相続時精算課税制度のデメリットとは?相続時精算課税制度を使うべき方や条件について解説

相続対策として注目を集めている「相続時精算課税制度」。
節税効果が期待できる一方で、実は知られざるデメリットも存在します。

この制度を本当にお得に活用するためには、メリットだけでなく、デメリットもしっかり理解することが重要です。
そこで今回は、相続時精算課税制度のデメリットを徹底解説します。

  • 相続時精算課税制度とは?
  • 相続時精算課税制度を利用するデメリットとは
  • 相続時精算課税制度を受けるための条件とは

相続時精算課税制度のデメリットについて理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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相続時精算課税制度とは?

相続時精算課税制度は、被相続人が亡くなる前に財産を贈与することで、相続税を節税できる制度です。
相続時精算課税制度を利用すると、被相続人は生前に最大2,500万円まで贈与することができ、贈与した財産は相続税の課税対象となりません。

しかし、贈与した財産の価値は贈与時の時価で評価されるため、将来の値上がり分は課税対象となります。
また、一度贈与すると取り戻すことはできないため、注意が必要です。

相続時精算課税制度には、相続税の節税以外にも、事業承継や資産管理の円滑化などのメリットがあります。

一方で、デメリットとしては、贈与後の資産管理や将来の税負担への懸念などが挙げられます。
相続時精算課税制度は、うまく活用すれば大きな節税効果が期待できます。

しかし、制度の複雑性やデメリットも理解した上で、慎重に検討することが重要です。

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相続時精算課税制度のデメリット

相続時精算課税制度は、生前贈与した財産の価額を相続時にまとめて課税する制度です。
節税効果が期待できる一方で、いくつかのデメリットが存在します。

相続時に価額が下がっていても、贈与時の時価が基準になる

相続税の按分制度を利用するデメリットとして、たとえ相続時に資産の価値が下落していても、相続税の課税対象となるのは贈与時価(贈与時の評価額)であることが挙げられています。

つまり、贈与時に高値で評価された資産は、たとえ相続時に価値が下がっていたとしても、その時の評価額に基づいて相続税が課税されるのです。
これは、贈与者と相続者間の不公平を招く可能性があるため、注意が必要です。

孫へ贈与すると相続税が2割加算される

近年、節税対策として孫への贈与が注目されています。

しかし、注意すべき点があります。
孫への贈与は、相続税が2割加算されます

従来の相続税法では、孫への贈与は他の親族への贈与と同様に扱われていました。

しかし、2019年の改正により、「特別寄与税という新たな税制が導入されました。
これは、18歳未満の孫への贈与に対して課される税金で、贈与額の20%が課税されます。

つまり、孫への贈与を行う場合は、通常の相続税に加えて、特別寄与税も考慮する必要があるのです。
贈与を検討する際には、専門家に相談し、節税対策と納税額のバランスを慎重に検討することが重要です。

小規模宅地等の特例が適用できなくなる

相続税制の改正により、小規模宅地等の特例が適用できなくなるケースが増えています。
これは、相続する土地の評価額が一定額を超えると、特例が適用されなくなり、相続税が課されるようになることを意味します。

改正前は、評価額が800万円以下の土地には特例が適用され、相続税が大幅に軽減されていました。

しかし、改正後は、評価額が300万円以下の土地にのみ特例が適用されるようになり、多くの土地が特例の対象から外れることになります。
特例が適用されなくなると、相続税負担が大幅に増加する可能性があります。

相続税対策を検討している場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。

特例が適用されなくなるケースの例

  • 評価額が300万円を超える土地
  • 相続人が複数いる場合
  • 土地が市街化区域内にある場合

特例が適用されるかどうかは、個々の状況によって異なります。

登録免許税や不動産取得税の負担が重くなる

相続税制の改正により、登録免許税や不動産取得税の負担が重くなる可能性があります。

改正の内容はまだ具体的には決まっていませんが、贈与税の非課税枠の縮小や相続税評価額の見直しなどが検討されています。
これらの改正は、相続財産の移転を抑制する効果が期待されています。

しかし、納税者の負担増加や不動産市場への影響など、懸念される点も多くあります。
改正の詳細については、今後議論が進む予定です。

最新の情報に注意を払い、相続対策を検討していくことが重要です。

暦年課税への変更ができない

相続税制度は、大切な財産を次の世代へ引き継ぐ際に発生する税金です。

しかし、その制度は近年大きな変化を遂げており、2013年から「暦年課税」という新しい制度が導入されました。
暦年課税とは、年間110万円を超える贈与を行った場合、その贈与額が相続税の課税対象となる制度です。

