相続税と贈与税はどちらが高い?それぞれの違いや生前贈与について解説

相続税と贈与税は、財産を受け継ぐ際に重要な税金です。

相続税は、被相続人(亡くなった方)の財産を相続した際に課される税金であり、贈与税は生前に財産を譲り受けた際に課される税金です。

これらの税制は、適切な対策を講じることで税負担を大幅に軽減することが可能です。

しかし、税制の複雑さや頻繁な法改正により、具体的な対策を立てるのは容易ではありません。

本記事では、相続税と贈与税について以下の点を中心にご紹介します!

  • 相続税と贈与税の違い
  • 贈与税の計算方法
  • 生前贈与の注意点

相続税と贈与税について理解するためにもご参考いただけると幸いです。

ぜひ最後までお読みください。

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相続税とは

相続税とは、被相続人(亡くなった方)の財産を相続する際に課される税金です。

相続税は、相続人が国に対して支払う義務があります。具体的には、相続税は次のような計算式で算出されます。

  • 課税遺産総額=課税価格の合計額-基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)

例えば、法定相続人が1人の場合、基礎控除額は3,600万円となり、遺産総額が3,600万円以下であれば相続税は発生しません。

相続税の税率と控除

相続税の税率は累進課税であり、遺産総額が高くなるほど税率も上がります。

非課税枠や特例が設けられており、これにより相続税の負担が軽減されることがあります。主な特例には次のものがあります。

  • 小規模宅地等の特例:居住用や事業用の宅地については、一定条件を満たす場合、評価額が最大で8割減となります。
  • 配偶者の税額軽減:配偶者が相続する場合、1億6,000万円までの相続には相続税がかかりません

贈与税とは

贈与税とは、生前に財産を他人に無償で譲渡した際に課される税金です。この税は、個人間で行われる贈与に対して適用され、贈与者(財産を譲る側)と受贈者(財産を受け取る側)との間で成立します。

贈与税の目的は、相続税の回避を防ぎ、財産の公平な再分配を促進することにあります。

贈与税の特例

贈与税にはいくつかの特例があります。

これにより、特定の条件を満たす贈与に対して税負担が軽減されます。

  • 配偶者控除:婚姻期間が20年以上の夫婦間で行われる居住用不動産の贈与については、2,000万円まで控除が適用されます。
  • 住宅取得資金贈与の特例:父母や祖父母からの住宅取得資金の贈与については、一定額まで非課税となります。
  • 教育資金贈与の特例:教育資金として受け取る贈与については、1,500万円まで非課税となります。
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相続税と贈与税の違い

相続税と贈与税は、財産を他者に譲渡する際に発生する税金です。

相続税は、被相続人(亡くなった方)の財産を相続する際に課される税金であり、贈与税は生前に財産を他人に贈与した際に課される税金です。

この両者は、財産を受け取る側に課税される点で共通していますが、適用される税率や控除額などに違いがあります。

課税対象

  • 相続税:相続税は、被相続人の死亡に伴い相続人が取得する全ての財産に対して課されます。
    課税対象には、現金、預貯金、株式、不動産、さらには生命保険金や死亡退職金などが含まれます。
  • 贈与税:贈与税は、生前に個人から財産を贈与された場合に課されます。
    課税対象には、現金、預貯金、株式、不動産、保険金、無利子の貸付金などが含まれます。
  • 税率と基礎控除額
  • 相続税の税率:相続税の税率は累進課税で、相続財産の総額から基礎控除額を差し引いた残額に対して適用されます。
  • 基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。
  • 例えば、法定相続人が2人の場合、基礎控除額は4,200万円となります。

相続税の速算表

相続財産額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超~3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超~5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超~1億円以下 30% 700万円
1億円超~2億円以下 40% 1,700万円
2億円超~3億円以下 45% 2,700万円
3億円超~6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

贈与税の税率

贈与税には「一般税率」と「特例税率」があり、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上の子や孫が親や祖父母から贈与を受けた場合には特例税率が適用されます。

年間110万円の基礎控除があり、超過分に対して課税されます。

一般の税率

贈与額 税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超~300万円以下 15% 10万円
300万円超~400万円以下 20% 25万円
400万円超~600万円以下 30% 65万円
600万円超~1,000万円以下 40% 125万円
1,000万円超~1,500万円以下 45% 175万円
1,500万円超~3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

