遺言と異なる遺産分割はできる?遺産分割できるケース・できないケースについて解説

遺言と異なる遺産分割について気になる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、遺言と異なる遺産分割について以下の点を中心に解説していきます。

  • 遺言と異なる内容で遺産分割をしたい場合
  • 遺言書と異なる遺産分割協議ができない場合
  • 遺言書の内容が遺留分を侵害している場合

遺言とは異なる遺産分割について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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遺言と異なる内容で遺産分割をしたい場合

遺言書に記載された内容と異なる内容で遺産分割をしたい場合、相続人全員の合意があれば、遺産分割協議書を作成することで、遺言と異なる内容で遺産分割を行うことができます

遺産分割協議書とは、遺産をどのように分割するかを記載した書面です。
遺産分割協議書を作成するには、相続人全員が署名捺印する必要があります。

相続人全員の合意が得られない場合、遺留分侵害額請求をすることもできます
遺留分侵害額請求とは、遺言によって相続人が本来受けるべき遺産の割合(遺留分)を侵害された場合に、その侵害された部分の遺産を請求する権利です。

遺留分侵害額請求をするには、遺言によって相続人が本来受けるべき遺産の割合(遺留分)を侵害されたことが必要です。
遺留分は、民法で定められた最低限の相続分であり、配偶者には遺産の2分の1、子には遺産の2分の1、父母には遺産の3分の1が遺留分となります。

遺言と異なる内容で遺産分割を行う場合、遺言者の意思を尊重することが重要です。
遺言書に記載された内容を変更する場合には、遺言者の意思を尊重した上で、相続人同士でよく話し合い、円満な解決を目指しましょう。

遺言と異なる内容で遺産分割を行う場合の注意点

  • 遺言者の意思を尊重する
  • 相続人同士のコミュニケーションを大切にする
  • 専門家に相談する

遺言と異なる内容で遺産分割を行う場合、遺言者の意思を尊重することが重要です。
遺言書に記載された内容を変更する場合には、遺言者の意思を尊重した上で、相続人同士でよく話し合い、円満な解決を目指しましょう。

遺言書と異なる遺産分割協議ができない場合

大切な人が遺言を残していた場合、遺産分割は基本的に遺言書の内容に従って行われます。
しかし、様々な事情により、遺言書と異なる内容で遺産分割をしたいと考えることもあるでしょう。

以下で解説します。

遺言書の内容が有効

遺言書が有効であれば、基本的には遺言書の内容に従って遺産分割を行う必要があります。
しかし、以下の例外的な場合に限り、遺言書と異なる遺産分割協議が認められる可能性があります。

  • すべての相続人が同意している
  • 遺言書に遺産分割禁止条項がない
  • 遺言執行者がいない
  • 遺言執行者が同意している

遺言書の内容が無効

以下の場合には、遺言書の内容が無効となり、遺言書と異なる遺産分割協議が認められる可能性があります。

  • 形式的な不備がある
  • 遺言者の意思表示が不明確
  • 法定相続人の遺留分を侵害している

その他の考慮事項

遺言書と異なる遺産分割協議を行う場合には、以下の点に注意する必要があります。

  • 協議の内容を記録しておく
  • 後からトラブルにならないように、すべての相続人が同意していることを確認する
  • 必要に応じて、弁護士に相談する

遺言書が有効だった場合の遺言書と異なる遺産分割協議

遺言書が有効であれば、原則として遺言書の内容に従って遺産分割を行う必要があります。
しかし、以下のいずれかに該当する場合には、遺言書と異なる遺産分割協議を行うことも可能です。

  • 相続人全員の合意
    相続人全員が合意すれば、遺言書の内容にかかわらず、遺産を自由に分割することができます。
  • 遺留分侵害額請求
    遺言書によって遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害額請求をすることができます。
  • 調停・審判
    相続人同士で遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てたり、審判を求めたりすることができます。

