贈与税の申告期限が過ぎても大丈夫?期限が過ぎた場合の対処法も解説

贈与税の申告期限をうっかり過ぎてしまった場合、どうすればいいのか不安になる方も多いのではないでしょうか。

贈与税には原則的な期限が定められており、期限を過ぎると罰則的な税金が課される可能性もあります。

しかし、事情によっては延長が認められるケースや、すぐに対処すれば負担を抑えられる場合もあります。

 

本記事では、贈与税に関して以下の内容を中心に解説します。

 

  • 贈与税の申告期限と、申告が必要な具体的なケース
  • 期限を過ぎた場合にかかる加算税・延滞税の種類と対処法
  • 申告が不要なケースや特殊な例外についての理解

 

申告期限を過ぎてしまった方も、これから贈与を受ける予定のある方も、本記事を参考にしていただけますと幸いです。

ぜひ最後までお読みください。

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贈与税の申告時期と注意点

贈与税の申告は、贈与を受けた翌年の3月15日までに行うことが原則とされています。

もしこの日が土日祝日と重なった場合には、次の平日が締切日として扱われます。

 

申告および納税に関する基本情報は以下の通りです。

 

  • 申告義務者:財産を受け取った本人(受贈者)
  • 申告受付期間:翌年2月1日から3月15日まで
  • 期限に遅れた場合や申告内容に誤りがあった場合:加算税や延滞税などの負担が生じる可能性あり

 

また、贈与された時期によって、申告までの準備期間に差が出る点にも注意が必要です。

 

  • 1月に贈与を受けたケース:申告期限までおよそ14か月の余裕がある
  • 12月に贈与を受けたケース:期限まで3か月弱と短いため早期対応が求められる

 

特に年末に贈与を受けた場合は、提出書類の準備や納税額の算出などを早めに進めることが重要です。

スムーズな申告のためにも、余裕を持った行動が求められます。

贈与税は税額が0円でも申告が必要

贈与税の特例の中には、申告書を提出しないと適用できないものがあります。

そのため、たとえ特例を適用して税額が0円になった場合でも、期限内に申告書を提出する必要があります。

 

以下は、申告が必要な主な贈与税の特例です。

 

特例名 内容 非課税限度額
贈与税の配偶者控除 結婚生活が20年以上に及ぶ夫婦のあいだで、居住用の不動産またはその購入資金が贈与された際に適用 最大2,000万円
結婚・子育て資金の一括贈与の特例 直系尊属から18歳以上50歳未満の子や孫へ、結婚・子育て資金を一括贈与した場合に適用(結婚資金は上限300万円) 最大1,000万円(結婚費用は300万円)
住宅取得等資金の贈与の特例 直系尊属(父母・祖父母など)から、18歳以上の子や孫が住宅の新築・増改築のための資金を贈与された場合に適用 最大1,000万円
教育資金の一括贈与の特例 直系尊属から30歳未満の子や孫へ、教育資金を一括贈与した場合に適用 最大1,500万円

 

期限内に申告を行わなければ、これらの特例は適用できません。

必ず期限までに申告書を提出しましょう。

 贈与税の申告が必要なケース3つ

祖父母や両親から現金や不動産などの財産を受け取った場合、「申告は必ずしなければならないの?」と疑問に思う方も多いでしょう。

ここでは、それぞれのケースについて詳しく解説します。

もらった額(受贈額)が110万円を超えている

1年間に受け取った財産の合計額が110万円を超える場合は、翌年に贈与税の申告を行う必要があります。

 

贈与税には基礎控除として110万円の非課税枠があり、これを超えた部分が課税対象となります。

そのため、超過分について税額を計算し、申告書を作成しなければなりません。

 

申告の際は暦年課税相続時精算課税のいずれかを選択します。

暦年課税は毎年、基礎控除を超える贈与分に応じて税額を納める方式で、相続時精算課税は生前贈与分を将来の相続財産に合算して課税する仕組みです。

 