特例贈与の税率表

贈与額 税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超~400万円以下 15% 10万円
400万円超~600万円以下 20% 30万円
600万円超~1,000万円以下 30% 90万円
1,000万円超~1,500万円以下 40% 190万円
1,500万円超~3,000万円以下 45% 265万円
3,000万円超~4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

特例制度

  • 相続税の特例:配偶者控除、小規模宅地等の特例、未成年者控除、障害者控除、相次相続控除などがあります。
    配偶者控除では、1億6,000万円または法定相続分のいずれか大きい方が非課税となります。
  • 贈与税の特例:配偶者控除、住宅取得資金の贈与特例、教育資金一括贈与の特例、結婚・子育て資金贈与の特例などがあり、これらにより贈与税の負担を軽減することが可能です。

相続税の計算方法

相続税の計算は非常に複雑で、遺産総額や相続人の数によって異なります。

以下は、相続税を計算するための基本的な手順です。

遺産総額の算出

まず、被相続人(亡くなった方)の遺産総額を計算します。

遺産には現金、預貯金、不動産、株式などの金融資産が含まれます。

また、負債や葬儀費用なども考慮します。

基礎控除額の計算

遺産総額から基礎控除額を差し引きます。

基礎控除額は次の式で求めます。

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

例えば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円となります。

課税遺産総額の計算

基礎控除額を差し引いた後の金額が課税遺産総額となります。

この金額に対して相続税が課されます。

法定相続分に応じた按分

課税遺産総額を法定相続分に応じて各相続人に按分します。

法定相続分は、民法で定められた割合に基づきます。

各相続人の相続税額の計算

按分後の金額に税率を掛けて各相続人の相続税額を計算します。

相続税の税率は累進課税で、遺産額が大きくなるほど税率も高くなります。

税額控除の適用

最後に、各種税額控除を適用します。

主な控除には配偶者控除、小規模宅地等の特例、未成年者控除、障害者控除などがあります。

相続税の具体例

具体的な相続税の計算例を見てみましょう。

遺産総額:1億円

法定相続人:配偶者と子供2人(計3人)

基礎控除額:3,000万円+600万円×3人=4,800万円

課税遺産総額:1億円-4,800万円=5,200万円

課税遺産総額5,200万円を法定相続分で按分します。

配偶者の相続分:2,600万円

子供1人あたりの相続分:1,300万円

各相続人の相続税額を計算します。

配偶者の税額:2,600万円×15%-50万円=340万円

子供1人あたりの税額:1,300万円×15%-50万円=145万円

合計相続税額

配偶者:340万円

子供2人:145万円×2人=290万円

合計:630万円

配偶者控除やその他の特例が適用される場合、この額はさらに減額される可能性があります。

相続税を減額する方法

相続税の負担を軽減するための方法もいくつかあります。

  • 配偶者控除:配偶者が相続する場合、1億6,000万円または法定相続分のいずれか大きい方が非課税となります。
  • 小規模宅地等の特例:居住用や事業用の宅地については、最大80%の減額が適用されます。
  • 生前贈与:計画的な生前贈与を行うことで、相続税の負担を減らすことができます。
    年間110万円以下の贈与は非課税です。

相続税の計算は複雑であり、正確な計算を行うためには詳細な知識と専門的なスキルが必要です。

税理士などの専門家に相談することで、最適な節税対策を講じることができます。

計画的な相続対策を行い、相続税の負担を最小限に抑えましょう。

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贈与税の計算方法

暦年課税制度では、1年間に贈与された財産の合計額が110万円を超える場合に贈与税が課されます。

贈与税の税率は累進課税であり、贈与額に応じて次の税率が適用されます。

贈与税の速算表(暦年課税)

贈与額 税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超~300万円以下 15% 10万円
300万円超~400万円以下 20% 25万円
400万円超~600万円以下 30% 65万円
600万円超~1,000万円以下 40% 125万円
1,000万円超~1,500万円以下 45% 175万円
1,500万円超~3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

計算例

2023年中に1,000万円の現金を贈与された場合、年110万円を超えているため、贈与税を計算する必要があります。

例えば、贈与を受けた人が20歳で、贈与をした人が祖父だった場合(特例贈与財産)、次のように計算します。

  • 課税価格=1,000万円-110万円=890万円
  • 贈与税額=890万円×30%-90万円=177万円

贈与税の申告方法

贈与税とは、個人から財産を贈与された際に課される税金です。
年間に110万円を超える財産を贈与された場合、贈与税の申告と納付が必要になります。

贈与税の申告は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに行わなければなりません。

申告書の作成

贈与税の申告書は、税務署や国税庁のウェブサイトから入手できます。

申告書には、贈与された財産の詳細や贈与額を記入します。

主に以下の書類が必要です。

  • 贈与税の申告書(第一表):暦年課税制度用
  • 贈与税の申告書(第二表):相続時精算課税制度用
  • 贈与税の申告書(第一表の二):住宅取得等資金の贈与税の非課税措置用

