海外在住者に日本の相続税はかかる?国際相続のルールや注意点を解説

  • 2025年12月28日
  • 2025年9月28日
  • 相続税

海外で暮らしている方にとって、日本での相続手続きがどのように扱われるのか気になるところです。特に「海外在住だから関係ないのでは?」と考えたり「日本に資産があると何か影響があるのでは?」と不安を抱えるたりする方も少なくありません。

 

本記事では海外在住者に日本の相続税はかかるのかについて以下の点を中心にご紹介します。

 

  • 海外在住者に日本の相続税はかかるのか
  • 海外在住者に相続税がかかるケースとかからないケース
  • 海外在住者に日本の相続税が発生する場合の注意点

 

海外在住者に日本の相続税はかかるのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

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海外在住者に日本の相続税はかかる?

「海外に住んでいれば日本の相続税は関係ないのでは?」と考える方もいるかもしれません。結論からいえば、相続税が課されるかどうかは財産の所在と相続人・被相続人の居住状況や移住期間によって決まります。

 

まず、日本にある財産については、相続人や被相続人がどこに住んでいるかに関わらず、日本の相続税の対象となります。例えば、相続財産のなかに国内の不動産が含まれていれば、海外に住んでいる相続人であっても日本での申告・納税が必要です。

 

一方、海外にある資産の場合は状況が異なります。被相続人や相続人のどちらかが日本に居住している場合には、日本の相続税が適用されます。しかし、両者ともに海外で生活しており、かつ10年以上日本に居住していない場合には、海外資産に対して日本の相続税がかからないケースがあります。

 

つまり、“財産の場所”と“海外での居住年数”が大きな判断基準となるのです。単に海外に移住したからといって相続税の負担から逃れられるわけではなく、条件によっては海外資産にも日本の課税が及ぶ可能性があるため注意が必要です。

海外在住者に相続税がかかるケースとかからないケース

海外に住んでいるからといって、必ずしも日本の相続税が無関係になるわけではありません。前項で解説したとおり、相続人や被相続人の居住地・国籍、さらに海外滞在年数によって課税の有無が変わります。

 

以下では、海外在住者に相続税がかかるケースとかからないケースについて解説します。

 

【相続税がかかるケース】

  • 被相続人・相続人の双方が日本在住の場合、国内外の財産すべてに相続税が課される
  • 被相続人が日本に住んでいて、相続人が海外在住の場合も同様に、日本の相続税法が適用される
  • 被相続人が海外在住でも、相続人が日本に住んでいる場合には、海外財産を含め相続税の対象になる

 

【相続税がかからないケース】

  • 被相続人と相続人の双方が海外在住であり、かつ両者とも10年以上日本に居住していない場合。いわゆる“10年ルール”により、海外資産には日本の相続税が課されない
  • 相続人が日本国籍を持たず、被相続人も長期間日本に住んでいない場合も、海外財産に対しては日本の相続税は原則かからない

日本と海外の二重課税を回避するために必要なこと

デジタル終活の始め方|必要生とメリットをわかりやすく解説海外に財産がある場合、日本とその財産がある国の両方で相続税や遺産税がかかる“二重課税”の問題が発生することがあります。二重課税の負担を軽減するために設けられているのが外国税額控除という制度です。

 

これは、日本の居住者が海外の財産を相続し、その財産に対して外国で相続税(遺産税)が課された場合に、日本の相続税額からその分を差し引ける仕組みです。控除できる金額には上限があり、日本で課される相続税額に外国資産の割合を掛けた額と実際に海外で納めた税額のいずれか少ないほうが適用されます。例えば、米国不動産に税金がかかったケースでは、算式に基づいて計算され、一定額まで日本の相続税から差し引くことが可能になります。

 

外国税額控除という制度を利用するためには、相続税申告の際に“外国税額控除に関する明細書”や海外の納税証明書などを添付して提出する必要があります。ただし、控除の対象となるのは原則として租税条約に基づく国税に限られ、米国の州税など地方税は対象外となる点には注意が必要です。また、海外での税額が大きすぎる場合、日本で全額を控除できないケースもあります。

 

したがって、海外資産を含む相続を行う際には、あらかじめ現地の課税制度や租税条約の有無を確認し、日本での申告手続きに必要な書類を準備しておくことが二重課税を避けるための大切なポイントとなります。

海外在住者でも日本の相続税が発生する場合の注意点

ここまで、海外に住むと日本の相続税が発生するのか、そして、海外在住者でも日本の相続税がかかるケースとかからないケースについて解説してきました。

以下では、海外在住者でも日本の相続税が発生する場合の注意点について解説します。

 

1. 被相続人・相続人ともに日本に住んでいる場合

 