これまで110万円の非課税枠は暦年課税のみ適用されていましたが、令和6年の税制改正により相続時精算課税にも同様の非課税枠が新設されました。

そのため、どちらの方式を選んでも、年間110万円以内であれば申告は不要です。

特定の非課税制度を使う場合

非課税制度や特例を利用する際には、税務署への申告が必要となる場合があります。

どの制度を使うかによって申告の要否が異なるため、まずは申告が必要な非課税制度・特例を確認しましょう。

 

例えば、配偶者控除や住宅取得資金の非課税制度を利用する場合は、必要書類を揃えて所轄の税務署へ提出しなければなりません。

たとえ受け取った財産が非課税枠内であっても、適用を受けるためには申告手続きが必要です。

相続時精算課税を適用する場合

相続時精算課税を利用すると、累計2,500万円までの贈与については贈与税がかかりません

この制度は、生前に受け取った財産の贈与税額を、将来の相続時に相続財産の課税価格へ合算して計算する仕組みです。

贈与時には税負担を軽減できるメリットがある一方、相続発生時には課税対象が増えるため、相続税が高くなる可能性があります。

 

また、税制改正により相続時精算課税にも110万円の基礎控除が適用されるようになったため、この範囲内であれば申告は不要です。

ただし、制度を初めて利用する年は相続時精算課税選択届出書の提出が必要となるため、忘れずに作成して提出しましょう。

贈与税の申告が不要なケース3つ

罰則を受けるのは避けたいと考え、すぐに申告しようと思う方も多いでしょう。

しかし、贈与には申告が不要なケースもあるため、自分が申告対象かどうかを正しく判断することが重要です。

ここでは、こうした申告が不要となるケースについて解説します。

社会通念上、必要と認められる場合

社会通念上、必要と認められる範囲の贈与であれば、贈与税の申告は不要です。

例えば、次のようなものが該当します。

 

  • お祝いの品
  • お見舞いの品
  • 香典
  • 花輪の費用
  • 年末年始の贈答品

 

これらは一般的な慣習に基づくものであり、贈与とはみなされません。

そのため、贈与税の申告・納付はいずれも不要です。

生活費・教育費に該当する贈与の場合

扶養義務のある親や祖父母から金銭の援助を受けた場合でも、その資金が日常生活に必要な支出や進学に伴う費用に充てられるのであれば、贈与税の課税対象にはなりません。

 

例えば、子どもが高校や大学へ進学するにあたって一人暮らしを始める場合、親族から定期的に送金を受け取ることがあります。

このような資金を、授業料や生活必需品の購入にあてるのであれば、社会通念上、通常必要とされる支出と見なされ、贈与と判断されないのが一般的です。

 

一方で、その資金を生活費や教育費とは無関係な用途に使用した場合には、贈与税の対象となる可能性があります。

金銭の使途によって課税対象かどうかが分かれるため、本来の目的に沿った使い方を心がけることが大切です。

申告が不要な非課税制度を使う場合

税務署への申告が不要な非課税制度を利用する場合も、贈与税の申告は必要ありません。

 

例えば、結婚・子育て資金や教育資金の贈与は、所定の手続きを踏めば申告不要で非課税のまま受け取れます。

正しい方法で非課税枠内の資金を受け取り、その全額を目的に沿って活用すれば、贈与税を支払う必要はありません。

 

ただし、非課税枠を超える金額については贈与税が課されます。

受け取る前に、贈与額と非課税の限度額を双方で確認・調整しておくことが重要です。

贈与税の申告期限の特殊なケース

贈与税の申告期限には例外があり、特殊なケースでは期限が異なります。

通常、贈与税の申告期限は贈与を受けた年の翌年3月15日ですが、次のケースでは別の期限が適用されます。

 