必要書類の準備

贈与税の申告に必要な書類には、以下のものがあります。

  • 贈与契約書:贈与の事実を証明する書類
  • 財産の評価証明書:不動産の場合、土地や建物の評価証明書
  • 預貯金通帳の写し:金銭の贈与の場合
  • その他関連書類:特例を適用する場合の証明書類など

申告の提出方法

贈与税の申告書は、紙で提出する方法と電子申告(e-Tax)で提出する方法があります。

  • 紙での提出:税務署の窓口に直接提出するか、郵送します。
    時間外に提出する場合は、税務署の時間外収受箱に投函することもできます。
  • 電子申告(e-Tax):国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用して申告します。
    必要事項を入力し、送信します。

贈与税の納付方法

贈与税の納付は、次の方法で行えます。

  • 税務署や金融機関の窓口:納付書を持参して納付します。
  • ダイレクト納付:e-Taxを利用して口座振替で納付します。
  • インターネットバンキング:オンラインで納付します。
  • クレジットカード納付:クレジットカードを利用して納付します。
  • スマートフォンのアプリ:スマートフォンのアプリを利用して納付します。
  • コンビニ納付:コンビニエンスストアで納付します。

贈与税の申告期限と注意点

贈与税の申告期限は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。
申告を忘れたり、期限を過ぎてしまったりすると、延滞税や加算税が課される可能性があります。

適切に申告を行い、期限内に納付を済ませることが重要です。

贈与税の申告が必要な場合

次のような場合には、贈与税の申告が必要です。

  • 年間110万円を超える財産の贈与:暦年課税制度に基づく贈与
  • 相続時精算課税制度を選択した場合:累計で2,500万円を超える贈与
  • 特例贈与財産の贈与:住宅取得等資金や教育資金などの特例を適用する場合

贈与税の申告方法は、申告書の作成から提出、納付までの一連の手続きが含まれます。

正確な申告を行うためには、必要書類の準備や適切な提出方法を理解することが重要です。

贈与税の申告が初めての方や不安な方は、税理士に相談することをおすすめします。

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生前贈与をするタイミング

生前贈与とは、被相続人が生前に財産を贈与することで、相続税対策として有効な方法の一つです。

適切なタイミングで生前贈与を行うことで、相続税の負担を軽減することが可能です。

生前贈与を行う最適なタイミング

健康かつ若いうちに計画的に

生前贈与を行う際には、贈与者が健康であることが重要です。
健康であれば、年間110万円以下の非課税枠を利用して、計画的に贈与を行うことができます。
若いうちから贈与を開始することで、非課税枠を最大限に活用でき、結果として相続税の負担を大幅に減らすことができます。