従来の「相続時課税」とは異なり、生前に贈与を行った時点で課税されるため、注意が必要です。

しかし、この暦年課税への変更は、必ずしもスムーズに進んでいるわけではありません。
その理由は、主に以下の2つが挙げられます。

複雑な制度

暦年課税は、従来の相続時課税よりも複雑な制度です。
贈与税額の計算方法や、配偶者控除などの特例措置が複雑で、理解が難しいという声が多く聞かれます。

制度変更の頻度

暦年課税は導入されて以降、すでに何度か制度変更が行われています。

制度変更が頻繁に行われると、納税者にとっては混乱が生じ、対応が難しくなります。
これらの理由から、暦年課税への変更は容易ではありません。

しかし、相続税対策を考える上で、暦年課税は重要な制度の一つであることは間違いありません。

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相続時精算課税制度のメリット

相続時精算課税制度には、贈与税の節税、相続税の節税、生前贈与による円滑な財産移転、早めの資産運用など、様々なメリットがあります。
相続時精算課税制度には、大きく分けて以下の3つのメリットがあります。

累計2,500万円もの非課税枠(特別控除)がある

相続税は、大切な財産を受け継ぐ際に発生する税金です。
しかし、実最大2,500万円もの節税枠(特別控除)を活用することで、納税額を大幅に軽減できる可能性があります

収益物件を贈与すると利益が受贈者のものになる

収益物件を贈与する場合、相続時精算課税制度を利用すると、贈与された時点で発生する譲渡益は受贈者のものになります。
つまり、贈与者ではなく、受贈者が譲渡所得税を支払うことになります。

これは、相続時精算課税制度では、被相続人が所有していた財産の取得価額を、相続人・受贈人が引き継ぐことができるためです。
そのため、贈与された時点で発生する譲渡益は、受贈者の取得価額と売却価額の差として計算されます。

値上がりの可能性が高い財産を贈与すれば節税になる

近年、相続税制は大きく変化しており、多くの資産価値の上昇が予想されています。
こうした状況下で、値上がりの可能性が高い財産を贈与することは、将来発生する相続税を節税する有効な手段となり得ます。

しかし、注意点も存在します。
贈与時の評価額が課税対象となるため、将来の値上がりを正確に見積もることは困難です。

また、贈与税が発生する可能性もあります。
贈与による節税効果を検討する際には、専門家への相談が不可欠です。

専門家は、個々の状況を踏まえ、最適な贈与方法をアドバイスしてくれます。

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相続時精算課税制度を受けるための条件

相続時精算課税制度は、贈与と相続の税制を一体的に捉え、生前贈与を促進するために設けられた制度です。
相続時精算課税制度を利用するかどうかは、受けるための条件があります。

以下見ていきましょう。

対象者とは

相続時精算課税制度を利用できるのは、18歳以上の子孫と60歳以上の親・祖父母です。

平成26年までは20歳以上の推定相続人である子のみが対象でしたが、平成27年1月1日より、孫を含む20歳以上の対象者へ相続時精算課税制度が拡大されました。
2022年4月1日からは、成人年齢の引き下げに伴い、対象年齢が20歳から18歳に引き下げられています。

対象となる財産

相続税の納税義務が発生する贈与税制度では、贈与できる財産は「プラスの財産」に限られます。

具体的には、現金、預金、不動産、株式、著作権などが対象となります。
贈与額や回数に制限はなく、年間2500万円以下の贈与であれば贈与税はかかりません。

相続において財産は大きく下記の4種類に分けることができます。

  • 贈与できるのは「プラスの財産」のみ
  • 現金、預金、不動産、株式、著作権などが対象
  • 非課税財産:仏壇・仏具など
  • みなし相続財産:死亡退職金・死亡保険金など

贈与税の納税義務を避けるためには、上記のような点を理解したうえで計画的に贈与を行うことが重要です。

手続きの流れと必要書類

相続税の按分制度の適用を受けるためには、申請手続きが必要となります。
具体的な流れは以下の通りです。

  1. 相続発生後、4ヶ月以内に税務署へ申告
  2. 必要書類を提出
  3. 税務署による審査
  4. 按分割合の決定

申請に必要な書類は、被相続人と相続人それぞれの戸籍、住民票、死亡診断書、遺産分割協議書などです。

詳細は税務署にご確認ください。
なお、この手続きは専門知識が必要となる場合がありますので、専門家に相談することをおすすめします。

相続時精算課税制度を使うべき方

相続時精算課税制度は、60歳以上の父母等から20歳以上の子供等への贈与について、贈与時に贈与税を課さずに、相続時にまとめて相続税を課税する制度です。
相続時精算課税制度を使うべきかどうかは、個々の状況によって異なりますが、一般的には、以下のいずれかに該当するような場合に有利と考えられます。

相続財産が相続税の基礎控除の範囲内の方

相続財産が3,000万円+(600万円×法定相続人の数)以下の場合、相続時精算課税制度を利用することで、将来的に相続税が課税される可能性が低くなります。
具体的な判断基準は以下の通りです。

相続財産の合計額

贈与者(被相続人)の相続発生時に、相続時精算課税を選択した贈与財産とその他の相続財産の合計額が、3,000万円+(600万円×法定相続人の数)以下の場合、相続時精算課税制度を利用することで、相続税が課税される可能性が低くなります。

