相続土地国庫帰属制度は、相続された土地を国庫に帰属させる制度です。
この制度を利用することで、不要な土地の管理や維持にかかる負担を軽減することができます。
そこで、相続土地国庫帰属制度について気になる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、相続土地国庫帰属制度について以下の点を中心にご紹介します!
- 相続土地国庫帰属制度とは
- 対象の土地
- 相続土地国庫帰属制度の手続きの流れ
相続土地国庫帰属制度について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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相続土地国庫帰属制度とは

相続土地国庫帰属制度とは、相続や遺贈によって取得した土地の所有権を、一定の条件を満たす場合に国に引き渡すことができる制度です。
この制度は、相続した土地の管理が困難である場合や、維持費用や固定資産税の負担を軽減したい場合に活用されます。
対象の土地

相続土地国庫帰属制度の対象となる土地は、以下の条件を満たす必要があります。
この制度は、土地を手放したい相続人が、特定の条件下で国に土地を引き渡すことを可能にするものです。
対象の土地とは
- 建物が存在しない土地
建物が建っていない更地や空地が対象となります。 - 担保権が設定されていない土地
抵当権や地役権などの権利が設定されていない土地のことです。 - 環境汚染がない土地
土壌汚染やその他の有害な影響が確認されていない土地のことです。 - 通常の維持管理が可能な土地
特別な維持管理費用がかからない土地。崩壊の危険がないものなどが該当します。
これらの条件を満たした土地であれば、国庫帰属の申請を行うことができます。
対象外の土地とは
- 建物が存在する土地
建物が建っている場合や、建物の一部に該当する土地です。 - 権利が複雑に絡む土地
抵当権、地役権、借地権などが設定されている土地です。 - 汚染された土地
土壌汚染や廃棄物が確認され、環境汚染の影響がある土地です。 - 管理費用が過大な土地
維持費用が通常を超える土地や、崩落の危険がある土地です。
この制度は、条件を満たす土地のみを対象としており、申請が認められるかどうかは国による審査で判断されます。
土地が対象外となった場合は、専門家に相談し、他の解決策を検討することが推奨されます。
申請できる人

相続土地国庫帰属制度を利用して土地の所有権を国に帰属させることができるのは、以下の条件を満たす人です。
1. 土地を相続または遺贈により取得した人
- 相続人
遺言や法定相続によって土地の所有権を取得した相続人が申請の対象です。 - 遺贈を受けた人
被相続人から遺贈により土地を取得した場合も申請できます。
2. 共同相続人がいる場合
- 共有名義で土地を相続した場合、共有者全員の合意が必要です。全員が申請に同意しなければ国庫帰属の申請はできません。
3. 未成年や成年被後見人が申請する場合
- 未成年者や成年被後見人が申請者となる場合は、法定代理人の同意や手続きが必要です。
4. 土地所有権を手放す意向がある人
- 土地の維持管理が困難になったり、固定資産税の負担を避けたい人が主に利用します。
この制度の対象となる申請者は、土地を正式に所有していることが前提であり、所有権を証明する書類(登記情報や相続関係を証明する書類など)が必要です。
申請を検討している場合は、土地の条件や必要書類を確認し、専門家に相談することをおすすめします。
相続土地国庫帰属制度の手続き方法

ここでは、相続土地国庫帰属制度の手続きの流れやかかる費用について紹介していきます。
相続土地国庫帰属制度の手続きの流れ
- 土地の確認と条件の適合性調査
- 土地が制度の対象となる条件を満たしているかを確認します。
- 共有名義の場合、全員の同意が必要です。
- 申請書類の準備
- 必要な書類には以下が含まれます。
- 土地の登記情報
- 相続関係を証明する戸籍謄本
- 土地が対象条件を満たしていることを示す書類(例:環境汚染がないことの証明書)。
- 必要な書類には以下が含まれます。
- 申請の提出
- 所定の申請書と添付書類を法務局に提出します。
- 申請時に審査手数料を支払います。
- 国による審査
- 土地の状況や条件が制度の基準を満たしているかを国が審査します。
- 審査結果が通知され、条件を満たしていれば承認されます。
- 負担金の支払いと国庫帰属の完了
- 必要に応じて負担金を支払います。
- 支払いが完了すると、土地の所有権が国に移り、手続きが完了します。
相続土地国庫帰属制度の手続きにかかる費用
審査手数料
- 審査を受けるために必要な手数料です。1筆あたり14,000円がかかります。
負担金
- 土地を管理するためのコストとして負担金が必要です。これは土地の状況や面積によって異なります。
その他の費用
- 必要書類の取得費用(登記事項証明書や戸籍謄本など)
- 申請を専門家に依頼する場合の手数料(司法書士や行政書士への報酬)
相続土地国庫帰属制度に必要な書類