不動産や高額資産の贈与を検討する場合

賃貸物件などの収益性のある不動産を所有している場合、早い段階で生前贈与を行うことが有効です。

これにより、将来的な家賃収入が受贈者の所得となり、相続財産の増加を防ぐことができます。

不動産の贈与には相続時精算課税制度を利用することで、多額の贈与税を回避できます。

子や孫が多い場合

子供や孫が複数いる場合、それぞれに年間110万円ずつ非課税で贈与することができます。これにより、総贈与額を大幅に増やすことが可能です。

例えば、子供2人と孫3人がいる場合、年間で550万円を非課税で贈与できます(110万円×5人)。

生前贈与をする際の注意点

贈与契約書の作成

贈与を行う際には、贈与契約書を作成することが重要です。

これにより、贈与の事実を証明し、後々のトラブルを防ぐことができます

特に、税務署から贈与が疑われる場合に備えて、毎年異なるタイミングや金額で贈与を行うと良いでしょう。

相続税との兼ね合い

生前贈与を行った場合、贈与から3年以内に贈与者が亡くなると、その贈与分は相続財産に含まれます。

令和9年以降はこの期間が段階的に7年まで延長されます。

そのため、長期的な計画を立てることが重要です。

相続時精算課税制度の活用

相続時精算課税制度を利用することで、最大2,500万円までの贈与が非課税となります。

この制度を利用すれば、高額な不動産や金融資産の贈与も容易に行えます。

ただし、一度この制度を選択すると暦年課税に戻せないため、慎重に検討する必要があります

生前贈与を計画的に行うことで、相続税の負担を大幅に軽減することが可能です。

贈与者が健康であるうちに始めること、多額の資産や収益性のある不動産を早めに贈与すること、そして子供や孫に分散して贈与することが有効です。

贈与契約書の作成や相続時精算課税制度の活用など、適切な方法で生前贈与を行い、税負担を最小限に抑えましょう。

贈与税の対策

贈与税対策を行うことで、将来的な相続税の負担を軽減することが可能です。

以下に効果的な贈与税対策を紹介します。

暦年贈与の活用

暦年贈与は、年間110万円までの贈与が非課税となる制度です。

この非課税枠を利用し、毎年少額ずつ計画的に贈与を行うことで、相続財産を減少させ、将来の相続税負担を軽減できます。

注意点として、贈与を受けた人の通帳や印鑑を贈与者が管理している場合、「名義預金」と判断される可能性があるため、実際に受贈者が管理することが重要です。

相続時精算課税制度の利用

相続時精算課税制度は、60歳以上の親や祖父母が18歳以上の子や孫に対して行う贈与に適用される特例で、累計2,500万円までの贈与が非課税となります。

累計額を超える部分には一律20%の贈与税が課されますが、相続時にその贈与額が相続財産に加算されるため、相続税の計算に反映されます。

  • メリット:高額の資産を一度に贈与でき、相続税対策がしやすくなります。
  • デメリット:一度この制度を選択すると、暦年課税制度に戻すことができないため、慎重な検討が必要です。

生活費や教育費の贈与

生活費や教育費は、必要な都度支払う場合に贈与税が非課税となります。

例えば、子供や孫の学費や生活費を支払うことで、贈与税の負担を回避できます。

注意点として、生活費や教育費の名目で贈与されたお金が他の用途に使用された場合、贈与税が課される可能性があります

住宅取得資金の贈与

子や孫が住宅を取得するための資金を贈与する場合、一定額まで非課税となる特例があります。

省エネ住宅の場合、最大1,500万円まで非課税で贈与が可能です。

  • 要件:受贈者の合計所得金額が2,000万円以下であること、贈与を受けた翌年3月15日までに住宅を取得し、居住することが必要です。

結婚・子育て資金の贈与

結婚や子育て資金の贈与も、一定額まで非課税となります。

例えば、結婚資金としては最大300万円、子育て資金としては最大1,000万円までが非課税となります。

注意点として、この制度を利用する場合、金融機関を介して贈与を行う必要があります。

効果的な贈与税対策を講じることで、将来の相続税負担を大幅に軽減することが可能です。

暦年贈与、相続時精算課税制度、生活費や教育費の贈与、住宅取得資金の贈与、結婚・子育て資金の贈与など、さまざまな方法を組み合わせて計画的に贈与を行いましょう。

具体的な対策については、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度は、生前贈与を行う際に、最大2,500万円までの贈与が非課税となる制度です。

この制度を利用することで、将来的な相続時に贈与した財産を相続財産に加算して相続税を計算する仕組みです。

贈与者が亡くなった際に、既に支払った贈与税額を相続税から控除することが可能です。

相続時精算課税制度のメリット

多額の贈与が可能

相続時精算課税制度を利用すれば、一度に2,500万円までの財産を非課税で贈与することができます

これにより、大きな資金を一度に移転させることができ、子や孫の住宅購入や起業資金として利用できます。

財産の早期移転

この制度を利用することで、財産を早期に次世代に移転させることが可能です。

特に、不動産や株式などの評価が将来的に上がる可能性がある財産を早めに贈与することで、相続時の評価額上昇による税負担を避けることができます。

暦年贈与との併用

相続時精算課税制度は、暦年贈与と併用することが可能です。

年間110万円以下の贈与については非課税であり、相続時精算課税制度を利用しても、暦年贈与の非課税枠を活用することができます

相続時精算課税制度のデメリット

相続税の節税には向かない

この制度を利用すると、贈与した財産は相続時に相続財産に加算されるため、相続税の節税効果は期待できません。

むしろ、相続財産が増加することで相続税が高くなる可能性があります。

制度の選択が固定される

一度相続時精算課税制度を選択すると、以後は暦年贈与への変更ができません。

そのため、計画的に贈与を行う必要があります。

小規模宅地等の特例が適用されない

この制度を利用した場合、相続時に「小規模宅地等の特例」の適用が受けられません。

この特例は、相続税の評価額を最大80%減額できるため、適用できないと相続税の負担が大きくなる可能性があります。

相続時精算課税制度を利用する際の注意点

贈与者と受贈者の要件

贈与者:贈与を行う年の1月1日時点で60歳以上であること。

受贈者:推定相続人または孫で、贈与者の直系卑属であり、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であること。