法定相続人の数

法定相続人の数が多いほど、基礎控除額が大きくなるため、相続時精算課税制度の利用が有利になります。

将来的な基礎控除額の改定

基礎控除額は将来的に変更される可能性があります。
基礎控除額が引き下げられる可能性を考慮し、早めに生前贈与を行うことが有効です。

なお、上記はあくまで目安であり、個々の状況によって判断は異なります。
相続時精算課税制度の利用を検討する際は、専門家に相談することをおすすめします。

年間110万円を超える贈与をしている方

年間110万円を超える贈与を行う場合は、相続税対策として「相続税の配偶者控除」を活用できます。
相続税の配偶者控除は、配偶者へ年間110万円までの贈与に対して、税金がかからないというものです。

配偶者控除を活用することで、夫婦で最大220万円の贈与が可能になり、相続税を大幅に節税することができます。

賃貸マンションなどの収益物件を所有している方

相続税対策として注目されている「相続税納税猶予制度」。

相続税納税猶予制度を活用することで、賃貸マンションなどの収益物件を所有する人は、相続時にかかる税金を大幅に軽減することができます
制度のメリットとしては、相続税の納税を猶予できるだけでなく、相続人の納税負担を軽減できる点が挙げられます。

一方、制度を利用するためには、複雑な手続きが必要となることや、場合によってはより多くの税金を支払う必要が生じる可能性があることなどのデメリットもあります。
収益物件を所有する方は、相続税対策としてこの制度を検討してみてはいかがでしょうか。

値上りが予想される財産がある方

相続税納税猶予制度は、将来の資産価値上昇による相続税負担の増加に備え、納税猶予を受けることができるものです
相続税の支払いを先延ばしすることで、資金繰りの余裕ができ、将来的な納税負担を軽減することができます。

しかし、注意点もいくつかあります。

制度の利用には複雑な手続きが必要となる場合があり、将来の資産価値が必ずしも上昇するとは限りません。
「相続税納税猶予制度」 があなたに適しているかどうかは、個々の状況によって異なります。

贈与時に評価額が下がっている財産がある方

相続時に値上がりが予想される財産がある場合、相続時精算課税制度の選択が有利になるケースがあります。

相続時精算課税制度とは、贈与された財産を相続財産に加算する代わりに、贈与時の評価額で課税する制度です。
相続時精算課税制度のメリットは、将来値上がりする財産を贈与することで、将来の相続税を抑えられることです。

具体的な例

例:開発計画が予定されている土地

親が所有している土地が、将来的に開発計画によって値上がりが予想される場合、相続時精算課税制度の利用が有効です。
例えば、現在2,000万円で評価されている土地が、将来的に幹線道路が通る予定となり、土地の評価額が4,000万円になると予想される場合、相続時精算課税制度を選択すれば、以下のようになります。

  • 贈与時:土地の評価額は2,000万円なので、贈与税は課税されない
  • 相続時:土地の評価額は4,000万円になっているが、相続時精算課税制度を選択しているので、課税対象となるのは贈与時の評価額である2,000万円のみ

このように、相続時精算課税制度を活用することで、将来の相続税を節税することができます。

相続税については、こちらの記事もお読みください。

相続時精算課税制度を使うべきでない方

相続時精算課税制度は、メリットも多い一方で、いくつかのデメリットもあります。
以下のような場合は、相続時精算課税制度を使うべきではない可能性があります。

相続時に小規模宅地等の特例を適用させたい方

贈与者の相続時に小規模宅地等の特例を適用したいと考えている方は、相続時精算課税制度の利用は避けた方が賢明です。
その理由は、以下の通りです。

  • 相続時精算課税制度で贈与した場合、贈与時点で宅地等の所有権が受贈者に移転するため、贈与者の相続時には小規模宅地等の特例を適用できない
  • 同居している住宅に小規模宅地等の特例を適用したい場合は、相続時精算課税制度よりも特例の方が大幅な節税につながる可能性が高い

ただし、以下の場合は、相続時精算課税制度の方がメリットがある可能性があります。

  • 相続財産と贈与財産の合計が相続税の基礎控除額以内
  • コストをかけてでも相続トラブルを避けたい

相続時精算課税制度と小規模宅地等の特例、どちらを選択すべきかは、個々の状況によって異なります。

相続時精算課税制度のデメリットについてまとめ

ここまで相続時精算課税制度のデメリットについてお伝えしてきました。
相続時精算課税制度の要点をまとめると以下の通りです。

  • 相続時精算課税制度は、生前に贈与した財産に対して、相続時にまとめて課税される制度を指す。
  • 相続時精算課税制度のデメリットは、相続時に資産の価値が下落していても、相続税の課税対象となるのは贈与時価であることや孫へ贈与すると相続税が2割加算されるなどのデメリットがある。
  • 相続時精算課税制度を受けるための条件は、18歳以上の子孫と60歳以上の親・祖父母が対象で、現金、預金、不動産、株式、著作権などの贈与できる財産は「プラスの財産」に限られる。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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