相続土地国庫帰属制度を利用するためには、正確な書類の準備が必要です。
以下は、申請時に必要となる主な書類です。
1. 相続または遺贈による土地取得を証明する書類
- 戸籍謄本
土地を相続または遺贈によって取得したことを証明するための書類です。 - 遺言書(必要に応じて)
遺言に基づいて土地を取得した場合に添付します。 - 遺産分割協議書
相続人間で土地の分割が合意された場合に必要です。
2. 土地の位置と範囲を示す図面
- 法務局備え付けの地図
申請者が認識する土地の位置と範囲を明確にするために使用します。 - 国土地理院の地図
土地の位置を正確に示す補足資料として添付。
3. 土地の形状を示す写真
- 土地の全景写真
土地全体がわかる写真を用意します。 - 土地の近景写真
詳細な形状を確認できる写真を撮影して添付します。
4. 隣接土地との境界点を示す写真
- 境界標の写真
隣接地との境界を示す標識やブロック塀などの写真 - 図面との位置関係を明確に記載する資料
5. 印鑑証明書
- 申請者の印鑑証明書(有効期限内のもの)
これらの書類は、土地が相続土地国庫帰属制度の条件を満たすかどうかを審査するために必要です。
不備があると申請が受理されない可能性があるため、事前にすべての書類を確認することが重要です。また、準備に不安がある場合は、専門家(司法書士や行政書士)に相談することをおすすめします。
相続土地国庫帰属制度のメリット・デメリット

メリット
管理負担の軽減
土地の維持管理や固定資産税の負担から解放され、相続人の経済的負担を軽減できます。
不要な土地の処分が可能
利用価値が低い、または管理が困難な土地を国に引き渡すことで、将来的なトラブルや負担を回避できます。
相続トラブルの防止
土地を共有している相続人間での意見の対立や争いを未然に防ぐことができます。
放置土地の削減
管理されずに放置された土地が減少するため、地域社会や環境への悪影響を最小限に抑えることができます。
デメリット
利用できる土地に制限がある
建物がある土地や担保権が設定されている土地、汚染された土地など、一定の条件を満たさない土地は対象外となります。
手続きに費用がかかる
申請には審査手数料(1筆あたり14,000円)や、場合によって負担金が必要です。
また、書類作成や専門家への依頼に伴う費用が発生する場合もあります。
審査に時間がかかる場合がある
土地が条件を満たしているかどうかを国が審査するため、手続きに時間がかかる場合があります。
条件を満たさないと利用できない
土地の形状や環境条件が不適切な場合、申請が却下される可能性があります。
相続土地国庫帰属制度は、相続人にとって土地の負担を軽減できる有効な手段ですが、すべての土地が対象になるわけではありません。
利用する際は、メリットとデメリットを十分に理解した上で、専門家に相談しながら手続きを進めることが推奨されます。
相続土地国庫帰属制度に関するよくある質問

