指定しておく制度です。
認知症になった際に、指定した後見人が財産管理や日常生活のサポートを行います。

遺言書の作成を検討する

認知症になる前に遺言書を作成しておくことは、二次相続におけるトラブルを防ぐためにも重要です。
遺言書により、財産の分配方法を明確にしておくことで、相続時の紛争を避けることができます。

二次相続では、相続税の増加だけでなく、認知症によるリスクも考慮する必要があります。
家族信託の利用、任意後見制度の活用、遺言書の作成など、認知症対策を行うことで、資産の適切な管理と相続時のトラブルを防ぐことが可能です。

早めの対策が、安心した老後と円滑な相続につながります。

二次相続におけるトラブルへの対策

二次相続は、一次相続で財産を受け継いだ配偶者が亡くなった際に発生します。
この段階では、相続人の減少や配偶者控除の不適用などにより、相続税が高くなりやすいです。

また、相続トラブルが起きやすいため、適切な対策が必要です。

二次相続における4つのトラブル対策

二次相続は予想外の問題を引き起こす可能性があります。
ここでは、そのようなトラブルを未然に防ぐための4つの対策について解説します。

資産を見える化する

資産の透明性を高めることで、相続時のトラブルを防ぐことができます。
資産の詳細を家族間で共有し、誤解や疑念を避けるために資産リストを作成することが有効です。

家族間で相続について話し合っておく

相続に関する家族間のコミュニケーションは、トラブルを未然に防ぐ鍵です。
相続の意向や計画について、家族全員が理解し合うことが重要です。

資産の組み換えを検討する

相続財産の資産組み換えを行うことで、相続税の負担を軽減し、トラブルを回避することが可能です。
例えば、預貯金を収益物件に変えるなど、資産の種類を見直すことが有効です。

遺言書の作成を検討する

遺言書は、相続の意向を明確にするための重要なツールです。
遺言書により、財産分配の方法を事前に定めておくことで、相続時のトラブルを防ぐことができます。

二次相続では、相続税の増加だけでなく、相続トラブルのリスクも高まります。
資産の透明化、家族間のコミュニケーション、資産の組み換え、遺言書の作成など、事前の対策を行うことで、円滑な相続手続きを実現することが可能です。

二次相続での注意点

二次相続は、一次相続で財産を受け継いだ配偶者が亡くなった際に発生する相続です。
この段階では、相続人の減少や配偶者控除の不適用などにより、相続税が高くなりやすいです。

そのため、二次相続においては特に注意が必要です。

二次相続で注意すべきポイント

以下は二次相続で注意すべきポイントです。

相続税の増加

二次相続では、相続人の減少により基礎控除が低下し、相続税が増加する可能性があります。
また、配偶者控除が適用されないため、一次相続時に配偶者に多くの財産を相続させた場合、二次相続時の税負担が大きくなります。

財産分配の複雑化

二次相続では、一次相続で配偶者に相続された財産と配偶者自身の財産が合わさり、分配が複雑になることがあります。
適切な遺産分割計画を立てることが重要です。

認知症などの健康問題

一次相続後の配偶者が高齢である場合、認知症などの健康問題が発生するリスクがあります。
これにより、財産管理や遺言書の作成が困難になる可能性があるため、早めの対策が必要です。

二次相続は、一次相続と比較してさまざまな複雑な問題を引き起こす可能性があります。
相続税の増加、財産分配の複雑化、健康問題への対応など、事前に適切な計画を立てることが重要です。

専門家と相談し、適切な対策を講じることをおすすめします。

二次相続でのよくある質問

二次相続に関してよくある質問についてご紹介します。

二次相続とは具体的にどのような状況を指しますか?

二次相続は、一次相続で財産を受け継いだ配偶者が亡くなった際に発生する相続のことを指します。
通常、一次相続では配偶者が主な相続人となりますが、その配偶者が後に亡くなると、その時点で再び相続が発生します

この時、相続人は主に子どもやその他の親族になり、一次相続で配偶者に渡った財産も含めて再分配されます。
二次相続は、相続税の計算方法や相続人の構成が一次相続と異なるため、特に注意が必要です。

特に、相続税の増加や財産分配の複雑化が主な問題点として挙げられます。

二次相続で相続税が増加する理由は何ですか?

二次相続で相続税が増加する主な理由は、相続人の減少による基礎控除の低下と配偶者控除の不適用です。
相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されるため、相続人が減ると控除額が減少します。

また、一次相続では適用される配偶者控除が二次相続では使えないため、一次相続で配偶者に多額の財産を相続させた場合、その財産に対して高額の相続税が課される可能性があります。
さらに、小規模宅地等の特例の適用が難しくなることも、税額増加の一因となります。

二次相続におけるトラブルを防ぐためにはどのような対策が有効ですか?

二次相続におけるトラブルを防ぐためには、以下の対策が有効です。

まず、生前贈与を活用して相続時の財産を減らすことが考えられます。
年間110万円までの贈与は非課税となるため、生前に財産を段階的に贈与することで、相続時の課税対象額を減らすことができます。

次に、遺言書の作成を通じて財産分配の意向を明確にすることも重要です。
遺言書により、財産の分配方法を事前に定めておくことで、相続時の紛争を避けることができます。

また、家族信託や任意後見制度の利用も有効です。
これらの制度を利用することで、認知症などによる判断能力の低下に備え、財産管理や日常生活のサポートを確実に行うことが可能です。

これらの対策を通じて、相続税の負担を軽減し、家族間のトラブルを防ぐことができます。

二次相続についてのまとめ

ここまで二次相続についてお伝えしてきました。
二次相続の要点をまとめると以下の通りです。

  • 二次相続は、一次相続で財産を受け継いだ配偶者が亡くなった際に発生する相続のことを指す
  • 一次相続と二次相続の主な違いは、相続人の構成と相続税の計算方法にあり、一次相続では配偶者が主な相続人ですが、二次相続では子どもやその他の親族が相続人となり、配偶者控除などの税制上の特例が二次相続では適用されないため、相続税が増加する可能性がある
  • 二次相続での注意点は、法定相続人の減少、配偶者控除の不適用、小規模宅地等の特例の利用が難しくなるので相続税が増加するリスクが高まること

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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