被相続人・相続人ともに日本に住んでいる場合は、国内資産だけでなく、海外にある財産にも日本の相続税がかかります。海外の不動産や口座は、日本の法律に基づいて分割を決めても、現地では別途手続きが必要になるため注意が必要です。

2. 日本在住の相続人がいる場合

親が海外に住んでいても、子どもが日本に住んでいれば、海外にある資産を含めて日本の相続税の課税対象となります。海外で相続税を支払ったときには“外国税額控除”を使うことで二重課税を避けられますが、控除額には上限がある点を理解しておく必要があります。

3. 海外在住の相続人に必要な書類

相続人が海外に暮らしている場合、日本で必要となる印鑑証明や住民票は取得できません。その代わりに、在外公館で発行されるサイン証明書や在留証明書を提出することになります。相続税の申告期限は10ヶ月以内のため、早めの準備が重要です。

4. 過去10年以内の居住歴に注意

被相続人・相続人の両方が海外で生活していても、相続開始前10年以内に日本に住所を持っていた場合には、海外資産が課税対象になる可能性があります。国籍や居住年数によって課税範囲が変わるため、最新の法改正も確認することが欠かせません。

日本より相続税が安い国は?

相続税の負担は国ごとに大きく異なります。日本の最高税率は55%と高水準ですが、単純に税率だけを比べても実際の負担感は一概に判断できません。基礎控除の金額や、配偶者・子どもへの優遇措置、課税の対象範囲など制度設計そのものが国ごとに違うためです。

 

例えばイギリスでは、税率は一律40%とされています。遺産の規模が1億円〜10億円程度であれば、日本よりも負担率が高くなるケースもありますが、資産が10億円を超えてくると逆に日本の方が重い課税になります。

 

アメリカでは免税枠が非常に大きく、約27億円程度までなら相続税がかかりません。そのため多くの世帯にとって相続税の心配は不要といえます。こうした背景から、富裕層以外では課税されないケースが多く見られます。

 

さらに、オーストラリアやカナダ、シンガポール、スウェーデンなど、そもそも相続税を設けていない国も存在します。これらの国々は富裕層を呼び込む目的や、自国民の海外流出を防ぐ狙いがあると考えられています。

 

ただし、相続税がない国へ移住したとしても、注意すべき点があります。平成27年に導入された“国外転出時課税制度(出国税)”により、1億円以上の有価証券などを持って出国すると、その含み益に所得税が課される仕組みになっています。このため、必ずしも移住すれば大幅な節税になるとは限らない点を理解しておくことが大切です。

海外在住者の相続税についてのよくある質問

ここまで海外在住者でも日本の相続税が発生する場合の注意点や日本より相続税が安いなどについて解説してきました。

以下では、海外在住者の相続税についてのよくある質問についてご紹介します。

相続税がかからない国はどこですか?

前項で少し触れましたが、相続税がかからない国もあります。例えば、中国や香港、モナコ、インド、シンガポール、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランド、スウェーデンなどがあります。

 

これらの国々では、相続税による課税を行わないことで、富裕層の海外流出を防いだり、海外から資産家を呼び込んだりする狙いがあるといわれています。また、制度的・政治的な理由から相続税の導入が見送られているケースもあります。

 

そのため、将来的に相続を見据えて海外移住を検討する際には、こうした相続税が存在しない国も選択肢のひとつとなるでしょう。ただし、移住先での税制や日本の出国税など、ほかの税負担にも目を向けることが大切です。

日本はなぜ相続税が高いのでしょうか?

日本の相続税は、国際的に見ても比較的高い水準にあります。その背景には、累進課税制度が採用されている点が大きく影響しています。一定額までは基礎控除が認められますが、それを超える部分については財産額が増えるほど税率も上がる仕組みになっており、高額な遺産を相続するほど負担が重くなるのです。

 

このような仕組みは、単に財源を確保するだけでなく、所得の再分配や経済格差の縮小を目的とした政策的な意味合いも含まれています。特に日本では、不労所得である相続財産に対して課税することで公平性を保とうという考え方が根底にあります。

 

そのため、相続税の仕組みを理解したうえで、早めに対策を講じておくことが重要です。生前贈与の活用や非課税枠の利用など、適切な準備をしておくことで将来の税負担を軽減できる可能性があります。

海外在住者の相続税についてのまとめ

ここまで海外在住者の相続税についてお伝えしてきました。海外在住者の相続税についての要点をまとめると以下のとおりです。

 

  • 海外在住でも、日本に財産があれば相続税の対象になることがある
  • 海外在住でも、被相続人が日本在住なら相続税がかかることがある。両者が長く海外在住で相続人が非日本国籍なら、海外財産に相続税がかからない場合もある
  • 海外在住でも、過去10年以内に日本に住所があれば海外資産に相続税がかかる可能性がある。親が海外在住でも、子が日本に住んでいれば課税対象になることもある

 

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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