遺言執行者が選任されていない場合

遺言執行者が選任されていない場合、遺言書と異なる遺産分割協議を行うためには、相続人全員の合意が必要です。
相続人全員が合意すれば、遺言書の内容にかかわらず、遺産を自由に分割することができます。

遺言執行者が選任されている場合

遺言執行者が選任されている場合、遺言執行者は遺言書の執行を任されています。
そのため、遺言書と異なる遺産分割協議を行うためには、遺言執行者の同意が必要です。

遺言執行者の同意がなければ、遺言書の内容と異なる遺産分割はできません。

遺贈がある場合

遺贈とは、遺言書で特定の方に財産を贈与することをいいます。

遺贈がある場合、遺贈を受けた方は、遺言書の内容にかかわらず、遺贈された財産を受け取る権利があります。
そのため、遺言書と異なる遺産分割協議を行う場合、遺贈を受けた方の同意が必要です。

遺言執行者の権限

遺言執行者は、遺言の内容を実現するために必要な幅広い権限を持つ存在です。
相続人の代表として、遺産分割協議書の作成、預貯金の管理、不動産の名義変更など、遺言執行に必要な全ての行為を行うことができます。

遺言執行者はなぜ必要なのか?

遺言執行者は、被相続人の意思を尊重し、円滑な遺産相続を実現するために必要不可欠な存在です。
遺言執行者の選任は、円滑な遺産相続を実現するために非常に重要です。

被相続人の意思を尊重し、スムーズな手続きを希望される場合は、信頼できる人物を遺言執行者として選任することを強くおすすめします。

遺言内容の正確な執行

法定相続人を優先し、遺言書の内容を正確に執行する役割を担います。
たとえ、ご遺族にとって受け入れ難い内容であっても、故人の意思を尊重し、忠実に実行する必要があります。

隠し子の認知など、複雑な手続きの対応

認知届け提出など、法的な手続きや複雑な事務処理を代行することで、ご遺族の負担を軽減します。

遺贈や相続登記など、専門知識を必要とする手続きのサポート

専門知識や経験が必要となる遺贈や相続登記など、手続きをスムーズに進め、トラブルを回避します。

相続人間の対立防止

遺産分割協議書の作成など、相続人間の意見調整をサポートし、対立や紛争を未然に防ぎます

手続きの効率化と迅速化

相続人全員の代理人として手続きを進められるため、時間と労力を大幅に節約できます。

遺言執行者になった方の仕事

遺言執行者は、遺言書の指示に従って、遺産分割やその他の事項を実行する責任があります。

遺言執行者は、遺言書の指示に従って、遺産を相続人に公平に分配し、故人の遺志を実現することが求められます。
そのため、遺言執行者になる際には、遺言書の内容をよく理解し、相続手続きに関する知識や経験を身につけることが重要です。

以下に、遺言執行者の主な業務を、より具体的に説明します。

遺言書の存在と内容を相続人に通知する

遺言執行者は、遺言書の存在と内容を、相続人全員に通知する必要があります。
通知は、書面または口頭で行うことができます。

相続人の戸籍を収集し、相続人を確定する

遺言執行者は、相続人の戸籍を収集し、相続人を確定する必要があります。
相続人を確定することで、遺産分割やその他の手続きを進めることができます。

遺産の調査と確定を行い、遺産目録を作成し、相続人に交付する

遺言執行者は、遺産の調査と確定を行い、遺産目録を作成し、相続人に交付する必要があります。
遺産目録には、遺産の種類、数量、価額などが記載されます。

遺言書に記載された遺言執行者の権限に基づき、相続手続きを行う

遺言執行者は、遺言書に記載された遺言執行者の権限に基づき、相続手続きを行う必要があります。

相続手続きが完了したら、相続人に報告する

遺言執行者は、相続手続きが完了したら、相続人に報告する必要があります。
報告には、遺産分割の状況や、遺産の処分状況などが含まれます。

遺言執行者は、遺言書の指示に従って、遺産を相続人に公平に分配し、故人の遺志を実現することが求められます。
そのため、遺言執行者になる際には、遺言書の内容をよく理解し、相続手続きに関する知識や経験を身につけることが重要です。

遺言書と異なる遺産分割協議を実現する工夫とは?

