生活保護を受けていても相続はできるか?受給停止や返還請求を避けるための注意点を解説

生活に困窮し、生活保護の受給を余儀なくされている方にとって、思いがけない遺産相続は朗報となる可能性があります。
しかし、同時に、生活保護の受給停止や返還請求という新たな壁が立ちはだかるケースも少なくありません。

そこで今回は、生活保護を受けていても相続はできるのか解説します。

  • 生活保護を受給していても遺産は相続できるか?
  • 遺産相続で生活保護が打ち切りになることも
  • 生活保護受給者が相続放棄をするときには注意が必要

生活保護を受けていても相続はできるのかについて理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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生活保護とは

生活保護は、病気や事故などで働けない方、あるいは配偶者との死別や離婚などにより収入を失った方々が、最低限度の生活を維持できるよう支援する制度です。
生活保護は、国籍や民族に関係なく、誰でも申請することができます。
生活保護を受けるためには、一定の要件を満たす必要があります。

主な要件は以下の通りです。

  • 収入がない、または収入が少ない
  • 生活費を工面することができない
  • 資産がない、または少ない
  • 親族などから援助を受けることができない

要件を満たす場合は、市区町村の生活保護担当窓口に申請することができます。
生活保護は、生活費全額を支給されるわけではありません。
あくまでも最低限度の生活を維持するための支援です。

生活保護を受給していても遺産は相続できるか?

生活保護受給者にとって、遺産相続は複雑な問題です。
「遺産を相続したら生活保護が打ち切られるのでは?」と不安に思う方も多いでしょう。

結論から言うと、生活保護受給者であっても遺産相続自体は可能です。
しかし、相続した遺産によっては、生活保護の受給停止や廃止につながるケースがあります。

生活保護の受給資格とは

生活保護を受給できるのは、以下の3つの条件をすべて満たす方です。

生活に困窮している

  • 厚生労働省が定める「最低生活費」よりも世帯収入が低い

資産等をできる限り活用している

  • 預貯金、持ち家、車などの資産を生活費に充てる
  • 能力に応じて就労や家計管理を行う

扶養義務者からの支援を受けられない

  • 扶養義務者に扶養を依頼し、断られた場合
  • 扶養義務者から虐待を受けている場合など

相続財産の額によっては受給停止または廃止になる可能性

生活保護受給者が遺産を相続した場合、相続財産の額によっては、生活保護の受給が停止または廃止になる可能性があります。
生活保護は、最低限度の生活維持に必要な不足分を補う制度です(生活保護法8条1項)。
そのため、
遺産相続によって最低限度の生活が維持できるようになったと判断されると、受給が停止または廃止されます

受給停止・廃止の判断基準は、遺産の総額と種類、生活状況などによって異なります。

  • 少額の財産であれば、受給に影響しない可能性があります。
  • 換金性の高い財産(現金、預金、株式など)や、生活費に充当できる財産(不動産、車など)は、受給停止・廃止の対象となる可能性が高いです。

受給停止・廃止以外にも、受給額が減額される場合もあります。
遺産を使い切って再び生活に困窮した場合は、改めて生活保護の申請をすることができます

受給を続けられる「少額の財産」はいくらまで? 

生活保護受給中に相続できる「少額の財産」の具体的な金額は定められていません。

しかし、一般的には、生活保護費の6ヶ月分を超えない程度とされています。
例えば、1ヶ月あたりの生活保護費が12万円であれば、72万円までの財産は生活保護の受給に影響しないとされています。

一方、100万円のように6ヶ月分の生活保護費を超える財産を相続した場合、生活保護の廃止が検討される可能性があります。
ただし、これはあくまで目安であり、個々の状況によって判断が異なります。

相続した財産が生活保護受給に影響するかどうか不安な場合は、お住まいの市区町村の担当窓口に相談することをおすすめします。

遺産相続で生活保護が打ち切りになることも

生活保護受給者にとって、遺産相続は生活状況に大きな影響を与える可能性があります。
相続によって財産を取得した場合、生活保護受給の条件を満たさなくなってしまうため、保護が打ち切られる可能性があります。
生活保護法では、受給者は最低限度の生活を送るのに必要なだけの生活費しか受け取ることができません。

