遺産相続をした際の確定申告について気になる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、遺産相続をした際の確定申告について以下の点を中心にご紹介します!
- 遺産相続した際に確定申告は原則必要ない
- 遺産相続で確定申告が必要なケース
- 確定申告の流れと必要書類一覧
遺産相続をした際の確定申告について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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遺産相続した際に確定申告は原則必要ない

遺産相続をしても、基本的には確定申告をする義務は生じません。
なぜなら、相続によって取得した財産は、所得税ではなく相続税の課税対象になるためです。
確定申告は、その年に得た所得に対して行う手続きですが、遺産は所得ではなく財産の移転として扱われます。
そのため、相続財産の総額が基礎控除額を超える場合は、所得税ではなく相続税の申告を行うことになります。
ただし、相続財産を売却して利益が出た場合や、被相続人(亡くなった方)の死亡年分の所得税を申告する準確定申告が必要なケースもあるため、完全に申告不要とは限りません。
遺産相続で確定申告が必要なケース

相続財産を受け取っただけでは、通常、確定申告は不要です。相続税の対象になるため、所得税の確定申告とは別の扱いになるからです。
しかし、相続によって取得した財産や権利を処分したり、被相続人の生前の所得を精算したりする場合など、特定の条件下では確定申告が必要になります。
また、被相続人の死亡後に発生する準遺産に関わる所得や還付金も、相続人が申告しなければならない場合があります。
これらは準確定申告や譲渡所得の申告など、ケースによって手続きが異なります。
申告が必要かどうかを正しく判断しないと、期限後申告や加算税といったペナルティの対象になることもあります。
確定申告が必要になる代表的なケース3つ
相続に関連する税務手続きは複雑になりがちで、特に確定申告が必要になるかどうかを見極めるのは重要です。
ここでは代表的な3つのケースを挙げて整理します。
【相続した財産を売却して利益が出た場合(譲渡所得)】
相続で取得した土地や株式を売却し、取得費や譲渡経費を差し引いた後に利益が出た場合。
この場合、売却益は「譲渡所得」として所得税の対象になります。相続税を支払っていても、譲渡益が発生すれば別途確定申告が必要です。
【被相続人にその年の未申告所得がある場合(準確定申告)】
事業所得、年金収入、給与の未払い分など、死亡日までの所得がある場合。
相続人全員が連名で「死亡日までの分」を申告します。還付金がある場合は相続財産として扱われます。
【相続した財産から収益が発生している場合】
相続したアパートから家賃収入がある、貸地から地代が入るなどの場合。
相続後に得た収益は相続人本人の所得となるため、その年の確定申告が必要です。
上記はいずれも実務で発生しやすいケースであり、放置すると追徴課税などのリスクにつながります。
専門家に相談しながら早めに対応しましょう。
確定申告が不要な場合との違い
確定申告が不要なのは、あくまで相続によって財産を取得しただけで、その財産から課税対象となる所得が発生していない場合です。
例えば、現金や預貯金を相続しても、それ自体では所得税はかかりません。
一方で、取得した財産を売却して利益が出たり、継続的に収益を生む場合は所得税の対象になり、確定申告をしなければなりません。
このように、遺産を相続する場合には相続税と所得税の課税対象の違いを正しく理解することが必要です。
申告義務があるか判断するためのチェックポイント
相続後に確定申告が必要かどうかは、具体的な状況によって変わります。
以下のポイントを確認することで、自分が申告対象に該当するかを整理しましょう。
- 被相続人が亡くなった年に、事業・不動産・給与・年金などの所得があったか
- 相続した財産を売却したか、または収益を生む資産を引き継いだか
- 死亡後に振り込まれた給与・年金・還付金などの「準遺産」があるか
- これらの所得額が、所得税の基礎控除額を超えているか
- 申告期限(準確定申告は4カ月以内、通常の確定申告は翌年3月15日まで)を過ぎていないか
これらの項目を確認し、1つでも該当すれば確定申告が必要となる可能性があります。
判断に迷う場合は、税理士や税務署に早めに相談することで、期限切れによるペナルティを回避できます。
確定申告の流れと必要書類一覧

