相続人が行方不明の場合は?遺産分割協議の進め方を解説

相続が発生した際、相続人の中に行方不明の人がいると、遺産分割協議を進める上でさまざまな問題が生じます。誰がどの財産を相続するのかを決めるためには、原則として相続人全員の参加が必要だからです。

 

本記事では、相続人が行方不明の場合について以下の点を中心にご紹介します!

 

  • 遺産分割協議の基本
  • 相続人に行方不明者がいる場合の対処法
  • 不在者財産管理人と失踪宣告の使い分け

 

相続人が行方不明の場合について理解するためにもご参考いただけると幸いです。

ぜひ最後までお読みください。

 

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遺産分割協議とは

遺産分割協議は、遺産を具体的に分配するための相続人間の合意手続きです。

ここでは遺産分割協議の基本について解説します。

遺産分割協議の基本

遺産分割協議とは、被相続人の遺産をどのように分けるかについて、相続人全員で話し合う手続きのことです。相続人全員が参加することが求められます。

 

話し合いで分配方法が決まったら、その内容を文書として残すのが望ましく、この文書を「遺産分割協議書」と呼びます。遺産の種類や誰がどの財産を相続するかを明確に記載することで、相続人全員が協議内容に同意していることを証明できます。

 

口頭で話し合いがまとまったとしても、協議書を作成していなければ、後々トラブルの原因になりかねません。そのため、円満に話がついた場合でも、必ず遺産分割協議書を作成しておくことが重要です。

遺産分割協議の手続き

遺産分割協議では遺言書の有無も重要になります。

それぞれの場合について解説します。

①遺言書がある

遺言書が存在する場合は、原則としてその内容に従って相続財産を分配するため、遺産分割協議は基本的に不要です。被相続人が遺言で指定したとおりに財産を分けることになります。

 

しかし、遺言書の内容と異なる方法で相続財産を分けたい場合や、遺言書に記載されていない財産が新たに見つかった場合には、相続人全員で遺産分割協議を行い、分配方法を決める必要があります。遺言書があっても、必ずしも遺産分割協議が不要というわけではない点に注意しましょう。

②遺言書がない

遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。これは、相続財産を誰がどのようにどの程度取得するかを具体的に決めるための話し合いです。ただし、相続人が1人しかいない場合には、遺産分割協議は基本的に不要です。

 

相続手続きを始める際は、まず遺言書の有無を確認することから進めましょう。

遺産分割協議は相続人全員で行わなければならない

相続発生時に、相続人の中に行方不明者がいる場合には注意が必要です。遺産分割協議は、相続人全員で行うことが原則だからです。

 

「長い間連絡が取れていないので関係ないだろう」と考えて無視することはできません。行方不明の相続人がいても、遺産分割協議には必ず全員が関与する必要があります。遺産分割協議書を作成する際も、この点を忘れないようにしましょう。

 

相続人に行方不明者がいる場合の対処法

遺産分割協議は相続人全員で行わなければなりませんが、相続人が行方不明の場合もあります。

その場合はどのような手続きがあるのでしょうか。詳しく解説します。

相続人調査を行う

相続人調査では、被相続人の出生から死亡までの戸籍を取り寄せ、配偶者・子・直系尊属・兄弟姉妹などの相続人を確認していきます。遺言書がなく遺産分割協議を行う場合は、相続人全員の参加が必要です。そのため、調査によって判明した相続人全員と連絡を取り、協議を進めることになります。

 

ただし、住所に手紙を送っても連絡がつかない相続人や、長期間音信不通の相続人がいる場合には、状況に応じて家庭裁判所に「失踪宣告」や「不在者財産管理人」の選任を申し立てることで、手続きを進めることが可能です。

どうしても連絡が取れない時には不在者財産管理人を選出する

相続人の住所を確認できても、実際にはその場所に住んでいない場合や、どうしても住所を特定できないケースも考えられます。そのような場合、遺産分割協議を進めることが難しくなってしまいます。

 

このように、相続人が行方不明または生死不明の場合には、「不在者財産管理人」を選任する必要があるのです。不在者財産管理人とは、行方不明の相続人の代理として財産管理を行う人で、家庭裁判所に申し立てることで選任されます。

 

次に、不在者財産管理人の選任手続きについて詳しく解説します。

不在者財産管理人選任審判の申立て

不在者財産管理人を選任する際の申立人には、行方不明者の配偶者や他の相続人、または行方不明者に利害関係のある人物(債権者など)がなれます。申立人は、以下の必要書類を揃えて手続きを進めます。

