贈与税は何パーセント?税率の仕組みと計算方法をわかりやすく解説

「贈与税って、結局何パーセントかかるの?」と疑問に感じたことはありませんか。

生前贈与を検討する際、税率や計算方法を理解していないと、思わぬ負担につながる可能性があります。

正しい知識を持っておけば、制度を活用しながら税負担を抑えることもできるでしょう。

 

本記事では、贈与税について以下の点を中心にご紹介します。

 

  • 贈与税の税率の種類(一般税率と特例税率)の違い
  • 贈与税の計算方法と具体的なシミュレーション
  • 贈与税を軽減できる制度や代表的な活用例

 

贈与を検討している方がスムーズに判断できるよう、分かりやすく整理しましたので、ぜひ最後までご覧ください。

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贈与税の税率は2種類ある

贈与税には「一般税率」「特例税率」の2種類があり、贈与を受ける人の立場によって適用される制度が異なります。

以下の表で整理しました。

 

種類 適用対象
一般税率 贈与者の直系尊属(父母や祖父母)以外から財産を受け取る場合
特例税率 贈与者の直系尊属(父母や祖父母)から、18歳以上の子や孫が財産を受け取る場合

このように、贈与税の税率は「誰から誰へ財産が渡るか」で大きく変わります。

次に、それぞれの税率表について見ていきましょう。

一般税率表

一般税率は、両親や祖父母などの直系尊属以外から贈与を受けた場合に適用されます。

例えば、兄弟姉妹や叔父叔母から贈与を受ける際に使われるのはこの一般税率です。

課税価格が大きくなるほど税率が高くなる仕組みで、同時に控除額も設定されているため、負担が急激に重くなりすぎないよう調整されています。

 

課税価格(基礎控除後) 税率 控除額
200万円以下 10% 0円
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
4,500万円以下 55% 400万円
4,500万円超 55% 400万円

一般税率は税負担が大きくなりやすいため、どの範囲の親族からの贈与なのかを正しく判断することが重要です。

特例税率表

特例税率は、直系尊属(父母や祖父母)から18歳以上の子や孫に贈与を行う場合に適用されます。

一般税率よりも低い税率や大きな控除額が設定されており、若い世代への資産移転を促すための仕組みです。

教育資金や住宅取得資金など、生活の基盤づくりを支援する贈与でよく利用される点が特徴として挙げられます。

 

課税価格(基礎控除後) 税率 控除額
200万円以下 10% 0円
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

特例税率を活用できるかどうかで贈与税の負担額は大きく変わります。

贈与者と受贈者の関係や年齢条件を確認し、適切な税率を選ぶことが大切です。

適用される税率の早見表

適用される税率は、贈与者と受贈者の関係によって決まります。

贈与者 受贈者 適用される税率
父母・祖父母 18歳以上の子・孫 特例税率
父母・祖父母 18歳未満の子、またはそれ以外の親族 一般税率
兄弟姉妹など 子や孫、その他の親族 一般税率

このように整理すると、自分がどちらの税率に当てはまるかが分かりやすくなります。

贈与を受ける際は、必ず贈与者との関係を確認して税率を判断することが重要です。

 

贈与税は何パーセント?計算方法と具体例

贈与税の税率は、財産の種類や贈与者と受贈者の関係によって変わります。

ここでは一般贈与財産、特例贈与財産、そして両方を受け取る場合について順番に見ていきましょう。

一般贈与財産の場合

一般贈与財産とは、兄弟姉妹や叔父叔母など直系尊属以外から贈与を受けた場合に適用されるものです。

税率は一般税率に基づいて計算され、課税価格が大きくなるにつれて段階的に上がります。

 

例えば、兄から妹へ500万円の贈与があったとします。

基礎控除110万円を差し引くと課税価格は390万円です。

この場合、一般税率表で「400万円以下」に該当し、税率は20%、控除額25万円が適用されます。

 

計算式は以下の通りです。

 

390万円 × 20% − 25万円 = 53万円

 

このケースでは贈与税額は53万円となります。

特例贈与財産の場合

特例贈与財産とは、父母や祖父母などの直系尊属から、18歳以上の子や孫に対して贈与された財産に適用される制度です。

一般贈与に比べて税率が低く設定されているため、同じ金額を受け取っても負担を軽減しやすい特徴があります。

 

具体例として、父から子へ500万円を贈与したケースを見てみましょう。

基礎控除110万円を差し引いた後の課税価格は390万円です。

この金額を特例税率表に当てはめると「400万円以下」の区分に該当し、税率15%・控除額10万円を用いて計算します。

 

計算は次の通りです。

 

390万円 × 15% − 10万円 = 48万5,000円

 

したがって、このケースで納める贈与税額は48万5,000円となります。

一般贈与財産と特例贈与財産の両方を受け取る場合

同じ年に兄から200万円、父から500万円を受け取るといったように、一般贈与と特例贈与が同時に発生するケースがあります。

この場合は、それぞれの財産区分ごとに税額を算出し、最後に合算して納付額を求めます。

一般贈与財産の税額を計算する

まず、一般贈与財産の課税価格を計算します。

たとえば兄から200万円を受け取ったとすると、基礎控除110万円を差し引き、残りの90万円が課税価格となります。

この金額は「200万円以下」の区分に当たるため、税率10%、控除額0円が適用されます。

 

