相続放棄の申述は、どこの裁判所でも行えるのか気になる方もいるのではないでしょうか。相続放棄を行う際は、手続きの流れや注意点をしっかり把握しておくことが重要です。
本記事では相続放棄の申述先はどこの裁判所でもよいのかについて以下の点を中心にご紹介します。
- 相続放棄の申述先はどこの裁判所でもよいのかについて
- 相続放棄をする場合の必要書類
- 相続放棄の手続きをする場合の注意点
相続放棄の申述先はどこの裁判所でもよいのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
相続ナビに相続手続きをお任せください。
スマホ・PCで登録完了
役所などに行く必要なし
相続放棄の申述先は亡くなった人の最後の住所地の裁判所へ
相続放棄をする場合の申立先の裁判所は、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所になります。例えば、父親からの相続を放棄する場合は、父親が亡くなった際の住民票を確認することで、その住所地がわかります。
また、どの裁判所が管轄するのかを調べるには、家庭裁判所の「相続放棄の申述」ページを利用できます。サイト内の「申述先」欄にある「管轄裁判所を調べたい方はこちら」をクリックすると、申立先の家庭裁判所を簡単に確認できます。
この手続きを経なければ、相続放棄の法的効力は発生しません。例えば、亡くなった父親が借金を残していた場合、相続人が「相続放棄をしたので何も受け取っていない」と言っても、裁判所に正式に放棄の申立をしない限り、債権者からの請求を免れることはできません。このため、相続放棄を行う場合は、必ず家庭裁判所に申立書を提出する必要があることをしっかり認識しておきましょう。
裁判所への相続放棄の申述方法と必要書類
相続放棄を行うには、家庭裁判所に申述書を提出する必要があります。申述の期限は、相続の開始を知った日から3か月以内とされています。したがって、相続人ごとに申述の起算日が異なるため、各自の状況に合わせて期限を守ることが重要です。申述には以下のような書類が必要となります。
- 相続放棄の申述書
- 被相続人の住民票除票または戸籍附票
- 被相続人の戸籍謄本
- 被相続人と申述人の関係を証明する戸籍謄本
- 申述人の戸籍謄本
申述の際、費用として収入印紙800円を申述書に貼付し、また各家庭裁判所に応じた郵便切手も同封する必要があります。提出した書類は、基本的に返還されないため、必要に応じてコピーを取っておくことをお勧めします。
相続放棄申述書の手続きの流れ
相続放棄申述書と必要書類を管轄の家庭裁判所に提出した後、家庭裁判所は以下の手順で審査を進めます。
-
申述書と書類の受付
まず、家庭裁判所は提出された相続放棄申述書と必要書類を受理します。
-
照会書の送付
その後、家庭裁判所から申述人に「照会書」が送付されることがあります。この照会書には申述に関する確認事項が記載されており、申述人は必要事項を記入のうえ返送する必要があります。
-
照会書の返送
照会書が届いた場合、申述人はその内容に従い、記入して家庭裁判所へ返送します。この返送が審査の重要な一歩となります。照会書が届かない場合もありますが、届いた場合は必ず適切に回答して返送するようにしましょう。
-
審査(受理・不受理)
家庭裁判所は、照会書に基づき審査を行い、相続放棄の申述を受理するかどうかを決定します。
-
相続放棄受理通知書の送付
受理されると、申述人には「相続放棄受理通知書」が送られます。この通知をもって相続放棄が正式に認められたことが確認されます。また、申述人が相続放棄申述受理証明書の交付を申し込んでいた場合、同時にその証明書も送付されます。
未成年者が相続放棄をする場合
未成年者が相続放棄を行う際には、いくつかの重要な点に注意が必要です。まず、未成年者本人は法的に相続放棄の申述を行うことができません。そのため、法定代理人である親が代理して申述を行う必要があります。この場合、申述期間は親が未成年者に対して相続の開始を知った日から3ヶ月以内に限られます。
ただし、注意しなければならないのは、未成年者の親も相続人である場合です。この場合、親が未成年者だけに相続放棄をさせることは利益相反行為に該当し、家庭裁判所に特別代理人を選任してもらう申立てが必要となります。親が相続放棄をしない中で未成年者のみ相続放棄をすることは認められないため、特別代理人を通じて手続きを進めることが求められます。
相続放棄の手続きをする場合の注意点
相続放棄を決断する際には、いくつかの重要な注意点を押さえておくことが大切です。後悔しないために、以下のポイントを確認しましょう。
-
生前の相続放棄はできない
