贈与税の申告や納付について、どこから手をつければよいのか迷ったことはありませんか?
贈与を受ける機会は人生の中で意外と多くありますが、納付方法や期限、注意点を知らないままでは、トラブルや負担を招く可能性もあります。
本記事では、贈与税の納付に関して、以下のポイントを中心に詳しく解説します。
- 納付書を用いた支払い手続きの流れと記入方法
- クレジットカード・スマホ決済・e-Taxなど、納付手段の選び方
- 延滞税・延納制度などの注意点と対応方法
安心して納税を済ませるために、ぜひ最後までお読みください。
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贈与税とは

贈与税とは、個人から財産をもらったときにかかる税金です。
特に高額な贈与を受けた場合には、一定の条件を超えると納税義務が発生します。
ここでは、贈与税の仕組みや課税対象、非課税枠などの基本をわかりやすく解説します。
贈与税の基本
贈与税とは、個人間で財産を無償で受け取った際に受贈者に課される税金です。
対象は現金だけでなく、車や不動産、株式、借金の帳消しなど、経済的価値のあるもの全般です。
ただし、年間110万円までの基礎控除があるため、それ以下の贈与には課税されません。
また、次のようなケースでは贈与税がかからないことがあります
- 法人からの贈与(所得税が課税される)
- 香典・見舞金などの常識的範囲内の金銭
- 扶養義務者からの生活費・教育費
- 特例制度(住宅・教育・結婚・子育て資金など)の利用時
- 相続時精算課税制度の利用時
申告・納付は贈与の翌年の2月1日〜3月15日までです。対象期間は毎年1月1日~12月31日で、複数の贈与者から受け取った場合も合計額で判断されるため、漏れなく申告する必要があります。
納付書がある場合の贈与税の支払い方法

贈与税は納付書を使って支払うことができます。
税務署から交付された納付書が手元にある場合は、金融機関や税務署の窓口での支払いが可能です。
ここでは、納付書がある場合の具体的な支払い方法について解説します。
納付書の入手方法
贈与税を支払う際に一般的な方法の一つは、税務署や金融機関の窓口で納付書を入手することです。
入手後は必要事項を記入し、その場で納付することが可能です。
ただし、税務署と金融機関では納付の手順や提出書類が異なるため、自分にとって都合の良い方法を選ぶことが大切です。
税務署の窓口
納付書の取得方法として最も広く利用されているのが、申告先となる税務署で直接受け取る方法です。
全国のどの税務署でも納付書自体は配布されていますが、記載済みの税務署名などの訂正が必要な場合もあります。
そのため、特別な事情がなければ、申告先の税務署で納付書を受け取るのが無難です。
納付書を入手後、必要事項を記入し、現金を持参すればそのまま窓口で納税することができます。
ただし、税務署では現金納付しか対応していないため、納付額が高額な場合は多額の現金を持ち歩く必要があります。
そうした場合には、他の納付手段を検討するとよいでしょう。
なお、贈与税の申告先は贈与を受けた人の住所地を所管する税務署です。
どの税務署に出向けばよいか不明なときは、国税庁のウェブサイトで事前に確認しておくのがおすすめです。
金融機関の窓口
銀行や郵便局などの金融機関でも納付書を受け取れますが、場所によっては在庫がない場合もあるため、事前に電話などで確認しておくと安心です。
納付書をもとに窓口で納付することができ、税務署と異なり、口座振替による支払いも可能です。
現金を持ち歩きたくない場合や、ATMからの引き出しに手間を感じる方には金融機関での納付が便利です。
ただし、金融機関での納付には税金・公共料金納付依頼書など、追加の記入書類が必要になることがあります。
所要時間が長くなる可能性があるため、余裕を持って手続きを行いましょう。
納付書の書き方
贈与税の納付書は、記入欄ごとに決められたルールがあり、誤りがあると受理されない場合があります。
スムーズに納付を進めるためにも、各項目の正しい書き方を押さえておきましょう。
- 年度・税目番号・税目
「年度」には贈与税を納める年を記入します。
贈与税の対象となるのは1月1日〜12月31日に受け取った財産で、申告は翌年2月1日〜3月15日までに行います。
そのため、通常は贈与を受けた年を記載すれば問題ありません。
ただし、過去分の申告を期限後に行う場合は、その納付を行う年を記入します。
税務署の会計年度は4月1日〜翌年3月31日です。
たとえば令和元年に贈与を受け、令和4年2月に申告するなら、納付は令和3年度扱いとなり「03」と記載します。
記入後は、税目番号に「051」、税目には「贈与税」と書きましょう。
あらかじめ印字されている場合は修正不要ですが、異なる情報が印刷されている納付書を使うときは、二重線で訂正して正しい内容に書き直します。 - 税務署名・税務署番号
納付書には、贈与を受けた人の住所地を管轄する税務署の名称と番号を記入する必要があります。
該当の税務署で納付書を入手した場合は、これらの情報があらかじめ印字されていることが多いです。
ただし、別の地域の税務署で受け取った納付書を使う際には、誤った情報が記載されていることがあるため、二重線で消して正しい内容に書き直しましょう。 - 納期等の区分
この欄には、贈与を受けた「年」を記入します。
上下に年月日の記入欄がありますが、贈与税は1年間を通じて受けた財産を一括で申告するため、上段の「(自)」欄に該当する年(西暦または和暦)を記載するだけで問題ありません。
あわせて、「申告区分」には通常の申告であれば「4 確定申告」、修正申告の場合は「5 修正申告」を選択してください。 - 本税・合計額
本税および合計額欄には、納付すべき贈与税の金額を記載します。
数字は右寄せで記入し、「合計額」欄の先頭には必ず「¥」のマークをつけてください。
この合計額の欄は訂正が認められていないため、誤って記入した場合は新しい納付書に差し替える必要があります。
事前に金額を確認したうえで、慎重に記載しましょう。
なお、申告期限内であれば、重加算税、加算税、延滞税、利子税などの欄には記入しなくて構いません。 - 住所・氏名・電話番号
申告者本人の住所、名前、電話番号を記入します。
電話番号については、固定回線がなくても携帯電話の番号で問題ありません。
また、氏名にはふりがなも添えて記入してください。 - 整理番号は空欄でOK
整理番号は税務署が内部で納税者を管理するための番号であり、申告者が記入する必要はありません。
不明な場合は空欄で提出して問題なく、誤記入によって修正作業が増える恐れがあるため、無理に記入しないよう注意しましょう。
書き損じたらどうする?
ほとんどの欄は二重線で修正可能で、訂正印も不要です。
ただし合計額の欄だけは修正不可なので、誤記入した場合は新しい納付書を作成しましょう。
事前に余分な納付書をもらっておくと安心です。記入の際は、金額と「¥」マークに十分注意してください。
納付書がない場合の贈与税の支払い方法