確定申告は、1年間の所得や税額を正しく計算し、税務署へ申告する手続きです。
遺産相続が関係する場合、通常の確定申告に加えて、被相続人の死亡年分の準確定申告や、相続財産の売却・収益に関する申告が必要になることがあります。
手続きの流れは以下の通りです。
- 必要書類の準備
- 収入や経費の集計
- 申告書の作成(紙またはe-Tax)
- 税務署へ提出(郵送・持参・オンライン)
- 納税または還付手続き
相続に関わる確定申告では、戸籍謄本や遺産分割協議書、被相続人の源泉徴収票や固定資産の評価証明書など、通常の申告以上に多くの書類を揃える必要があります。
こうした書類が不足すると申告が遅れたり内容に不備が生じる可能性があるため、必要書類を早めに確認し計画的に準備しておきましょう。
申告までのスケジュールと期限
確定申告の提出期限は、通常の確定申告と準確定申告で異なります。
- 通常の確定申告(所得税)
対象期間:前年1月1日〜12月31日
提出期限:翌年2月16日〜3月15日(期限日が土日祝の場合は翌平日) - 準確定申告(相続が発生した場合)
対象期間:1月1日〜被相続人の死亡日まで
提出期限:被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から4ヶ月以内
例えば、3月10日に亡くなった場合、その年の1月1日から3月10日までの所得を4ヶ月以内に申告します。
準確定申告の期限は相続税申告(10ヶ月以内)よりも早いため、両者を混同しないよう注意が必要です。
遺産相続で用意すべき必要書類リスト
相続に関する確定申告では、以下のような書類を揃える必要があります。
- 基本的な書類
- 確定申告書(AまたはB様式)
- 被相続人の源泉徴収票(給与所得がある場合)
- 年金の源泉徴収票(公的年金・企業年金)
- 事業や不動産の収支内訳書(事業所得・不動産所得がある場合)
- 相続関連書類
- 戸籍謄本(相続人全員分)
- 住民票の除票(被相続人)
- 遺産分割協議書(還付金や納税額の配分を明確化するため)
- その他必要に応じて用意する書類
- 医療費控除の領収書
- 生命保険料控除証明書
- 社会保険料控除証明書
- 寄附金の受領証明書
- 不動産売買契約書や売却に関する書類(譲渡所得がある場合)
スムーズに申告を進めるための事前準備
遺産相続を伴う確定申告は、通常よりも準備する書類や情報が多いため、次のポイントを押さえるとスムーズに進められます。
- 期限から逆算してスケジュールを組む
準確定申告は4ヶ月以内、相続税申告は10ヶ月以内と期限が異なるため、優先順位を明確にする。 - 関係書類は生前から整理しておく
被相続人の通帳、契約書、領収書、控除証明書などをまとめて保管することで、後の調査や取得手間を省けます。 - 相続人間で早めに情報共有する
準確定申告は相続人全員の連署が必要になるため、還付金や納税の配分方法を事前に話し合っておく。 - 電子申告(e-Tax)の利用を検討する
税務署に行かずに申告でき、控除額の計算も自動化されるため効率的。マイナンバーカードやICカードリーダーの事前準備が必要。
こうした準備をしておくことで、相続に伴う確定申告の負担を大幅に軽減できます。
準確定申告とは

準確定申告とは、被相続人(亡くなった方)が死亡した年の1月1日から死亡日までの所得について、相続人が代わりに行う確定申告のことです。
通常の確定申告はその人本人が行いますが、死亡すると本人は申告できないため、相続人がその義務を引き継ぐ形になります。
例えば、被相続人が事業収入や年金収入、不動産収入を得ていた場合、その年の未申告分をまとめて計算し、税務署に申告します。
また、還付金が発生する場合や、逆に納税額が確定する場合もあります。
準確定申告は、相続税申告や遺産分割の一環として考えられがちですが、対象期間や期限が異なるため注意が必要です。
準確定申告の期限
準確定申告の提出期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から4ヶ月以内です。
これは通常の確定申告(翌年2月16日〜3月15日)よりも期限が早いため、相続人は早急に対応する必要があります。
準確定申告の提出期限の例は下記の通りです。
- 5月10日に亡くなった場合 → 9月10日が申告期限
- 期限日が土日祝日の場合 → 翌平日が期限
この期限を過ぎると、延滞税や無申告加算税が課される可能性があります。
相続税の申告期限(死亡から10ヶ月以内)よりも早いので、優先順位を間違えないことが重要です。
準確定申告に必要な書類
準確定申告を行うには、以下の書類が必要です。
- 申告書類
- 確定申告書(A様式またはB様式)z
- 被相続人の収支内訳書(事業・不動産所得がある場合)
- 所得関連の証明書類
- 源泉徴収票(給与・年金)
- 年金振込通知書
- 事業の帳簿や経費領収書
- 不動産賃貸契約書、家賃入金記録
- 相続関係書類
- 被相続人の死亡診断書(または除籍謄本)
- 戸籍謄本(相続人全員分)
- 住民票の除票(被相続人)
- 控除関連書類(該当する場合)
- 医療費控除の領収書
- 社会保険料控除証明書
- 生命保険料控除証明書
- 寄附金の受領証明書
- 納税・還付関連
- 還付金の振込口座情報(相続人名義)
- 相続人全員の同意書(還付金配分を明確化するため)
これらの書類は、被相続人の所得状況や相続人の構成によって必要なものが変わる場合があります。
漏れや不備があると申告が受理されない可能性もあるため、早めに確認し整理しておくことが大切です。
準確定申告の流れ
準確定申告は、以下のステップで進めます。
- 被相続人の所得・経費を調査
通帳、源泉徴収票、帳簿、領収書などを整理し、対象期間(1月1日〜死亡日まで)の収支を集計します。 - 必要書類を収集
戸籍謄本や住民票の除票など、相続関係を証明する書類も合わせて揃えます。 - 申告書の作成
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」やe-Taxを利用して作成。紙で作成する場合は税務署の窓口や郵送も可能です。 - 相続人全員の署名・押印
準確定申告は相続人全員の連署が必要となるため、事前に連絡を取り合い、申告内容や納税・還付の分配方法を確認します。 - 税務署への提出
被相続人の住所地を管轄する税務署に提出します。期限を守ることが重要です。 - 納税または還付手続き
納税が必要な場合は指定期限内に納税、還付の場合は指定口座に振り込まれます。
これらの流れを一つでも怠ると、期限切れや手続き不備による追徴課税のリスクが生じます。
スムーズに進めるためには、必要書類の確認と相続人間での事前調整を早めに行うことが重要です。
遺産相続と準確定申告