贈与税の申告

この制度を利用する場合、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、贈与税の申告書と「相続時精算課税選択届出書」を税務署に提出する必要があります。

制度の適用を慎重に検討

相続時精算課税制度は、相続税対策としては効果が限定的です。

利用する際は、贈与税と相続税のバランスを考慮し、専門家と相談しながら慎重に検討することが重要です。

相続時精算課税制度は、多額の財産を一度に贈与できる有効な手段ですが、相続税の節税には直接的には向いていません。

制度の利用を検討する際は、メリットとデメリットを十分に理解し、計画的に進めることが重要です。

具体的な対策については、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

生前贈与の注意点

生前贈与は、被相続人が生前に財産を贈与することで、相続税の負担を軽減する方法です。

しかし、生前贈与を行う際にはいくつかの注意点が存在します。

これらを理解し、適切に対応することで、効果的な相続対策を行うことができます。

贈与から3年以内に亡くなった場合

生前贈与を行ってから3年以内に贈与者が亡くなった場合、その贈与財産は相続財産に加算され、相続税の対象となります。

これは、相続税を回避するための駆け込み的な贈与を防止するための規定です。

2024年からは、この期間が3年から7年に延長されるため、さらに早期から計画的な贈与を行う必要があります。

名義預金に認定されるリスク

生前贈与の際に注意すべきもう一つのポイントは「名義預金」です。

贈与者が受贈者(財産を受け取る人)の名義で預金を作成し、その通帳や印鑑を管理し続けている場合、その預金は実質的には贈与者のものであると判断され、贈与が認められないことがあります。

対策として、贈与契約書を作成し、受贈者が通帳や印鑑を管理するようにしましょう。
また、贈与の意思とその受領を明確にすることが重要です。

適切な税務申告

生前贈与を行った場合、適切な税務申告を行うことが重要です。

年間110万円を超える贈与については贈与税の申告が必要であり、申告を怠ると延滞税や加算税が課される可能性があります。

特に相続時精算課税制度を利用する場合は、所定の手続きを正確に行う必要があります。

対策として、税理士などの専門家に相談し、適切な申告を行うことをおすすめします。

贈与契約書の作成

生前贈与を行う際には、贈与契約書を作成することが推奨されます。

これにより、贈与の事実を明確にし、将来的なトラブルを避けることができます。

贈与契約書には、贈与者と受贈者の氏名、贈与する財産の内容、贈与の時期などを記載します。

生前贈与の適切なタイミング

生前贈与は、贈与者が健康であるうちに計画的に行うことが重要です。

若いうちから毎年少額ずつ贈与を行うことで、非課税枠を最大限に活用し、将来的な相続税の負担を大幅に軽減することができます。

生前贈与は、相続税対策として非常に有効ですが、いくつかの注意点を理解し、適切に対応することが重要です。

贈与から3年以内に亡くなった場合や名義預金のリスク、適切な税務申告と贈与契約書の作成などに注意し、計画的な生前贈与を行いましょう。

具体的な対策については、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続税と贈与税についてのまとめ

ここまで相続税と贈与税についてお伝えしてきました。

相続税と贈与税の要点をまとめると以下の通りです。

  • 相続税と贈与税の違いは、相続税は、被相続人(亡くなった方)の財産を相続する際に課される税金であり、贈与税は生前に財産を他人に贈与した際に課される税金
  • 贈与税の計算方法は、遺産総額を計算し、基礎控除額を差し引きし、差し引いた後の金額が課税遺産総額となり、相続税が課される
  • 生前贈与の注意点は、生前贈与を行ってから3年以内に贈与者が亡くなった場合、その贈与財産は相続財産に加算され、相続税の対象となることや年間110万円を超える贈与については贈与税の申告が必要になる点など

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

相続手続きが不安な方へ
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