 

  • 不在者財産管理人選任の申立書
  • 行方不明者および申立人の戸籍謄本
  • 不在者財産管理人候補者の戸籍謄本と住民票
  • 行方不明であることを証明する資料
  • 財産目録
  • 遺産分割協議書案

 

書類の詳細や手続き方法については、家庭裁判所や専門家に事前に確認しておくと安心です。

不在者財産管理人になれる人とは

不在者財産管理人には、利害関係のない被相続人の親族が就くのが一般的ですが、必ずしもそのような人物がいるとは限りません。その場合は、家庭裁判所が判断し、弁護士や司法書士などの専門家を選任することもあります。つまり、適任の親族がいなくても手続きは進められるます。

 

不在者財産管理人が選任され、家庭裁判所の許可を得た後は、管理人が遺産分割協議に参加し、行方不明者の財産を管理します。行方不明者が将来戻ってきた場合には、管理していた財産が返還されます。

 

相続人が行方不明者の場合は失踪宣告の申し立てをする

また、失踪宣告についても知っておくと便利です。失踪宣告とは、家庭裁判所が生死不明の人を法律上死亡したものとみなす制度です。失踪宣告を受けるには、家庭裁判所での手続きが必要です。

 

失踪宣告が出されると、その人は死亡した扱いとなるため、遺産分割協議を行う際に不在のまま手続きを進められます。連絡が取れず、生死も不明な相続人がいる場合には、失踪宣告を検討することが有効です。なお、失踪宣告には「普通失踪」と「特別失踪」の2種類があるため、それぞれの内容を確認しておくことが重要です。

 

普通失踪

まずは「普通失踪」についてです。普通失踪とは、家出などで住所を離れたまま容易に戻る見込みがない場合を指します。このような状況の人に対しては、普通失踪の手続きを行います。

 

普通失踪の失踪宣告は、その人の生死が不明であることが確認された最終日から起算して7年が経過した後に家庭裁判所へ申し立てることで行います。裁判所が失踪宣告を認めた場合、その行方不明者は7年経過時点で死亡したものとみなされ、遺産分割協議への参加は不要となります。普通失踪については、民法第30条第1項に規定されています。

特別失踪

普通失踪とは異なるパターンとして「特別失踪」があります。特別失踪は、単なる家出ではなく、山岳での遭難や海難事故など、特別な事情によって生死不明となった場合を指します。自然災害や事故で行方が分からなくなった場合には、特別失踪の手続きを行います。

 

特別失踪の場合、普通失踪より短期間で失踪宣告が可能です。具体的には、危難状態が終了してから生死不明の状態が1年経過した時点で家庭裁判所に申し立てができます。裁判所が宣告を行うと、危難が去った時点で死亡したとみなされるため、遺産分割協議への参加は不要となります。特別失踪は民法第30条第2項に規定されています。

 

相続発生後に失踪宣告を検討する場合は、普通失踪のケースが多いですが、特別失踪も理解しておくと安心です。

死亡認定

失踪宣告とは別に、「死亡認定」についても理解しておくと安心です。死亡認定とは、災害などで死亡が確実と考えられるものの、遺体が発見されていない場合に適用される制度です。遺体が見つかっていなくても、官公庁による調査の結果、死亡が認定され、戸籍上も死亡者として扱われます。

 

失踪宣告と似ている点は、手続きを経て死亡したものとして扱う点ですが、死亡認定は家庭裁判所ではなく警察などの官公庁が行う点で異なります。また、失踪宣告が「死亡したものとみなす」のに対し、死亡認定はあくまで「死亡が推定される」扱いであり、もし生存していた場合には容易に訂正可能です。

 

遺産分割協議の場面で死亡認定が直接問題になることは少ないものの、基本的な知識として押さえておくと役立ちます。

失踪宣告はどう手続きする?

失踪宣告の手続きについては、改めて確認しておきましょう。失踪宣告は重要な法的判断を伴う手続きであり、申し立てが行われただけで自動的に認められるものではなく、最終的には家庭裁判所が判断します。そのため、失踪宣告を申し立てられるのは、法律上の利害関係を有する人に限られます。遺産分割協議が進まず困っている場合などに、誰が申し立てるかは重要なポイントです。

 

申し立ては、行方不明者の住所地・居住地を管轄する家庭裁判所に必要書類を提出して行います。裁判所は申し立てを受けると調査官を通じて調査を開始し、完了後には官報などで失踪宣告の申し立てが行われていることを公示します。この際、行方不明者本人や生存を知る第三者に対し、届け出を行うよう催告がなされます。

 

一定期間が過ぎても届出がなければ、家庭裁判所は失踪宣告の審判を下し、確定後10日以内に市区町村役場に失踪届を提出します。

 

不在者財産管理と失踪宣告のどちらを選択すべき?