遺産相続が発生すると、相続税の申告だけでなく、場合によっては準確定申告という特別な手続きが必要になることがあります。
準確定申告は、亡くなった方がその年に得ていた所得を相続人が代わりに申告する制度です。
これにより、被相続人が納めるべき所得税や住民税が確定し、納税や還付が行われます。
相続税の申告と異なり、準確定申告には4ヶ月以内という短い期限があるため、相続人は早めに情報収集と準備を進めることが重要です。
遺産相続とは
遺産相続とは、亡くなった人(被相続人)の財産や権利義務を、法律上の相続人が引き継ぐことを指します。
引き継がれるのは預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、借金や未払い税金といったマイナスの財産も対象です。
相続の開始は、被相続人が死亡した時点で法律上自動的に発生し、相続人は、財産の内容や金額に応じて単純承認・限定承認・相続放棄などの選択が可能です。
相続手続きの中で発生する税務は主に相続税ですが、被相続人の死亡年分の所得税については別途準確定申告で処理します。
準確定申告が必要な方
準確定申告が必要になるのは、被相続人が死亡した年に確定申告が必要な所得を得ていた場合です。具体的には以下のようなケースが該当します。
- 事業所得、不動産所得、雑所得などがあった
- 年金収入が公的年金控除額を超えていた
- 複数の勤務先から給与を受け取っていた
- 給与収入が2,000万円を超えていた
- 不動産や株式などを売却して譲渡益が発生していた
逆に、給与所得のみで年末調整が済んでおり、追加の所得がない場合などは準確定申告は不要です。ただし、還付を受けられる可能性がある場合(医療費控除、寄附金控除など)は、任意で申告することもできます。
遺産相続をした際に確定申告が必要かどうかについてよくある質問

ここでは、遺産相続をした際に確定申告が必要かどうかについてよくある質問を紹介します。
相続税がかからないものに確定申告は必要ありませんか?
相続税がかからない場合、基本的には相続税の確定申告を行う必要はありません。
例えば、相続財産の総額が基礎控除額の範囲内に収まっている場合や、生命保険金や死亡退職金が非課税限度額以内で収まっている場合などが該当します。
ただし、生命保険金や死亡退職金にはそれぞれ非課税枠が設けられており、その金額を超える部分は課税対象となります。
また、相続税がかからないケースでも、所得税の準確定申告や不動産の名義変更、預貯金の相続手続きなど、別の申告や手続きが必要になることがあります。
非課税かどうかの判断や申告の要否は、財産の種類や評価方法によって変わるため、自己判断せずに税務署や専門家に相談して確認することが望ましいでしょう。
遺産相続の確定申告が必要なのはどのようなときですか?
遺産相続で確定申告が必要になるのは、主に相続税の申告期限(被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内)までに、課税対象となる財産がある場合です。
相続税は、遺産総額が基礎控除額〔3,000万円+600万円×法定相続人の数〕を超えたときに申告義務が生じます。
対象となる財産には、不動産や預貯金、株式、貴金属、生命保険金や死亡退職金の非課税枠を超える部分などが含まれます。
また、相続税がかからなくても、不動産や株式の売却益が発生した場合や、被相続人に未申告の所得があった場合は、所得税の準確定申告が必要です。
申告が必要かどうかは財産の種類や評価額によって異なるため、早めに全財産を把握し、税務署や専門家に確認することが重要です。
相続に関する準確定申告と確定申告の違いについて教えてください
準確定申告と確定申告はどちらも税務署への申告手続きですが、対象や期限が異なります。
確定申告は、生存している個人が1年間の所得について翌年2月16日から3月15日までに行う手続きです。
一方、準確定申告は、被相続人が亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得を申告するもので、相続が発生してからおよそ4ヶ月以内に手続きを済ませなければなりません。
準確定申告では、被相続人が受け取る予定だった給与や年金、事業所得、不動産所得などが対象です。
つまり、確定申告は自分自身の所得について行うのに対し、準確定申告は亡くなった方の未申告分の所得を相続人が代わりに申告するという点で性質が異なります。
遺産相続をした際に確定申告が必要かどうかについてのまとめ

ここまで相続遺産の確定申告についてお伝えしてきました。
相続遺産の確定申告の要点をまとめると以下の通りです。
- 遺産は所得税ではなく相続税の対象のため原則確定申告は不要だが、売却益や準確定申告が必要な場合もある。
- 相続でも、財産を売った利益や亡くなった方の未申告分、相続後の収入がある場合は確定申告が必要。
- 相続では通常の確定申告に加え、死亡年分の準確定申告が必要になる場合があり、期限も異なる。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。