遺言の検認とは?手続きの必要性や流れを解説します

  • 2025年10月26日
  • 2025年8月26日
  • 遺言

遺言書を見つけたとき、「これで相続手続きができる」と安心する一方で、何をすれば良いか戸惑う方もいるでしょう。

実は、自筆の遺言書などでは、まず「検認」という家庭裁判所での手続きが必要です。

この手続きを怠ると、遺言書の内容を実現できなくなったり、過料が科されたりする可能性があります。

 

本記事では、遺言の検認について以下の点を中心にご紹介します。

 

  • 遺言の検認とは
  • 遺言の検認が必要な場合と不要な場合
  • 遺言の検認を行う際の注意点

 

遺言に関する手続きを円滑に進めるためにも、ぜひ最後までご覧ください。

 

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遺言の検認とは

遺言の検認とは、遺言書の偽造や変造を防ぐために家庭裁判所で行われる手続きです。

自筆証書遺言などの遺言書を保管していた方や発見した相続人は、遺言者の死亡を知った後、速やかに家庭裁判所へその遺言書を提出し、検認の申し立てを行う義務があります。

 

検認の目的は、相続人に遺言の存在と内容を明らかにすること、そして遺言書の形状や日付、署名、加除訂正の状況などを確認し、その時点の状態を記録することです。

あくまで“遺言書の現状を確認する”手続きであり、内容の有効・無効を判断するものではありません。

 

また、検認を経ても遺言書の効力が完全に保証されるわけではなく、有効性について争いがある場合は別途、調停や訴訟で解決を図る必要があります。

ただし、検認を怠ると金融機関での口座解約や不動産登記といった相続手続きが進められなくなるため、実務上は欠かせない重要なステップです。

 

特に自筆証書遺言の場合、検認を経なければ相続手続きに進めない点に注意が必要です。

このため、遺言を発見したら早めに家庭裁判所に相談し、手続きを進めることが望まれます。

遺言の検認は必要なのか

遺言書の形式や保管方法によって、家庭裁判所での検認が必要な場合と不要な場合があります。

自筆証書遺言や秘密証書遺言のように自宅で保管されるものは改ざん防止のため検認が必須ですが、公正証書遺言や法務局に預けられた遺言は公的管理が行われているため不要です。

ここでは、それぞれの違いを整理して解説します。

検認が必要なケース

遺言の検認が必要となるのは、遺言者が自ら作成して自宅などで保管していた「自筆証書遺言」や「秘密証書遺言」の場合です。

これらの形式は、公的機関での管理がされていないため、遺言書を発見した相続人が勝手に内容を改ざんしたり、書き換えられる危険性があります。

そのため、遺言書の存在や内容をすべての相続人に明らかにし、偽造や変造を防止する目的で、家庭裁判所に提出して検認を受けることが義務付けられています。

 

なお、秘密証書遺言は内容を秘密にできる一方、本人が保管することが多いため、同様に検認が必要です。

 

ただし、自筆証書遺言であっても「法務局の遺言書保管制度」を利用している場合や、公証役場に保管される公正証書遺言であれば、公的に管理されているため検認の必要はありません。

検認が不要なケース

一方で、家庭裁判所での検認が不要となる遺言もあります。

代表的なのは「公正証書遺言」で、公証人が作成に立ち会い、公証役場で厳格に保管されるため、偽造や改ざんの心配がありません。

 

また、2020年に導入された「遺言書保管制度」を利用して法務局に預けられた自筆証書遺言も、すでに公的に管理されている状態となるため、検認を経ずに相続手続きを進めることが可能です。

 

いずれも公的機関の関与によって信頼性が確保されているため、相続人が手続きをスムーズに進められる点が大きなメリットです。

したがって、検認の有無は遺言の形式と保管方法によって異なるため、遺言を作成する際にはこれらの違いを理解して選択することが重要です。

遺言の検認手続きの主な流れ

遺言の検認を行う場合、家庭裁判所での手続きを踏む必要があります。

検認とは、遺言書が真正に存在することを裁判所が確認する手続きであり、内容の有効性を判断するものではありません。

したがって、検認を受けたからといって遺言が法的に有効であると確定するわけではなく、あくまで「形式的な確認」を行う場だと理解しておきましょう。

 