ケース 申告期限
受贈者が死亡した場合 受贈者の死亡を知った日の翌日〜10ヶ月以内
受贈者が国外へ出国する場合 受贈者が国外へ出国する場合 出国日まで

※ただし、納税管理人の届出を行った場合は、納税管理人が翌年3月15日までに申告・納税を行います。

 

もらった人(受贈者)が亡くなった場合

受贈者(財産を受け取った人)が申告期限前に死亡した場合、贈与税の申告期限は死亡を知った日の翌日〜10ヶ月以内となります。

 

多くの場合、死亡を知った日は亡くなった日と同じであり、その場合は死亡日の翌日〜10ヶ月が期限です。

ただし、孤独死などで亡くなった事実をすぐに知ることができなかった場合は、死亡を知った日と亡くなった日が異なることがあります。

 

また、受贈者が亡くなった場合、その贈与税の申告義務は相続人が引き継ぎます。申告手続きも相続人が行う必要があります。

もらった人(受贈者)が海外に行く場合

受贈者(財産を受け取った人)が海外赴任や移住などで出国する場合、贈与税の申告・納付は出国日までに済ませなければなりません

贈与税の申告が必要なケースでは、必ず出国前に手続きを完了しましょう。

 

ただし、あらかじめ納税管理人を選任し、所轄の税務署へ届け出を行っていれば、出国日までに申告・納付を行う必要はありません。

この場合、納税管理人が、通常の申告期限である翌年3月15日までに贈与税の申告・納付を行います。

贈与税の申告期限を過ぎた場合は加算税と延滞税がかかる

贈与税の申告が遅れて期限を過ぎてしまうと、本来の贈与税(本税)に加えて加算税と呼ばれる罰則的な税金が課されることがあります。

加算税には3種類あり、申告の遅れや内容に応じて、それぞれ異なる税率が適用されます。

 

【贈与税に関する3種類の加算税】

  • 無申告加算税
  • 過少申告加算税
  • 重加算税

 

ただし、やむを得ない事情で申告が遅れた場合には、個別に申告期限の延長を申請することが可能です。

さらに、申告期限を過ぎていても、期限から1ヶ月以内に自主的に申告と納税を行った場合などには、加算税が課されないケースもあります。

無申告加算税

贈与税の申告が必要であったにもかかわらず、期限内に申告を行わなかった場合には、無申告加算税という罰則的な税金が課されます。

この無申告加算税の税率は、申告を行ったタイミングによって異なります。

税務署からの指摘を受ける前に自ら申告した場合は5%の税率となりますが、税務署の指摘を受けて税務調査が始まる前に申告した場合は10~25%、さらに税務調査の開始後に申告した場合には15~30%の税率で無申告加算税が課されます。

過少申告加算税

贈与税の申告をしていたものの、申告した税額が実際より少なかった場合には、過少申告加算税が課されることがあります。

この加算税の税率は0〜15%の範囲で、追加で納める必要がある贈与税額に対して適用されます。

 

ただし、税務署からの指摘がある前に自ら修正申告を行えば、過少申告加算税は課せられません。

したがって、申告内容に誤りがあると気付いた際は、できるだけ早く自主的に修正申告を行うのが大切です。

なお、修正申告書を提出した日が、その追加の贈与税の納期限となるため、提出日には注意が必要です。

重加算税

贈与税の申告や納付が必要であることを認識していながら、意図的に申告せず、事実を隠すような行為をした場合には、重加算税という最も重い罰則が適用されます。

重加算税の税率は40~50%と非常に高く、悪質な脱税と判断されると、刑事処分の対象となる可能性もあります。

加算税3つの他に延滞税もかかる

贈与税の申告が遅れた場合には、加算税に加えて、納付が遅れた日数に応じた延滞税も発生します。

延滞税は利息のような性質を持ち、贈与税(本税)に対してのみ課され、加算税には適用されません。

 

