相続放棄ってどんなことするの?司法書士に依頼した場合にかかる費用は?

  • 2025年6月12日
  • 2025年5月12日
  • 用語集

相続放棄を司法書士に依頼した場合について気になる方も多いのではないでしょうか?

本記事では、相続放棄を司法書士に依頼した場合について以下の点を中心にご紹介します!

 

  • 相続放棄とは
  • 相続放棄を司法書士に依頼するメリット
  • 司法書士の相場費用

 

相続放棄を司法書士に依頼した場合について理解するためにもご参考いただけると幸いです。

ぜひ最後までお読みください。

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相続放棄とは

相続放棄とは、被相続人が遺した財産について、一切の権利と義務を放棄する法的手続きのことをいいます。

相続人は、遺産を受け取る代わりに、借金などのマイナスの財産も引き継ぐ可能性がありますが、相続放棄をすることで、プラス・マイナス問わずすべての財産を受け取らないという意思を明確にし、法律上「初めから相続人でなかった」とみなされるようになります。

 

この制度は、借金などの負債を背負わずに済む重要な選択肢であり、家庭裁判所に申し立てることで有効となります。相続放棄には期限や手続きの厳格なルールがあるため、注意が必要です。

相続放棄と遺産放棄の違い

相続を希望しない場合、手続きの方法として「相続放棄」と「遺産放棄(財産放棄)」の2つがあります。一見似た言葉ですが、その意味や効力は大きく異なります。誤解したまま手続きを進めると、借金を背負ってしまうなど重大な不利益を被るおそれもあるため、それぞれの違いを正しく理解することが重要です。

相続放棄とは、被相続人の遺産に対して、プラスの財産もマイナスの財産(借金など)も一切相続しないとする法的手続きです。
この手続きを行うには、被相続人が亡くなったことを知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出する必要があります。相続放棄が受理されると、法律上は最初から相続人でなかったとみなされるため、被相続人の借金について債権者から請求されることもありません。

一方の遺産放棄は、相続人同士の話し合い(遺産分割協議)の中で「自分はこの財産を受け取らない」と決める行為です。
協議の内容は「遺産分割協議書」として書面にまとめ、全員が署名・押印することで効力を持ちます。ただし、遺産放棄をしても相続人の地位は残るため、被相続人の借金がある場合には債権者から返済を求められる可能性があります。
つまり、遺産放棄には法的効力がないという点が、相続放棄との大きな違いです。

また、相続放棄は原則として一度受理されると撤回することはできませんが、遺産放棄は協議の段階であれば見直しや再協議が可能です。

このように、「法的に相続人から外れる手続き」である相続放棄と、「話し合いで財産を受け取らないと決めるだけ」の遺産放棄は、目的や効力がまったく異なります。借金を背負わないために放棄したい場合には、必ず相続放棄の手続きを家庭裁判所で行う必要があります。一方で、遺産の公平な分配や生前贈与の調整を目的とする場合には、遺産放棄が有効です。

相続に関する判断を誤らないためにも、それぞれの制度をしっかりと理解し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。

相続放棄の流れ

相続放棄は、被相続人に借金などのマイナス財産がある場合や、相続トラブルを回避したい場合に有効な手段です。相続放棄をするには、被相続人が亡くなったことを知った日から原則3ヶ月以内に、家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。放棄が認められると、法律上「初めから相続人ではなかった」ものとみなされます。

手続きは以下のような流れで進みます。

  1. 相続財産の調査(プラスとマイナスの財産を把握) 
  2. 必要書類の準備 
  3. 家庭裁判所へ相続放棄の申述書類を提出 
  4. 家庭裁判所から照会書が送付される 
  5. 照会書に回答して返送 
  6. 相続放棄申述が受理され、「相続放棄申述受理通知書」が送付される 

すべての手続きが完了すると、正式に相続放棄が成立し、相続の対象から除外されます。

必要な書類

相続放棄の申述には、家庭裁判所に提出する複数の書類が必要です。主な必要書類は以下の通りです。

  • 相続放棄申述書:家庭裁判所指定の様式で、自身の意思による放棄を記載します。 
  • 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票:被相続人の最終住所を確認するために使用されます。 
  • 申述人(相続放棄する人)の戸籍謄本:続柄や身分関係を確認するために必要です。 
  • 収入印紙(800円程度):申述書に貼付します。 
  • 郵便切手(数百円程度):照会書等の郵送用に使用されます。 

ケースによっては、他の戸籍謄本や関係書類の追加提出が求められることもあります。提出先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。準備に時間がかかることもあるため、早めに着手することが大切です。