納付書が手元になくても、贈与税は複数の方法で納付できます。
国税庁が提供するオンラインサービスや金融機関の窓口以外にも、自宅や外出先から支払える手段が増えており、状況に応じて選択可能です。
クレジットカードで支払う
「国税クレジットカードお支払サイト」を使えば、クレジットカードで贈与税を納めることができます。
一括納付が基本ですが、カードの分割払いやリボ払いを利用すれば、資金に余裕がない場合でも対応可能です。
ただし、納付額に応じて1万円ごとに手数料が加算され、例として1万円までは83円、2万円までは167円と段階的に増加します。
また、支払いは1回あたり1,000万円未満に限られ、領収書の発行もされないため、必要な場合は金融機関や税務署の窓口で支払う必要があります。
コンビニで支払う
国税庁のWebサイトからQRコードを作成し、コンビニのマルチコピー機などで納付書を出力することで、レジで現金による贈与税の支払いが可能です。
支払金額は30万円までで、クレジットカードや電子マネーは使えず、現金のみ対応しています。
手数料はかかりませんが、領収証書は発行されないため、支払いの証明として、払込金受領証を保管しましょう。
インターネットバンキングで支払う
e-Taxの登録が済んでいる場合は、ペイジーに対応した銀行のインターネットバンキングやATMを使って贈与税を納められます。
インターネットバンキングの契約が必要ですが、ダイレクト納付と違って事前の届出は不要です(一部、e-Taxの開始届出書が必要な場合があります)。
支払手数料はかからず、金融機関の稼働時間内であれば納税が可能です。ただし、領収書は発行されないため注意が必要です。
スマートフォンアプリで支払う
PayPay、d払い、LINE Payなど、対象のスマホ決済アプリを使って贈与税を支払うことも可能です。
アプリをインストールしていれば、手数料なしで簡単に納付できます。
ただし、1回あたりの納税額は30万円までという制限があります。
e-Taxでダイレクト納付する
e-Taxを利用して、自分の預金口座から贈与税を直接引き落とすダイレクト納付が可能です。
この方法では、税務署や銀行に行く必要がなく、ネットバンキングの契約も不要です。即時または指定した日に引き落としができるのも特徴です。
利用には、電子申告・納税等開始届出書とダイレクト納付利用届出書の提出が必要で、書面提出よりe-Taxでのオンライン申請のほうが早く利用できます。
なお、利用時間は平日の8:30〜24:00のみで、土日祝や年末年始は利用できません。
贈与税を納付する場合の注意点