そのため、相続によってまとまった財産を取得した場合、その財産で生活することが可能と判断され、保護が打ち切られることになります。
具体的な判断基準としては、相続財産の額や種類、受給者の年齢や健康状態などが考慮されます。
例えば、数千万円の現金や不動産を相続した場合には、生活保護受給の継続が困難と判断される可能性が高いでしょう。

ただし、必ずしもすべての相続で生活保護が打ち切られるわけではありません。
例えば、相続財産が住宅や生活費用の貯蓄など、すぐに現金化できないものである場合や、受給者が高齢や病気などで働けない状況にある場合などは、保護が継続される可能性があります

遺産相続によって生活保護の打ち切りを心配している場合は、早めに市区町村の窓口に相談することが大切です。窓口では、個々の状況に合わせて、生活保護の継続が可能かどうかを判断してくれます。
なお、生活保護受給中に遺産を相続した場合には、必ず市区町村に申告する必要があります。
申告を怠ると、生活保護法違反となり、罰則が科される可能性があります。

打ち切り後に改めて生活保護を受けることは可能

生活保護は打ち切り後も、再び条件を満たせば受給可能です。
ただし、相続財産で生活していた場合は、住居や安定収入の確保が求められます。

遺産相続で生活保護が打ち切られた後でも、生活困窮状態になれば再受給できます。
再受給には改めて申請が必要となり、以前の受給資格は継続されません。
生活保護はあくまでも自立支援が目的であり、相続財産を活用して住居や収入を得ることが求められます

生活保護の受給条件は、各市区町村で異なります。
詳細は最寄りの福祉事務所にお問い合わせください。

生活保護を受給していると、原則は相続放棄できない

生活保護受給中に遺産相続が発生した場合、あなたは複雑な状況に直面することになります。
原則として、生活保護受給者は相続放棄できないとされています。

しかし、状況によっては、相続放棄が認められる可能性もあります。

相続放棄を検討できる場合【マイナスの財産】

生活保護受給者は、原則として相続放棄が認められません。
しかし、相続財産にマイナスの財産が多く、プラスの財産よりも多い場合は、相続放棄を検討できる場合があります。

この場合、生活保護受給者が借金の支払い義務を負うことを意味するため、生活保護の「生活に活用できる資産を放棄する」という原則に反しないと考えられます。

相続放棄を検討できる場合【処分が困難な不動産】

相続で不動産を継承した場合、その不動産の処分が困難な場合は、相続放棄を検討する必要があります。

以下のような場合は、処分が困難な不動産と考えられます。

  • 遠隔地にある不動産:相続人が遠隔地に居住している場合、管理や売却が困難になります。
  • 築古で老朽化している不動産:修繕費用が高額になる可能性があり、買い手がつきにくい可能性があります。
  • 借地権や抵当権などの権利関係が複雑な不動産:所有権を移転することが困難になる可能性があります。
  • 収益性の低い不動産:家賃収入が低い場合や、空室リスクが高い場合など、収益性が低い不動産は処分が困難になります。

処分が困難な不動産を相続した場合、固定資産税や都市計画税などの税金がかかり続けるため、経済的な負担が大きくなります

また、空き家になった場合は、防犯対策や管理に費用がかかることも考えられます。
このような場合は、相続放棄を検討することで、経済的な負担を回避することができます。

不正受給とみなされるかもしれないケース

生活保護制度は、困窮者の方々が生活を維持するための最低限の生活費を保障する制度です。
しかし、不正受給は許されません。

以下では、生活保護不正受給とみなされるかもしれないケースをいくつかご紹介します。

相続をしたことをケースワーカーに黙っていた

生活保護受給者は、相続によって収入が発生した場合、必ずケースワーカーや福祉事務所に報告する必要があります。
報告を怠ると、不正受給とみなされるだけでなく、生活保護の停止・廃止につながる可能性があります。

報告が必要となるのは、たとえ生活できるほどの財産ではない場合でも同様です。
相続があった場合は、速やかにケースワーカーに相談し、今後の対応について話し合いましょう。

相続で財産を得ることが分かっていたのに受給申請をした

生活保護受給前に、相続で財産を得られることが分かっていたのに申請した場合、「虚偽の申請」として受給がすぐに廃止されてしまいます。
これは、ご本人だけでなく、家族が代わりに相続した場合も同様です。