行方不明の相続人(不在者)がいる場合、どの制度を利用すべきか迷うことがあります。行方不明になって間もなく、生存の可能性が高い場合は、不在者財産管理制度を活用するのが基本です。一方で、長期間行方不明で要件を満たしている場合には、失踪宣告の申立てを検討するとよいでしょう。

 

不在者財産管理制度は不在者本人の利益を保護するための制度であり、失踪宣告は不在者を死亡とみなすことで、残された相続人の利益を守る制度です。どちらの制度を利用しても遺産分割協議を進めることは可能ですが、申立人の希望どおりになるとは限りません。判断に迷う場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

帰来時弁済型の遺産分割という手段も

不在者が法定相続分以上の財産を受け取る形で遺産分割協議を行うと、不在者財産管理人は、不在者が戻るまでその財産を管理し続けなければなりません。長期間戻らなければ、管理の負担が大きくなるため非常に大変です。

 

こうした問題を避けるために、「帰来時弁済型の遺産分割」という方法がよく用いられます。この方法では、不在者には法定相続分より少ない財産しか相続させず、残りの分は他の相続人が預かります。不在者が戻った際には、その預かっていた財産を不在者に支払う仕組みです。

 

ただし、預かる相続人は、戻ってきた不在者に支払えるだけの資力があることを家庭裁判所に証明する必要があります。また、相続財産が多額の場合には、帰来時弁済型の遺産分割が認められにくくなる点に注意が必要です。

相続人が行方不明の場合についてよくある質問

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ここでは、相続人が行方不明の場合についてよくある質問を紹介していきます。

相続人が行方不明の場合、登記はどうなりますか?

行方不明の相続人がいても、法定相続に基づく登記申請は可能です。

法定相続による登記とは、相続人の法定相続分に応じて不動産の名義を変更する手続きのことを指します。この手続きは、相続人の単独申請で行うことができるため、行方不明者がいても申請を進めることができます。

相続人が行方不明の場合、失踪宣告しないとどうなりますか?

相続人が行方不明でも、すぐに失踪宣告をしなければならないわけではありません。しかし、失踪宣告をしない場合には以下のような影響があります。

  1. 遺産分割協議が進められない
    遺産分割協議は相続人全員の合意が必要です。行方不明者がいると、その人の参加が得られないため、協議を正式に成立させられません。結果として、相続手続き全体が停滞します。
  2. 不在者財産管理人が必要になる場合がある
    行方不明の相続人の権利を保護しつつ遺産分割を進めるために、不在者財産管理人を家庭裁判所に選任してもらう必要が出てきます。これにより、行方不明者の相続分は代理で管理されます。
  3. 登記や財産の処分が遅れる
    行方不明者がいることで、不動産の名義変更や預貯金の払戻しなどがスムーズに行えません。法定相続分での登記は可能ですが、行方不明者の相続分をどう扱うかは別途調整が必要です。
  4. 相続人全員の権利保護の問題
    失踪宣告を行わないと、行方不明者が突然戻ってきた場合、相続手続きのやり直しや財産の返還が必要になるリスクがあります。

まとめると、失踪宣告を行わないままだと、遺産分割協議が停滞したり、不在者財産管理人の管理下で手続きが煩雑になったりするため、早めの対応が望ましいです。

相続人が行方不明の場合についてのまとめ

ここまで相続人が行方不明の場合についてお伝えしてきました。

相続人が行方不明の場合についての要点をまとめると以下の通りです。

 

  • 遺産分割協議は相続人全員で行う必要がある:遺言書がない場合は特に、相続人全員の参加が必須。行方不明者がいる場合は、不在者財産管理人や失踪宣告を活用して手続きを進める必要がある。
  • 不在者財産管理人と失踪宣告の使い分けをする
  • 帰来時弁済型の遺産分割の活用:不在者に法定相続分以上の財産を渡すと管理負担が大きくなるため、法定相続分より少ない財産を渡し、残りは他の相続人が預かる形で管理し、不在者が戻った際に支払う方法がある。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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