相続土地国庫帰属制度の申請に期限はあるの?
相続土地国庫帰属制度を利用する際、申請期限は特に法律で定められていません。
相続や遺贈により土地を取得した後であれば、いつでも制度の利用を検討することが可能です。ただし、以下の点に注意が必要です。
1. 土地の状態が変化する場合
- 土地に建物が建築されたり、担保権が設定された場合、制度の利用が制限されます。
そのため、土地の状態が適合しているうちに申請を進めることが重要です。
2. 相続手続きとの関係
- 相続や遺贈による土地の取得が確定していない場合、申請を進めることができません。
相続登記や遺産分割協議が完了した後に手続きを開始します。
3. 共有名義の場合の調整
- 共有名義の土地を申請するには、共有者全員の同意が必要です。
同意を得るのに時間がかかる場合もあるため、早めに共有者間で合意形成を行うことが推奨されます。
早めの検討がおすすめ
相続土地国庫帰属制度には、土地の適用条件や審査プロセスがあるため、条件を満たしているうちに申請を進めるのが賢明です。
特に、固定資産税の負担や管理費用を早急に解消したい場合は、速やかに申請準備を始めることをおすすめします。
制度を利用する具体的な手続きや適用条件については、法務局や専門家に相談しながら進めるのが安心です。
相続土地国庫帰属制度の相談はどこでする?
相続土地国庫帰属制度の利用を検討する際には、適切な相談先を選ぶことが重要です。
以下は主な相談先とその役割です。
1. 法務局
- 相談内容
制度の詳細、申請方法、必要書類など、制度全般について直接確認できます。 - 特徴
公式な情報を得られる信頼性の高い相談先です。最寄りの法務局に問い合わせてください。
2. 弁護士
- 相談内容
土地の相続手続きや共有名義の調整、法的問題の解決方法についてアドバイスを受けることができます。 - 特徴
複雑な権利関係や相続トラブルがある場合に最適です。
3. 司法書士
- 相談内容
土地の登記や申請手続きの代行、必要書類の作成を依頼できます。 - 特徴
手続きをスムーズに進めるための実務的なサポートを提供します。
4. 行政書士
- 相談内容
申請に必要な書類の準備や手続きの補助を依頼できます。 - 特徴
手続きの初歩的な部分をサポートしますが、法的紛争の解決には対応できません。
5. 税理士
- 相談内容
土地に関連する税金(相続税や固定資産税)の計算や申告についてアドバイスを受けられます。 - 特徴
税務面での不安や疑問を解消したい場合に有効です。
6. 不動産業者
- 相談内容
土地の状態や価値を評価し、必要に応じて売却や管理の相談を行うことができます。 - 特徴
国庫帰属が難しい土地の別の処分方法を探る際に役立ちます。
相談前の準備
- 土地に関する基本的な情報(登記情報や相続関係の書類)を整理しておくと、スムーズな相談が可能です。
- 制度利用の具体的な条件や費用については、相談時に詳しく確認しましょう。
複雑な手続きや条件が絡むため、専門家や公的機関に相談することで、より正確で効率的な対応が可能になります。
まずは法務局に問い合わせて、必要に応じて専門家の助けを借りることをおすすめします。
相続土地国庫帰属法の審査手数料はいくら?
相続土地国庫帰属法を利用する際には、審査手数料が発生します。
具体的な金額は以下の通りです。
審査手数料
- 1筆あたり14,000円
審査手数料は土地1筆ごとに課される料金です。筆数が増えるとその分の手数料も加算されます。
手数料の用途
審査手数料は、申請された土地が制度の対象として適合しているかを確認するために必要な審査の費用です。
国による以下のような審査に使用されます。
- 土地の状態確認(建物の有無、担保権の有無、土壌汚染の有無など)
- 審査基準への適合性のチェック
その他に発生する可能性のある費用
- 負担金
土地の管理や処分に必要な費用が別途請求される場合があります。 - 必要書類の取得費用
登記事項証明書や印鑑証明書など、申請時に提出する書類の取得費用。
注意事項
- 審査手数料は審査が行われるための費用であり、審査の結果、土地が条件を満たさず承認されない場合でも返金されません。
- 土地の筆数が多い場合は、事前に手数料の合計金額を計算しておくことをおすすめします。
詳細については、法務局や専門家に相談することで、手数料や他の費用の内訳について確認することができます。
相続土地国庫帰属制度についてのまとめ

ここまで相続土地国庫帰属制度についてお伝えしてきました。
相続土地国庫帰属制度の要点をまとめると以下の通りです。
- 相続土地国庫帰属制度とは、相続や遺贈によって取得した土地の所有権を、一定の条件を満たす場合に国に引き渡すことができる制度
- 建物が存在しない土地や担保権が設定されていない土地などで、条件を満たしていれば国庫帰属の申請を行うことができる
- 相続土地国庫帰属制度の手続きの流れとしては、土地の確認と条件の適合性調査や申請書類の準備などを順番に行う
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。