さらに、悪質な虚偽申請と判断された場合は、過去に受け取った生活保護費の返還を求められる可能性もあります。
生活保護制度は、困っている方を支援するためのものです。
制度を適正に利用するためには、正確な情報に基づいて申請することが大切です。

被相続人が生活保護を受給していた場合

生活保護の受給状況が判定されたら、通常の相続手続きを行います。
被相続人が生活保護を受給していた場合の相続手続きは、複雑で煩雑な場合が多いです。
「被相続人が生活保護を受けていた場合」についても、相続人でない方も注意が必要です。

生活保護の受給権は相続の対象にならない

生活保護は、困窮状態にある人が最低限度の生活を維持するために必要な生活費を支給する制度です。
しかし、生活保護受給権は相続されるものではありません。

生活保護は、あくまでも個人の生活状況に基づいて支給されるものであり、亡くなった方の生活状況と相続人の生活状況は異なるためです。
相続人の方が生活保護を受給するためには、個別に申請を行い、審査を受ける必要があります。

申請には、収入や資産状況、家族構成など、生活状況を証明する書類が必要です。
審査の結果、生活保護受給の基準を満たしている場合のみ、生活保護が支給されます。

生前、不当に生活保護を受給していたケース

被相続人が生前に生活保護を不正受給していたことが判明した場合、相続人に返還義務が課される可能性があります。
働いているのに収入を申告しなかった場合や、収入の増加や年金の繰り上げ受給などにより、収入が増加したにもかかわらず、報告せずに生活保護を受給し続けていた場合は返還義務が課される場合があります。

悪質なケースの場合、返還額に加えて、返還額の最大40%の徴収金が加算されることもあります。

生活保護受給者が相続放棄をするときには注意が必要

生活保護受給者の方が相続人となった場合、相続放棄をする際には、通常の相続とは異なる注意点がいくつかあります。
適切な対応をしないと、生活保護の受給停止や廃止につながる可能性があるため、十分な注意が必要です。

相続放棄自体は可能だが、生活保護を打ち切られてしまう可能性がある

生活保護受給者にとって、相続放棄は慎重に判断する必要があります。
相続放棄自体は可能ですが、生活保護を打ち切られる可能性があるからです。

生活保護は、生活維持のためにあらゆるものを活用することを要件としています。
そのため、相続放棄によって生活保護基準額を超える財産を放棄してしまうと、生活保護の受給要件を満たさなくなる可能性があります。

相続放棄を検討する場合は、必ず事前に生活保護担当者に相談しましょう。
担当者から、相続財産の状況や生活保護受給への影響について説明を受けることができます。
生活保護受給中に相続が発生した場合は、焦らずに専門家に相談し、適切な対応を取ることが重要です。

生活保護受給者の相続放棄が問題にならないケース

生活保護受給者が相続した場合、相続財産によっては生活保護の停止や減額につながる可能性があります。
しかし、以下のケースでは、相続放棄をしても生活保護受給に問題ありません。

処分が困難な財産を相続する場合

例えば、利用価値の低い農地や老朽化した家屋など、処分が困難な財産を相続した場合、その管理に費用がかさむ可能があります。
このような場合、相続放棄をすることで、生活保護受給に影響を与えることなく、財産的な負担を回避することができます。

相続によって金銭的な負担が増加する場合

例えば、借金などの債務を相続した場合、その返済のために生活費が不足する可能性があります。
このような場合、相続放棄をすることで、金銭的な負担を回避し、生活保護受給を継続することができます。
生活保護受給者が相続を検討している場合は、事前に弁護士や社会福祉士に相談し、自身の状況に合った対応を検討することが重要です。

生活保護を受けていても相続はできるのかについてまとめ

ここまで生活保護を受けていても相続はできるのかについてお伝えしてきました。

生活保護を受けていても相続はできるのかをまとめると以下の通りです。

  • 生活保護受給者であっても遺産相続自体は可能で、相続した遺産によっては、生活保護の受給停止や廃止につながるケースがある
  • 相続によってまとまった財産を取得した場合、その財産で生活することが可能と判断され、保護が打ち切られる場合もある
  • 相続放棄によって生活保護基準額を超える財産を放棄してしまうと、生活保護の受給要件を満たさなくなる可能性がある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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