大切な人が亡くなった後、残された家族は悲しみの中、遺産分割協議という重要な手続きに直面します。
しかし、遺言書が存在しても、必ずしも希望通りの分割を実現できるとは限りません。

そこで今回は、遺言書の内容を超えた、より理想に近い遺産分割を実現するための工夫をご紹介します。

円満な話し合いを促進する環境作り

遺産分割協議は、家族間の感情的な対立が生まれやすい場面です。
円満な話し合いを実現するためには、以下の点に配慮しましょう。

  • 中立的な話し合いの場を設ける:自宅ではなく、弁護士事務所や会議室など、第三者の存在が緊張感を和らげ、冷静な判断を促します。
  • 事前に議題を共有し、準備時間を設ける:参加者全員が事前に議題を把握し、意見を整理することで、スムーズな話し合いが期待できます。
  • 感情的な議論に流されない:意見の相違は冷静に議論し、感情的な言葉や態度を避けましょう。

専門家のサポートを活用する

遺産分割協議は、法律や税務に関する知識も必要となるため、専門家のサポートを活用することで、よりスムーズかつ適切な分割を実現できます。

  • 弁護士:法律的なアドバイスや、遺産分割協議書の作成など、法的側面からサポートします。
  • 税理士:遺産税に関する計算や申告手続きをサポートします。
  • 司法書士:不動産登記などの手続きをサポートします。

相続人の気持ちを尊重した柔軟な分割方法

遺言書の内容はあくまでも参考であり、相続人の気持ちや状況を尊重した柔軟な分割方法を検討することも大切です。

  • 寄付や遺贈:遺言書に記載されていない団体への寄付や、特定の相続人への特別寄贈など、故人の想いを反映した分割方法を検しましょう。
  • 共有:不動産など、分割が難しい財産は共有にすることで、維持管理を共同で行うことができます。
  • 換金:分割が難しい財産は換金し、現金で分配することで、公平な分割を実現できます。

専門家と連携した長期的な視点

遺産分割協議は単発の出来事ではなく、相続後の家族関係や生活にも影響を与える重要な手続きです。
専門家と連携し、長期的な視点に立った遺産管理を検討しましょう。

  • 遺言書の作成:専門家のアドバイスを受けながら、自身の意思を明確に反映した遺言書を作成することで、将来のトラブルを防ぐことができます。
  • 生前贈与:生前に財産を贈与することで、相続税を軽減したり、円満な遺産分割を実現しやすくなります。
  • 家族信託:信託を活用することで、遺言書よりも柔軟な財産管理が可能となり、将来の相続人の生活も守ることができます。

これらの工夫は、遺言書の内容を超えた、より理想に近い遺産分割を実現するためのヒントとなります。
大切なのは、故人の想いを尊重しながら、相続人全員が納得できる解決策を見つけることです。

相続人全員と受遺者の同意が得られた場合

相続人全員と受遺者の同意が得られたら、遺産分割協議書の作成を行います。
遺産分割協議書とは、遺産をどのように分割するかを記載した書類です。

遺産分割協議書を作成するには、遺産分割協議会を開催し、全員の同意を得る必要があります。
遺産分割協議会は、遺産分割協議書の作成だけでなく、遺産分割の話し合いを行う場としても重要です。

遺産分割協議書は、遺産分割の合意内容を明確にするために作成し、作成されると、遺産分割は確定します。
遺産分割協議は、遺産分割協議書の作成だけでなく、遺産分割の話し合いを行う場としても重要です。