計算は次の通りです。

 

90万円 × 10% = 9万円

 

したがって、この時点で一般贈与分の贈与税額は9万円となります。

特例贈与財産の税額を計算する

次に、特例贈与財産の課税額を算出します。

父から500万円の贈与を受けた場合、基礎控除の残り分を差し引いたうえで課税価格を求める必要があります。

ここでは、控除適用後の課税価格が390万円になったと仮定します。

 

特例税率表に当てはめると、この390万円は「400万円以下」の区分に該当します。

そのため、税率15%、控除額10万円を用いて計算します。

​​納付する贈与税の合計を計算

最後に、一般贈与と特例贈与を合算し、合計の税額を算出します。

 

一般贈与 9万円 + 特例贈与 48.5万円 = 57万5,000円

 

この場合、最終的に納める贈与税は57万5,000円となります。

財産の種類ごとに税率を分けて計算し、それぞれを合計する点が重要です。

贈与税の計算方法5ステップ

贈与税の計算は複雑に見えますが、手順を整理すれば順を追って考えることができます。

ここでは、実際の申告を想定した5つのステップを順に見ていきましょう。

【ステップ1】1年間で贈与された財産の合計額を確認する

贈与税は暦年課税制度に基づいて、1月1日から12月31日までに受け取った財産の合計額に対して課税されます。

そのため、まずはその年にどの親族から、どのくらいの財産を受け取ったのかを正確に把握する必要があります。

 

現金や預金だけでなく、不動産や株式、車なども対象となるため注意しましょう。

【ステップ2】適用できる控除・特例を確認する

次に行うことは、受け取った財産から差し引ける控除や特例の確認です。

これらを活用することで、課税対象額を大幅に減らせる場合があります。

 

以下に代表的な制度をまとめます。

 

【基礎控除】

年間110万円までは非課税となる制度です。

どのような贈与にも一律で適用されます。

 

【配偶者控除】

婚姻期間が20年以上の配偶者から居住用不動産、またはそれを取得するための資金を贈与された場合に適用されます。

最高2,000万円まで非課税です。

 

【住宅取得等資金の非課税措置】

父母や祖父母から住宅取得やリフォームの資金を受け取った場合に使える制度です。

非課税限度額は契約時期や住宅の性能によって変動します。

 

【教育資金の一括贈与の非課税措置】

祖父母などから教育資金を一括で贈与された場合に適用されます。

1人あたり最大1,500万円まで非課税となります。

 

【結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置】

結婚や出産、育児にかかる費用を目的に贈与を受けた場合に利用できます。

1人あたり最大1,000万円までが非課税です。

 

このように控除や特例を正しく活用することで、贈与税の負担を軽くすることが可能です。

ただし、制度には適用条件や利用期限があるため、利用する際は最新の情報を確認しましょう。

【ステップ3】課税価格を計算する

合計額から控除や特例を差し引いた後の金額が課税価格となります。

例えば、500万円の贈与を受け、基礎控除の110万円を差し引いた場合の課税価格は390万円です。

 

課税価格を求めることで、次の税率計算に進むことができます。

【ステップ4】税率表に当てはめて税率と控除額計算する

課税価格が算出できたら、国税庁が定める「一般税率」または「特例税率」の表に当てはめます。

受贈者の立場や贈与者との関係によって適用される表は異なるため、誤りのないよう確認が必要です。

 

例えば、課税価格が390万円で特例税率が適用される場合、税率15%、控除額10万円を使用します。

【ステップ5】贈与税を計算する

最後に、課税価格に税率をかけて控除額を差し引きます。

これが実際に納めるべき贈与税額となります。

 

計算式は以下の通りです。

 

課税価格 × 税率 − 控除額 = 贈与税額

 

この算式を正しく当てはめることで、最終的な税額が算出されます。

【計算例】贈与税の税率と税額

では、具体的にこれまでのステップを使って計算してみましょう。

 

例:父から500万円の贈与を受けた。
  受贈者は18歳以上の子であり、特例税率が適用される。

 

【ステップ1】贈与財産の合計額は500万円です。

 

【ステップ2】基礎控除110万円を差し引きます。課税価格は390万円です。

 

【ステップ3】課税価格390万円を算出しました。

 

【ステップ4】特例税率表で「400万円以下」に該当します。税率15%、控除額10万円が適用されます。

 

【ステップ5】計算式に当てはめます。

 

390万円 × 15% − 10万円 = 48万5,000円

 

この場合、納めるべき贈与税額は48万5,000円です。

 

ステップに沿って順序立てて考えることで、贈与税の計算はスムーズに進められます。

贈与税は最大で何パーセント軽減できる?知っておきたい制度

贈与税は制度を正しく利用することで、大きく軽減できる場合があります。

代表的な方法として「家族信託」「不動産の組み換え」が挙げられます。

いずれも専門的な知識が必要ですが、仕組みを理解すれば節税の選択肢として有効に活用できます。

家族信託

家族信託は、財産の管理や承継を家族に託す仕組みです。

贈与と異なり、財産の名義を移転せずに管理や利用を委ねられるため、すぐに贈与税が課税されるわけではありません。

 