ここでは、検認の主な流れを順を追って紹介します。

必要な書類を用意する

遺言書を発見したら、まずは家庭裁判所に検認を申し立てるために必要な書類を揃えることから始めます。

書類は複数あり、収集に時間がかかる場合もあるため、早めに準備することが重要です。

 

主な必要書類は以下です。

 

  • 検認申立書(裁判所ホームページからダウンロード可能)
  • 遺言書本体
  • 遺言者の出生から死亡までの戸籍謄本一式
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 当事者目録
  • 収入印紙(申立書1通につき800円分)
  • 郵便切手(相続人への通知用。金額は裁判所で確認)

 

これらは家庭裁判所の管轄や相続人の人数によっても必要数が異なる場合があります。

戸籍が遠方にある場合や相続人が多数いる場合は特に時間を要するため、早めに請求しておくことが安心です。

 

また、提出後に追加で書類を求められるケースもあります。

不明点があると審査が止まってしまう可能性があるため、事前に家庭裁判所へ問い合わせをして確認することをおすすめします。

特に、被相続人の戸籍謄本は出生から死亡までの連続したものが必要になるため、途中の戸籍が抜けていないかを丁寧に確認しましょう。

家庭裁判所へ申立てをする

必要書類が整ったら、遺言者が最後に住んでいた住所を管轄する家庭裁判所へ申立てを行います。

申立て方法は次の2つです。

 

  • 裁判所窓口へ直接持参する
  • 郵送で提出する

 

郵送で提出する場合は、以下の点に注意してください。

 

  • 提出書類に不備がないか事前に裁判所へ確認しておく
  • 戸籍謄本など大切な書類は「追跡可能な方法」で送付する
  • 戸籍謄本は返却されないことがあるため、必ずコピーを取ってから提出する

 

特に金融機関での相続手続きには戸籍謄本の提出が必要になることが多いため、返却の有無を確認した上で準備することが大切です。

 

また、申立ての際に「遺言書は未開封で提出する必要がある」点にも注意してください。

遺言書を勝手に開封してしまうと5万円以下の過料に処される可能性があるため、必ず封印を解かずに提出しましょう。

検認期日を調整して検認に立ち会う

申立て後、家庭裁判所から検認期日の通知が届きます。

期日は通常、申立てから数週間から1か月程度後に設定されます。

 

【当日の流れ】

  • 申立人は必ず出席(他の相続人は欠席可能)
  • 裁判所職員と相続人立ち会いのもとで遺言書を開封
  • 日付・署名・筆跡・加除訂正の有無などを確認
  • 所要時間は10〜15分程度

 

【持参するもの】

  • 印鑑(申立書に押したもの)
  • 本人確認書類
  • 収入印紙150円分
  • 検認期日通知書

 

検認はあくまで形式的な確認であり、遺言書の内容が法的に有効かどうかを判断する場ではありません。

 

しかし、立ち会った相続人が遺言の存在や筆跡などを確認できるため、後々「偽造されたのではないか」といった争いを防ぐ役割を果たします。

 

また、期日が確定するまでは遺言書を開封せず、大切に保管しておくことが必要です。

検認済証明書を発行する

検認手続きが終わると、遺言書は申立人に返還されます。

この際に必ず行いたいのが「検認済証明書」の申請です。

 

検認済証明書が必要となる場面には、以下のようなケースがあります。

 

  • 金融機関での口座解約
  • 不動産の相続登記
  • その他相続関連の各種手続き

 

これらの手続きは、証明書がなければ進めることができません。

そのため、検認終了後は速やかに申請して取得することが重要です。

 