家庭裁判所での手続き

相続放棄の申述は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行います。提出方法は、持参または郵送のどちらでも可能です。申述書や添付書類に不備がなければ、裁判所から「照会書」が送付されます。

照会書は、相続放棄の意思が本人のものであるか、他の相続人との利害関係によるものではないかといった点を確認するための質問票です。質問内容に記入し、同封されている返信用封筒で返送します。

ケースによっては、家庭裁判所から直接出頭を求められ、口頭での確認(審問)を行うこともあります。これらの確認を経て、裁判所が相続放棄を正式に受理すると、「相続放棄申述受理通知書」が交付され、手続きが完了します。

費用と期間

相続放棄にかかる費用は、基本的にはそれほど高額ではありません。自分で手続きを行う場合、おおよその内訳は以下の通りです。

  • 収入印紙代:800円 
  • 戸籍謄本などの書類取得費用:数百円〜1,000円程度 
  • 郵送費用(切手):数百円 

すべて合わせても3,000円〜4,000円程度で済むのが一般的です。

ただし、書類の準備や記入、提出などに不安がある場合は、司法書士や弁護士に依頼することも可能です。その場合の費用相場は以下のとおりです。

  • 司法書士:3万円〜5万円前後 
  • 弁護士:5万円〜10万円前後(事情説明書の作成を含む場合もあり) 

期間については、申述書を提出してから1〜2週間で照会書が届き、その返送後、さらに1〜2週間程度で通知書が発行されるのが一般的です。全体として、スムーズに進めば1ヶ月前後で完了することが多いです。

相続放棄後にやるべきこと

相続放棄が家庭裁判所に受理され、「相続放棄申述受理通知書」が届いた時点で、法的には相続人ではなかったこととみなされます。しかし、相続放棄が完了したからといって、それで終わりというわけではありません。放棄後に必要な対応や注意点を理解しておくことが大切です。

まず、他の相続人や関係者への連絡が必要です。相続放棄により、次順位の相続人(兄弟姉妹や甥姪など)に相続権が移る場合があります。自分が放棄したことで次の相続人に債務が及ぶ可能性もあるため、あらかじめ放棄の事実を伝えておくことでトラブルを防ぐことができます。

また、相続財産の管理義務にも注意が必要です。放棄したとはいえ、相続人が決まるまでは、相続財産を適切に管理する義務(民法940条)が残るとされています。たとえば、空き家となった不動産については、放置して損傷が生じたり他人に被害を及ぼしたりしないよう、最低限の管理を行う必要があります。

さらに、相続放棄によって影響を受ける可能性があるのが債権者や利害関係者との関係です。特に、被相続人に借金があった場合、次の相続人に請求がいくことを理解しておきましょう。必要に応じて、家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申し立てることも検討されます。

相続放棄後は、「もう無関係」と思いがちですが、関係各所への連絡と、必要最低限の管理行為を行うことが円満な相続手続きの鍵となります。

相続放棄を自分で行う流れ

相続放棄は専門家に依頼せず、自分で手続きを進めることも可能です。ただし、家庭裁判所に対して正確な申述が必要となるため、事前に流れをしっかり把握しておくことが重要です。以下に、自分で相続放棄を行う場合の一般的な流れを解説します。

1. 財産の内容を確認する

相続放棄を検討する第一歩は、被相続人が遺した財産の内容を把握することです。プラスの財産(預貯金・不動産など)とマイナスの財産(借金・未払い金など)を調べ、放棄すべきかどうかを判断します。

2. 必要書類を揃える

放棄を決めたら、家庭裁判所に提出するための書類を準備します。基本となる書類は以下の通りです。

  • 相続放棄申述書(家庭裁判所の指定様式) 
  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票 
  • 自分の戸籍謄本 
  • 収入印紙(800円) 
  • 郵便切手(家庭裁判所の指定額) 

また、申述人の立場(配偶者、子、兄弟姉妹など)によっては、被相続人の出生から死亡までの戸籍一式など追加書類が必要になることもあります。

3. 管轄の家庭裁判所へ書類を提出する

被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、書類一式を提出します。提出は郵送でも持参でも可能です。期限は「被相続人の死亡を知った日から3ヶ月以内」とされています。

4. 照会書に回答する

書類の受理後、家庭裁判所から「照会書」が送付されます。これは、放棄の意思が自発的なものであるかを確認するための書面です。質問事項に正確に記入し、返信用封筒で返送します。場合によっては裁判所から出頭を求められることもあります。

