姻族関係終了届について気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では婚族関係終了届について以下の点を中心に解説していきます。
- 姻族関係終了届とは?
- 姻族関係終了届のメリットとデメリットとは
- 姻族関係終了届の注意点とは
姻族関係終了届について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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姻族関係終了届とは?

姻族関係終了届は、夫婦のどちらかが亡くなった後に、生存している配偶者(届出人)が、亡くなった配偶者の血族(姻族)との関係を法的に終了させるための届出です。
亡くなった配偶者の両親や亡くなった配偶者の祖父母、亡くなった配偶者の兄弟姉妹、亡くなった配偶者の従兄弟姉妹が対象です。
姻族関係を終了させるには?
夫婦が死別した場合、配偶者の両親(姑、舅)との姻族関係は自動的に終了するわけではありません。0
そのため、夫が亡くなってしまった場合は、妻が夫の両親の世話をする事例が多く見られます。
しかし、妻が姑や舅の世話をしても、法的な相続権を持たないため、財産を相続できない可能性があります。
2019年7月1日以降の相続では、「特別寄与料」という制度が設けられました。
これは、相続の権利がない親族が故人の世話をしていた場合に、財産を得られる制度です。
しかし、特別寄与料は遺産を相続する相続人と交渉する必要があり、実際に取得するのは簡単ではありません。
このような懸念から、亡くなった配偶者の血族と縁を切りたい場合は、「姻族関係終了届」を提出して姻族関係を終了させることができます。
姻族関係終了届を提出できる方
姻族関係終了届を提出できるのは、死亡した方の配偶者のみです。
死亡届と同様に、代理人による提出も可能ですが、届出用紙の記入は本人が行う必要があります。
姻族関係を終了するかどうかは、あくまでも生存している配偶者の意思に基づきます。
嫁や婿との折り合いが悪いという理由で、死亡した方の血族が姻族関係終了届を提出することはできません。
姻族関係終了届の手続き方法
姻族関係終了届は、家族関係に大きな影響を与える重要な手続きです。
必要書類を準備し、市区町村役場の窓口に提出、その後受理証明書の交付を受ける手続き方法です。
姻族関係終了届の提出期限
姻族関係終了届の提出に期限はありません。
配偶者の死亡届を提出した後でいつでも提出することができます。
姻族関係終了届の必要書類
姻族関係終了届の必要書類は、以下のとおりです。
- 姻族関係終了届
- 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
- 印鑑
姻族関係終了届の効果
姻族関係終了届を提出すると、以下の点が変わります。
- 扶養義務の消滅:亡くなった配偶者の血族(義父母、義兄弟姉妹など)を扶養する義務はなくなります。
- 同居による互助義務の消滅:亡くなった配偶者の血族と同居して、互いに助け合う義務はなくなります。
- 祭祀承継の回避:亡くなった配偶者の家系の祭祀承継を拒否することができます。
一方、以下の点は変わりません。
- 相続権:亡くなった配偶者の遺産を相続する権利は変わりません。
- 遺族年金:亡くなった配偶者の遺族年金を受け取る権利は変わりません。
- 婚姻関係の事実:婚姻関係自体は終了しているため、婚姻証明書は発行されません。
姻族関係終了届のメリット・デメリット

姻族関係終了届は、配偶者の親族との姻族関係を解消する手続きです。
メリットだけでなく、デメリットも理解した上で検討することが重要です。
姻族関係終了届のメリット
以下が姻族関係終了届のメリットです。
姻族関係から生じる精神的・金銭的負担が解消される
- 姑や舅との折り合いが悪い場合、精神的な負担を軽減できます。
- 扶養するよう求められても断る権利があり、安心して経済的な負担を回避できます。
亡くなった配偶者の遺産は相続できる
- 姻族関係終了届を提出しても相続権は影響を受けません。
- 配偶者の血族から遺産を相続しないように言われても従う必要はありません。
遺族年金ももらえる
- 支給要件を満たしていれば、遺族年金を受け取ることができます。
- すでに受給している場合は、引き続き受給できます。
姻族関係終了届のデメリット
以下が姻族関係終了届のデメリットです。
撤回できない
- 姻族関係終了届は、一度提出すると撤回できません。
- 関係を修復したいと思っても、元に戻すことはできないので注意が必要です。
配偶者の血族を頼れない
姻族関係が終了した場合、以下の配偶者の血族からの援助やサポートを受けられなくなります。
- 子どもの面倒を見てもらう
- 経済的な援助を受ける
- 法事や葬儀の手伝いを受ける
自力で住まいやお墓を用意する必要がある
- 配偶者の親と同居している場合は、新たな住まいを探す必要がある
- 亡くなった後の埋葬場所や墓についても、自分で手配する必要がある
子どもへの影響
- 子どもにとって、祖父母との関係が断たれることは大きな心の傷となる可能性がある
- 子どもの気持ちを尊重した上で、丁寧に説明する必要がある
罪悪感や周囲の誤解
- 関係解消に罪悪感を抱えたり、周囲から理解を得られなかったりすることも覚悟が必要である
姻族関係終了届の制度を使える方