さらに、検認終了後には相続人全員に「検認済通知」が送付されます。

ただし、この通知には遺言の具体的な内容は記載されません。

内容を知りたい場合は検認に出席した相続人に確認するか、申立人にコピーを依頼して入手する必要があります。

自動的に配布される仕組みはないため、必要に応じて早めに連絡を取ることが大切です。

 

また、検認済証明書は不動産登記などで複数回必要になるケースもあるため、1通だけでなく複数枚取得しておくと安心です。

証明書は後日追加申請も可能ですが、登記や銀行手続きのたびに取り寄せる手間を考えると、初めから余分に用意しておくのがおすすめです。

遺言の検認にかかる期間と費用目安

 

 

遺言書の検認には法律上の期限は設けられていませんが、相続税の申告(10ヶ月以内)や相続放棄の手続き(3ヶ月以内)などには期限があるため、早めに進めることが実質的に求められます。

 

申立てをしてから家庭裁判所で検認が実施されるまでには、一般的に1〜2か月程度かかるのが目安です。

この間は検認済証明書がないため、遺言に基づく財産の移転手続きは進められません。

 

遺産分割協議も原則として遺言に従う必要があるため、検認が完了するまでは大きな手続きができない点に注意が必要です。

費用の目安

遺言の検認手続きは、申立てそのものに高額な費用はかかりませんが、収入印紙や戸籍の取得費用など、細かな出費が積み重なる点に注意が必要です。

また、相続人の人数や居住地の状況によっては追加費用が発生することもあるため、全体像を把握して準備を進めましょう。

 

検認手続きに必要となる主な費用は下記のとおりです。

 

  • 申立手数料:遺言書1通につき収入印紙800円
  • 郵便切手代:裁判所ごとに異なる
  • 検認済証明書の発行手数料:遺言書1通につき収入印紙150円
  • 戸籍関係の取得費用:戸籍謄本1通450円、除籍謄本・改製原戸籍謄本1通750円

 

これらに加えて、相続人が遠方に住んでいる場合には郵送費や交通費が発生することもあります。

また、戸籍謄本を複数通取得する必要がある場合や、相続人の数が多い場合は費用がかさむ点にも注意が必要です。

 

検認そのものに高額な費用はかかりませんが、関連する証明書の取得や事務的な出費を含めると、思った以上の負担になることもあります。

 

以上のように検認には時間と費用が伴うため、相続全体のスケジュールを意識して早めに準備を始めることが大切です。

特に、相続税の申告期限や相続放棄の期限を踏まえ、余裕を持った計画を立てることが重要です。

遺言の検認についての注意点

遺言の検認手続きを行う際は、以下のような点に注意しましょう。

遺言の検認を行っても必ずしも効力を証明するものではない

遺言書の検認は、あくまで「その遺言書が存在し、どのような状態で残されているか」を明らかにするための手続きです。

したがって、検認が済んだからといって、その遺言書が法律上有効であることを保証するものではありません。

 

例えば、形式に不備がある場合や遺言能力に疑義がある場合には、検認を受けても効力を持たないことがあります。

 

もし遺言書の有効性に異議がある場合には、家庭裁判所で「遺言無効確認調停」や、裁判所に「遺言無効確認訴訟」を提起する必要があります。

無効が争われる典型的な理由としては、方式違背や共同遺言の禁止、公序良俗違反、遺言能力の欠如、証人欠落、錯誤や詐欺・脅迫による作成などが挙げられます。

 

つまり検認はあくまでスタート地点であり、遺言の効力をめぐる争いは別の法的手続きで決着を図ることになる点を理解しておくことが大切です。

遺言書が複数ある場合はすべて検認する必要がある

遺言書が一通だけとは限らず、複数の遺言書が発見されるケースも少なくありません。

その場合、家庭裁判所における検認は、見つかった遺言書すべてについて行わなければなりません。

検認は「遺言書の存在と内容を確認する」ための手続きであり、有効・無効を判断するものではないためです。

 