5. 相続放棄申述受理通知書を受け取る

照会書の返送内容をもとに審査が行われ、問題がなければ「相続放棄申述受理通知書」が送られてきます。この書面が届けば、正式に相続放棄が成立します。以後、相続人としての資格は一切失われ、借金等の請求も受けることはありません。

相続放棄の費用相場

相続放棄を自分で行えば、費用は数千円程度に抑えられますが、書類の不備や期限切れのリスクを避けるために、専門家に依頼する人も少なくありません。専門家に依頼する場合は、サポート内容や対応範囲に応じて費用が大きく異なります。以下では、司法書士・弁護士に依頼する場合の相場感をご紹介します。

司法書士

司法書士に相続放棄の手続きを依頼する場合の費用相場は、1人あたりおよそ3万円〜5万円程度が一般的です。相続放棄に必要な書類の作成や、家庭裁判所への提出書類の整備、照会書の対応アドバイスなどをサポートしてもらえます。

司法書士は法務局や裁判所に提出する書類の作成を専門としていますが、原則として代理人として裁判所に出向くことはできないため、本人が照会書に記入・提出する必要がある点には注意が必要です。ただし、書類のミスを防ぐ意味では非常に有効な選択肢です。

弁護士

弁護士に相続放棄を依頼した場合の費用は、およそ5万円〜10万円程度が目安です。弁護士は司法書士と異なり、裁判所に出頭して代理人として手続きを行うことが可能なため、申述人がほとんどの対応を委任することができます。

また、期限を過ぎてしまった相続放棄の申述(例外的な事情による申立て)や、相続人間でのトラブルが予想されるケースでも、弁護士による事情説明書の作成や交渉サポートが可能となり、より安心して手続きを進めることができます。費用は高めですが、複雑な事情がある場合や、法的対応が求められるケースでは弁護士の関与が適しています。

相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄は、自分で手続きを行うことも可能ですが、書類の不備や期限超過といったリスクを避けるために、司法書士に依頼する人も多くいます。特に「必要書類が複雑でよくわからない」「相続人の関係が複雑」「期限が迫っていて不安」といった場合には、司法書士のサポートが大きな安心材料となります。

最大のメリットは、書類作成の正確さとスピードです。相続放棄には戸籍の取り寄せや相続関係の確認、申述書の記入など専門的な知識が求められる場面が多くあります。司法書士に依頼すれば、必要な戸籍収集から申述書の作成、書類の整備まで、ミスなくスムーズに進めてもらえます。

また、裁判所に提出する書類は形式や内容に厳格なルールがありますが、司法書士はこうした手続きの専門家であるため、不備による差し戻しや再提出のリスクを低減できます。さらに、照会書への対応についてもアドバイスがもらえるため、記入に迷ったときも安心です。

費用相場は1人あたり3万円~5万円程度とされていますが、期限内に正確に放棄手続きを完了できるという点では、費用対効果に優れた選択肢といえるでしょう。

相続放棄を司法書士に依頼するデメリット

相続放棄の手続きをスムーズに進めるために司法書士へ依頼することは有効な選択肢ですが、依頼にはいくつかのデメリットや注意点もあります。以下に代表的な点を挙げます。

1. 代理権がないため、本人の対応が必要な場面がある

司法書士は法務の専門家であり、書類作成や戸籍収集のサポートはできますが、家庭裁判所における手続きを代理人として進める権限(代理権)はありません。つまり、申述書の提出や照会書の記入・返送など、最終的な手続きは本人自身が行わなければなりません。

そのため、「すべてを丸ごと任せたい」と考える方にとっては、思ったより手間が残ることがデメリットとなります。

2. 費用がかかる

相続放棄を自分で行えば、印紙代・戸籍取得などを含めても3,000〜4,000円程度で済みます。一方で、司法書士に依頼する場合は1件あたり約3万円〜5万円程度が相場とされており、自分で行う場合と比べて費用負担が大きくなります。

状況によっては、相続放棄をすることで受け取れる財産もなくなるため、費用対効果を慎重に判断する必要があります。

3. 複雑・争いがある相続には対応できない

相続放棄をめぐって親族間のトラブルが生じている場合や、債務整理・相続人の調査に法律的な交渉が必要な場合には、司法書士では対応が難しいケースがあります。こうした場合は、交渉権限や訴訟対応が可能な弁護士の方が適しています

相続放棄を司法書士に依頼したときのよくある質問

ここでは、相続放棄を司法書士に依頼したときのよくある質問について紹介します。

相続放棄は3ヶ月の間に何回でもできる?