相続放棄は被相続人が亡くなった後に行う必要があり、生前に放棄の手続きをすることはできません。仮に、亡くなる前に相続放棄に関する念書や契約書を作成していても、それは法的効力を持ちません。相続放棄は被相続人の死亡後に改めて申請しなければなりません。
-
遺産を処分すると相続放棄ができない
相続放棄をする前に、遺産を使用したり、不動産の名義変更を行ったりすると、相続放棄は認められなくなります。遺産の処分があった時点で、単純承認をしたとみなされ、放棄をすることができなくなります。相続放棄の手続きは慎重に進め、遺産に手をつける前に行うようにしましょう。
-
相続放棄は撤回できない
一度家庭裁判所で相続放棄が認められると、その決定は基本的に撤回できません。相続放棄をした後で、借金が少なくて財産が多かった場合や、手続きが面倒だからといった理由で気が変わっても、撤回することはできません。
ただし、放棄が認められる前であれば取り下げは可能なので、早めに申し出ることが重要です。特別な事情がある場合、放棄が取り消されることもあります。
-
相続放棄後でも受け取れるものがある
相続放棄をすると、遺産全体を受け取ることはできませんが、いくつかの金銭的な支払いを受け取ることは可能です。例えば、死亡保険金や死亡退職金、遺族年金は相続放棄後でも受け取れることがあります。ただし、これらは必ずしも無条件で受け取れるわけではなく、保険契約や退職金規定で受取人が指定されている場合、相続放棄をすると受け取れないことがあります。
-
相続人全員が放棄すると財産は国に帰属する
もし相続人全員が相続放棄をした場合、相続財産は最終的に国に帰属することになります。相続放棄によって相続人がいなくなると、家庭裁判所が選任した相続財産管理人が財産を管理し、処分・精算します。特別縁故者が財産を受け取ることもありますが、最終的に残った財産は国のものとなります。
相続放棄の申述先はどこの裁判所でもよいのかについてのよくある質問
相続放棄の申述先はどこの裁判所でもよいのかについてのよくある質問は以下のとおりです。
相続放棄をしたら家庭裁判所から電話がかかってきますか?
相続放棄をした場合、しっかりと書類が整っていれば、家庭裁判所からの呼び出しはほとんどありません。通常、相続放棄の手続きは、相続放棄の意思を示す申述書と、必要な戸籍謄本などの書類を提出することで完了します。
また、専門家が正確な書類を準備し、手続きを進めることで、家庭裁判所からの連絡や追加の確認は避けられます。家庭裁判所が電話で連絡を取るケースは稀であり、問題が発生する前に適切に対応しておくことが重要です。
相続放棄が認められない事例はありますか?
相続放棄を希望しても、いくつかの理由でその申述が認められないことがあります。事例を以下に紹介します。
単純承認が成立してしまった場合
相続人が相続財産の一部を処分した場合、法律上それが「単純承認」とみなされることがあります。例えば、相続財産を使ったり、譲渡したり、不動産の名義変更を行ったりすると、相続放棄ができなくなります。特に、遺品を持ち帰ったり、葬儀代を支払ったりした場合でも、単純承認と見なされることがあります。
熟慮期間が過ぎてしまった場合
相続放棄をするためには、相続開始を知った日から3ヶ月以内に手続きを行う必要があります。この期間を「熟慮期間」と呼びます。この期間内に相続放棄を申述しないと、単純承認をしたものとみなされ、相続放棄ができなくなります。
書類に不備があったり、照会書に回答しなかった場合
相続放棄を申述する際、必要書類を正確に提出することが重要です。もし書類に不備があった場合、家庭裁判所から不足している書類の連絡が来ることがありますが、速やかに対応しなければ、相続放棄が受理されないことがあります。また、申述後に送られる「照会書」に回答しないと、申述が却下される可能性もあります。
相続放棄の申述先はどこの裁判所でもよいのかについてのまとめ
ここまで相続放棄の申述先はどこの裁判所でもよいのかについてお伝えしてきました。相続放棄の申述先はどこの裁判所でもよいのかについての要点をまとめると以下のとおりです。
- 相続放棄の申立ては、被相続人が最後に住んでいた住所地を管轄する家庭裁判所に対して行う
- 相続放棄をする場合、相続放棄の申述書、被相続人の住民票除票または戸籍附票、被相続人の戸籍謄本、被相続人と申述人の関係を証明する戸籍謄本、申述人の戸籍謄本が必要である
- 相続放棄の手続きをする場合の注意点には、生前の相続放棄はできないことや遺産を処分すると相続放棄ができないことなどが挙げられる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。