遺産分割は、相続人や受遺者にとって重要な問題です。
遺産分割協議で話し合いをすることで、遺産分割の合意を円滑に進めることができます。

遺産分割協議が終了したら必ず書面にする

遺産分割協議が終了したら、必ず書面を作成しましょう。
この書面は、遺産分割協議書と呼ばれ、相続人全員が作成し、保管しておく必要があります。

遺産分割協議書には、相続人全員の氏名、相続財産の種類と数量、相続財産の分配方法などが記載されます。
遺産分割協議書を作成することで、相続財産の分配が明確になり、トラブルを防ぐことができます。

また、遺産分割協議書は、相続登記や銀行口座の名義変更などの手続きに必要となる場合があります。
遺産分割協議書は、遺産分割協議が終了した後、できるだけ早く作成するようにしましょう。

遺産分割協議における注意点

遺産分割協議は、遺言と異なる内容で行うことも可能です。
しかし、その場合、いくつかの注意点があります。

1つ目の注意点は、遺言で指定された相続人が全員遺産分割協議に同意していることです。
遺言で指定された相続人が遺産分割協議に同意していない場合、その遺産分割協議は効力を持ちません。

2つ目の注意点は、遺言執行者が指定されている場合は、その人の同意を得ることです。

遺言執行者は、遺言の執行を監督する役割を担います。
遺言と異なる内容の遺産分割協議を行う場合、遺言執行者の同意を得ることで、後々のトラブルを防ぐことができます。

3つ目の注意点は、遺言で指定された相続人全員の戸籍謄本を取得することです。
戸籍謄本には、相続人の氏名、住所、生年月日などの情報が記載されています。

遺産分割協議を行うためには、すべての相続人の同意が必要であるため、戸籍謄本を取得して、すべての相続人を特定する必要があります。
これらの注意点を守ることで、遺産分割協議をスムーズに進めることができます。

遺言書の内容が遺留分を侵害している場合

大切な人が遺言を残していた場合、遺産分割は遺言書の内容に従って行われます。

しかし、遺言書の内容によっては、法定相続人の遺留分を侵害する場合があります。

遺留分とは

遺留分とは、法定相続人が最低限受け取ることができる遺産の割合です。
遺留分は、遺言によって減らすことができず、侵害された場合は、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分侵害額請求をする

遺言の有効性を争うことが困難な場合は、遺留分侵害額請求をするという対応が考えられます。
遺留分侵害額請求とは、被相続人が遺留分を侵害する遺贈などをした場合に、財産をもらった方に対して自己の遺留分に相当する金銭の支払いを請求することをいいます。

遺留分侵害額請求をするためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 法定相続人であること
  • 遺留分を侵害されていること
  • 遺言書の存在を知っていること
  • 1年以内に請求すること

遺留分侵害額請求の流れ

遺留分侵害額請求は、遺留分権利者が遺留分侵害を招く相続開始があり贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間権利行使しなければ時効にかかるため1年以内に権利行為をする必要があります。

以下が遺留分侵害額請求の流れとなります。

  1. 内容証明郵便で請求
  2. 相手が応じない場合は、調停を申し立てる
  3. 調停が不成立の場合は、審判を申し立てる
  4. 審判の結果、遺留分侵害額が認められれば、支払いを受ける

遺留分侵害額請求をする際の注意点としては下記のとおりです。

  • 1年以内に請求しないと、請求権が消滅する
  • 弁護士費用がかかる
  • 遺産分割協議が長引く
  • 相続人間関係が悪化する

遺言とは異なる遺産分割についてのまとめ

ここまで遺言とは異なる遺産分割についてお伝えしてきました。
遺言と異なる遺産分割の要点をまとめると以下の通りです。

  • 遺言と異なる内容で遺産分割をしたい場合、相続人全員の合意があれば、遺産分割協議書を作成することで、遺言と異なる内容で遺産分割可能
  • 相続人同士の意見が対立し、相続人全員の合意ななかったり得られない場合は、遺言書と異なる遺産分割協議ができない
  • 遺言書の内容が遺留分を侵害した場合は、遺留分侵害額請求ができる

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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