延滞税の税率は、納付の遅れた期間によって異なり、例えば令和6年(2024年)1月1日〜12月31日までの税率は、申告期限の翌日から2ヶ月以内であれば年2.4%、2ヶ月を超えると年8.7%となっています。

 

なお、延滞税については納税者自身が計算して納付する必要はなく、まず贈与税と加算税を支払った後、税務署が延滞税額を計算し、後日その納付書が送付される仕組みです。

申告期限を過ぎている場合は1日でも早く申告するべき

すでに申告期限を過ぎてしまっている場合でも、できるだけ早く申告手続きを行いましょう。

早めに対応することで、加算税などのペナルティを最小限に抑えることが可能です。

 

贈与税の申告には4種類の税務上のペナルティがありますが、中でも無申告加算税と過少申告加算税は、申告のタイミングによって税率が変わります。

税務署から連絡を受ける前に自主的に申告した場合と、税務調査の通知や調査後に申告した場合とでは、課税の割合に大きな差が生じます。

贈与税の申告期限を過ぎてしまった場合についてよくある質問

贈与税の申告期限を過ぎてしまった場合について、よくある質問をご紹介します。

Q.贈与税の申告期限を過ぎても、自分から申告すれば加算税は免除されますか?

贈与税の申告期限を過ぎた場合でも、税務署からの指摘を受ける前に自主的に申告すれば、無申告加算税が軽減または免除されることがあります

たとえば、期限後でも1ヶ月以内に自主的に申告し、納付を済ませた場合には、加算税がかからない可能性があります。

また、1ヶ月を過ぎても税務署からの調査通知が届く前であれば、加算税の税率は通常より低くなります。

 

ただし、すでに税務署から調査の連絡が入った場合や、意図的に申告を怠ったと判断された場合は、通常より高い税率(15~30%)の無申告加算税や重加算税(最大50%)が適用されることもあります。

 

延滞税については、贈与税の納付期限の翌日から発生し、納付が2ヶ月を超えると年8.7%(令和6年の場合)の高い利率がかかるため注意が必要です。

 

したがって、申告期限を過ぎてしまった場合でも、できるだけ早く自主的に申告・納税することで、余計な税負担を避けられる可能性があります。

Q. 贈与税の申告を忘れて数年経ってしまった場合、今からでも申告できますか?

はい、たとえ数年が経過していても、贈与税の申告は後から行うことが可能です。

ただし、その分だけ加算税や延滞税の負担が大きくなる可能性があるため、放置せず速やかに対応すべきです。

 

通常、贈与税の時効は申告義務の発生日から5年間とされています(税務署が贈与を把握していなかった場合は7年間)。

この期間内であれば、遅れていても自主的に申告することで、加算税の軽減措置が適用されることもあります。

反対に、時効を超えている場合であっても、税務署側が贈与の事実を把握していれば、調査により過去にさかのぼって課税されることもあるため油断は禁物です。

 

特に複数年にわたり非申告が続いていると、悪質な脱税とみなされるリスクもあります。

事実を隠していたと判断された場合には、重加算税や刑事罰の対象となることもあります。

 

このような事態を避けるためにも、思い当たる贈与がある場合は、まずは税理士や税務署に相談し、必要な申告を速やかに行うことが大切です。

贈与税の申告期限を過ぎてしまった場合のまとめ

ここまで、贈与税の申告期限や遅延時の対応方法について詳しくご紹介してきました。

ポイントを改めて整理すると、以下のとおりです。

 

  • 贈与税の申告期限は原則として翌年3月15日で、遅れると加算税や延滞税が発生する
  • 特例や非課税制度を利用する際も、期限内の申告が必要な場合がある
  • 期限後でも早めの対応によりペナルティを軽減できる可能性がある

 

贈与税は、知らなかったでは済まされない税目です。

申告が必要かどうか迷った際は、早めに確認・手続きを行いましょう。

本記事が、正確な申告と安心した資産管理の一助となれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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