複数の遺言書がある場合、基本的には作成日が最も新しいものが有効とされます。

ただし、古い遺言書でしか触れられていない財産については、その部分のみ効力が残るケースもあります。

 

例えば、新しい遺言書に不動産や自動車の記載がなく、古い遺言書にだけ明記されている場合などです。

したがって、複数の遺言書が見つかった場合には一部を除外せず、すべてを検認に付すことが相続手続きを円滑に進める第一歩となります。

遺言の検認についてよくある質問

ここでは、遺言の検認についてよくある質問を紹介していきます。

遺言の検認を怠るとどのようなリスクがありますか?

遺言書を発見しても検認を受けないまま放置したり勝手に開封したりすると、さまざまなリスクが生じます。

 

まず、相続手続きを進められないという問題があります。

銀行口座の解約や名義変更、不動産の登記などには「検認済証明書」が必須であり、検認を経なければ手続きができません。

 

また、ほかの相続人から不信感を抱かれる可能性もあります。

検認前に遺言書を開封すると、偽造や変造を疑われ、トラブルに発展しかねません。

 

さらに、違法行為とみなされる場合もあり、秘密証書遺言や自筆証書遺言を検認せずに開封すると、5万円以下の過料が科される可能性があります。

 

そして最も重いリスクは、遺言書を故意に隠した場合です。

自分に不利だからと遺言書を隠匿すると、相続欠格事由にあたり、その相続人は権利を失います。

 

検認は単なる形式ではなく、相続人全員の権利を守るための重要な手続きです。

検認が必要な場合は、きちんと手続きを踏むようにしましょう。

遠方に住んでいる場合も立会いが必要ですか?

遺言書の検認において、必ず出席しなければならないのは申立人のみです。

申立人は検認期日に家庭裁判所へ出向き、遺言書の開封と確認に立ち会う必要があります。

 

これに対し、ほかの相続人は出席を強制されるものではなく、欠席しても不利益を被ることはありません。

 

家庭裁判所からは、相続人全員に検認期日の通知が届きますが、これは「検認が行われる」という事実を知らせるものに過ぎません。

欠席した相続人には後日「検認済通知」が送付され、さらに内容を知りたい場合は家庭裁判所に申請して検認調書の謄本を入手することが可能です。

 

なお、どうしても出席が難しい場合には代理人を立てることも可能ですが、代理人となれるのは弁護士に限られます。

行政書士や司法書士は立会代理にはなれないことに注意しましょう。

誤って開封してしまった遺言書も検認が必要ですか?

誤って遺言書を開封してしまった場合でも、検認手続きは必要です。

検認を受けなければ、相続手続きに必要な「検認済証明書」が発行されず、銀行口座の解約や不動産登記などの手続きが進められません。

さらに、検認を経ることで遺言の存在と内容が相続人全員に明らかになり、偽造や変造といった不正を防ぐことにもつながります。

 

うっかり開封してしまった際は、そのままの状態で家庭裁判所に提出し、事情を説明することが大切です。

焦って封筒を貼り直したり、破棄したりすると、遺言書の内容を改ざんしたと疑われ、最悪の場合は「相続欠格」とされて相続権を失う恐れもあります。

 

誤って開封してしまっても隠さず正直に対応し、検認手続きを進めることが円滑な相続とトラブル回避のための最善策といえるでしょう。

遺言の検認についてのまとめ

ここまで遺言の検認についてお伝えしてきました。

遺言の検認についての要点をまとめると以下の通りです。

 

  • 遺言の検認は、偽造や変造を防ぐため家庭裁判所で行う手続きであり、提出義務はあるものの、有効性を判断するものではない
  • 自筆証書遺言や秘密証書遺言は検認が必要だが、公正証書遺言や法務局保管の遺言は検認不要である
  • 検認を受けても効力は保証されず、争いがあれば調停や訴訟が必要であり、複数の遺言や誤って開封した遺言も検認対象となる

 

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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