姻族関係終了届の制度は、配偶者を亡くした方のみが利用できます。
つまり、夫を亡くした妻、または妻を亡くした夫のみが対象となります。
事実婚(内縁関係)の場合、法的に姻族関係が成立していないため、この制度を利用することはできません。
姻族関係終了届に必要な準備・書類
提出者は、姻族関係終了届を提出できるのは、死亡した配偶者のみです。
代理人による提出も可能ですが、届出用紙の記入は本人が行う必要があります。
提出先は、姻族関係終了届は、本籍地または住所地の市区町村役場に提出します。
また、姻族関係終了届に必要な書類は以下のとおりです。
- 姻族関係終了届
- 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
- 印鑑
戸籍謄本は、提出する市区町村役場によって様式が異なる場合がありますので、事前に確認が必要です。
姻族関係終了届の提出期限はなく、自分のタイミングで提出可能です。
配偶者の死亡届提出後であれば、いつ提出しても問題ありません。
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姻族関係終了届を出しても子どもに影響しないか?

姻族関係終了届は、配偶者が死亡した場合に、配偶者の親族との関係を終了させるための届出です。
この届出を出しても、子どもと配偶者の親族との関係は影響を受けません。
子どもの親族関係は、以下の通りです。
- 死亡配偶者との子ども: 親子関係は変わりません。
- 死亡配偶者の親: 祖父母と孫の関係は変わりません。
- 死亡配偶者の兄弟姉妹: 伯叔父・伯叔母と甥姪の関係は変わりません。
姻族関係終了届は、あくまでも生存配偶者と死亡配偶者の親族との関係を終了させるための手続きです。
子どもとの関係は血縁関係に基づくものであり、姻族関係終了届によって変更されることはありません。
子どもの扶養義務に影響しない
姻族関係終了届を提出しても、子どもの扶養義務には影響ありません。
具体的には、以下の親族との扶養義務関係は終了しません。
- 死亡配偶者の父母(子どもから見ると祖父母)
- 死亡配偶者の兄弟姉妹(子どもから見ると伯叔父・伯叔母)
これらの親族は、子どもに対して引き続き扶養義務を負う可能性があります。
子どもの戸籍に影響しない
姻族関係終了届を提出しても、子どもの戸籍に影響はありません。
提出した姻族関係終了届は、届出をした人の欄に「姻族関係終了」と記載されます。
これは、過去の婚姻関係があったことを証明するもので、子どもの戸籍に影響を与えるものではありません。
また、姻族関係終了届を提出しても、子どもは現在の戸籍から除籍されません。
引き続き、現在の戸籍に記載されたままとなります。
なお、新しい戸籍が作成されることはありません。
必要に応じて、別途手続きを行うことで、新しい戸籍を作成することができます。
子どもの氏に影響しない
姻族関係終了届を提出しても、子どもの氏に影響はありません。
子どもは今までの氏をそのまま使用できます。
姻族関係終了届によって、子どもの親族関係は一切変わりません。
つまり、子どもにとって亡くなった配偶者の親族は、引き続き祖父母、叔父、叔母などの親族となります。
生存配偶者が婚姻前の氏に戻したい場合は、姻族関係終了届とは別に「復氏届」を提出する必要があります。
復氏届で氏を変更できるのは、生存配偶者本人だけです。
生存配偶者が復氏届を提出しても、子どもの氏は自動的に変更されません。
子どもも婚姻前の氏に戻したい場合は、家庭裁判所の許可を得て、「子の氏の変更許可申立書」を提出する必要があります。
子どもの相続に影響しない
子どもがいる場合でも、姻族関係終了届を提出しても、子どもの親族関係や相続に影響はありません。
子どもは、亡くなった配偶者の子であることに変わりはないため、相続人となります。
すでに相続した財産についても、姻族関係終了届によって無効になることはありません。
また、今後新たに相続が発生した場合も、姻族関係終了届の影響を受けることなく相続人となります。
姻族関係終了届の制度を使うときの注意点