相続放棄は3ヶ月の熟慮期間内であっても、一度受理されると撤回や再申述はできません。つまり、「何回でもできる」というわけではなく、1回限りの手続きとなります。

熟慮期間と相続放棄の性質

  • **熟慮期間(3ヶ月)**は、「相続するか・放棄するか」を自由に検討できる猶予期間です。 
  • しかし、相続放棄の申述が家庭裁判所に受理されると、それ以降は相続人ではなかったことになるため、撤回も変更も認められません。 
  • 例外的に、重大な事実誤認や未成年者の同意不足など、法的瑕疵がある場合は**「取消し」や「無効の主張」ができることもあります**が、非常に限られたケースです。 

まとめ

  • 相続放棄は3ヶ月以内に行う必要がある。 
  • 一度手続きが受理されれば、再度やり直すことはできない。 
  • 内容に不安がある場合は、申述前に専門家へ相談するのが安全。

相続放棄の手続きにかかる時間は?

相続放棄の手続きにかかる時間は、一般的に1〜2ヶ月程度が目安です。ただし、必要書類の準備状況や家庭裁判所の混雑状況によって前後します。

相続放棄の手続きにかかる主な期間の目安

手続きのステップ 所要時間の目安
財産の調査・書類収集 数日〜1週間程度(内容による)
家庭裁判所への申述書提出 書類が揃い次第すぐ可能
裁判所から照会書が届くまで 約1〜2週間
照会書への記入・返送 数日程度
相続放棄申述受理通知書の発送(完了) 返送後約1〜2週間

 

合計期間:通常は1ヶ月〜2ヶ月程度

早ければ3週間前後で完了するケースもありますが、以下の場合は時間がかかることがあります:

  • 被相続人の戸籍を出生から死亡まで全て集める必要があるケース(兄弟姉妹・甥姪など) 
  • 裁判所とのやり取りで照会書以外に追加の確認や審問が必要になるケース 
  • 裁判所が繁忙期(年末年始や年度末など)に当たる場合 

注意点

  • 相続放棄は、「相続が開始したことを知った日から3ヶ月以内」に申述しなければなりません。書類不備や遅延で期限を過ぎると、放棄が認められない可能性があります。 
  • 期限ギリギリの場合は、まず申述書を提出し、「補完書類は後日提出」とすることで期日内に手続きの意思を示すことが可能です(ただし要確認)。 

相続放棄の取り消しはできますか?

原則として、相続放棄は一度受理されると取り消すことはできません。これは民法第919条に基づくもので、相続放棄が受理されると「はじめから相続人でなかった」と法律上みなされるため、放棄の効力は非常に強いものとされています。

【例外】取り消しや無効が認められるケース

ただし、以下のような特別な事情がある場合には、例外的に取り消しや無効が認められることがあります

1. 詐欺や強迫による放棄(民法第96条

  • 他人にだまされたり、脅されたりして放棄させられた場合は、放棄の意思表示自体が取り消しの対象となります。 

2. 未成年者が法定代理人の同意なしに行った場合

  • 未成年者が親などの法定代理人の同意を得ずに相続放棄した場合、その放棄は無効とされる可能性があります。 

3. 重大な事実誤認(放棄時に借金の存在を知らなかった等)

  • 放棄時に、プラスの財産のみだと誤信していたが、後に多額の負債が判明したなど、判断を誤るような特段の事情がある場合には、無効を主張できることがあります(ただし非常に認められにくい)。 

相続放棄の取り消しが認められるのはごく例外的

  • 裁判所は、相続放棄の「自由意思による判断」があったとみなした時点で、取り消しは原則受け付けません。 
  • 放棄後に多額の遺産が発見されたとしても、「損したから取り消したい」という理由では認められません。 

まとめ

内容 原則・可否
相続放棄の取り消し(原則) ✕ 不可
詐欺・強迫による放棄 ○ 取り消し可能(民法96条)
未成年者の単独放棄 ○ 無効の主張が可能
重大な事実誤認(例外的) △ ケースにより主張可能

 

相続放棄を司法書士に依頼したときのまとめ

ここまで相続放棄を司法書士に依頼したときについてお伝えしてきました。

相続放棄を司法書士に依頼したときの要点をまとめると以下の通りです。

 

  • 相続放棄とは、相続人が被相続人の財産や借金を一切受け継がず、法的に相続人でなかったとみなされる手続きです。
  • 相続放棄を司法書士に依頼すれば、書類作成の正確さとスピードが確保され、期限内の手続きを安心して進められる点が大きなメリットです。
  • 司法書士による相続放棄の費用は約3〜5万円で、書類作成や手続きのサポートが受けられますが、裁判所への出頭は本人対応が必要です。

 

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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