例えば、高齢の親が自宅や金融資産の管理を子どもに任せたい場合、家族信託を利用すれば贈与税の発生を抑えつつ資産を承継する準備ができます。

その結果、贈与税を負担するタイミングを後ろ倒しにし、資産の承継を柔軟に進められるのが特徴です。

 

ただし、信託契約の設計を誤ると税務上のトラブルにつながる可能性もあるため、専門家に相談して進めることが重要です。

不動産の組み換え

不動産を使った贈与では「不動産の組み換え」を行うことで贈与税を軽減できる場合があります。

例えば、評価額の高い不動産をそのまま贈与すると税負担が大きくなります。

しかし、分割可能な土地を区画ごとに分けて贈与したり、収益性の低い物件へ組み換えたりすることで課税価格を抑えられるのです。

 

また、小規模宅地等の特例などと組み合わせることで、実際に負担する贈与税が数十パーセント軽減されるケースもあります。

 

ただし、不動産評価は地域や形状、利用状況によって変わるため、必ずしも一律で軽減できるわけではありません。

不動産の組み換えを検討する際も、税理士や不動産の専門家に相談することが安心につながります。

贈与税は何パーセントになるかについてよくある質問

贈与が何パーセントかかるのか気になる方が多い一方で、税率や計算方法はやや複雑に見えがちです。

財産の種類や贈与者との関係によって適用される税率が異なるため、正しく理解しておく必要があります。

 

ここでは、よく寄せられる代表的な質問を取り上げ、相続税との比較や株式、土地を贈与された場合の計算方法について整理しました。

Q.贈与税の税率と相続税の税率はどちらが高いですか?

贈与税と相続税はいずれも財産の移転にかかる税金ですが、税率構造は異なります。

一般的に、贈与税は相続税よりも税率が高く設定されています。

 

その理由は、生前贈与を利用して相続税を回避することを防ぐためです。

例えば、同じ金額の財産を移転する場合でも、贈与税を選ぶと税負担が重くなることがあります。

 

ただし、教育資金の一括贈与の非課税措置や住宅取得資金の非課税制度などを活用すれば、贈与税の負担を大幅に減らせる可能性があります。

一律に「必ず贈与税が高い」と断定するのではなく、自分の状況に合った制度を利用して最終的な負担を比較することが大切です。

Q.株式の贈与を受けた場合、贈与税の税率はどのように計算しますか?

株式を贈与された場合も、基本的な計算方法は現金や不動産と同じです。

課税価格を算出し、基礎控除や特例を差し引いた後に、該当する税率表を使って税額を計算します。

 

株式の場合は「時価評価」が必要です。

上場株式であれば贈与日を含む月の終値や平均値をもとに算定し、非上場株式であれば会社の財務状況や株式の評価方式に基づいて評価額を決定します。

 

このように、株式は評価方法が複雑なため、贈与税の計算額も不動産や現金より手間がかかります。

誤った評価を避けるためにも、専門家に確認しながら進めることが望ましいでしょう。

Q.土地を贈与された場合、贈与税は何パーセントになりますか?

土地を贈与された場合でも、贈与税の仕組みは他の財産と同じです。

まず、1年間に受け取った財産の合計額から基礎控除110万円を差し引き、課税価格を算出します。

そのうえで、一般税率または特例税率の表に当てはめ、税率と控除額を用いて贈与税額を計算します。

 

土地の贈与で重要なのは「評価額の算定方法」です。

土地の価値は固定資産税評価額や路線価、公示価格などを基準に決められます。

市街地の土地は路線価方式が多く、国税庁が発表する路線価を1㎡ごとに掛け合わせ、面積を用いて評価額を求めます。

 

評価額が決まったら課税価格をもとに税率を適用します。

例えば、父から子に土地を贈与した場合、受贈者が18歳以上なら特例税率が使えます。

課税価格390万円なら税率15%・控除額10万円を用いるため、贈与税額は48万5千円です。

 

このように、土地の贈与税は一律の「何パーセント」ではなく、評価額や贈与者との関係によって変わります。

贈与を受けた際には、評価額を正しく算定し、税率表を確認することが大切です。

 

贈与税は何パーセントになるかについてまとめ

ここまで、贈与税の税率や計算方法、軽減できる制度について解説してきました。

要点を整理すると以下の通りです。

 

  • 贈与税には「一般税率」と「特例税率」があり、贈与者と受贈者の関係によって適用される税率が異なる
  • 贈与税の計算は、財産の合計額を確認し、控除・特例を差し引いた課税価格を基準に税率表を用いて行う
  • 家族信託や不動産の組み換えといった制度を利用すれば、贈与税を数十パーセント軽減できる場合もある

 

贈与税は事前に知識を持って備えておくことで、家族の資産承継をより安心して進められます。

今回の記事が、贈与や相続を検討する際の参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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