姻族関係終了届は、遺族が遺族の親族との関係を完全に断つための制度です。
提出する際には、遺族が遺族の親族との関係を完全に断つことになる、遺族が遺族の親族の葬儀や法要などの儀式に参加できなくなる、遺族が遺族の親族の財産を相続できなくなるという点に注意が必要です。
姻族関係終了届を提出すると、遺族は遺族年金や遺族手当などの給付を受けられなくなり、遺族の親族に扶養される権利も失われます。
また、遺族の親族に相続権も失われます。
さらに、姻族関係終了届を提出すると、遺族は遺族の親族との関係を完全に断つことになります。
姻族関係終了届は、遺族が遺族の親族との関係を完全に断つことを決意した場合にのみ提出すべき制度です。
提出する際には、上記のような注意点を踏まえて慎重に検討する必要があります。
姻族関係終了届についてよくある質問

姻族関係終了届について色々な疑問をまとめてみました。
以下では、姻族関係終了届についてよくある質問をご紹介します。
子供と配偶者の血縁関係はどうなるのか?
子供と配偶者の血族関係と姻族関係終了届の影響については、姻族関係終了届を提出しても、子供と配偶者の血族関係は継続します。
つまり、子供にとって、姑は「おばあちゃん」舅は「おじいちゃん」であることに変わりはありません。
戸籍の記載はどうなるのか?
姻族関係終了届を提出した場合、「姻族関係終了」という戸籍記載がされます。
しかし、戸籍自体に異動はなく、姻族関係終了届を出しても、現在の戸籍(亡くなった配偶者との婚姻関係によって作成された戸籍)から移動することはありません。
また、姻族関係終了届の提出によって、現在の姓(亡くなった配偶者の姓)が変わることはありません。
婚姻前の姓に戻したい場合の手続き方法は?
旧姓に戻りたい場合は、別途「復氏届」を提出する必要があります。
復氏届を提出すると、新しい戸籍が作成されます。
市区町村役場に「復氏届」を提出する必要があります。
配偶者の死亡届提出後であれば、いつ提出しても問題ありません。
期限はありません。
相続で受け取った遺産を返す必要はあるのか?
相続手続きによって取得した財産は、法的にあなたの所有物となります。
姻族関係終了届を提出したとしても、その財産に対する権利は消滅しません。
姻族関係終了届を提出したことを親族に知られた際に、遺産を返すよう迫られる場合があるかもしれません。
しかし、そのような要求に応じる法的義務はありません。
再婚するためには姻族関係終了届を提出が必要か?
姻族関係終了届は、再婚のために必須ではありません。
配偶者が亡くなれば、婚姻関係は解消され、再婚の法的障害はなくなります。
姻族関係終了届は、あくまでも生存配偶者が、亡くなった配偶者の血族との姻族関係を任意で終了するための手続きです。
姻族関係終了届を提出していない場合、再婚しても亡くなった配偶者の血族との姻族関係は継続されます。
つまり、再婚相手だけでなく、亡くなった配偶者の血族とも親族関係が続くことになります。
姻族関係終了届についてのまとめ

ここまで姻族関係終了届についてお伝えしてきました。
姻族関係終了届の要点をまとめると以下の通りです。
- 姻族関係終了届は、夫婦のどちらかが亡くなった後に、生存している配偶者が、亡くなった配偶者の血族との関係を法的に終了させるために提出する届出を指す。
- 姻族関係終了のメリットとしては、姻族関係から生じる精神的・金銭的負担が解消されることや遺産は相続できるが、姻族関係終了届を一度提出すると撤回できないなどのデメリットも存在する。
- 姻族関係終了届の注意点は、姻族関係終了届を市町村役場に提出しても、相続を受ける権利は消滅しない点が挙げられる。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