贈与税の納付は期限が決まっており、遅れると延滞税が課されます。
特に次の2点に注意が必要です。
- 納付期限の翌日から2カ月以内であれば、年7.3%または延滞税特例基準割合に1%を加えた率のいずれか低い方が適用されます(令和3年1月1日以降適用)。
令和3年の場合、この期間の延滞税率は年2.5%です。 - 納付期限の翌日から2カ月を過ぎると、年14.6%または延滞税特例基準割合に7.3%を加えた率のいずれか低い方が適用されます(同様に令和3年以降)。
令和3年では、2カ月を超えると年8.8%の延滞税が発生します。
また、納付期限内に税金を支払っても、申告書の提出が期限に間に合わない場合には「無申告加算税」が課されることがあります。
したがって、納付と申告の期限管理は非常に重要です。
分割納付が可能な延納制度
贈与税は原則として、期限までに一括で支払う必要があります。
ただし、まとまった金額の納付が難しい場合には、条件を満たせば最長5年間の分割払い(延納)が認められています。
主な条件は以下の通りです。
- 税額が10万円を超えていること
- 納付期限までに全額を金銭で納めることが困難な理由があること
- 担保の提供が可能であること
ここで言う「納付が困難な理由」とは、生活に必要な資金を差し引いた預金額よりも贈与税額が多い場合を指し、その差額を上限に延納できます。
十分な預金などがある場合は、延納の利用はできません。
なお、延納する税額が100万円以下で、かつ期間が3年以内であれば担保は不要です。
延納を希望する際には、贈与税の申告書とともに延納申請書および担保関係書類を、受贈者の住所地を管轄する税務署に、納付期限までに提出する必要があります。
さらに、延納を利用する場合、利子税の支払いも発生します。
利率は「6.6% × 延納特例基準割合 ÷ 7.3%」で計算され、令和3年では年0.9%の利率が適用されました。
なお、相続税とは異なり、贈与税では物納(不動産などでの納付)は認められていないため、現金一括または延納のいずれかで対応する必要があります。
贈与税の支払い方法についてよくある質問

贈与税の支払い方法についてよくある質問をご紹介します。
Q.贈与税の支払いはいつまでに行えばよいですか?期限を過ぎた場合どうなりますか?
贈与税の納付期限は、贈与を受けた翌年の3月15日までです(申告期間:2月1日〜3月15日)。期限内に納税を済ませなければ、原則として延滞税が発生します。
延滞税は、納付期限の翌日からの日数に応じて異なり、次の2段階に分かれます。
- 納付期限の翌日から2カ月以内:年7.3%または特例基準割合+1%のいずれか低い方
- 2カ月を超える場合:年14.6%または特例基準割合+7.3%のいずれか低い方
また、納税だけでなく申告書の提出も期限内に完了させる必要があります。
納税だけ行って申告が遅れた場合、無申告加算税が課される可能性もあるため注意が必要です。
計画的に申告と納付を済ませることで、余計なペナルティを防ぐことができます。
Q.贈与税の納付書が手元にない場合、どうすれば支払いできますか?
納付書が手元にない場合でも、贈与税はさまざまな方法で納付できます。
主な方法は以下のとおりです。
- クレジットカード納付:「国税クレジットカードお支払サイト」から手続き可能です。
ただし手数料がかかり、領収書は発行されません。 - コンビニ納付:国税庁の専用ページでQRコードを発行し、コンビニで現金支払いが可能(上限30万円まで)。
- インターネットバンキング/ATM(ペイジー):e-Taxを利用して、ペイジー対応の金融機関から支払えます。
手数料はなく、領収書の発行もありません。 - スマートフォン決済:PayPayやLINE Payなどを通じた納付も可能です(上限30万円)。
また、e-Taxのダイレクト納付を使えば、預金口座から直接引き落としが可能です。
ネットバンキングの契約がなくても、必要書類の提出により利用できます。
納付書がない場合は、上記のオンライン・キャッシュレス決済を利用するのが便利です。
領収書が必要な場合は、税務署や金融機関の窓口納付を利用しましょう。
贈与税の支払方法まとめ

ここまで、贈与税の納付方法と手続きの注意点について詳しくご紹介してきました。
重要なポイントをまとめると以下のとおりです。
- 納付書は税務署や金融機関で入手でき、正確な記入と持参が求められる
- クレジットカード・コンビニ・インターネットバンキングなど、多様な納付手段が選択可能
- 納付遅れには延滞税が発生し、延納制度の利用には条件や利子税が伴う
贈与税の納付は、申告と並んで重要な手続きです。
仕組みを理解し、自分に合った方法でスムーズに納付できるよう備えておきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。